2021-2022WEリーグに新規参入した大宮V。9試合28本のデータを採取しています。
 
以下にS広島Rの2021-2022のコーナーキックの状況の概容と、2022-2023の予想を記載していきますが、原則下図のような配置を基に述べていきます。
 
 

  青字:15試合以上先発した選手         青字:新加入選手
  緑字:15試合以上出場した選手         緑字:2種登録 
  橙色:10試合以上出場した選手
  赤字: 5試合以上出場した選手
  黒字: 上記以下の選手
  下線:引退・移籍など
  * :冬期入団選手

 

他チームに関してはWEリーグ2022-各チーム戦力予想 2022/08/09 を参照。

 

攻守の配置の1例を示します。

 
 
(1)2021-2022シーズンの全般傾向。
 
リーグ戦で得点無し、失点3平均より少し悪い。
 
攻撃は、G前密集陣形・ピックプレーなど、工夫をそれなりにやっているのだが、結果には結びつかなかった。
 
レベルを(A)~(E)で評価。あくまで私の視点です。
 
① 高さ関係:まずまず(B-)
10人平均で162.0cmで 5位。競り合う5人平均なら165.6cmでこちらも 5位。
ほぼ平均のイメージ。
 
② 軸になる攻撃:まだ無い(D)
ニアへ50%(全データ平均47.0%)、正面~ファーサイドに50%とややニア重視の配球。
中村選手・左山選手・上野選手らを、GK脇からニアへ出させるプレーを盛んにやっていて、軸にしたかった様に見えたが、結果が伴わなかった。
 
③攻撃の工夫・戦略:工夫は多くやっていた(B)

2021-2022シーズンで、頻度的に言うと最も工夫していたのがS広島R。

G前密集陣形9回、なでしこトレイン4回、ピックプレー8回など、約8割のコーナーキックで何らかの工夫を見せていた。

ただ、工夫と言ってもシンプルなモノが多く、あまり深く練られてはいなかった。

なお、ショートコーナーはほとんどやらないようで確認できたのは1回のみ。

 

④守備力:まとまっていた(C)
シュートを打たれる割合が、2021-2022は23.1%と平均(24.2%)とほぼ同等(独自集計)。
初年度としては悪くなかったと思う。
 
 
(2)データ
 
A.なでしこリーグ・リーグカップ、WEリーグ公式記録より
 
 
 
B.独自収集データより
あくまで、私が観戦・ブログ化した試合が対象ですし、独断と偏見で判断して集めたデータです。
①シュート率・被シュート率の集計表とグラフ2枚。
②左右CKの集積図
③位置・先着率分布表
 
 

 

 

イメージ 1

 

 

(3)詳細評価

 

以下話が長いです。興味のある方は読んでいただければ幸いです。

 

A.攻撃詳細

 
2021-2022リーグ戦で得点無し。

 

 

ただ、私の独自データでは、シュート打ち率9.5%(平均24.2%)と激低、フリー先着率0%(平均16.7%)と全く褒められない。

チーム結成1年目だし、コーナーキックを深くやっている時間がなかったのだろうか?

2年目以降に期待したい。

 
a)ニアでの合わせ(D)
 
中村選手・左山選手・上野選手らを、GK脇からニアへ出させるプレーを盛んにやっていて、
軸のプレーにしたかった様に見えたが、結果が伴わなかった。
 
このチームはピックプレーに長けた中村選手をブロッカーに使って、上野選手や左山選手を走り込ませたる方が、得策だと思う。
 
b)中央からファーでの競り(D)
 
左山選手(167cm)や上野選手(166)、中村選手・松原優選手(165)とそこそこ高身長な選手がいるので、戦えると思っていたのだが、先着率15.4%(全データ平均33.1%)と冴えない。
走行線をクロスさせたりしていないので、工夫不足も多少はあるだろうとは思うが、ここまで悪い理由はちょっと思い浮かばない。
 
 

c)ショートコーナー・ローボール(D)

 
ショートコーナー1回、ローボール3回を確認していている。

ただ、ローボールと言っても、前述のGK脇からニアへ出てくる選手に合わせるもので、ミドルシュートを打たせるためのモノでは無かった。

 

 
d)キッカーと戦術選択(C-)
 
2021-2022シーズンは小川選手がメインキッカー。あまり特別な球種を蹴るタイプでは無い。
 小川選手(16/8)、松原選手(2/0)、近賀選手(1/1)。(左/右)
 
e)ピックプレー(B-)
 
8回確認していて、頻度的にはリーグ1。
だが、新潟L時代の中村選手や、プレシーズンマッチの様子からすれば、もっと効果的なプレー:「ガッツリ掛かっているところ」を見られるかと思っていたが、期待ほどでは無かった。
なんか使いどころが私のイメージとは違った。
 
 
f)ゴール前密集隊形(C)
G前密集陣形を9回確認していて、リーグ1。
だが、普通に密集に向かって蹴るイメージの戦略だった。
AC長野や千葉Lのように、「守備選手をG前に集めておいて、その外側を使う」というような工夫は確認できていない。
 

g)相手ゴールキーパーの守備範囲限定(D)
 
柳瀬選手がGK脇にセットすることが多かった。
まだ、テクニックとか持っていなさそうだった。
 
h)その他
 
特にはない。
 

B.守備詳細
 
a)基本守備体系
① 基本は、マンツーマンディフェンス。10人守備。
ゾーン固定するのは以下の2パターン。
・3人体制 ニアポスト脇:川島選手、約5mニアポスト前:小川選手・約5mG正面:上野選手。
・2人体制 ニアポスト前に川島選手・上野選手を並べる。
シーズン終盤になって2人体制が増えていっている。
 
②ショートコーナーには、積極的に対応していた。
 
 
b)各選手の傾向・特徴
 
フォーメーションを冒頭の図だとし、記述する。
・走り込む相手に対応しているのは、中村選手・左山選手・松原優選手・木崎選手・谷口選手らだが、基本は密着守備タイプ。
ただ、中村選手・木崎選手は柔軟に対応していて、距離を取ることも多い。
 
c)マンツーマンのマークの強さ(C-)
 
平面戦の評価はチームで 5.01(リーグ平均で5.2)と良い。
**採点は、3点完璧なディフェンス勝ち、4点ディフェンス勝ち、5点イーブン、6点オフェンス勝ち、7点オフェンスフリー、8点オフェンス"ど"フリーで評価。
 
フリーで先着を許したのが、2021-2022は13.6%と平均(16.7%)やや上。
シュートを打たれる割合が、23.1%と平均(24.2%)とほぼ同等(独自集計)。
 
3つの指標を見る限り、競ってから少し負け気味。
 
 
d)ゾーン配置選手(ストーン)の強さ(B-)
 
上野選手はリーグでも強い方に入る。
 
e)逆襲力(B)
 
10人守備をやるチームなので、逆襲能力は基本的に低い。
だが、中嶋選手がドリブルで2人・3人を翻弄するのを期待している人は少なくないと思う。
 
f)統制(B)
中村選手中心に良く統率されている。
ただ、AC長野戦で、中村選手がピックプレーの目標にされて、自分の事で手一杯になっていた。
中村選手がヘルプを必要とした時、誰もできないのが、現状だと思う。
 

(4)過去の傾向・推移
チーム結成初年度なので省略
 
a)キッカー
b)ヘディング力
c)攻撃のメインターゲット・頼れるプレー
d)ピックプレー
e)守備の統制
 
 
(5)2022-2023シーズンの予想など

 

瀧澤千選手を獲得した。

私が期待するのは、中嶋選手と併走しながらの逆襲力。

 

他の選手は全員契約更新なので、基本的には変わらないと思う。

ただ、2年目になって、セットプレーにも練習時間を割けるようになるだろう。

2021-2022よりは、大規模で深いプレーを見せてくれることを期待したい。

 

(2022/09/04時点)。

 

履歴
 2022/09/04 作成
 
 

 

以上です。
 

*********

ブログ内関連記事
 
*********
 
関連記事など、外部リンク