【酒と食・5】旧字と新字 | 沖縄パチスロ放浪記

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東京でのスロプ生活に飽きて、2010年から沖縄に移住。

日々の生活を、酒を片手に、徒然と。

前の続き。

 

漢字の旧字と新字の話が出て来たので、ちょっと脱線。漢字の新字体と言うのは、旧字体の煩雑さを解消する為に、簡単にしたもの。「萬」と「万」では、書く際の手間が随分と違う。この簡略化自体には俺は賛成。

 

中国の簡体字も良いと思う。日本も少しずつ取り入れて行くべき。「」なんて面倒だからな。中国語はちょっとここでは表示出来ないようなので、簡体字はリンクを見てくれ。

 

」「」も俺は自分で書く場合は簡体字で書いてしまう。言偏「言」は、さんずい(氵)と区別付け辛いのが良くないが。「」なんて、簡体字だと、ぱっと見「」に見える。でも、金偏「」とか、食偏「」なんかは便利。自分のメモの際には使っている。

 

台湾は今でも旧字、つまり繁体字、を使っているから、書くのが大変そう。向こうには平仮名も片仮名も無いんだからな。

 

ふと、中国人は漢字を度忘れした時はどうするんだろう?と思って調べたが、発音記号であるピンインを使うか、同じ発音をする別の漢字を当て字にして書くそうだ。後者の方が一般的らしい。

 

で、繁雑な旧字から新字への切り替えは良いんだけど、日本がやっているのは中途半端なんだよね。良く使う漢字だけ新字を使って、あまり使わない字は旧字で残してしまった。そのためにややこしいことが起きている。

 

最初に挙げた「萬」と「万」。「万」を新字として使う、と決めたのならば、「萬」が入り込んでいる他の漢字も全て切り替えてしかるべき。ところが、そのまま残ってしまったものが結構ある。

 

例えば「高邁」。「邁」の字を、本来ならば新字にして、「万」にしんにょうとすべきところを、余り使わない字だからと言って、新字に切り替えなかった。中国語にこの新字はあるが、日本語では認められていない。

 

よくよく見ると気付くけど、「邁」の字のしんにょう、点が二つ付いている。これも旧字の名残で、本来はしんにょうは点が二つ。だが新字にした際に、点が一つのしんにょうに切り替わった。ただし、これも良く使われる漢字にのみ適用されたので、今では点が一つのしんにょうと二つのしんにょうがある、となってしまった訳。

 

「激励」の「励」は「勵」の新字。こちらは「励ます」でよく使うから、新字。だが、「牡蠣」の「蠣」は旧字のまま。「牡蠣」ぐらい良く見るけどねえ。この辺が納得できないし、学習の際も不便。一応「蛎」の字はあるけど、一般的ではない。

 

散村(普通の集落は民家が密集して村を作るが、それと違って民家が点在している村)で有名な富山県の砺波(となみ)平野、この「砺」も新字。地名では使うけど、普段は全く使わない漢字なのに。「礪」が旧字。

 

栃木の「栃」、これはこの形になった経緯がちょっと不明なんだけど、「櫔」の字を参考にしたと言われている。「砺」と「栃」似ているけど、右側の一番上の横棒が、「栃」は斜めになっている。何でだよ、いい加減にして、と思うね。

 

これ、ちょっと改革した方が良いよ。少なくとも学校教育の際は。余りにも非合理的過ぎる。中国が国策として簡体字を用いたのと同様、日本も政策で直すべきだ。

 

(続)