タイトル︰「pink blue」
アーティスト︰緑黄色社会
…というかリリース半年前ですけど汗
アルバムレビューしようと思っていたのが、どんどん後の方に行ってしまい、この時期に掲載になってしまったという感じです、はい
そんな今作、前作「Actor」は1人1人焦点を置く曲が多く、「キャラクター」なんてその象徴でした
で、今回のテーマはリョクシャカのより細かい部分を出すこと
なので前作よりもバリエーションは広がった印象です
例えば「ピンクブルー」
音楽ナタリーでは80年代のポップス、ロッキンオンでは相対性理論への意識に言及したように、とてもニューウェーブより
プログレではなく、ニューウェーブで来たかという感じですし、
「お外は危ないから良い子にしてるわ
今夜は冷え込むし」
と何気ないフレーズも今となってマスコミを意識させるような感じに
ひょっとしたら、これが後の「花になって」に繋がった気が無くもしない気がします
「私は途中で悟る
何巡目の命を迎えても
頼りないその背中を
探してしまうだろう」
「どんなドラマになるか賭けようか
主役はここにいま揃った
エンドロールはなしで描いていこう
答え合わせもなくていいよ
ふたり最後に笑っていればいい」
と赤裸々に綴った人生観をプログレ強めながら、間奏では壱誓が歪んだギターソロをかき鳴らす「Starry Drama」、
「brother
さて僕はどうするか
また何度も変わりない日々を
繰り返してしまうのか
いやそうじゃない
いいかい?
ここが真ん中だ
宇宙の核なのだ
手始めに、出たら目に、自分征服をしよう」
と「新しいことを始めること」をテーマにするユニークな観点を持ったピアノバラード「ジブンセイフク」とやっぱり一筋縄で行かないのがリョクシャカ
単なるポップロックバンドじや終わらせない執念のようなものが見え隠れしてますか、「あうん」はリョクシャカの楽曲では久々に長屋と壱誓がツインボーカルを行う曲
曲調はR&B、途中ではpeppeの鍵盤ソロも入ったりしますが、壱誓って元々リョクシャカでボーカル希望で入ったんですが、長屋がSEKAI NO OWARIの「虹色の戦争」歌っているのを見て、ボーカルを断念した経緯があった気がします
でもボーカル出来る点は「はじまりの歌」などでも活かされてますし、今後ツインボーカル曲は増えるかもしれません(ちなみに余談ですが、HYのYou Tubeに出演した際、壱誓も真吾も長屋とpeppeは推しと考えているようです。)
果て無き道に挑むリョクシャカのアティチュードをミクスチャー調で示した「ミチヲユケ」、クレヨンしんちゃんの映画主題歌ながらリズム隊が躍動したり、壱誓のギターソロも泣きメロで攻めて、
「晴れのち雨のち腫れのち七色
びしょ濡れでも笑えるさ
震えてるんだ
それでイイんだ
立ち向かうんだ」
と前向きに転換する「陽はまた登るから」、80年代を意識させるモータウンのリズムと共に、
「お待たせしました
今宵も大好評デザート
他人の悪口」
「快楽物質分泌で
だんだん楽しくなっちゃって」
「我に返ると
惨めになりませんか?」
とSNSを風刺するフレーズのオンパレードな「Don!」と先行シングルはやはり強力
しかも「Don!」はカップリングなのでなお凄さが目立ぢますが、そうした先行シングル達の隙間に入っているのは、「うそつき」や「湿気っている」といったバラード達
「はぁ あなたごと全て手に入れてみたかった
どんな汚いことでも全部全部全部全部
」
と未練を感じさせる「うそつき」は、peppeによる郷愁を感じさせる鍵盤や小林壱成による終盤の歪んたギターソロが印象に残りますし、「湯気っている」は実に5分近くにも及ぶブルージーなバラード
リョクシャカがシングルで最後にバラードを出したのは相当前
尚更バラードは印象的に映るのではないでしょうか
終盤にはファンタジックで歌謡ぎみな「White Rabbit」がありますが、力説するべきはロックバンドとしてのダイナミズムが出たような「さもなくば誰がやる」と「Slow dance」でしょう
前者は力強いグルーヴに歪みまくったギターが印象に残ると思われますが、
「常識外れが変えてくんだ
さもなくば誰がやる 泣き寝入りは嫌
当たり前は誰のため?
お揃いに安心してたら置いてかれちゃうんだ
いつかの夢見てた私らしさに
怖くない 怖くないよ
背中に集まる希望を信じて」
と発信力のあるバンドマンだからこそ、変えていかなければならない
そんな使命を内に宿している見えます
それくらい「さもなくば〜」は熱い
今後のリョクシャカのキーになりそうな感じがするほどに
そして最後の「Slow Dance」、どんどん世界観が拡張するように曲は進行していきますが、ここに一番込められたのは長屋、壱誓による
「刻まれた線を何度辿っても笑った顔だった
あなたには何度何度形ない愛をもらったか
溢れてくる」
「あなたが残していった
陽だまりの中にいるよ
あなたこそどうかちゃんと笑えるように
この唄を捧げるから」
といった亡くなった祖母への思い
旅立った祖母を安心させるように、このアルバムは幕を閉じます
傑作だった「Actor」を超えたのは誰の目にも明らか
つまり最高傑作となったわけですが、この「pink blue」が後の楽曲制作にも大きな影響を及ぼすことになったようです
それは後程触れるかも…
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