My Favorite “LAUREL CANYON” Songs (2) | Get Up And Go !

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ウエストコースト・ロックと言えば、日本でもずっと人気の高いジャクソン・ブラウンとイーグルスはまず外せないところです。ドゥービー・ブラザーズも人気がありましたが、彼らはロサンゼルスではなく、サンフランシスコから程近いサンノゼのバンドなので今回はパスということで。


JACKSON BROWNE
シンガー・ソングライターと呼ばれるアーティストたちの中で、最も好きなひとです。ジャクソン・ブラウンの作品、アーティストとしての姿勢にはいつも誠実さを感じます。

英語の歌詞から直接は伝わってこなくても、愁いを含んだ歌声による叙情的なメロディからは、彼独特のナイーブさが伝わってきます。直近のライブで行った日本公演は、2017年です。 初めてジャクソンのライブに行った87年以来、印象としてはほとんど変わらない真摯な姿がありました。





80年代のジャクソン・ブラウンと言えば、曲は政治色を帯び、演奏はロック寄りのものとなってはいました。そして会場は大きめのホールでしたが、まるでライブハウスでのライブのような、客との親密な空気感を作ることが出来るのがジャクソン・ブラウンというアーティストなのだと、その時知りました。

ジャクソン・ブラウンは1948年生まれなので、現在73歳。 ドイツ出身ですが、L.A.で育ったアメリカ人です。キャリアの初期である1968年に、彼もまたアーティストの多く住むローレル・キャニオンに引き寄せられています。72年リリースの1st.アルバムに収録された「チャイルド・イン・ジーズ・ヒルズ」は、初期の曲の中でも好きな曲。 “ヒルズ(Hills)” とは、子供の頃に遊んだローレル・キャニオンを指しています。



A Child In These Hills (1972)



74年リリースのアルバム 『レイト・フォー・ザ・スカイ』 は、一般的には70年代のジャクソン・ブラウンの最高傑作にあげられています。ジャクソンの盟友・ブルース・スプリングスティーンも、このアルバムを70年代アメリカの傑作アルバムとして絶賛しています。僕も最初に好きになったジャクソンのアルバムです。

深さを感じる作品ではありますが、聴きやすさもあります。そんなところが人気のある理由のひとつかも。冒頭の 「レイト・フォー・ザ・スカイ」から2曲目の 「悲しみの泉 (Fountain Of Sorrow) 」に続く展開が何よりも好きだというファンは、世界中にかなりいるはずです。



Foutain Of Sorrow (1974)


EAGLES
イーグルスは、リンダ・ロンシュタットのバッグバンドとしてスタートしたバンドです。結成時のメンバーには地元出身者がひとりもいないんですね。ジャクソン・ブラウンと同じく、L.A.の新設レーベル・アサイラムから1972年にデビューしています。70年代はアサイラムという言葉をよく聞きました。

グレン・フライとジャクソン・ブラウンはルームメイトだったそうです。そして “気楽に行こうよ” と歌うふたりの共作ナンバー 「テイク・イット・イージー」 が生まれたというわけです。「すべてはこの曲から始まった」とメンバーが言うように、イーグルスのデビュー曲になりました。初期イーグルスの代表曲です。

ジャクソン・ブラウンもこの曲をライブで歌っています。2017年の来日公演では、前年に亡くなったグレン・フライを追悼する形でこの曲が歌われています。



Take It Easy (1972)


「ホテル・カリフォルニア」。説明不要のイーグルスの代表曲であり、ロックの歴史を語るさいに必ず登場する曲です。自由と豊かさの象徴であるカリフォルニア。 一攫千金を夢見て、自然豊かな丘に集まった若者たちも、成功し巨万の富を得てしまった。そこで見えたものは…。

カリフォルニアの夢の終焉を歌ったこの曲を、ローレル・キャニオンの終わりと結びつけてこの記事を終わらせてしまっては、いかにもお約束の終わり方。なので…

「ラスト・リゾート」は、アルバム 『ホテル・カリフォルニア』のラストを飾るにふさわしい曲です。ドン・ヘンリーがとりわけ気に入っているというこの曲は、アメリカの先住民たちから、白人たちが正義の名のもとに奪い手に入れた豊かな暮らしを歌った曲です。犠牲の上に成り立った繁栄を歌った曲です。

アーティストとしての刺激を求めて集まり、自由の名のもとにドラッグとセックスを謳歌した丘の上の白人たちの楽園を描いた映画には、この曲や「ホテル・カリフォルニア」 は使えないですよね。



The Last Resort (1976)








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