Server OS Cafe -7ページ目

Server OS Cafe

Server OSの紹介等

今回はLinux(Asianux Server 3)側のSamba共有のACL(Access Control List)をWindowsのACLとマッピングして

表示し、さらにWindows側からLinux側のACLを変更する手順について確認します。


■ Linux側でのACLの設定方法


・ACLの権限の付与

ユーザー単位の場合

setfacl -m u:ユーザー名:rwx ファイル名


グループ単位の場合

setfacl -m g:グループ名:rws ファイル名


・ACLの権限の解除

ユーザー単位の場合

setfacl -x u:ユーザー名 ファイル名


グループ単位の場合

setfacl -x g:グループ名 ファイル名


全てのACLの設定を削除

setfacl -b ファイル名


・ACLの設定の確認

getfacl ファイル名



【作業1】 Linux側でSambaの共有ディレクトリにACLを設定


1. 以下のユーザーおよびグループを追加

# groupadd smbgroup

# useradd -g smbgroup smbuser1

# useradd -g smbgroup smbuser2


2 rootをSamba認証用のユーザーとして登録

(rootでないと【作業3】でACLの変更ができない為)


# pdbedit -a root


3. smb.confに以下の様に記述しSambaデーモンを再起動


[Share]

path=/share

  read only = yes

wirte list = @root smbuser1


4. /share下にテキストファイルTextFromLinux.txtをコピー


5. /shareに対して以下の権限を設定

smbuser1には読み取り、書き込み、実行の権限を付与

smbuser2と読み取り、実行の権限を付与

smbgroupには読み取りの権限を付与


# setfacl -m u:smbuser1:rwx -R /share

# setfacl -m u:smbuser2:rx -R /share

# setfacl -m g:smbgroup:r /share

# getfacl /share

# file: share

# owner: root

# group: root

user: :rwx

user:smbuser1:rwx

user:smbuser2:r-x

group: : rwx

group:smbgroup:r--

mask: :rwx

other: : r-x


# getfacl /share/TextFromLinux.txt

# file: share/TextFromLinux.txt

# owner: root

# group: root

user: :rwx

user:smbuser1:rwx

user:smbuser2:r-x

group: : rwx

group:smbgroup:r--

mask: :rwx

other: : r-x


【作業2】 WindowsのエクスプローラーでLinuxのACLを確認


今回はWindows Server 2008(RC0)を使用してみます。


1. Samba共有ディレクトリにネットワークドライブを割り当てます。

  ログインユーザーは/shareのACLを変更できるrootにします。


acl-10-19-1


acl-10-19-2
2. 共有ディレクトリShareのプロパティを表示し[セキュリティ]タブを選択します。

[グループ名またはユーザー名]には以下のユーザー/グループが表示されています。

Everyone

root (ユーザー)

root (グループ)

smbuser1

smbuser2

smbgroup


権限はディレクトリでは全ユーザー/グループで「特殊なアクセス許可」になっています。


acl-10-19-3


3. Share下のTextFromLinux.txtのプロパティを表示し[セキュリティ]タブを選択します。

表示される[グループ名またはユーザー名]はディレクトリと同じですが、アクセス権限は以下の様に

表示されています。

・LinuxのACLで読み取り、書き込み、実行の権限を与えたsmbuser1とこのディレクトリの所有者のrootは

WindowsのACLではフルコントロールの権限が与えられています。


  acl-10-19-4


・LinuxのACLで読み取りと実行の権限を与えたsmbuser2はWindowsのACLでは「読み取りと実行」、

「読み取り」の権限が与えられています。


acl-10-19-5

・LinuxのACLで読み取りの権限のみを与えたsmbgroupはWindowsのACLでも読み取りの権限のみが

与えられています。


acl-10-19-6

4. [詳細設定]ボタンをクリックして特殊なアクセス許可の詳細を表示します。

これはディレクトリ・ファイル共に以下の様に表示されています。

・LinuxのACLで読み取り、書き込み、実行の権限を与えたsmbuser1とこのディレクトリの所有者のrootは

Windowsの特殊なアクセス許可ではフルコントロールの権限が与えられています。


acl-10-19-9


・LinuxのACLで読み取りと実行の権限を与えたsmbuser2はWindowsの特殊なアクセス許可では

以下の権限が与えられています。


フォルダのスキャン/ファイルの実行

フォルダの一覧/データの読み取り

属性の読み取り

拡張属性の読み取り

アクセス許可の読み取り


acl-10-19-10


・LinuxのACLで読み取りの権限を与えたsmbgroupはWindowsの特殊なアクセス許可では

以下の権限が与えられています。


フォルダの一覧/データの読み取り

属性の読み取り

拡張属性の読み取り

アクセス許可の読み取り


acl-10-19-11


【作業3】 WindowsエクスプローラーでLinuxのACLを変更

Shareディレクトリとその下のTextFromLinux.txtファイルのACLを変更してみます。


1. エクスプローラーの特殊なアクセス許可でsmbuser2にフルコントロールの権限を与えるように変更します。


acl-10-19-12


2. エクスプローラーの特殊なアクセス許可でsmbuser1に「属性の読み取り」の権限のみを与えるように

変更します。


  acl-1019-13


3. Linux側でgetfaclを実行しACLの権限が変更されていることを確認します。


# getfacl /share

# file: share

# owner: root

# group: root

user: :rwx

user:smbuser1:r--

user:smbuser2:rwx

group: : rwx

group:smbgroup:r--

mask: :rwx

other: : r-x


# getfacl /share/TextFromLinux.txt

# file: share/TextFromLinux.txt

# owner: root

# group: root

user: :rwx

user:smbuser1:r--

user:smbuser2:rwx

group: : rwx

group:smbgroup:r--

mask: :rwx

other: : r-x


LinuxのACLで読み取り権限を与えた場合はWindowsの特殊なアクセス許可では

「フォルダの一覧/データの読み取り」、「属性の読み取り」、「拡張属性の読み取り」、「アクセス許可の読み取り」

の4つの権限が与えられますが、Windows側で上記のどれか1つにでも権限を与えれば

Linux側のACLでは読み取り権限が与えられるようですね。


ちなみにこの様にWindows側からLinux側のACLを表示・変更することができるのですが

その逆 = Linux側からWindowsのACLを表示・変更 ということはできないみたいです。


今回はAsianux側に作成したSambaの共有ディレクトリにWindows側からアクセスしてみます。


今回共有するディレクトリは/shareとします。


# mkdir /share


Samba用のLinuxユーザーを作成します。


# groupadd smbgroup

# useradd -g smbgroup smbuser

# passwd smbuser

New UNIX password:

Retype new UNIX password:


上記で作成したユーザーをSambaユーザーとして登録します。


# pdbedit -a smbuser

new password:

retype new password:


Samba 2.0系まではsmbpasswdコマンド で登録していましたが、3.0系からはpdbeditコマンド を使用するように

なっています。(2.0系までと同様にsmbpasswdで登録することもできるようです。)

保存先は/etc/samba/smbpasswdになります。


/etc/samba/smb.confを編集し/shareを共有名Shareで共有ディレクトリとして登録します。


[Share]

path = /share

read only = yes


とりあえず最初は読み取り専用としておきます。

なお、writeableというオプションもあって、"read only = yes"と"writeable = no"は同じ意味になります。

書き終えたらSambaデーモンを再起動します。


# /sbin/service smb restart


この状態で一度Windowsからsmbuserで共有にアクセスしてみます。

Windowsエクスプローラーを起動して[ネットワークドライブの共有]でAsianux上のShare共有を指定し


Samba_1016_1


smbuserでログインします。

Samba_1016_2


この様にShare下のファイルの参照は可能ですが、


Samba_1016_3

書き込みをして保存しようとするとエラーになり読み取り権限しかないことが確認できます。


Samba_1016_4

次に書き込み権限を与えてみます。

smb.confで"read only=no"あるいは"writeable=yes"とすれば書き込みが可能になりますが、

全てのユーザーに書き込みを許可するのは好ましくないので特定のユーザーにだけ許可するようにします。

"write list"を使用すれば"read only=yes"の場合に特定のユーザーにだけ書き込みを許可することができます。


[Share]

path = /share

read only = yes

write list = smbuser


これとは逆に"read list"というオプションもあって"read only=no"の場合に読み取りのみ許可するユーザーを

指定するということもできます。

なお、グループで指定する場合は"write list = @smbgroup"の様に@を使用します。


smb.conf編集後、Sambaデーモンを再起動します。


# /sbin/service smb restart


あとLinuxのパーミッションでsmbuserに/shareディレクトリへの書き込み権限を与えておきます。

これをやっておかないとsmb.confの設定で書き込みを許可しても書き込みできません。


# chown -R smbuser:smbgroup /share

# chmod -R 775 /share


これでWindows側のエクスプローラーに戻って先程のShare共有上のファイルの保存を再実行すると

今度は保存に成功します。新規にファイルを作成することも可能です。


Samba_1016_5


あと/etc/samba/smb.confのglobalセクションでワークグループ名とサーバー名を登録しておくと

その名称でエクスプローラーの[マイネットワーク]に表示されるようになります。


[global]

workgroup = Workgroup

server string = Asianux3



Samba_1016_6

でもsmbuserのホームディレクトリも一緒に見えてしまっていますね・・・

これに関しては以下のサイトに情報がありました。


日本Sambaユーザー会:ホームディレクトリの共有を不可視にする


[ホームディレクトリを見えないようにする方法]

1. globalセクションで"browseable=no"を記述する

2. その上で公開したい共有のみ"browseable=yes"を記述する。


[global]

workgroup = Workgroup

server string = Asianux3

browseable = no


[Share]

path = /share

read only = yes

write list = smbuser

browseable = yes


smb.conf編集後、Sambaデーモンを再起動してもう一度Windowsエクスプローラーをチェックしてみます。

Samba_1016_7

今度はホームディレクトリは見えないですね。



今回よりAsianux Server 3に搭載されているSamba でWindowsとのファイル共有や認証の統合等を

いろいろ試して見たいと思います。

ミラクルリナックス社はSambaの国際化でいろいろ貢献してきたみたいで

(ミラクルリナックス:Samba国際化プロジェクト 参照)

Asianux Server 3においてもSambaは目玉の1つになっています。

なお、Asianux Server 3にはバージョン3.0.24が入っているようです。


$ rpm -qa | grep samba

samba-swat-3.0.24-6AX

samba-common-3.0.24-6AX

samba-3.0.24-6AX

samba-client-3.0.24-6AX


Sambaにはsmbd、nmbd、winbinddの3つのデーモンがありますが、Asianux Server 3では(Red Hat系では)

以下の起動スクリプトで起動できます。


smb・・・smbd、nmbd

winbind・・・winbindd


とりあえずsmbdとnmbdを起動して、ランレベル3、5の場合に自動起動するようにしておきます。


# /sbin/service smb start

# chkconfig --level 35 smb on


各デーモンの機能については以下のサイトを参照。


Red Hat Enterprise Linux 5.0 導入ガイド:7.2.1.Sambaデーモン


さて今回はLinux側からWindowsの共有フォルダに接続してファイルのコピーを実施してみたいと思います。

今回はLinux、WindowsともWORKGROUPに所属しています。


● Windows側での準備作業


今回はWindows XPを使用します。

C:\Shareというフォルダを作成しShareという共有名で公開します。

その下にnotepadでテキストファイルを作成し以下の文字を書き込みます。


Samba_1014_1


4行目の文字がWindowsのShift-Jis(CP932、Windows-31J) の機種依存文字になります。

これをShift-Jis、UTF-8、UTF-16の3種類の文字コードで保存し

それぞれファイル名を"テキスト_Shift-Jis.txt"、"テキスト_UTF-8.txt"、"テキスト_UTF-16.txt"とします。


●Asianux側での準備作業

こちらでも同様のテキストファイルを作成しTextFromLinux.txtというファイル名で保存します。


Samba_1014_2


Asianux Server 3のデフォルトロケールはUTF-8となっていますので、このファイルの文字コードはUTF-8に

なります。

Shift-JisのファイルをWindowsに送信したい場合は後述するnkfコマンドでShift-Jisに変換します。


またSambaの設定ファイル(/etc/samba/smb.conf)を開いて[global]セクションに以下の設定を記述して

おきます。


[global]

dos charset = CP932

unix charset = UTF-8


dos charset : Windows側で使用される文字コード

unix charset : Unixファイルシステムで使用される文字コード

(ただしunix charsetはUTF-8がデフォルトなので今回の場合では記述しなくても良いです)


設定ファイルを更新したらSambaを再起動しておきます。


# /sbin/service smb restart


● 共有フォルダへのアクセスとファイルコピーの実施

SambaでWindowsの共有フォルダとファイルのコピーを行う方法にはsmbclientコマンド を使用する方法と

SMB/CIFSでマウントする方法があります。


1. smbclientを使用する場合


以下の構文でWindowsの共有フォルダに接続します。


smbclient //<ホスト名>/<共有名> -U <ユーザー名>


ログインした後は対話形式で以下のコマンドを使用します。


cd : カレントディレクトリの変更

pwd : カレントディレクトリの表示

dirもしくはls : ディレクトリのファイルの一覧を表示

put : put <自マシン上のファイル名> <相手先のファイル名> でファイルを相手先にコピーします。

get : get <接続先のファイル名> <自マシンのファイル名> でファイルを相手先からコピーします。

delもしくはrm : ファイルを削除

exitもしくはquit : 接続を終了


smbclientでファイルのコピーを実施
Samba_1014_3
("nao"というユーザーは共有Shareの共有アクセス権限とC:\ShareのNTFSアクセス権限の両方で

書き込み権限を持っています)


また smbclientで-cオプションを使用すればコマンドを対話形式ではなく自動実行することができます。


$ smbclient //nao-desktop1/Share -U nao -c 'get テキスト_Shift-Jis.txt text-shift-jis.txt'



2. CIFSでマウントする

Samba共有をマウントする場合、以前はsmbmountコマンド を使用してSMBFSでマウントするのが普通でしたが、

Asianuxに限らず最近のディストリビューションではSMBFSは使用せず、CIFSを使用するように

カーネルオプションが設定されていますのでCIFSでマウントを行います。


$ cat /usr/src/kernels/2.6.18-8.10AX-PAE-i686/.config | grep SMB

# CONFIG_SMB_FS is not set

$ cat /usr/src/kernels/2.6.18-8.10AX-PAE-i686/.config | grep CIFS

CONFIG_CIFS=m

# CONFIG_CIFS_STATS is not set

CONFIG_CIFS_WEAKPW_HASH=y

CONFIG_CIFS_XATTR=y

CONFIG_CIFS_POSIX=y

# CONFIG_CIFS_DEBUG2 is not set

# CONFIG_CIFS_EXPERIMENTAL is not set


CIFSでマウントする構文は以下の様になります。

# mount -t cifs //<ホスト名>/<共有名> /<マウントポイント> -o <オプション>


より詳細な情報は以下のサイト(man mount.cifsの日本語訳)を参照して下さい。


http://www.samba.gr.jp/project/translation/current/htmldocs/mount.cifs.8.html

CIFSでマウントしてファイルのコピーを実施
Samba_1014_5

● nkfでの文字コードと改行文字の変換


さてこれでLinux、Windows間のファイルのコピーができましたが、smbclient、CIFSでマウントしてコピーの

どちらで実施した場合でもファイルはバイナリでコピーされます。

Asianuxに限らず最近のLinuxのディストリビュータのロケールはUTF-8ですから、Shift-Jis(CP932)や

UTF-16のファイルをLinux側でそのまま開くと文字化けしますのでUTF-8に変換する必要があります。

またUTF-8で作成されたファイルでもWindowsとLinuxでは改行文字が異なるので

(LinuxではLF、WindowsではCR + LF)、改行文字は変換する必要があります。

そこでnkfコマンド を使用して変換を実施します。


Linux側にコピーしたファイルの文字コードをUTF-8に変換し、改行文字をCR+LFからLFに変換


$ nkf -w -Lu text-shift-jis.txt > textFromSjisToUtf8.txt

$ nkf -w -Lu text-utf-16.txt > textFromUtf16ToUtf8.txt

$ nkf -w -Lu text-utf-8.txt > textutf-8_u.txt


これで変換後の3つのファイルを開くと、いずれも以下の様にファイルの中身が正しく表示されます。

Samba_1014_6

またWindows側のファイルも改行文字がLFのままコピーされているので、


Samba_1014_4

秀丸エディタ等の高機能なエディタで改行文字をCR + LFに変換する必要があります。

また前述のnkfコマンドを使用してLinux側でコピー前にあからじめ変換しておくこともできます。


・文字コードをUTF-8で改行文字をCR + LFに変換

$ nkf -w -Lw TextFromLinux.txt > TextFromLinux2.txt


・文字コードをShift-Jisにして改行文字をCR + LFに変換

$ nkf -s -Lw TextFromLinux.txt > TextFormLinux2.txt


以下はnkfで文字コードをShift-Jisに、改行文字をCR + LFに変換してからsmbclientでWindowsの共有フォルダ

にコピーしたファイルをnotepadで開いたものです。


Samba_1014_7

LinuxからWindows、WindowsからLinuxのどちらの場合も機種依存文字も文字化けせずにコピーが

できるようですね。


さて今回は9月末に公開されたWindows Server 2008のRC0をインストールしてみました。


マイクロソフト:Windows Server 2008製品情報サイト


■手順

1. 言語等の選択


win2k8-rc0-install1

インストールする言語:日本語
時刻と通貨の形式:日本語(日本)
キーボードまたは入力方式:Microsoft IME
 キーボードの種類:日本語キーボード(106/109キー)


2. 「今すぐインストール」を選択

3. プロダクトキーの入力

4. インストールするオペレーティングシステムを完全インストールとServer Core(GUIレス)から選択

今回は完全インストールを選択


win2k8-rc0-install2


5. アップグレードかカスタムかの選択

今回は新規のインストールなのでカスタムのみが選択可
 win2k8-rc0-install3


6. インストール先のディスクの選択およびパーティションの構成、フォーマット

フォーマットではファイルシステムは選択できず強制的にNTFSになります。


win2k8-rc0-install5


7. インストール開始


win2k8-rc0-install6


8. インストール完了後、再起動


・・・とここまではBeta3と同じでしたがRC0からは再起動後、まず最初にAdministratorのパスワードの

設定が求められるようになっていました。


win2k8-rc0-install7


9.なのでAdministratorのパスワードを設定


win2k8-rc0-install8


10. ログイン


win2k8-rc0-install9


今回インストールしたのはEnterprise Editionでしたが、他に以下のEditionがありました。


・Windows Server 2008 RC0 Standard Edition

・Windows Web Server 2008 RC0

・Windows Server 2008 RC0 Datacenter


で、RC0からWindows Server Virtualization (略称は"WSv"と表記するみたいですね)が提供されることが

話題になっていますが、どうやら現在は64bitの英語版のみが対象のようですね。

(私はIntel-VT/AMD-Vに対応したマシンを持っていないのでどちらにせよインストールできないのですが・・・)

インストールした方のBlogを見つけたのでご紹介しておきます。


徒然SBS:Windows Server Virtualizationのインストール


しかしRCのバージョン0って珍しいですね。

今回はそれだけMicrosoftも慎重になっているんでしょうね。

(まあ新機能満載ですからね)




さて今度はXenのDomainUもキックスタートインストールしてみることにします。

今回はインストールメディアとks.cfgを共にNFSで公開する方法でインストールを行います。

キックスタートファイル(ks.cfg)は前回一度DomainUを作成した時にDomainUのOS内に生成されたものを

ちょこちょこっと変えて使用します。


■手順

1. Asianux Server 3をXen用カーネルで起動

2. rootでログイン

3. /exportsディレクトリを作成

4. /exports下にAsianuxのインストールディスクをコピー

※今回はCD-ROM版(3枚で構成)だったのでディスクを1つにまとめておく

5. /etc/exportsに以下の様に記述

(Domain0もDomainUも192.168.0.0/24のネットワークに所属している)


/exports 192.168.0.* (ro,no_root_squash)


6. NFS関係のデーモン(portmap、nfs)を起動スクリプトを使用して起動


# /sbin/service portmap start

# /sbin/service nfs start


7. 前回のDomainUインストール時にroot下に作成されたanaconda-ks.cfgを回収したものを/exports下にコピー。

中身はこんな感じです。

# Kickstart file automatically generated by anaconda.

install
nfs --server=192.168.0.231 --dir=/exports/Asianux
lang ja_JP.UTF-8
keyboard jp106
xconfig --startxonboot
network --device eth0 --bootproto dhcp
rootpw --iscrypted $1$nzCHWDHn$pjArfRYnR80qcY5F2qj9W/
firewall --disabled
authconfig --enableshadow --enablemd5
selinux --disabled
timezone Asia/Tokyo
bootloader --location=mbr --driveorder=xvda
# The following is the partition information you requested
# Note that any partitions you deleted are not expressed
# here so unless you clear all partitions first, this is
# not guaranteed to work
clearpart --all --drives=xvda
part /boot --fstype ext3 --size=100 --ondisk=xvda
part pv.2 --size=0 --grow --ondisk=xvda
  volgroup VolGroup00 --pesize=32768 pv.2
logvol swap --fstype swap --name=LogVol01 --vgname=VolGroup00 --size=512 --grow --maxsize=1024
logvol / --fstype ext3 --name=LogVol00 --vgname=VolGroup00 --size=1024 --grow

%packages
@basesystem-optional
@Chinese-support
@gnome-libs
@kde-desktop
@legacy-software-development
@Japanese-support
@Korean-support
@system-tools
@database-tools
@development
@core
@base-x
@base
@others
@dbmail-modules
@server
@printing
@web-browsers
openssl097a
busybox
hicolor-icon-theme
selinux-policy-mls
rng-utils
kernel

kernel-xen

(以下最終行までインストールするパッケージが記述されています)


ただ1つ問題があって元々のDomainUのanaconda-ks.cfgにはパッケージ一覧にkernel-xenが

記述されていなくて、一度そのままの状態でDomainUのキックスタートインストールを行ったところ、

Xen用のカーネルがインストールされず、インストール後に"xm create -c [設定ファイル]"をしたところで

エラーが発生しました。

その為、kernel-xenをパッケージ一覧に追記することにしました。(上記のks.cfgの中身の赤字の部分)


8. Virtual Machine Manager(virt-manager)を起動

インストール手順は基本的に以下と同じですが


[Asianux3RC]Xen:virt-managerを使用してゲストOSをインストール

[Asianux3RC]Xen:virt-managerを使用してゲストOSをインストール 2


  インストールメディアの指定画面で以下の様に指定している点だけ異なります。

メディアのURL [ nfs:Domain0のIPアドレス:/exports/Asianux ]

キックスタートURL [ nfs:Domain0のIPアドレス:/exports/ks.cfg ]


Xen-KickStart1


9. これでDomainUのキックスタートインストールが行われます。

第一ステージ、第二ステージとも全ての作業が自動で行われます。


Xen-KickStart2 Xen-KickStart3


10. インストール完了後に"xm create -c [設定ファイル名]"を実行しDomainUを起動します。



Xen-KickStart4



関連記事:

[Asianux3]キックスタートインストール


[Asianux3RC]Xen:virt-managerを使用してゲストOSをインストール

[Asianux3RC]Xen:virt-managerを使用してゲストOSをインストール 2

[Asianux3RC]Asianux Server 3 RCのインストール


普段ITネタばかり書いているNao.SekiGですが、実はテニスという趣味がありまして

昨日(10/5)は東京有明テニスの森公園 で開催されているAIGオープン (5日目)に行ってきました。

この日は女子シングルス準決勝、男子シングルス準々決勝、男子ダブルス準決勝、女子ダブルス準決勝が

行われました。


AIG1


実はプロの大会を生で見るのは初めてだったのですが、息詰まる高速ストロークの応酬や

華麗なネットプレーの数々が見れて本当に興奮しました。

それに素人の私にも参考になるプレーが多かったです。

特にボレーをすごくやわらかく打っていたのが(もちろん強打するときもありましたが)印象的でした。


今回観戦した試合の中でも特に良かったのが男子シングルス準々決勝のダビド・フェレールとフェリシアノ・ロペスの一戦 です。

共にスペイン人の2人ですがプレイスタイルは違っていてフェレール はベースライン付近から強烈なトップスピン

を打つ典型的なクレイコーターのスタイルなのに対して、ロペスは強力なサービスを武器としラリーになるとスラ

イスを多用して緩い球が上がればすぐにネットに詰めてボレーやドロップショットを叩き込むというスタイルで

ロペスが鮮やかなボレーを決めたかと思えば、フェレールが「そんなの無理だろ」というボールに追いついてパス

を決めたりといった感じで、今年のウィンブルドンのフェデラー vs ナダル を思い起こさせるような試合でした。

最後はロペスのサービスに慣れてきたフェレールが押し切りましたが、2人とも素晴らしいプレーをしていたと

思います。


残念だったのは元ウィンブルドン王者のレイトン・ヒューイット (オーストラリア)が敗退してしまったこと。

相手はノボ・カロビッチ(クロアチア)でこの人は試合前の選手紹介で松岡修造 さんが「彼はサーブだけ(笑)」と

言ったように得点の8割をサービスエースで稼ぐビッグサーバー。

あとボレーもうまいのですが、ストロークは「サービスとボレー以外まったく練習してないだろ」って突っ込みたく

なるぐらい素人の私から見ても下手。

まあファーストサービスは本当に速い!。スピードガンでは197kmと出ていましたが、ヒューイットはほとんど

触ることすらできなかったです。もっともさすがに見ていて退屈なので私も含め観客のほとんどがヒューイットの応援にまわってしまいましたが(笑)。

結果は1、2セットともタイブレークにもつれこんで最後までカロビッチのサービスをブレークできなかった

ヒューイットが敗れました。

ヒューイットは日本の女性ファンにも人気があるので、最後の方では「Come On! Lleyton!」の黄色い声援がかな

り飛んでいましたが、あのサービスが相手ではどうにもならないかといった感じでした。

(本日行われた準決勝ではフェレールがカロビッチと対戦しストレートで下した様です。

あの高速サービスを返すとは・・・さすがです。

なんかフェレールは全米でナダルに勝ってから すごくのっている感じがしますね)


今回の大会ではほとんどの日本人選手が早々に敗退してしまって残念だったのですが、女子ダブルスの準決勝

では中村藍子 が登場しました。

しかしこの人、間近で見ると本当に小さな人なのですが、あの小さな体であれだけ強力なシャットを放つのだから

たいしたものですね。

(もうちょっとウェイトトレーニングをした方がいいのではとも思いましたが・・・余計なお世話ですか)

あとフォームがすごくきれいなので参考にしたいなと思いました。

特にサービスのフォームはすごくきれいでしたね・・・というわけで下の写真。(もろ逆光ですが・・・)


AIG2






ご無沙汰しております。

(最近仕事忙しくって・・・(泣))


さて今回はキックスタートインストールの機能を使用してAsianux Server 3の自動インストールを

試してみようと思います。

システムによっては数十台のサーバーを一度にセットアップすることもあるので、

この自動インストールの機能は結構重要視しています。


キックスタートインストールを行うにはまず設定の書かれたキックスタートファイル(ks.cfg)を

用意する必要がありますが、Anacondaでインストールすると/root直下にanaconda-ks.cfgという名称で

キックスタートファイルが作成されているのでこれを必要に応じてちょこちょこっと変えて使うのが

いいと思います。


◆キックスタートファイルの例◆


1: # Kickstart file automatically generated by anaconda.

2: install
3: cdrom
4: lang ja_JP.UTF-8
5: keyboard jp106
6: xconfig --startxonboot
7: network --device eth0 --bootproto static --ip 192.168.150.237 --netmask 255.255.255.0

--gateway 192.168.150.127 --nameserver 192.168.48.202,192.127.231.104 --hostname ASIANUX-3
8: rootpw --iscrypted $1$aX/rCxmu$QYX5rDDW5RLQvqR9FPWIE1
9: firewall --disabled
10: authconfig --enableshadow --enablemd5
11: selinux --disabled
12: timezone Asia/Tokyo
13: bootloader --location=mbr --driveorder=hda
14: # The following is the partition information you requested
15: # Note that any partitions you deleted are not expressed
16: # here so unless you clear all partitions first, this is
17: # not guaranteed to work
18: clearpart --all --drives=hda
19: part /boot --fstype ext3 --size=100 --ondisk=hda
20: part pv.10 --size=0 --grow --ondisk=hda
21: volgroup VolGroup00 --pesize=32768 pv.10
22: logvol / --fstype ext3 --name=LogVol00 --vgname=VolGroup00 --size=1024 --grow
23: logvol swap --fstype swap --name=LogVol01 --vgname=VolGroup00 --size=1000

--grow -- maxsize=1984

24: %packages
25: @basesystem-optional
26: @Chinese-support
27: @gnome-libs
28: @kde-desktop
29: @virtualization
30: @legacy-software-development
以下最終行までインストールするパッケージが記述されています。


キックスタートファイルの各オプションの説明については以下のサイトの情報が詳しくていいです。


Red Hat Enterprise Linux5 インストールガイド:28.4 キックスタートのオプション


<簡単にメモ>

4~5: 言語とキーボードを日本語に設定

6: X Windowの設定、デフォルトではstartxonboot=ランレベル5で起動の設定のみが記述されています。

7: ネットワークの設定。DHCPの場合は以下の様に指定。


network --device eth0 --bootproto dhcp


8: rootのパスワード。パスワードはMD5で暗号化されていますが10行目の設定に依存しているのでしょう。

9: ファイアーウォールの設定。

AsianuxではデフォルトOFFですが有効にしたい場合は次のような感じで指定します。


firewall --enabled --trust=eth0 --ssh --http


10: 認証の設定。シャドウパスワードを使用しMD5で暗号化するように指定しています。

11: SELinuxの設定。無効にしています。

12: タイムゾーン。アジア/東京に設定。

13: ブートローダー(GRUB)の設定。MBRにインストールするように指定。

18~23: パーティションの構成の設定。

anaconda-ks.cfgではデフォルトではここはコメントアウトされているのでパーティションの構成を

自動で行いたい場合はコメントアウトを解除します。

24以下:インストールするパッケージの名称が列挙されています。


なお、Asianux Server 3にはキックスタート設定ツール(system-config-kickstart)というツールがあり

これでキックスタートファイルを作成することもできます。


system-config-kickstart

キックスタートファイルの使い方には

1. FD上に保存して使う

2. ブートCD上に保存して使う

3. NFS等を使用してネットワークで公開する

がありますが、今回は「2. ブートCD上に保存して使う」のやり方でいってみることにします。


まずAsianuxのインストールCD1枚目の内容をHDDにコピーします。

# mount /dev/cdrom /media

# cp -r /media/Asianux /tmp/Asianux


インストールCDの一番上の階層のディレクトリにキックスタートファイルをコピーします。

# cp ks.cfg /tmp/Asianux/


CDイメージを作成しCD-RWに焼き付けます。

# mkisofs -o Asianux_Disk1.iso -b isolinux/isolinux.bin -c isolinux/boot.cat -no-emul-boot

-boot-load-size 4 -boot-info-table -R -J -v -T /tmp/Asianux
# cdrecord --scanbus dev=ATAPI
(省略)
scsibus0:
0,0,0 0) 'HL-DT-ST' 'DVDRAM GSA-H10N ' 'JL10' Removable CD-ROM
0,1,0 1) *
(省略)
# cdrecord dev=ATAPI:0,0,0 blank=fast
# cdrecord -v speed=8 dev=ATAPI:0,0,0 -eject Asianux_Disk1.iso


これで準備完了です。

早速、作成したCDを使用してキックスタートインストールを行ってみます。


【手順】

1.Anacondaが起動したらboot:プロンプトで以下のコマンドを入力します。

linux ks=cdrom:/ks.cfg
 KickStart1

 なお、FDにキックスタートファイルを保存している場合は以下のコマンドになります。

  linux ks=hd:fd0:/ks.cfg


NFSの場合だと以下のような感じになります。

linux ks=nfs:asianux-test:/kickstart/ks.cfg


2. 後は自動的にインストールが実行されます。

  入力等を行わなくてならない作業はありません。

(今回はCD-ROM版を使用していたのでパッケージのインストール中のCD交換だけは必要でしたが

DVD版だとそれも不用です)
 KickStart2

 

3. インストール完了後、再起動を実施します
KickStart3


4. 正常にインストールができたみたいです。
KickStart4


ただ1つだけ問題がありまして、キックスタートファイルのxconfigオプションで画面の解像度を指定しないと

800x600のサイズに設定されるのですが、これを1024x768にしたいと思って


xconfig --driver "i810" --videoram=16384 --defaultdesktop=KDE --startxonboot --resolution=1024x768

--depth=24
monitor --hsync=31.5-48.5 --vsync=40.0-70.0


と指定したのですが無視されてしまって、800x600になってしまいました。

これだけが今のところ未解決です。





Asianux Server 3にはOracleを自動起動させる為のスクリプトdboraが/etc/rc.d/init.dに用意されています。

これを使ってOracle Databaseを自動起動するように設定してみたいと思います。


■dboraの内容はこんな感じ

1:#!/bin/sh
2:#
3:# chkconfig: - 99 10
4:# description: Oracle Database Server
5:# processname: ora_
6:#
7:# dbora This shell script takes care of starting and stopping
8:# Oracle Database Server.
9:
10:SUBSYS=/var/lock/subsys/dbora
11:
12:dbora_init() {
13: # get ORACLE_HOME from the first entry,
14: # whose 3rd field is Y, in /etc/oratab.
15: if [ ! -f /etc/oratab ]
16: then
17: echo "auto startup/shutdown of Oracle: /etc/oratab does not exist."
18: exit 1
19: fi
20: ORA_HOME=`awk -F: '/^[^#:]+:.+:[Y]$/ { print $2; exit}' /etc/oratab`
21:
22: if [ x$ORA_HOME = "x" ]; then
23: echo "There is not Y entry in /etc/oratab."
24: exit 1
25: fi
26:
27: # get oracle's owner from owner of dbstart.
28: if [ ! -f $ORA_HOME/bin/dbstart ]
29: then
30: echo "auto startup/shutdown of Oracle: Oracle may not be installed" \
31: "correctly."
32: exit 1
33: fi
34: ORA_OWNER=`ls -l $ORA_HOME/bin/dbstart | awk '{print $3}'`
35:}
36:
37:case "$1" in
38:'start')
39: if [ -f $SUBSYS ]; then
40: echo $0 already started.
41: exit 1
42: fi
43: dbora_init
44: # Start the Oracle databases:
45: su - $ORA_OWNER -c "$ORA_HOME/bin/dbstart"
46: su - $ORA_OWNER -c "$ORA_HOME/bin/lsnrctl start"
47: # Start Intelligent Agent and Oracle Management Server
48: # --- for Oracle9i ---
49: # su - $ORA_OWNER -c "$ORA_HOME/bin/agentctl start"
50: # su - $ORA_OWNER -c "$ORA_HOME/bin/oemctl start oms"
51: # --- for Oracle Database 10g ---
52: # su - $ORA_OWNER -c "$ORA_HOME/bin/emctl start dbconsole"
53: # --------------------
54: # Start the Oracle HTTP Server
55: # This is a BUG workaround. $ORACLE_HOME/Apache/Jserv/etc
56: # /jserv.properties needs DISPLAY.
57: # test -z "$DISPLAY" && export DISPLAY=":60000.0"
58: # su - $ORA_OWNER -c "$ORA_HOME/Apache/Apache/bin/apachectl start"
59: # --------------------
60: touch $SUBSYS
61: ;;
62:
63:'stop')
64: if [ ! -f $SUBSYS ]; then
65: echo $0 already stopped.
66: exit 1
67: fi
68: dbora_init
69: # Stop Intelligent Agent
70: # --- for Oracle9i ---
71: # su - $ORA_OWNER -c "$ORA_HOME/bin/agentctl stop"
72: # --- for Oracle Database 10g ---
73: # su - $ORA_OWNER -c "$ORA_HOME/bin/emctl stop dbconsole"
74: # --------------------
75: # Stop the Oracle HTTP Server
76: # su - $ORA_OWNER -c "$ORA_HOME/Apache/Apache/bin/apachectl stop"
77: # --------------------
78: # Stop the Oracle databases:
79: su - $ORA_OWNER -c "$ORA_HOME/bin/lsnrctl stop"
80: su - $ORA_OWNER -c "$ORA_HOME/bin/dbshut"
81: rm -f $SUBSYS
82: ;;
83:
84:'restart')
85: $0 stop
86: $0 start
87: ;;
88:
89:'status')
90: if [ -f $SUBSYS ]; then
91: echo $0 started.
92: else
93: echo $0 stopped.
94: fi
95: ;;
96:*)
97: echo "Usage: $0 {start|stop|status}"
98: exit 1
99:esac
100:
101:exit 0


■自動起動の手順

1. rootでログイン

2. /etc/oratabを開きます。

/etc/oratabはOracle DatabaseによりインストールされるOracleのインスタンスを自動起動するかどうかを

設定するファイルです。

  内容は以下のようになっています。

  

orcl:/u01/app/oracle/product/11.1.0/db_1:N


末尾のNをYに変更し自動起動するように設定します。


3. dboraをランレベル3および5で実行するように指定します。


 # chkconfig --level 35 dbora on


この状態でOSを再起動します。

起動後psコマンドで確認するとOracleのインスタンスとリスナーが既に起動していることが確認できます。


※些細なことではありますがdboraではdbstartが"lsnrctl start"よりも前に来ていますので

まずdbstartからリスナーの起動が行われていますが、Oracle11gのdbstartではリスナーの起動も行う場合は

第一起動引数にリスナーのホームディレクトリのパスを指定するようになっている為、以下のようなエラーが

発生してリスナーの起動に失敗しています。


ORACLE_HOME_LISTNER is not SET,unable to start Oracle Net Listener


(尚、リスナーはlsnrctl startの方で起動されているので問題ではありません)
これが気になる場合は45行目を「su - $ORA_OWNER -c "$ORA_HOME/bin/dbstart $ORA_HOME"」に変更

するか、45行目と46行目をひっくり返して"lsnrctl start"でリスナーを起動するようにします。


これでインスタンスとリスナーは自動起動されるようになったのですが、どうせならDatabase Consoleも自動起動

するようにしたいですよね。


5. dboraの52行目の「su - $ORA_OWNER -c "$ORA_HOME/bin/emctl start dbconsole"」のコメントアウトを

解除してDatabase Consoleを起動するようにします。


またdboraの73行目の「su - $ORA_OWNER -c "$ORA_HOME/bin/emctl stop dbconsole"」のコメントアウトも

解除してstop時にDatabase Controlを停止するようにします。


これでもう一度OSを再起動してみます。

今度はOS起動後すぐにfirefoxを起動するとDatabase ConsoleのEnterprise Managerに接続できるようになっています。



関連記事:

[Asianux3]Oracle11gをインストール


先日、U.S OTN(Oracle Technology Network)でOracle Database 11gが公開されましたが

11gはAsianux3もサポートしているのでインストールしてみることにしました。


Oracle Database ダウンロードサイト


Oracle Database Installation Guide 11g Release 1 (11.1) for Linux


Asianuxにはミラクルリナックスが開発したORANAVIというOracle Databaseのインストールに必要な設定を

自動的に行ってくれるツールがついてるのですが


oranavi

現在Asianux Server 3に入っているORANAVIは10gR2に対応したものらしく11gのインストーラを指定すると

「このバージョンはサポートしてませんぜ」ってな感じのメッセージが表示されるので
oranavi_err
今回はORANAVIを使用せずに通常の手順でインストールしてみました。


※追記:2007/12/11付けでOralce 11gをインストールできるOranaviがリリースされていました。

https://tsn.miraclelinux.com/tsn_local/index.php?m=errata&a=detail&eid=59&sType=&sProduct =



【手順】

1. rootでログイン

2. 必要なパッケージの確認

Oracle Database 11gのインストールには以下のパッケージが必要です。

(RHEL5およびAsianux3の場合)


binutils-2.17.50.0.6-2.el5
compat-libstdc++-33-3.2.3-61
elfutils-libelf-0.125-3.el5
elfutils-libelf-devel-0.125
glibc-2.5-12
  glibc-common-2.5-12
glibc-devel-2.5-12
gcc-4.1.1-52
gcc-c++-4.1.1-52
libaio-0.3.106
libaio-devel-0.3.106
libgcc-4.1.1-52
libstdc++-4.1.1
libstdc++-devel-4.1.1-52.e15
make-3.81-1.1
sysstat-7.0.0
unixODBC-2.2.11
unixODBC-devel-2.2.11

「rpm -q パッケージ名」でインストールされているか確認します。

Asianux Server 3のインストール 時にパッケージの選択で「すべて」を選択した場合は全てインストールされて

います。


3. 必要なユーザー、グループの追加

Oracle Databaseをインストールするには以下のユーザーとグループが必要です。

・Oracleインベントリグループ(oinstall)

・データベース管理者用グループ(dba)

  ・Oracleソフトウェア所有者(oracle)


# groupadd oinstall

# groupadd dba

# useradd -g oinstall -G dba oracle

# passwd oracle


4. カーネルパラメータの調整

Oracle Database 11gでのカーネルパラメータの要件は以下のようになっています。

パラメータ 説明 設定値 ファイル
semmsl セマフォ集合ごとのセマフォ最大数 250 /proc/sys/kernel/sem
semmns システム全体のセマフォ最大数 32000
semopm セマフォ集合の変数関数呼び出しごとの最大命令数 100
semmni システム全体のセマフォ集合最大数 128
shmall システム全体の共有メモリの最大サイズ 2097152 /proc/sys/kernel/shmall
shmmax 共有メモリセグメント1つあたりの最大サイズ
この値によりSGAの最大サイズが決まります
以下のどちらか小さい方
・物理メモリの半分
・4GB-1byte
/proc/sys/kernel/shmmax
shmmni 1プロセスごとの共有メモリセグメントの数の上限値 4096 /proc/sys/kernel/shmmni
file-max ファイルハンドルの最大数 512 * PROCESSES /proc/sys/fs/file-max
ip_local_port_range 使用できるポートの範囲 最小値1024 最大値65000 /proc/sys/net/ipv4/ip_local_port_range
rmem_default 受信バッファのデフォルト値 4194304 /proc/sys/net/core/rmem_default
rmem_max 受信バッファの最大値 4194304 /proc/sys/net/core/rmem_max
wmem_default 送信バッファのデフォルト値 262144 /proc/sys/net/core/wmem_default
wmem_max 送信バッファの最大値 262144 /proc/sys/net/core/wmem_max

上記で赤字にした値が10gR2から変更されているものになります。

file-maxは10gでは65536固定でしたが11gでは512×プロセス数になっています。

プロセス数は下のインストール手順の27で設定していますがデフォルトでは150になっていて

デフォルトのままの場合はfile-maxは512×150=76800になります。

Asianux Server 3では最初からカーネルパラメータがOracleの推奨値にあわせるように/etc/sysctl.confに

設定されているのですが、現時点では10gR2にあわせているようなので、赤字の値のみ書き換えて


  # sysctl -p


を実行して反映します。


2007/10/30付けでミラクルリナックスのサイトにAsianux Server 3にOracle11gをインストールする手順が

公開されていましたのでパラメータ設定の詳細はそちらを参照して下さい。


ミラクルリナックス:Oracle Database 11g Release 1 (11.1)のインストール方法 (Asianux Server 3)


5. シェル制限の設定

・/etc/security/limits.confに以下の内容を追加します。


oracle soft nproc 2047
oracle hard nproc 16384
oracle soft nofile 1024
oracle hard nofile 65536


・ /etc/pam.d/loginに以下の内容を追加します。


session required /lib/security/pam_limits.so
session required pam_limits.so


・ /etc/profileに以下の内容を追加します。


if [ $USER = "oracle" ]; then
if [ $SHELL = "/bin/ksh" ]; then
ulimit -p 16384
ulimit -n 65536
else
ulimit -u 16384 -n 65536
fi
fi

6. インストールディレクトリの作成

今回はOracleのインストール先を/u01/app/oracleにします。

このディレクトリを作成しoracleユーザーを所有者とします。


# mkdir -p /u01/app/oracle

# chown -R oracle:oinstall /u01

# chmod -R 775 /u01


7. 一度ログオフし、oracleユーザーでログインし直します。

8. Oracle Database 11gのインストーラーのrunInstallerスクリプトを実行します。

すると以下の様にOracle Universal Installerが起動します。


  asianux_oracle11_1


今回は「拡張インストール」を選択します。


9. インベントリディレクトリの指定を行います。

  今回はデフォルトの「/u01/app/oraInventory」とします。


  asianux_oracle11_2


10. インストールタイプの選択

  今回は最上位の「Enterprise Edition」をインストールしてみます。


asianux_oracle11_3


11.ORACLE_BASEとORACLE_HOMEの場所を指定します。


asianux_oracle11_4


12. 前提条件のチェックが行われます。

理由は分かりませんがUniversal InstallerがAsianuxのバージョンを確認できないようで「asianux-n/a」と

表示され警告が表示されます。

もちろんAsianux3はOracle11gによりきちんとサポートされるOSですのでおかまいなしに次へ進みます。


asianux_oracle11_5


13. 構成オプションの指定で「データベースの作成」を選択します。


asianux_oracle11_6


14. データベース構成の選択で「詳細」を選択します。


asianux_oracle11_7


15. 権限付きオペレーション・システム・グループの選択。

デフォルトのまま次へ進みます。


asianux_oracle11_8


16. Oracle Configuration Manager登録

今回は設定を行いません。


asianux_oracle11_9


17. 以上でOracle11gのインストールが開始されます。


asianux_oracle11_10


18. Oracle11gのインストール完了後はデータベースの作成を実施します。

今回は「カスタム・データベース」を選択します。


asianux_oracle11_11


19. グローバルデータベース名とSIDを入力します。

本来は適切なデータベース名を設定するのですが今回はデフォルトのまま進みます。


asianux_oracle11_12


20. Enterprise Managerの構成を行います。

エラー発生時にメール通知を行いたい場合やリカバリー領域に日次バックアップを行いたい場合は

ここで設定することができます。


asianux_oracle11_13


21. SYS、SYSTEM、DBSNMP、SYSMANのパスワードを設定します。


asianux_oracle11_14


22. データベースの記憶域を指定します。

今回は「ファイルシステム」を選択します。


asianux_oracle11_15


23. データベースの作成先を指定します。


asianux_oracle11_16


24. フラッシュ・リカバリー領域とアーカイブログの設定を行います。


asianux_oracle11_17


25. 使用するデータベースコンポーネントを指定します。


asianux_oracle11_18


26. システムグローバル領域(SGA)、プログラムグローバル領域(PGA)に割り当てるメモリ容量を設定します。

自動メモリ管理に設定することも可能です。


asianux_oracle11_19


27. ブロックサイズと同時接続可能な接続数を設定します。


asianux_oracle11_20


28. データベースのキャラクタセットを選択します。

OSのキャラクタセットがUTF-8なので、データベースのキャラクタセットもそれにあわせておきます。


asianux_oracle11_21


29. 接続モードの選択ですが通常は専用サーバーモードにします。


asianux_oracle11_22


30. デフォルトの高度セキュリティ設定を指定します。


  asianux_oracle11_23


31. 自動メンテナンスタスクの有効・無効を設定します。

11gから導入された機能なので有効にした場合にシステムにどれくらい負荷を与えるのかといった情報が

まだないので有効にしてもいいのか判断が難しいところです。


asianux_oracle11_24


32. 表領域、データファイル、REDOログファイルを確認します。


asianux_oracle11_25


33. データベース作成スクリプトを残したい場合は[データベース作成スクリプトの作成]を選択します。


asianux_oracle11_26


上記の画面で[完了]をクリックするとデータベースの作成が開始されます。


asianux_oracle11_27


データベースの作成が完了すると次のメッセージが表示されます。


asianux_oracle11_28


34. 画面の指示に従い構成スクリプトを実行します。


asianux_oracle11_29


$ su - root

パスワード:

# /u01/app/oraInventory/orainstRoot.sh

権限の変更:/u01/app/oraInventory : 770.

グループ名の変更:/u01/app/oraInventory : oinstall.

スクリプトの実行が完了しました

# /u01/app/oracle/product/11.1.0/db_1/root.sh

Running Oracle 11g root.sh script...


The following environment variables are set as:

ORACLE_OWNER= oracle

ORACLE_HOME= /u01/app./oracle/product/11.1.0/db_1


Enter the full pathname of the local bin directory: [usr/local/bin]:

Copying dbhome to /usr/local/bin ...

Copying oraenv to /usr/local/bin ...

Copying coraenv to /usr/local/bin ..


Creating /etc/oratab file ...

Entries will bi added to the /etc/oratab file as needed by

Database Configuration Assistant when a database is created

Finished running generic part of root.sh script.

Now product-specific root actions will be performed.

Finished product-specific root actions.


35. 以上でインストール完了です。


asianux_oracle11_30


36. /etc/profileに以下の環境変数の設定を行います。


export ORACLE_BASE=/u01/app/oracle

export ORACLE_HOME=$ORACLE_BASE/product/11.1.0/db_1

export ORACLE_HOME_LISTNER=$ORACLE_HOME

export NLS_LANG=Japanese_Japan.AL32UTF8

export ORACLE_SID=orcl

export ORA_OWNER=oracle

export PATH=$PATH:$ORACLE_HOME/bin


以上でOracle Database 11gのインストール作業は終了です。

後はデータベースが正しく稼動するか確認しておきます。

【確認手順】

以下の手順でOracle Databaseを起動します。

1.oracleユーザーでログイン

2 リスナーの起動


$ lsnrctl start


3 データベースの開始


$ dbstart


※尚、事前にlsnrctl startを実行していない場合はdbstartでリスナーも一緒に起動することができますが

その場合は第一起動引数でリスナーのホームディレクトリのパスを指定する必要があります。


$ dbstart $ORACLE_HOME_LISTNER


4 Enterprise Manager Database Consoleの開始


$ emctl start dbconsole


この状態でfirefoxを起動しURLにhttps://[ホスト名]:1158/emを指定しEnterprise Managerを表示します。

asianux_oracle11_em

データベースが正常に起動していることが確認できます。


関連記事:

[Asianux3]Oracle11gの自動起動設定


今週よりミラクルリナックスのサイトからAsianux Server 3の評価版が

ダウンロードできるようになっています。


ミラクルリナックス:リナックス製品評価版ダウンロード


今後は評価版を使用して検証を行っていきます。

早速ダウンロードしてインストールしてみましたが

インストール手順はRCから変わっていないようですね。


[Asianux3RC]Asianux Server 3 RCのインストール


画面デザインもRCから変更なしです。


Asianux3RTM


またリリースノート、インストレーションガイド、サーバー構築運用ガイドが以下のサイトで公開されています。


ミラクルリナックス:Asianux Server 3マニュアル