危険なステップ~その①~ | 俺的スロ日記

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行儀良く真面目なんてペナ喰らえと思った


浅はかな知識でも、とりあえずツウっぽい事を言ってしまいたい性格なんです私。

昔、K1やPRIDEなど格闘技が流行った頃でした。アナウンサーさんが『おぉーっと!これは危険なステップだぁ!』というワードを使われていたので、私も次に観戦したパヴェルマイヤーという選手の試合で『おいコレ!危険なステップ踏み出した!』とツウっぽく使って見たらパヴェルマイヤーは、そのままフラフラと倒れてTKO負けしてしまいましてね。危険なステップではなく完全にピヨってた足取りだったのに、危険なステップというワードを使いたいばっかりで使った結果がコレでした。この時、運悪くノリ打ち仲間に『危険なステップ』を拾われてですね、それ以降『危険なステップ』というワードが大流行しました。



『危険なステップでリプレイ外ししてたよ』 『危険なステップで換金所行ってたよ』

このように頭に『危険なステップ・・・』と付ける事で私をディスる遊びが流行りましてね。しかしこのディスり方も風化して変化し、今度は逆に日常化しまして、私をディスる事なく『危険なステップ』という言葉は根強く私達の口々から発せられることになりました。


当初の様に『危険なステップで〇〇してたよ』という初動的流行は無くなり、もっと簡略化されて『危険なステップで?』と疑問形で聞き返す事がムーブメントになりました。


『朝一は裏モノのモーニング狙いで行こうぜ』
『危険なステップで?』


『今日はお客が少ないから設定狙いは昼からでいいやろ』
『危険なステップで?』



まぁ何せ殆どの事で意思疎通が出来ていたノリ打ち仲間達でしたので返答が『危険なステップで?』でも会話が成立するのです。これは飽きずに長年使っていました。

しかしこの言葉を使用し続けた事で厄介な事になった過去がございます。









私達ノリ打ちグループは稼働を終えた後、友人が働いている居酒屋に行くのが日常でした。

この居酒屋は小さい店構えで、私達は8人前後いるものですから、いつも2階の従業員の支度部屋みたいな空間に案内されます。ここは狭い空間ですが隠れ家的な部屋で、他のお客さんを意識することなくタブーな話ができるお気に入りの場所でした。


いつもの様に暖簾をくぐると店員さんが二階に行ってとジェスチャーをしますので、私達は一杯目のお酒を注文しつつ階段を上ります。

その時、一階のカウンターに座っていたのがホーム店の常連2名です。わるいやつらです。


この居酒屋で働く友達が一杯目のお酒を持ってきたとき『あの人達、自分等の事話してたけど知り合い?』と聞いてきたのです。


『知らん』と即答し乾杯しました。常連2名の事は知っています。私達が幽霊と呼んでいる常連です。いつも建設現場風の作業着を着ているのに毎朝からホーム店で出くわす事から幽霊社員→幽霊と呼んでいたやつらです。年齢は幽霊の方が10歳くらい上だったと思います。私達が一番苦手とする3号機を経験している世代です。



厄介なやつらと同じ居酒屋に居る事は気持ちのいいものではありませんが、ここは2階。
実質的にお客さんが入れるエリアではなく支度部屋。ここまで来ないだろと余裕をかませる空間です。しかしもしも、この閉鎖的密室空間に来られては逃げ場なく極限状態に陥る事必須だなと不安視していた時でした。

ドッドッドッドッド!階段を駆け上る音が聞こえ、襖をピッシャーと開けられましてね。


幽霊『おいコラ!』


ビールの気泡が弾ける音。コレが聞こえるほど静まりましたね。


続く