感情ってなんでしょうね?
思考と感情は、どのように関係するのでしょう?
そんなことを脳科学で説明するこの本は、とても面白いですよ。
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「こころ」はいかにして生まれるのか 最新脳科学で解き明かす「情動」 (ブルーバックス)
1,080円
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情動というのは感情のことです。
この本で書かれていることが、思考と感情と行動との関係を理解するヒントになります。
どんな生物でも動ける動物であれば、好き・嫌いの感情のようなものがあります。
好きというのは、生物にとってメリットに近いづいたり、手に入れる行動につながる感覚。
嫌いというのは、デメリットある状況から遠ざかる感覚。
人はその感覚を好きとか嫌いという感情として認識します。
その次に進化と伴って、感情は恐怖に発展していきます。
天敵などの外的に遭遇した時の行動をとるためのものです。
闘争・逃走反応とか、3F(fight:戦う、flignt:逃げる、freeze:固まる)といった行動です。
上でお話をしたとおり、感情は元々は次の行動につなげるためのものです。
そして、感情を感じる時、それに適した行動をしやすいように体の状態も変化させます。緊張したりするでしょ?それです。
複雑な感情もそのルーツを理解すると、もともとの機能が分かってきます。
「あっ、ヘビだ!怖い」と感じるとき、「ヘビだ」と認識する脳の領域と「怖い」感じる脳の領域違は違います。
- 視覚連合野が目から刺激を画像にする
- 視覚連合野の情報から大脳皮質が「ヘビだ」と判断
- 視覚連合野の情報から大脳辺縁系が「怖い」と判断
- 視覚連合野の情報(視覚刺激)と「怖い」を扁桃体が結びつけて記憶
となります。
少し難しく思えるかもしれませんが、「ヘビだから怖い」と脳の中では処理しておらず、見えた映像から直接「怖い」と感じるようになっているということです。
そして、その映像と「怖い」という感情がセットで保存されます。
「パブロフの犬の実験」はこのような脳の仕組みで起こる現象です。
また、「な〜んだ、オモチャか」と思考で認識しても、それとは別にオモチャのヘビという画像と「怖い」が結び付く可能性があるということです。
本の中ではサルの実験も紹介されています。
ヘビだと認識する脳の領域を損傷させたサルにヘビをみせると、ヘビだと認識できないのに恐怖反応がでます。
つまり、「ヘビだから怖い」と考えたから怖いというわけではないということです。
つたわりましたでしょうか?
考えなくてもヘビの映像をとらえたら "怖い" という反応がでちゃうんです。
これが、理屈で「ヘビを怖がる必要はない」と理解しても、「怖いものは怖い」となる理由です。
「××だから、好き」と好きなのに理由があるように感じますが錯覚です。
本当は、視覚・聴覚などで捉えた感覚と、好きという感覚が過去に結び付けられただけです。
考えを変えても、感情は変わりません。
ある刺激と結びついた感覚を変える必要があります。
感じ方そのものを変えるということです。
でも、感じ方が変わることがありますよね?
ある映像と「怖い」が関係ないことを、再度学習しているのです。
行動分析ではレスボンデット消去と言って、パニック障害などの不安障害の改善に応用されています。
エクスポージャー(曝露療法) とも言います。
さて、このブログで説明してきたこれまでの記事とつながってきたでしょ?
考えが直接感情を起こすわけでも、行動をさせるわけでもないんです。

