「相手の体を(俯瞰的に)見たときに、『操法の引き出し』と『気付きの引き出し』の二つの引き出しがあります。前者は【理性や思考】という言葉に置き換えてもいいし、後者は【感覚やひらめき】と言っても良いと思います。思考の世界は型にはめてしまいやすく柔軟性に欠けます。感覚の世界は何故その操法をしているのか自分でもよく分かっていないけど、一番良い形で相手に対応していける感じになります。』
三人組で練習をしている時にコンタン先生に質問して言われたことです。私はなぜ右の肩甲部の違和感を訴えるケースに対して、左上肢の剥がしや前腕を回内する操法になるのかという根拠というか由来、how toの部分を聞こうとしたのです。
更に「寄り添う気持ちがあれば、相手の体が“これをして欲しい”ということが分かるというか聞こえる」とも教えてもらいました。
「考えた瞬間にズレる」と今先生もよく言われますが、感じ取ることや決めつけない柔軟な発想力の大切さを、改めて教えてもらえた授業中の一コマでした。
皆さんこんにちは!
佐山義和です。
内容は
1.耳鳴り
2.踵踏み込み
3.足上げ下げ
1.耳鳴り
「首より上に出る症状の多くは、頚椎に原因がある」と橋下先生も言われていたと教えられました。体調の好不調が耳鳴りの程度に現れるという症状。感覚としては鼓膜を外側から外圧で押されている感じで、ジーーっと虫が飛んでいるような様子。
ベッドに仰臥位になり今先生が左頚部にあるシコリを触診。そのシコリを引っ張り操法をすると大きく耳鳴りは消失。
その後頭皮の固いところも皮膚操法をすると眠くなる感じも出てきて症状は安定する。
2.踵踏み込み
踵で踏み込む、母指球で踏み込む、小指球で踏み込む形の三つのタイプがある。踵で踏み込む場合はつま先部は背屈したいので甲側も抑えるようにする。母指球や小指球で踏み込む場合は踵部が引き上げたい為、後ろから踵部を抑えるようになります。
母指球や小指球で踏み込む時のスタートの足首角度は直角90度から始めないと上手く押し出すことができません。また耳鳴りの症状の操体の時も小指球の抑えを使われていました。
3.足上げ下げ
両下肢をベッドから両手で持ち上げる。ちょうど良い高さや外旋角度を感じ止める。分からない時は聞く。左右を足を交互にベッドに対し下げてもらい、下げ易い方とそうでない方を確認する。
足をベッドに押し下げる時は、若干外側に下ろすと下ろし易くなる。また踵を止める時は、よりアウター筋を使う傾向があり、足首を止める時は、よりインナー筋を使う傾向がある為に内動が発生し易くなるなる。
反対に足をベッドから上げていく時は、下げる時の逆を行うと良い。
感想
操体法の剥がしや圧痛操法の痛みが伴う操法の割合と、気持ちがよく自発動などの動きのあるスッキリした操法の割合が、最近前者が多くなってきていることに何となく違和感を感じてきていたので、ハードな操法ではなくソフトな操法をもっと自分自身が体験し体感したい旨を授業の冒頭に今先生にお伝えしました。
今回の授業はそのソフト路線の優しい操体法が多くあり、とても分かりやすい内容だったのでペアを組んだCさんと共に「面白いねー」とか「深いですねー」とか言いながら楽しくも学びの多い時間を過ごすことができました。
でも前腕の皮膚操法をする前に、上腕内側の剥がしをちょっとしてからやるともっと動きが良かったりすることなどをコンタン先生から教えてもらい、どちらが良いとかはないことも理解しました。
反省会の時に今先生が目の前にあるマグロの刺身を見ながら、「操体法はマグロの刺身だよね」「操体はこういう味でこういう食感だよね」という風に操体法を形容する人がいると言われました。
それに対して今先生は「操体法は完成されたものではなく、決まった型や考え方はあったとしても、完結し出来上がっている面白ろくない施術法ではない。どこに着目するかは好みの問題。」としながらも「教える側の人間が誰よりも、進化していく覚悟を持っているかどうかだよね」と言われていました。
まだまだ未熟な感覚の世界や俯瞰的に体の変化を捉える眼も乏しいですが、今先生やコンタン先生の進化を体で心で感じていけるようにしていきたいです!ソフト路線をもっと強化していきたいです!