私たちの中で、意識的な行動をさせる部分、自動的な行動をさせる部分について、考えてみます。

 

自分の上手な使い方の考察になると思います。

 

 
意識的な部分と自動的な部分

 

意識的な行動と、自動的な行動をさせる部分の関係は、以下のようになっているととらえることができます。

 

青い矢印は、体に対して行動を起こさせることを表しています。

 

ここでの行動とは、以下のようなことが含まれます。

  • 言動を起こさせる
  • 思考を感じさせる
    (言語化やイメージ化させる)
  • 感情や感覚を感じさせる

自分と上手に付き合うためには、まずは「①意識的な部分」と「②自動的な部分」の性質を知る必要がありますが、

その前に、「感情や感覚を感じさせる」が含まれるのに、違和感を感じるかもしれませんね。

 

 
意識的な感情と自動的な感情

 

感情も自動的なものと意識的なものがあります。

 

「意識的な感情」というのに違和感を感じるかもしれませんが、俳優が「役作り」といって役の感情に入っていくのは、「意識的な感情」の一つだと思います。

 

また、自律訓練法という心理療法では、体をリラックスさせるために、腕や足が「あったたかく感じる」と意識を集中させますが。やってみると実際に温かくなるように感じます。

これも、「意識的な感情(感覚)」と言えると思います。

 

自動的な感情には生理的なものだけではんく、過去に脳が覚えた反応のクセのものが多くあります。

 

「自分と上手な使い方」のコツをつかむと、感情もより良いものに変わってきます。

 
意識的な部分と自動的な部分の違い

 

よりよい行動をするためには、「①意識的な部分」の働きが重要です。

 

これは以下の違いがあるからです。

 

①意識的な部分:

  • 今の状況に適した新しい動きをしようとする
  • 今の状況への適否を重視して学ぼうとする
  • ぎこちなかったり、遅かったりする

②自動的な部分:

  • 過去に覚えた動きで対処しようとする
    (今に適さないことがある)
  • 思考錯誤的に新しい動きを学ぼうとする。
  • スムーズに動いたり、はやかったりする

①意識的な部分が生み出した新しい動きを何度も繰り返すと、②自動的な部分が覚えてスムーズに動けるようになります。

 

自動車の教習所で最初はぎこちない運転が、徐々にスムーズになるのがそれです。

この場合は、「適否を重視した学び」と「試行錯誤的な学び」の両方があると思います。

 

 
意識的な部分の能力

 

①意識的な部分の判断は直感的です。

 

それでも素晴らしい判断をするようにできています。

AI vs 人間:動物的な脳との付き合い方」でお話をした通り、最近注目されているAIのモデルになっている部分です。

 

そこの力を使わないのは、とてももったいないことです。

 

 

でも、私は普段はラクな②自動的な部分で動くことが多くなています。

 

 
意識的な部分を優位にするためには、自分を観察する

 

意識的な行動をするには、自分がどう従っているかを知る必要があります。

 

つまり、「②自動的な部分」が何をしたがっているかを観察します。

 

 

ある程度、年を重ねると過去に学習した行動がたくさんあって、何か新しいことをしようとすると「②自動的な部分」が仕事をしようとします。

 

スポーツなどで、悪いクセと知っていてもどうしても出てしまう行動などがそれです。

 

自分の意識的な部分が観察できるスピードまで遅くして、ゆっくり正しい行動を何度も体に覚えさせてから、少しづつスピードを上げていくと悪い癖が治っていきます。

 

ジャンプのようなスピードがないとできない動きも、行動を分解して足の使いかや手の動きなどを体に覚えさせてから行うと、クセが修正されるはずです。

 

 

思考や感情も自分がどんな場面で何を感じるのか?何を考えるのか?をしっかり追えるようになると適切なものに変わっていきます。

 

 
意識的な部分の働きを阻害するもの

 

自分を冷静に観察できなくなると、意識的な行動ができなくなります。
 
つまり、
  • 力む
  • 急ぐ
  • 感情的になる
  • ボーとする
    (意識が向いていない)
などの時、①意識的な部分は働かず、②自動的な部分が優位になっています。
 
それでも新しい行動を覚えられますが、思考錯誤的なので効率も悪く、悪いクセをつけてしまったりします。
 
 
私たちは、普段仕事に追われて急いでいたり、結果にこだわって力んだり感情的になっていることが多いですが、こんな時は②自動的な行動に頼っています。
 
 
感情も観察すると変わる

 

ネガティブな感情が湧いてきたときも、その感情をしっかり観察するとしばらくすると消えていきます。

 

②自動的な部分が感じさせていた感情が、 ①意識的な部分が働くようになると、その状況に適したものにコントロールするからです。

 

逆にネガティブな感情から目を背けると、変わらないのは②自動的な部分に任せることになります。

また、観察せずに無理やり感情を変えようと力んでも感情が変わらないのは、やはり②自動的な部分で対処しようとしているからです。

 
 
行動も思考も感情も、変えようとしたときは、しっかり自分を観察して①意識的な部分でコントロールできるようにするとよいのです。