まだ移籍市場が動いていますが、新体制が発表されたチームから、2022-2023WEリーグ戦と来期に向けたコーナーキックについてまとめて行きます。
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2018年からMycujoo配信やなでしこリーグのYouTube配信が始まり、2020年は全試合YouTube配信、2021-2022はDAZNとなり、各チームを均等に観戦できるようになりました。
ジェフLに関しても、コーナーキック本数で2017年なでしこリーグから、2022-2023WEリーグまでの間に、攻撃計208本・守備245本のデータが採取できています。
以下に千葉Lの2022-2023のコーナーキックの状況の概容と、2023-2024の予想を記載していきますが、原則下図のような配置を基に述べていきます。
青字:15試合以上先発した選手 青字:新加入選手
緑字:15試合以上出場した選手 緑字:2種登録
橙色:10試合以上出場した選手
赤字: 5試合以上出場した選手
黒字: 上記以下の選手
下線:引退・移籍など
* :冬期入団選手
2022-2023シーズン長期離脱:
MF18安齋2022/12~3ヶ月、DF 4林2022/08~2023/04・FW11千葉2022/09~2023/04・MF25藤尾 2022/11~2023/03・GK33米澤2022/5~2023/04
理由の発表が無かった離脱:MF13曽根2022/08~
引退発表
9大滝 2023/06・15鶴見 2023/06
退団(~2023/07/08)
DF3市瀬 2023/06(S広島R)・MF6今井 2023/06・GK17程2023/06・MF19佐藤2023/02・FW23広瀬2023/07(EL埼玉)・MF26十川2023/06
攻守の配置の1例を示します。2023/06/04 第21節より。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230608/03/setahima85/02/d7/j/o1439060615295616148.jpg?caw=800)
(1) 2022-2023シーズンの全般傾向。
2022-2023シーズンは4得点でS広島Rと並んで一位。失点3はワースト3。
シュート打ち率・シュート被弾率が悪化。
2021-2022シーズンのように攻守とも上位に居ることはできず、平均前後に落ち込んでいる。
攻撃は2021-2022リーグ戦後半から、キッカーと受け手がキック前に話すシーンが見られ、狙いを確認していた。
だが、今リーグ戦は序盤から苦戦が続いたためか、コーナーキックの準備が出来なくなったのだろう。コミュニケーションが途絶えている。
守備では、4林選手の離脱が影響したのだろうか。
昨シーズンから市瀬選手(166cm)・岸川選手(168)・田中選手(171)をゴール前に並べ、ニアポスト脇の鴨川選手と合わせると4人体制で固め(MIXディフェンスとも言う)を基本としているが、今期特別に各チームに研究されていると言う印象は無い。
レベルを(A)~(E)で評価。あくまで私の視点です。
① 高さ関係:揃っている(A-)
3市瀬選手(167cm)が4・5番目になる高身長のラインアップ。
浦和に比べると線がやや細目だが、WEリーグでは十分高くて強い。
② 軸になる攻撃:ニア~正面狙い(B)
ニアサイドの短めのボールはほとんど蹴られていない(集積図参照)。タイミング勝負と言うより、高さ勝負で競り勝つことが狙いだった。
メインターゲットは岸川選手のようで、キックはほぼゴール正面を狙っている。
横に市瀬選手、大外に田中選手が居て、強力な体制と言える。
③攻撃の工夫・戦略:ピックプレーの頻度はリーグ上位(B)
データを取った50本で、ピックプレー11回確認している。
ゴール前密集陣形が5回で、リーグでは平均的。
上記のようにリーグ戦の苦戦とともに単調になってしまっていた。
④守備力:堅かったが・・(B-)
フリーで先着を許したのが、16.1%(全データ平均15.9%)、シュートの被弾率は17.9%(同23.8%)と少し良い程度。昨期(11.6%/9.6%)のようには良く無い。
(2)データ
A.なでしこリーグ・リーグカップ、WEリーグ公式記録より
B.独自収集データより
あくまで、私が観戦・ブログ化した試合が対象ですし、独断と偏見で判断して集めたデータです。
①集計表とシュート率・被シュート率のグラフ2枚
②左右CKの集積図
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230708/23/setahima85/c7/28/j/o1153306215309903284.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230708/23/setahima85/36/ba/j/o1310082915309903286.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230708/23/setahima85/8d/c6/j/o1150306215309903293.jpg?caw=800)
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230708/23/setahima85/87/44/j/o1318079315309903295.jpg?caw=800)
(3)詳細評価
以下話が長いです。興味のある方は読んでいただければ幸いです。
A.攻撃詳細
2022-2023リーグ戦は4得点で、3市瀬・9大滝・11千葉・15鶴見選手の4選手。
2020年なでしこリーグ、2021-2022WEリーグでは岸川選手(5点)だけだった。
a)ニアでの合わせ(C)
集積図のように、ニアへはほとんど蹴られていないのが、珍しい特徴で、ニアへの走り込み、特に先頭はほぼデコイ(囮)である。
実際、ニアサイド~ニアポスト前に蹴られたのは35.5%(全データ52.3%:)とかなり少ない。
ニアへ先頭で走り込んだ選手は特定的では無い。
27蓮輪選手・9大滝選手・11千葉選手・15鶴見選手らにばらけている。
2022-2023シーズンは、11千葉選手がどれくらい出来るのか興味あったのだが、怪我でリーグ戦終盤しか出場しなかったのが、その要因にもなっている。
b)中央からファーでの競り(A-)
前述のように、3市瀬選手・5田中選手・8岸川選手が強力で、競りを狙っている。
特に8岸川選手はしっかり溜めてランニングジャンプで「点で合わせる」技術に長けている。
2021-2022WEリーグで1本、2022-2023WEリーグで2本と少な目。あまり使わない。
高さに自信が有るので、小細工しないのだろう。
d)キッカーと戦術選択(C)
2020年後半から、引き続いて10鴨川選手が蹴っている。
パンチの効いた伸びるボールというより、曲げて落とす球質で蹴る。
正面~ファーサイド狙いだと、「身方にだけ判る球筋」とは言えないが、
受け手が高いことと、前後に揺さぶっていることで、成立しているのだと思う。
(集積図を参照)
e)ピックプレー(B+)
CUP戦では盛んに使っていたが、リーグ戦に入って少し減った。
キッチリとブロックするパターンでは無く、走行線を近付けたり、交差させることで、守備選手が絡む可能性を上げている場合が多い。
f)ゴール前密集隊形(B)
使用頻度は平均的で全35本中5回。結果も平均的で、シュート1本。
2021-2022WEリーグでは、ピックプレ-と絡めて、なかなかの企画性で、効果を見せていた。だが、2022-2023では普通に蹴って競るようにな傾向に有った。。
でも、競りに強いメンバーだし、十分脅威だと思う。
g)相手ゴールキーパーの守備範囲限定(C)
GK脇にセットするのは、主に大澤選手・大熊選手などと分散した。
各選手平均レベルの場所取りはしているが、「うまい」と感じるような動きは、見かけていない。
h)その他
特にはない。
B.守備詳細
a)基本守備体系
①ゾーンディフェンス
やらない。
②マンツーマンディフェンス
10人守備で4名のゾーン固定配置が主だった。MIXとも言う守備体制。
固定配置するのは、主に以下の通り。
ニアポスト脇:10鴨川選手が主。
ニアポスト前約5m:3市瀬選手。
ゴール正面約5m:8岸川選手。
ファーポスト前約5m:5田中選手
③ショートコーナーには、10鴨川選手が積極的には対応していた。
b)各選手の傾向・特徴
走り込む相手に対応しているのは、4林選手・14大熊環選手がエース格をマークし、FW11千葉選手・2藤代選手・7大澤選手らが加わっていた。
基本密着守備をするタイプが多い。
チームが若返っていることもあって、ピックプレーにガッツリ引っ掛かる場面も目にする。
c)マンツーマンのマークの強さ(C)
独自集計データで、シュート被弾率11.3%⇒17.9%(データ全体平均:24.2%)、フリーで先着を許したのが、9.4%⇒16.1%(同16.7%)と、2021-2022は極めて優秀だったのが、2022-2023では悪化している。
守備の要の4林選手が、シーズン大半を離脱した影響が出ているのだろうと思う。
・マーク力
平面的な動きに関して言うと、マークは普通レベル。
独自採点で5.4点は2年連続。はっきり言ってよろしくない。
**採点は、3点完璧なディフェンス勝ち、4点ディフェンス勝ち、5点イーブン、6点オフェンス勝ち、7点オフェンスフリー、8点オフェンス"ど"フリーで評価。
エース格を抑える大熊環選手が5.81と平面戦でほぼ負け。
ゴール前に並べた3枚が強いので、守備が成立しているのだが、それにしても負けすぎた。
d)ゾーン配置選手(ストーン)の強さ(A)
何度も書くが、ニアポスト前:市瀬選手、正面:岸川選手、ファーポスト前:田中選手の3枚が強力で、ボールをはね返している。
e)逆襲力(D)
ドリブルで一人でシュートまで持って行けるような選手が居ないし、
MIXディフェンスで、10人守備なので逆襲はあまり期待できない。
f)統制(D)
元々4林選手が中心なのだろうが、おそらく自分の仕事(マーク)でアップアップ。
しかも離脱してしまい誰が仕切っていたのか今一つ不明確に見えた。
ゾーン固定(ストーン)に入っている3市瀬選手や5田中選手がリードすべきなのだろうが、
しっかり仕切っているところは見たことが無い。
ただ、MIXディフェンスにして、捨てる選手をはっきりさせたようなので、
混乱しても、大事に至る可能性は低下しているのだと思う。
(4)過去の傾向・推移
a)キッカー
2015年記録を始めて以来、瀬戸口選手が中心で蹴っている
2018・2019年は上野選手が右CKを蹴って、左右使い分け。
2020年は瀬戸口選手が中心だったが、後半になって鴨川選手が蹴っていた。
以降も鴨川選手が蹴っている。
b)ヘディング力
菅澤選手(~2016年)、櫻本選手(~2018年)が抜けて力強さは低下したが、
2019年に大滝選手・田中選手を補強、市瀬選手、大熊環選手らの台頭で、
2021-2022シーズン以来、浦和に次ぐ強さになっている。
c)攻撃のメインターゲット・頼れるプレー
2016年までは、菅澤選手のニアがメインターゲット。
2018年はリーグ・リーグカップ戦で13点取った。櫻本選手はファーサイドで5点取っている。
2019年・2020年は、軸が見当たらなかった。
2021-2022からは、岸川選手が軸で、ニアポスト前からゴール正面の競りがメインになっている。
d)ピックプレー
2016年までは菅澤選手が、千野選手のブロックを使って、ピックプレーを発動していたが、
その後、あまり見なくなっている。
2021-2022は後半以降は、走行線を近づけたり、交差させて、守備選手が接触する可能性を高めている。
e)相手ゴールキーパーの自由度制限
深澤選手(~2018)が務めていたが上手かった。
相手GKより先に動いて、ボール落下点に真っ直ぐ入れないようにポジショニングしていた。
その後、この役目をしっかり果たしている選手は居ないが、大澤選手はそこそこやれている。
f)守備の統制
2018年までは良く統率されていたが、2019年以来少し乱れていると思う。
(5)2023-2024シーズンの予想など
2022-2023シーズン途中に猿澤監督から三上監督に交代、2023-2024も三上監督。
市瀬選手が移籍して、守備システムを見直すだろう。
その他のスタメン・レギュラー選手に異動は無く、コーナーキックの攻撃の基本路線は継続、キッカー鴨川選手がやや長い目のボールを入れて、高さ勝負をすると思う。
城和選手(173cm)や蓮輪選手(170cm)の出場機会が増えれば、さらに高さを増すこともあり得そう。
ただ、三上監督はさほどコーナーキックに熱心ではないし、特別熱心な選手が居るわけでも無いので、企画など作戦レベルは徐々に低下する思う。
2023/07/10 更新
以上です。
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