第14節1つ目、10月10日の試合で、C大阪堺@愛媛県総合運動公園球技場
https://www.youtube.com/watch?v=szNWMqoOfOU


このカードは開幕戦でも当たっていて、C大阪堺が2点のビハインドをひっくり返して愛媛Lを下している。展開的には、試合を通してC大阪堺が優勢に進めていた。


 

愛媛Lは、同じ昇格組としては負けられないところだが、完封で3連敗中。
内容的にも苦しい戦いを続けていて、チャンスを作るのにも苦労している。
開幕当初から武器になっていた左サイドだが、このところ警戒されて自由にならない。
結構な確率で抜いていた14山口選手のドリブル突破も、研究されているのだろう。止められる事が多くなっている。
この試合は、前節ホイッスル直後に足を痛めその後フル出場した28呉屋選手がベンチ外で、22武田選手を起用。
また、前節と同様にバックラインの19佐藤選手27筬島選手の配置を入替、
新たに、サイドハーフ9大矢選手14山口選手の左右入替を行っている。

また、守護神GK1三田選手が先発で帰ってきたのは朗報。



一方のC大阪堺は、ここ3戦、ノジマには完勝、浦和には耐えてスコアレスドロー、新潟Lにはやや押し気味に進めていてリードし、後半飲水タイム後に猛攻に遭ったが、耐えて勝利。
勝ち点を確実に積み上げている。
最近の試合は3-4-3。竹花監督は状況によって4-4-2と使い分けていきたいと話している。
バックライン中央に入った11宝田選手は、守りで強さを出しているだけでなく、左右にロングフィードを送って、攻撃の起点にもなっている。



試合結果は愛媛Lの逆転勝ち。

ただ、チャンスの数と質・ボール支配、いずれも終始C大阪堺が優勢だった。

 

 

愛媛Lは第3節以来の勝利。ただ喜んでばかりでは居られない。

まず、試合を通して押し込まれていたこと。

開幕以来、繋ぐことに拘りを持っているのは理解するが、ただ無難なだけとも取れるパスも目立つ。だからビルドアップを狙らわれ易い。

そこへ、この試合開始早々19佐藤選手が負傷退場。大事に至っていないことを願う。

主戦のバックスが2人不在となっては、厳しいだろう。

 

 

C大阪堺は第6節以来の負け。

2得点目を相手GK三田選手からもらったが、その後はファインセーブを繰り返され、3点目をさっさと奪えなかったことで、流れを失った。

 

2失点目は、18阿久根選手GK西中選手にぶつかっていて、ファールだったと、C大阪堺側の方々は思っておられるだろう。

私も半分以上同感なのだが、ぶつかったのは11宝田選手に押されての事で、バスケット並に笛を吹けばPKだとも思う。

この選手「やばい!」となった時に、手で押すところをよく見る。

また、そもそも論を言えば、4松原選手18阿久根選手に安易に前をとられたのが原因。

まだまだ、C大阪堺守備陣の個人技には課題を多く見かける。




得点

27分(26:47 ポインタ41:52) (8m右)6井上選手(クロス10m左ポスト前)2松永選手(クリア25m左)30荻久保選手(シュート・18m右)2松永選手(ブロック20m正面)7北村選手(シュート)

50分(49:41 ポインタ1:21:44) (20m左TH)14山口選手(25m左サイド)17上野選手(25m左ライン際)7西川選手(15m左サイド)8松本選手(10m左)18阿久根選手(15m左ポスト前)17上野選手(シュート)

58分(57:09 ポインタ1:29:13) (30m正面)GK1三田選手13矢形選手(ブロック・7m正面・シュート)

59分(58:13 ポインタ 1:30:16) (60m右サイド)2松永選手(40m右ライン際)9大矢選手(15m右ライン際)8松本選手(20m右サイド)2松永選手(クロス・4m右ポスト前)GK西中選手ファンブル(6m右ポスト前)18阿久根選手(シュート)

80分(79:14 ポインタ1:51:18) (65m左ライン際)14山口選手(55m左サイド)17上野選手(~30m左→15m左)25齋原選手(シュート)

~:ドリブル


 YouTube 前半:+15:05 後半+32:04


その他主なチャンス
  SB:Shoot Block SC:Shoot Cut ES:Easy Save S:Save FS:Fine Save B:Bar P:Post 
  F:Free(GKと1対1など) 


愛媛L
18:18~,43:19~SB,CK44:37~
64:10~,65:16~SB,65:35~,66:12~,CK86:20~,CK94:00~,95:02~S


C大阪堺
04:00~SB,CK04:37~,06:14~,10:29~F,FK13:31~,25:02~FS_S,28:02~F,29:17~,CK30:21~S,31:54~
50:50~F,CK55:18~,55:32~,64:20~S,68:35~FS,CK70:39~,71:12~FS,CK72:14~,78:01~FS,CK78:48~SB,87:16~FS,CK87:49~,FK91:48~


では、いつもの通り、コーナーキックを分析していく。



(1)両チームのディフェンスシステム

愛媛Lはマンツーマン中心で3人のゾーン配置固定。
C大阪堺はゾーンディフェンス。17上野選手22武田選手28浜野選手30荻久保選手をマンマークに付けた。




ちなみに。先発選手を身長順に並べると以下のよう。


愛媛L GK1三田170
  22    17    27       9       2     19    14     7      18       8

武田 上野 筬島 大矢歩 松永 佐藤 山口 西川 阿久根 松本
 172  166   161    160    159   159   158   157    157    151

C大阪堺 GK27西中168
  11    4     28     7       30       3     13     6   10   32
宝田 松原 浜野 北村 荻久保 脇坂 矢形 井上 林 小山 
 170  165   162   161    161    160   159  158 157 157

ほぼ互角のマッツアップ関係。



(2)統計 

例によって、私が採っているSTATSを紹介します。

              愛媛L    C大阪堺
コーナー本数               
得点(1次攻撃)             


センタリング→シュート         0/2
センタリング→パス    0/1     0/2
ルーズボール                 

クリアー                  1/1
キーパーパンチ               
キーパーキャッチ            1/0
 * フリー/競り合い
オフェンスファール             
ディフェンスファール            
キックミス                  
ショートコーナー不発           
時間つぶし                  
直接ゴール                  
オウンゴール                  


フリーになった選手     0      2/1
    (ボール受け/ボール来ず)
ピックプレー:推定含む         2/0
     (成功/失敗)



(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー


A.愛媛Lのコーナーキック

a)体制

キッカーは7西川選手(左利き)と27筬島選手(右利き)。
受け手側は、以下のように始まった。

・ニアへ: 17上野選手
・正面からファー:22武田選手2松永選手4鎌田選手
・GK脇: 18阿久根選手
・ショートコーナー:27筬島選手
・コボレ狙い: 9大矢歩選手8松本選手
・セーフティー: 14山口選手


b)結果概要

1本目 (44:37) 右CK ショートコーナー 7西川選手27筬島選手9大矢歩選手クロス・13矢形選手ブロック
2本目 (86:20) 左CK 27筬島選手4鎌田選手折リ返シ→30荻久保選手クリア→22武田選手ブロック→11宝田選手クリア→13矢形選手28浜野選手持チ上ガリ。
3本目 (94:00) 左CK 時間ツブシ 27筬島選手20横山選手7西川選手



c)全般的な印象と特記すべきプレー

特記すべきことはない。

B.C大阪堺のコーナーキック

a)体制
 

キッカーは10林選手(右利き)。
受け手に関しては、以下の体制で始まったが、その後もほぼ同じ。

・ニアへ:13矢形選手
・正面からファー: 4松原選手30荻久保選手11宝田選手
・GK脇: 28浜野選手
・ショートコーナー: 7北村選手
・コボレ狙い: 3脇坂選手
・セーフティー: ・6井上選手32小山選手



b)結果概要

1本目 (04:37) 左CK 10林選手27筬島選手コボレ→28浜野選手コボレ→GK三田選手セーブ。
2本目 (30:21) 左CK 10林選手4松原選手ヘディングシュート→GK三田選手パンチング→18阿久根選手クリア。
3本目 (55:18) 右CK 10林選手GK三田選手ファンブル→22武田選手ヘディング→14山口選手クリア。
4本目 (70:39) 左CK 10林選手4松原選手コボレて(2松永選手に当たって)Gラインを割る。

 


5本目 (72:14) 右CK 10林選手30荻久保選手ヘディングシュート。左へ外れる。
6本目 (78:48) 右CK 10林選手17上野選手ヘディング
30荻久保選手回収→4松原選手7北村選手クロス22武田選手ヘディングクリア
3脇坂選手回収・シュート→22武田選手ブロック→18阿久根選手クリア。
7本目 (87:49) 右CK 10林選手28浜野選手ナガシ→20横山選手ブロック→GK三田選手キャッチ。



c)全般的な印象と特記すべきプレー

まず、7本全て、ゴールエリアの枠線上に蹴った10林選手の精度に感心した。

7本の結果を図2枚に分けざるを得なかったは初めてじゃないかな?


本題は受け手側。

C大阪堺は、10mファーポスト前辺りに密集を作ることがあるが、いつもは普通に走り出すだけで、何が起きるわけでもない。が、4本目(70:39)は違った。

 

ピックプレーが2つ起こっている。

28浜野選手22武田選手をブロック。11宝田選手がフリーでファー側へと走り出している。ブロック&ラン(2-5:リンク参照)のピックプレー。

②上の動きで、28浜野選手8松本選手22武田選手が塊になったが、4松原選手がそのファー側から走り出ている。マークの4鎌田選手が、塊の裏側を回されたことによって、約2m離されている。ブロックは掛かっていないが、ラッシュ&ピックB(2-3:リンク参照)のピックプレーの形。

 


動画:5秒前から始まります。
https://www.youtube.com/watch?v=szNWMqoOfOU&feature=youtu.be&t=6157

なお、5本目はほぼ同じ配置から始まっているが、ただ拡散しただけだった。

4人集まるのは話し合っての事だろうし、多少の練習もしているだろう。

が、相手の偶然の混乱は期待しているが、それ以上の狙いは、今のところ無いと思われる。

4本目の28浜野選手による22武田選手へのブロックさえ、偶然の産物の可能性も有ると私は思っている。

 以上です。

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2-3 局面的な技術:パターン① ラッシュ&ピックB 2015/11/29

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4-229 なでしこリーグ C大阪堺 3-2 愛媛L  2020/07/23


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【公式】第14節フルマッチ:愛媛L vs C大阪堺 2020プレナスなでしこリーグ1部 2020/10/10 愛媛県総合運動公園球技場
https://www.youtube.com/watch?v=szNWMqoOfOU

C大阪堺_HP
なでしこリーグ1部 第14節 愛媛L戦|試合後の監督・選手コメント
https://www.cerezo-sportsclub.com/news/?id=107031