第1節2試合目の投稿は7月18日JG堺S1の試合。
https://www.youtube.com/watch?v=B7bw9Bttc5M
今年の1部は各節全5試合を配信。満遍なく各チームを見ていきたい。
新型コロナウィルスによる日程の再編成で、東6と西4に分かれての最初の2節。
まず西の4チームから済ませておくと言うのと、昇格2チームを把握するために、
この1戦をブログにしておきます。
両チームとも昨年の皇后杯を見る限り、今年は厳しいだろうという印象だった。
キーマンと呼べるような大型の補強もしていないし、この半年以上の期間に何を期待して準備してきたかが注目点である。
C大阪堺は大黒柱11宝田選手が怪我から復帰。
一昨年1部で戦ったメンバーを中心に、有望なヤング世代を取り込んできている。
だが、このチームはスタミナと攻撃力はまずまずだが、守備が見劣りする傾向が続いている。
これまで何度も書いてきたが、ベテランの理論派守備選手かGKを補強して、締めてもらえば・・・と思う。
また、C大阪堺がWEリーグに参加しないとは考えにくいし、だとすれば女性スタッフ規定数を埋めるためにも、引退間近の理論派選手は必要なのじゃ無いかな?とも考える。
でも、純血主義優先なんでしょうね。
一方の愛媛Lは、なでしこリーグ1部を中心に見て来た私はあまり知らない。
2018年2部での伊賀FC戦の現地観戦と、昨年の皇后杯の配信観戦くらいだ。
さらに、そのときの印象があまり残っていないし、「よくわからん」ままです。
強いて言えば、以下の2つくらいか?
①比較的小柄な選手が多い。
②攻守とも流動的に動き、システムを変えることもしばしば。
配置図を作成するのに最も時間が掛かるチーム。
さて試合は、愛媛Lが先制したものの、C大阪堺が終盤に得点を重ね30分足らずの間に大逆転。
終盤に運動量・切り替え速度ともに落ちていく愛媛Lと、衰えないC大阪堺の構図になって、
C大阪堺が一方的に攻め、愛媛Lが耐える展開になった。
勝ったC大阪堺はある意味ゲームプラン通りだったのだろう。
前半の中頃からプレスが効き出して、以降あまり攻め込まれることも無くなって、優勢に進めることができていた。
が、数少ないピンチの場面でのディフェンスが粗く、粘れないように感じた。
また、後述の通りコーナーキックの守備にも問題が露呈して、
根本的に守備面で不安定なのは、2018年のままだという印象だった。
次の伊賀FC戦で、それがハッキリすると思う。
負けた愛媛Lは、厳しいですね。ビルドアップで苦戦していては。
皇后杯でも指摘したが、パスが短く遅い。
相手の出足を止めるようなドリブルや飛ばしパスが少なく、ズルズルとバックパスで後退するシーンが頻発している。
プレッシャーに引っ掛かる典型的なパターン。
また、良い形でボールを奪っても、次のドリブルやパスの向きが後方になりがち。
1部の中堅以上のチームから点を取ろうとしたら、早い切り替えが必要だろうが、その可能性を感じられなかった。
愛媛Lは今年相当苦労するだろう。
得点:
12分(11:05~) (右CK)7西川選手(ショートコーナー・10m右ライン際)27筬島選手(30m右)4鎌田選手(20m左)9大矢選手(クロス・5m右)19佐藤選手(ヘディングシュート)
61分(60:14~) (20m右TH)19佐藤選手(15m右)18阿久根選手(25m右)4鎌田選手(クロス8m左)14山口選手(ヘディング折り返し・8m正面)17上野選手(反転シュート)
64分(63:00~) (35m正面)10林選手(25m左)7北村選手(5m左)11宝田選手(クロス5m右ポスト前)13矢形選手(ヘディングシュート)
85分(84:25~) (40m左サイド)28浜野選手(35m左)10林選手(~25m左ポスト前→8m左)11宝田選手(シュート)GK吉原選手(セーブ・混戦コボレ10m左)32小山選手(シュート・1m正面)14山口選手(カット・4m正面)10林選手(シュート)
93分(91:58~) (40m右ライン際)10林選手(30m正面)3脇坂選手(25m左ポスト前)7北村選手(25m正面)3脇坂選手(15m右ポスト前)11宝田選手(シュート)
~:ドリブル
YouTubeポインタ操作 前半:+15:53、途中スキップ、26:21以降は+15:23。
後半:+31:23
その他主なチャンス
SB:Shoot Block SC:Shoot Cut S:Save FS:Fine Save B:Bar P:Post
F:Free(GKと1対1など)
・C大阪堺
03:59~SB,CK18:59~,CK19:32:~,20:10~,27:01~SB,28:17~,31:55~S,33:55~SB,CK34:30~SC,CK35:06:~,36:35~S,44:33~FS,CK45:33+:~
FK55:29~,56:57~SB,FK62:19~S,62:55~SB,72:32~S,73:37~SB,CK74:11~,77:45~SB,88:22~
・愛媛L
18:00~S,21:30~SB_SB,CK22:45~
50:18~SB
では、いつもの通り、コーナーキックを分析していく。
(1)両チームのディフェンスシステム
C大阪堺は2-3-1(+2)のゾーンディフェンスで、2人のマンマーク。
2018年1部で13点取られたコーナーキックの守備が改善しているのか?が注目。
愛媛Lは9人守備。マンツーマン中心で2名の固定配置。
ちなみに。先発選手を身長順に並べると以下のよう。
C大阪堺 GK27西中168
11 25 28 7 3 13 6 10 32 29
宝田 田畑 浜野 北村 脇坂 矢形 井上 林 小山 宮本
170 164 162 161 160 160 158 157 157 150
愛媛L GK31吉原167
17 28 27 4 9 19 14 7 18 8
上野 呉屋 筬島 鎌田 大矢 佐藤 山口 西川 阿久根 松本
166 165 161 160 160 159 158 157 157 151
C大阪堺やや有利だが、互角の範囲。
ただ、エース11宝田選手に付いているのが、19佐藤選手。
まともにやっては、守り切れないだろうから、どうするのか見物。
(2)統計
例によって、私が採っているSTATSを紹介します。
C大阪堺 愛媛L
コーナー本数 6 2
得点(1次攻撃) 0 1
センタリング→シュート 0 1/0
センタリング→パス 0 0
ルーズボール 0 0
クリアー 5/0 1/0
キーパーパンチ 0 0
キーパーキャッチ 1/0 0
* フリー/競り合い
オフェンスファール 0 0
ディフェンスファール 0 0
キックミス 0 0
ショートコーナー不発 0 0
時間つぶし 0 0
直接ゴール 0 0
オウンゴール 0 0
フリーになった選手 1/1 0
(ボール受け/ボール来ず)
ピックプレー:推定含む 0 0
(成功/失敗)
(3)コーナーキックの内容と特記すべきプレー
両チームとも守備組織の脆さを露呈している。
C大阪堺は、ゾーンからライン守備への切り替え時のミス、愛媛Lは単純なマーク漏れを犯している。
A.C大阪堺のコーナーキック
a)体制
キッカーは3脇坂選手で右利き。
受け手は以下のパターンが4本有った。ほぼ固定的と言って良い。
・ニアへ:28浜野選手・25田畑選手・
・正面からファー: 11宝田選手・7北村選手
・GK脇: 13矢形選手
・ショートコーナー: -
・コボレ狙い: 6井上選手・10林選手
・セーフティー:29宮本選手・32小山選手
b)結果概要
1本目 (18:59) 左CK 3脇坂選手→17上野選手ヘディング。再GK。
2本目 (19:32) 右CK 3脇坂選手→17上野選手ヘディングクリア。
3本目 (34:30) 右CK 3脇坂選手→17上野選手ヘディンクファーへ流れる→7北村選手シュート→7林選手ヘディッングでカット。再CK。
4本目 (35:06) 左CK 3脇坂選手→17上野選手クリアミス・18阿久根選手・17上野選手クリア。
5本目 (45:33+) 右CK 3脇坂選手→17上野選手カット・クリア・3脇坂選手ブロックも外へ。GK。
6本目 (74:11) 右CK 3脇坂選手→GK吉原選手キャッチ。
c)全般的な印象と特記すべきプレー
C大阪堺は、2018年1部でコーナーキックから無得点に終わっている。
この試合を見る限り、攻撃に関して約1.5年の間に進歩は無かった様だ。
また、守備に関しても後述の通り、進歩が見られない。
①コーナーキックのコース・タイミングと、走り込みが合っていない。
②11宝田選手に付いているのが19佐藤選手なので、高さのミスマッチが大きいが、そこを狙っていない。
ただ、6本目にチャンスがあった。
両チームに選手交代が有ったため、愛媛Lの守備にマーク漏れが発生。
28浜野選手がフリーになっていた。
ボールは28浜野選手の頭上を惜しくも越えたが、このプレーだけは、タイミング的に合っていた。
B.愛媛Lのコーナーキック
a)体制
キッカーは右CKを7西川選手、左CKを27筬島選手が蹴った。共にインスウィング。
2本目に普通にゴール前に上げたが、受け手は以下のパターン。
・ニアへ:17上野選手・28呉屋選手
・正面からファー:4鎌田選手
・GK脇:18阿久根選手
・ショートコーナー:7西川選手
・コボレ狙い: 8松本選手・9上野選手・19佐藤選手
・セーフティー: 14山口選手
b)結果概要
1本目 (11:05) 右CK ショートコーナー7西川選手→4鎌田選手→9上野選手クロス→19佐藤選手ヘディングシュート・ゴール!
2本目 (22:45) 左CK 27筬島選手→3脇坂選手クリア。
c)全般的な印象と特記すべきプレー
愛媛Lは特に仕込みと言うべきプレーは無かった。
1本目ショートコーナーから得点を上げたのではあるが・・。
おそらく、苦し紛れに回していただけで、計画とは全く違うゴールだったはず。
身長が高いとは言えないチームだ。
しっかり仕込まないと多くの得点は望めないだろう。
https://www.youtube.com/watch?v=B7bw9Bttc5M&feature=youtu.be&t=1613
/ ポインタ 26:58~ キック5秒前からスタートします。
なおここでは、C大阪堺の守備がお粗末。
①ショートコーナーや2次攻撃に対し、ゾーンディフェンスをどう解体して、どんなライン守備に移行するのか曖昧過ぎる。
②個人で言えば、10林選手や11宝田選手がクロスが上がった時点で、攻撃選手を誰も捕まえていないと言うのは、主軸としての自覚を疑う。
私が高倉監督なら、こんな守備しかできない選手を代表に呼んだことを恥じるだろう。
③このプレーで19佐藤選手に目の前で決められたのは29宮本選手ではあるが、私は責める気はしない。
「危ない選手を探して捕まえていた」のは、3脇坂選手と、29宮本選手だけだし、29宮本選手の周囲は部分的に1対2の劣勢だったのだから。
2018年1部で、コーナーキックから13点取られたC大阪堺。
そんなC大阪堺に対して、愛媛Lが1本目からショートコーナーをやってきたと言うことは、2019年のC大阪堺は、2部でもこのような傾向が有ったからだろう。
この失点は先が思いやられる。
C大阪堺で、ちゃんとした反省会がなされていることを願う。
全くの想像だが、コーナーキックに限らず、C大阪堺は選手の自主性や成長に期待しすぎているし、その方針だけを続けていて、首脳陣の構想基づく強い指導を行っていないのでは?
もしそうであれば、私は良くないと思う。
組織の方針は「一貫したもので有るべき」とか、「継続力なり」はと言うのは、GMや指導者の怠慢だ。
時には、「型填め」だと不満が噴出するような指導もやらないと、選手たちはどのラインまでが、「無意味な型填め」かは、体感でわからないはず。
意識付けをしつつ、方針を揺れ動かすことによって、各選手が考え、成長するのである。
①自分に合ったスタイルを見つけることができるし、
②不得手なスタイルにでも、合わせることができるようになる。
話が上手なベテラン選手が居れば少しは違って、身にしみる経験談を話してもくれるだろう。
そういう意味でもベテランを移籍で獲得すべきだと思うんだけどな・・C大阪堺は。
以上です。
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【公式】第1節フルマッチ:C大阪堺 vs 愛媛L 2020プレナスなでしこリーグ1部 2020/7/18 J-GREEN堺S1メインフィールド
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