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ゼノ話 その7


とらわれた天使の歌声



主人公フェイのギア、ヴェルトールについての考察です。昔の考察。


ORヴェルトールのレプリカとして(メインフレームや外装のいわゆる「構造素材」は既製品ではありますが、搭載されたスレイヴジェネレーターは「ギア・バーラー」であるORヴェルトールの搭載ジェネレーターをコピーしたまったく同レベルのレプリカ品)グラーフの手によって製作されたヴェルトール。


はたしてグラーフはなんのためにこのギアを製作したのでしょうか。


それはあくまで接触者フェイのため・・ではなく、あくまでも「イド」のためってのが正解なのでしょう。


イドのためのギア。


すなわちそれはヴェルトール・イド。


別名 ヴェルトール「イド・モード」


ORヴェルトールと同等のスレイブジェネレーターを搭載したヴェルトールでは機体構造上、その最大出力を発揮させるにはあまりにも脆弱であったがために(ぶっちゃけこれはグラーフの設計ミス)その出力に耐えうる、構造、鋼性を備えた(まあ、ヴェルトール自身もヴェルトール2になることによって一時的にですが最大出力を発揮できるように改造されましたが)言ってみればまあ、ヴェルトールの「改良版」ですね。


でも厳密に言えばヴェルトールもヴェルトールイドも元は同じ機体で「変形」するわけですから改良版って言葉は適切ではないかもしれません。


その「イド・モード」に変形する条件ってのは簡単に言えばフェイがイド化することです。


ORヴェルトールが内蔵するスレイヴジェネレータにおいて、有効に最大出力を発揮させるためにはゾハルへのアクセスを最大限化する必要があるわけでして、そのゾハルへのアクセスのキーとなるのは「搭乗者」であり、そしてその最適格者が「イド」であるという事実。 


逆に言えばイドじゃないとスレイヴジェネレーターの出力を最大限まで引き出すことはできないわけです。で、イドが搭乗するとおのずとヴェルトールはその出力に耐えうる機体(ヴェルトールイド)へと変形するわけですね。


イド化したフェイが搭乗するためのギア・バーラー。


ではそのギアにイド化したフェイを搭乗させることでグラーフは一体なにを目論んだのでしょうか。


世界を崩壊に導くため?


イヤ、それは違うと思います。


自分が思うに、グラーフは接触者であるフェイが「完全に」イドに人格支配されてしまうことを望んでいたのではないでしょうか。ヴェルトール・イドにイドが搭乗するということはイドがイドたる所以ですから。


イド化したフェイがヴェルトール・イドに搭乗する→イド化MAX状態へシフト→イドによる完全な人格支配促進


こんな図式ですか。


ミァンの導きによってソフィアの死による失意のラカンがゾハルとの不完全な接触(PWによれば、何故「不完全」に終わったかというとその時点で「対存在」が存在してなかったが故ということですがこの辺りにも「なんでかな」という疑問はあります)を果たすことによって暴走、そして最終的にラカンの死によってまあ、言ってみれば「怨霊化」したラカンの「負の思念体」(正の方は400年後にフェイとして肉体をもった形で復活するのですね)であるグラーフの目的は真の接触者になる事です。


それはすなわちある意味自分の分身であるフェイと再融合を果たすことであり、そのフェイが完全にイドと化すことは、グラーフにとって再融合を果たすためには「最適な依代(よりしろ)状態になるに等しい」のだったのかもなーなんて思ったりします。 


その理由は、上記のごとく自分が操るORヴェルトールと同等のジェネレーターのパワーを最大限に発揮できるヴェルトール・イドを操ることができるのは「フェイ」ではなく「イド」であるわけで、ゾハルへのアクセスによる「力」の発露は接触者にとって重要なキーポイントであるのです。そういう意味でイド化したフェイは少なくともグラーフにとって真の接触者としての存在に近いと考えたのではないかなと思うのです。


フェイの乖離性同一障害を結果的に発症させたのはミァンであるカレンであると思いますが、その発生したいくつもの人格の中から「イド」という人格に注目したグラーフ(そもそもデウスのシステムコントローラーであるミァン化したカレンがなにを目的として接触者とわかった自分の息子フェイにこのような実験を行ったのか→実際に接触者に対して直接干渉したのはカレンのみですネ そしてまた何故そこにグラーフが関わったのかってのはいろいろと深く考える余地はありますが結果的にグラーフはフェイの中の一人格「イド」を知るわけです)は一時的に「フェイのイドによる人格支配」に成功します(あのカレンの死のムービーシーンがそうです)しかし、それも最後はフェイの父であるウォン・カーンによって命がけで阻止されてしまいます(これもムービーシーンにありましたね)


だが、それでもあきらめないグラーフは再度フェイの「イドによる支配」を目指し、ラハン村でのあの事件(いわゆる最初のチャプターです)を引き起こす事になる・・


フェイをヴェルトールに搭乗させるきっかけを作る→フェイをイド化させるきっかけを作る→大成功~


と相成ったわけですがゾハルと最大限の思念干渉を引き起こすジェネレーターを搭載したヴェルトールにフェイを搭乗させる事がフェイのイド化を触発するきっかけとなることを見越してのグラーフのもくろみは残忍さも相まって見事なもんだなと思います。実際、あのシーンの出来事はただぼーっと見てればなんでもないのですが裏には実に様々な背景が隠されているのです。


ゲブラー特務部隊にキスレブよりギアを「わざと」奪還させてラハン村へと誘導し、墜落させて自分はというとエーテル誘導のギア(倒しても倒しても起き上がるわけです)を駆使してフェイを追い込んでいく。


これもすべてはグラーフの執念のなぜるワザ・・・ですかね。


ただ、そのグラーフの「壮大なもくろみ」に対存在であるエレハイムが巻き込まれてしまったのはグラーフにとってはまったく計算外の事であったのでしょう。


何故そこにエレハイムが存在したのか?


それは「ここにエレハイムが存在した」のは接触者による「事象変異」のなせる技なのかも・・・


しかしまあ、グラーフも最後の最後、最終的にはフェイとの融合を果たしてもなにも生まれないことを悟ります。 最後はなんか「よいヒト」になっちゃった感は否めないのですが、あれはウォン・カーンに憑依してしまったが故とも言えなくはないとも思うのですけどネ。