ご無沙汰しております。
(最近仕事忙しくって・・・(泣))
さて今回はキックスタートインストールの機能を使用してAsianux Server 3の自動インストールを
試してみようと思います。
システムによっては数十台のサーバーを一度にセットアップすることもあるので、
この自動インストールの機能は結構重要視しています。
キックスタートインストールを行うにはまず設定の書かれたキックスタートファイル(ks.cfg)を
用意する必要がありますが、Anacondaでインストールすると/root直下にanaconda-ks.cfgという名称で
キックスタートファイルが作成されているのでこれを必要に応じてちょこちょこっと変えて使うのが
いいと思います。
◆キックスタートファイルの例◆
1: # Kickstart file automatically generated by anaconda.
2: install
3: cdrom
4: lang ja_JP.UTF-8
5: keyboard jp106
6: xconfig --startxonboot
7: network --device eth0 --bootproto static --ip 192.168.150.237 --netmask 255.255.255.0
--gateway 192.168.150.127 --nameserver 192.168.48.202,192.127.231.104 --hostname ASIANUX-3
8: rootpw --iscrypted $1$aX/rCxmu$QYX5rDDW5RLQvqR9FPWIE1
9: firewall --disabled
10: authconfig --enableshadow --enablemd5
11: selinux --disabled
12: timezone Asia/Tokyo
13: bootloader --location=mbr --driveorder=hda
14: # The following is the partition information you requested
15: # Note that any partitions you deleted are not expressed
16: # here so unless you clear all partitions first, this is
17: # not guaranteed to work
18: clearpart --all --drives=hda
19: part /boot --fstype ext3 --size=100 --ondisk=hda
20: part pv.10 --size=0 --grow --ondisk=hda
21: volgroup VolGroup00 --pesize=32768 pv.10
22: logvol / --fstype ext3 --name=LogVol00 --vgname=VolGroup00 --size=1024 --grow
23: logvol swap --fstype swap --name=LogVol01 --vgname=VolGroup00 --size=1000
--grow -- maxsize=1984
24: %packages
25: @basesystem-optional
26: @Chinese-support
27: @gnome-libs
28: @kde-desktop
29: @virtualization
30: @legacy-software-development
以下最終行までインストールするパッケージが記述されています。
キックスタートファイルの各オプションの説明については以下のサイトの情報が詳しくていいです。
Red Hat Enterprise Linux5 インストールガイド:28.4 キックスタートのオプション
<簡単にメモ>
4~5: 言語とキーボードを日本語に設定
6: X Windowの設定、デフォルトではstartxonboot=ランレベル5で起動の設定のみが記述されています。
7: ネットワークの設定。DHCPの場合は以下の様に指定。
network --device eth0 --bootproto dhcp
8: rootのパスワード。パスワードはMD5で暗号化されていますが10行目の設定に依存しているのでしょう。
9: ファイアーウォールの設定。
AsianuxではデフォルトOFFですが有効にしたい場合は次のような感じで指定します。
firewall --enabled --trust=eth0 --ssh --http
10: 認証の設定。シャドウパスワードを使用しMD5で暗号化するように指定しています。
11: SELinuxの設定。無効にしています。
12: タイムゾーン。アジア/東京に設定。
13: ブートローダー(GRUB)の設定。MBRにインストールするように指定。
18~23: パーティションの構成の設定。
anaconda-ks.cfgではデフォルトではここはコメントアウトされているのでパーティションの構成を
自動で行いたい場合はコメントアウトを解除します。
24以下:インストールするパッケージの名称が列挙されています。
なお、Asianux Server 3にはキックスタート設定ツール(system-config-kickstart)というツールがあり
これでキックスタートファイルを作成することもできます。
キックスタートファイルの使い方には
1. FD上に保存して使う
2. ブートCD上に保存して使う
3. NFS等を使用してネットワークで公開する
がありますが、今回は「2. ブートCD上に保存して使う」のやり方でいってみることにします。
まずAsianuxのインストールCD1枚目の内容をHDDにコピーします。
# mount /dev/cdrom /media
# cp -r /media/Asianux /tmp/Asianux
インストールCDの一番上の階層のディレクトリにキックスタートファイルをコピーします。
# cp ks.cfg /tmp/Asianux/
CDイメージを作成しCD-RWに焼き付けます。
# mkisofs -o Asianux_Disk1.iso -b isolinux/isolinux.bin -c isolinux/boot.cat -no-emul-boot
-boot-load-size 4 -boot-info-table -R -J -v -T /tmp/Asianux
# cdrecord --scanbus dev=ATAPI
(省略)
scsibus0:
0,0,0 0) 'HL-DT-ST' 'DVDRAM GSA-H10N ' 'JL10' Removable CD-ROM
0,1,0 1) *
(省略)
# cdrecord dev=ATAPI:0,0,0 blank=fast
# cdrecord -v speed=8 dev=ATAPI:0,0,0 -eject Asianux_Disk1.iso
これで準備完了です。
早速、作成したCDを使用してキックスタートインストールを行ってみます。
【手順】
1.Anacondaが起動したらboot:プロンプトで以下のコマンドを入力します。
なお、FDにキックスタートファイルを保存している場合は以下のコマンドになります。
linux ks=hd:fd0:/ks.cfg
NFSの場合だと以下のような感じになります。
linux ks=nfs:asianux-test:/kickstart/ks.cfg
2. 後は自動的にインストールが実行されます。
入力等を行わなくてならない作業はありません。
(今回はCD-ROM版を使用していたのでパッケージのインストール中のCD交換だけは必要でしたが
ただ1つだけ問題がありまして、キックスタートファイルのxconfigオプションで画面の解像度を指定しないと
800x600のサイズに設定されるのですが、これを1024x768にしたいと思って
xconfig --driver "i810" --videoram=16384 --defaultdesktop=KDE --startxonboot --resolution=1024x768
--depth=24
monitor --hsync=31.5-48.5 --vsync=40.0-70.0
と指定したのですが無視されてしまって、800x600になってしまいました。
これだけが今のところ未解決です。