帰国して1年3ヶ月が経った。
ムスコのガル男の日本語はものすごい勢いで成長していて、ある日、ガル男の友人のお母さんが運転する車に乗せてもらった時のこと。
これまでも雨の日や部活帰りなど、ちょくちょく乗せてもらってお世話になっていた。
その友人ってのも帰国子女で英語が話せるのもあって、ちょっと日本語をしゃべろうもんなら、ガル男の日本語はすぐヘンテコになるので、二人の会話は英語の割合が多かったらしい。
そんな中、その車の中でガル男がとうとう日本語で話したらしく
「えーー、ガル男くんが日本語で喋ってるーー!!!」
とお母さん、感動してもうた、という。
ここにきて、年単位で封印されていた日本語がついに解除されたのだ。
この先も解除されたままか?
年1回だけ解禁の秘仏御開帳とはちゃうよな?
この先も開いてるよな、閉じるなよーー!!!
とまぁ、成長しているのだ。
この間も読めない漢字が出てきて、例のごとく、「この漢字な~に、分解クイズ」が始まったのだが
ガル:
えっと・・・
「買う」っていう字があるでしょ、あの上の「目」を細長~くして倒してるところ、あれをさ、世界の「世」に変えたら何て読む?
オカン:
え・・・「もらう(貰う)」だね
おいおいおい
ちゃんと言えてもうてるやんかーーー!!!
漢字分解クイズをほかの漢字を使って説明してくるとか、なんちゅう高度な技を身に着けてもうたんや。「ぶら~ん」とか急にアルファベットとか出してきて度肝抜く攻撃はどないした・・・と攻撃に備えて構えていた盾と矛を置いたオカン。
日本語の成長は嬉しいが、こうも出来過ぎると
寂しい、この上なく寂しい。
オカンの脳みそフル回転、ボケ防止活動をさせてくれる漢字分解、好きやったのに・・・。
そんな日々を過ごしている今日この頃なのだが、先日、夕飯を終え、ソファでまったりしていると、ガル男が何やら教科書をブツブツ読んでいた。
えっと、この漢字・・
と詰まったので、のぞくと「取材」と書かれていた。
「わかる、わかるから黙ってて」
と言われたので、静かにしていると、「はい、出て来たよ~」
ざいしゅ
おかえり!! 待ってたでそのポンコツ回答
そう思いながら、「逆や逆!『しゅざい』やで」
と言うと、しばらく考え、「あっ、ホンマや!!!、フリップしてたーー」
と。
ん?何に気付いてホンマや、なのか・・・。
そしてフリップってなんで前後で音が入れ替わったりするんのか・・・
不思議すぎて聞いてみると、こう答えたのだ。
「『取材』ってまず漢字を見るでしょ?そしたら見覚えがあるから、記憶をたどるんよね、そしたら、ふわ~っと音が出てくるから、なんとなくそれっぽいな、で答えたら『ざいしゅ』になってた」
と。
「ほな、何に気付いて『ホンマや』って言ったん?」
と聞くと
「よ~く一つずつの漢字を思い出していくと、取得の『しゅ』、材料の『ざい」』って一個ずつ出てくるから、その二つを足して「しゅざい」って時間かければ出てくるんよね~」
と。
なるほど、「音」と「知識」って別の引き出しに入ってんのか。で「音」の方がちょっとあやふやでおっちょこな性格しとんねんな、せやのに先走る性格してるから、先に出てまうと
それって
方向音痴やのに先頭行きたがるヤツと一緒やな
「でも大丈夫、この漢字が何度も出てきてくれれば、考えなくても出てくるようになるから」
と、自分の中で漢字が定着していくのにかかる時間についても、もうガル男なりのセオリーをもっていると知ったオカン。
ほぼゼロから日本語を入れる段階を終えたガル男という帰国子女の脳の中は、これまでとは違う働きをしているようで、いよいよトリセツも第2章に入ってきたようだと、オカンの中の帰国子女のトリセツに新しい章を作ることにしたのでありました。
漢字分解クイズは
この日から始まったんだっけなぁ~な強烈クイズをどうぞ
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Boi