危険なステップ~ラスト~ | 俺的スロ日記

俺的スロ日記

行儀良く真面目なんてペナ喰らえと思った

危険なステップ~その①~
危険なステップ~その②~
危険なステップ~その③~

存在しないはずのイブニングを攻め続ける幽霊達。それを嘲笑い見ていた俺達。
当初は笑える状況だったが事態は少しずつ変化し始めた。


閉店時、幽霊達が出したメダルを貯メダルへ預けるのだが、その残高はモリモリと元気よく増えていたのをチラっと見た。何ぞイブニング詐欺を喰らっておきながら堅実に増やしやがって引きが強い奴等やのう!と少しイラっとしていた。


この時、幽霊達の貯メダルは増えている事に対し、俺達の貯メダルはたいして増えていない現状があった。その要因はバルデビッグが話にならんレベルで出なくなっていた。これは俺達がブッコ抜いていた事を店長が気に入らなかったのだろう。当たり前である。バルデビッグはホーム店最速の設置寿命で翌週の入替で速攻撤去されたワロタ。いや笑い事ではない。立ち回りの主軸が失われたのであるから痛恨の一撃であるワロタ。いやワロタじゃない。


激甘のバルデビッグを失った俺達の立ち回りは、朝一はリセモ狙い、昼前から技術介入機とセコセコやるしかなかった。スロットとはこんなにも真面目に打たねばならんモノとは・・・バルデビッグでぬるま湯に浸かっていた環境が異常だったと再確認し真剣にパチスロを打つようになった。


しかし難しい。朝一のリセモ狙いは運まかせの勝負でここは重要ではない。
設定判別打法・クロスカウンター打法・DDT・リプレイ外しと正攻法を全て駆使し技術介入機を攻めるも、高設定を掴むまでに投資がかさむとノリ打ちの場合、致命的になる。できるだけ高設定を一発ツモする必要があったが、それはもちろん思うようにはいかず、勝つには勝っていたが満足のいくレベルではなかった。


俺達がこんなにスロットを真面目に打っているというのに、幽霊達はイブニング詐欺で騙されているはずのくせして結構勝ってやがる!チンピラのくせして引きが強い奴等やのう!

幽霊達は俺達からバルデビッグネタを聞き出せなかったが、もうそんな事はどうでもいいのだろう。撤去された機種の情報なんぞ参考程度にいつか聞けばいいし、今はダルマで連戦連勝しているのだから。(ペッ!)












貯メダルを増やす幽霊達に対し、俺達ノリ打ちグループは全員が高設定を掴むことは稀で、いつも2~3人は打つ台が無くあぶれる事が常だった。あぶれた仲間は高設定を臭わせるデータが出揃うまで待機するしかない。これが結構しんどい。休憩所と島間を右往左往し続けるがそう簡単には打てる台は見つからない。休憩所でいつも通り『もし1兆円あったら何に使う?』と低脳なやりとりを終え退屈を持て余している時だった『ダルマって実は甘いんかな?』と仲間が言った。




ド低脳な俺達は知っているかぎりのダルマ情報を出し合った。

機械割は低い・技術介入度も低い・クソゲーっぽい・リールがダサい・あとは・・・完全告知?あと裏モノではないな(それは知ってるわ!)イブニングもないな(それも知ってるわ!)

さすが架空の1兆円で幸せ老後計画まで話し合っている愚か者集団である。ろくな情報が出てこない。というかダルマは超マイナー機で雑誌でもほとんど見た事が無いから全てイメージで言っている。

一度打ってみようかと遊び半分のつもりで俺とノリ打ち仲間のO君は二人でダルマを初打ちすることになった。

ダルマは全部で5台。その内の2台は幽霊達が打つから常に3台は空台だった。
人気が出るような見た目じゃなかったし、ツィンピラの幽霊達がいつも打っていたから一般のお客は寄りつかない幽霊専用台になっていたから一応許可を頂くつもりでO君は幽霊達に確認した。





O君『イブニング狙っていいッスか?』

まさかO君がそういうアプローチで行くとは予想外だった。
俺達が仕掛けたイブニング詐欺の渦に俺とO君は飛び込んだワロタ。


『二人か?二人だけか?二人だけやったらいいぞ』と幽霊達から御了承を頂いた。
幽霊達二人、俺達二人、一台空台にする事で占拠という形を回避する幽霊達の昔ながらの常連気質に感銘を受けた。キンピラのくせに(ペッ!)





俺と違い人懐っこい性格のO君は幽霊達の真横に座り『通常時どこ狙ったらいいッスか?』『BIG中はどこ狙ったらいいッスか?』メッチャ聞きよる。

O君そういう人達に聞いちゃ駄目だよ自分で調べるか、せめて俺に聞いてよと思ったが、O君はペットショップで売られている小犬の様にキャンキャン可愛い。全速メトロノームのように尻尾フリフリで嬉ションをジャー状態に押されたのか、幽霊達は打ち方を見せてくれた。聞いてみるもんやな。リール配列見ればすぐにわかるけど聞いてみるもんやな。1兆円で車2千台買う言うてただけあるなO君は。



そんな中、俺はある程度打った時、こいつぁ甘いぜ!と認識した。
通常時、DDTの効果が結構高い。リプレイ外しは効果が高いと言う訳ではないが簡単であり、そこそこ効果がある。そしてなにより設定状況が甘い。これはピカゴロウ形式だ。

ピカゴロウ形式とはマイホで使っていた言葉で、【少数台・人気が無い・ノーマル機・常連が打つ】この四つが重複した時、全6で放置される現象の事である。売り上げの主力は裏モノと技術介入機で、ここを全6にしても痛手ではない。それより幽霊達が店側に常連と認識されている事の裏付けにムカムカした。ティンピーラーのくせに(ペッ!)

しかし撒いた毒芋が種芋になって畑に実ってる状況には感謝します。明日以降も2台は打たせていただきますアリガトウゴザイマス(ペッ!)










16時くらいになり幽霊達が当たると『イブニングッスかぁ?』とO君は言う。
俺が当たっても『それイブニングやな』とO君は言う。
O君自身が当たっても『これイブニングですね!』と言う。
もういいて全力で演じるのもういいて。


おそらくではあるが、幽霊達もこれノーマル機って気付いてるんじゃないかな?と疑った。イブニングだけを狙う程度の稼働であれば絶対にバレないだろうと思っていたが、結構回してるやん。最近は16時よりずっと前から回してるやん。高設定のピカゴロウ形式にも気付いてるやん。その状況下で2台も打っていいとか神対応やん。ケンペーラーのくせに(ペッ!)

でも幽霊達から『これノーマルだぞ』とは絶対に言わない。最初に裏モノと勘違いしたのは幽霊達だから、それを認めてしまうと赤っ恥。だからイブニングがあるテイで攻めてるワロタ。
俺達も俺達でイブニングがあるテイで打つしかない。自分達が放ったイブニング詐欺なのに。俺達カスすぎてワロタ。しかし高設定が打てるとあらば俺達カスでも何でもを演じますとも。O君なんて全力で演じきってるわ。









このダルマ。通常時1/32でリール制御が変更される独特なシステムを持つ。
テーブル制御の場合有効ラインが赤色に。これがコントロール制御に変わると有効ラインが緑色に変わる。千円で一回程度、制御が変わるなかなか面白いシステムだ。

そして俺は気付いた。BIG終了後は必ずテーブル制御(有効ラインは赤)からスタートする。BIG終了後は設定変更後と同じ状態である事から、コントロール制御(有効ラインは緑)で閉店を迎えた台が翌朝テーブル制御に変わっていた場合、設定変更が見破れる。この小さな発見をO君に伝えたら、O君は『今、世紀の大発見がありました!』的な雰囲気で幽霊達に伝えよった。


O君『これ緑が翌朝赤に変わってたら設定変更ッスよ!リセモ狙えますよ!』

もういいて。10教えたら15理解するO君は設定変更からリセモを結びつける賢さ。
もういいて。幽霊達もそれを聞いたら今度はリセモがあるテイで打たねばならんから、あんまり聞く耳もってないやん。絶対ノーマル機って気付いてるやん。もういいてO君。役作り徹底するのもういいて。




O君『バルデッスか?あれ貯金verっちゅー珍しいタイプやったんスよ』

O君がバルデビッグの事を答えだした。幽霊達がリセモの話を聞きたくなくて、話を変えて来たんだろう唐突でワロタ。しかし今後全6で放置されている限り仲良くダルマを打っていくことになるのだから、そんな情報なんぼでも教えたれと思っていた。そしてO君には毎日朝からリセモがあるテイでダルマを打ってもらおうと思っていた。


O君『隠語じゃねぇッスよ隠語じゃねぇッスよ』

え?今度は何を聞かれたんやろうか?アレの事か?それともアッチの事か?
O君も言っていい事と黙ってなきゃいけない事はきっとわかってるはずだが、役に入りきってる今なにを答えるかわからんから心配で聞き耳をたてた。



O君『パヴェルマイヤーってK-1選手知ってますか?よえぇ選手なんスけど』

まさか幽霊達が『危険なステップ』の事を隠語と疑い、コイツなら答えてくれるかもと思ってO君に聞くとは思わなかったし、O君もまさかパヴェルマイヤーのくだりから丁寧に説明しだすとは思わなかった。そしてこのくだり最終的に赤っ恥かくの俺やないけ!と気付いたがO君が可愛いから俺は席を立たずダルマを回し続けた。(ペッ!)


投了