【監督】
イーヴォ・カプリーノ
Ivo Caprino
【人形制作】
インゲボルグ・グーデ
Ingeborg Gude
【音楽】
ビャルネ・アムダール
Bjarne Amdahl
【スタジオ】
AB映画技術
AB Film-Teknik
「キツネの未亡人」(Reve-enka)
とは、
アスビョルンセンとモー(Asbjørnsen og Moe)
による、
「ノルウェー民話集」(Norske Folkeeventyr, 1841-1844)
に収録されているお話です。
〝アスビョルンセンとモー〟とは、
ノルウェーの民話作家、民俗学者、自然科学者、動物学者の、
ペーテル・クリステン・アスビョルンセン
(Peter Christen Asbjørnsen, 1812-1885)と、
ノルウェーの民俗学者、プロテスタントの監督、詩人、作家の、
ヨルゲン・エンゲブレートセン・モー
(Jørgen Engebretsen Moe, 1813-1882)
の二人の名から来ています。
(藤子不二雄みたい?)
実写の場面で老紳士がでてきますが、
アスビョルンセン役なのでしょうか?
似ているので多分そうでしょうね。
Peter Christen Asbjørnsen – Wikipedia
ノルウェーの水木しげる、
テオドール・キッテルセン(Theodor Kittelsen)
もイラストにしていますが、
今回ご紹介するのは、
前回の記事で紹介したイーヴォ・カプリーノが、
1962年に制作した、人形アニメーションです。
オスロ 映画の詩(Oslo. Et filmkvad)ノルウェーの人形アニメーション
内容ですが、
ニワトリの食べ過ぎで夫を失ったキツネの未亡人が、
服喪期間を過ぎると、メイドの猫コルセ(Korse)を雇います。
未亡人には、オオカミ、クマ、キツネと、
3人の求婚者が順に訪れます。
3人とも、道中で、木の切り株に鼻を挟まれて、
身動きが取れずにいる老婆と出会います。
オオカミとクマは、
助けることを拒否してそのまま通り過ぎますが、
未亡人は彼らを拒絶します。
一方、身なりはボロボロだけど陽気なキツネは、
その老婆に出会うと、彼女を助け出して食べ物を与えます。
キツネはお礼に、老婆から綺麗なコートを授けられました。
そして未亡人の許へと向かいます。
人形アニメーション版では、
魔法によって綺麗な身体に変身、
という演出になっている様ですが。
そして、未亡人は彼の求婚を受け入れるのです。
教訓ですねェ!
漫画「独身アパートどくだみ荘」に、
デートに向かう主人公よしおが、
その途中で強盗に襲われてパンツ一丁にされてしまった
中年男性に助けを求められるものの、
デートの方が大切とばかりに救助を拒絶。
ところが、その中年男性とは、デート相手である女性の父親だった…。
…というお話がありましたが。
困っている人は助ける様にしています。
中国だと、罠なので誰も助けない、
みたいな話を見た事ありますが、
その一方で、通り魔に襲われた日本人を助ける為に
命を落とした中国人女性もいて、
何人とかで決めつけるのもしたく無い。
いずれにせよ、なんとも、世知辛い世の中ですねェ…。
人形制作のインゲボルグ・グーデは、
イーヴォ・カプリーノの母だそうですが、
イラストレーター、漫画家として活躍していたとのこと。
また、映画女優や作曲もする才能に溢れた人だったそうです。
「天空時計」(Himmeluret)
という1925年公開の映画に出演。
IMDbに「Ingse Gude Caprino」と出ているのがそうで、
コンチータ(Conchita)役だそうです。
Himmeluret (1925) - Full Cast & Crew - IMDb
1944年に、
「歌の仲間たち」(Visens Venner)
に女性として初めて参加し、
反ナチスの内容を含むいくつかの歌を作曲。
Ingeborg Gude – Wikipedia, Deutsch
反ナチスの番組の脚本も書いたのだとか。
Ingeborg Gude – Wikipedia, Norsk bokmål
1963年の彼女の死まで、
イーヴォの全ての作品に関わっていたそう。
母子で才能に溢れていたんですね!
で、彼女はどんなイラストを描いていたのだろうか?
と思って検索してみました。
serieantikvariatet.no/product/Gude%2C_Ingeborg_Gamle_norske_ordtak/174616
serieantikvariatet.no/product/Gude,_Ingeborg_Dyra_tenker_sitt/174615
ネット上にあまり彼女の作品が出ていなくて残念です。
(最終更新:2024/8/11)