「分とく山」
色鮮やかな器が登場しました。
しげしげと眺め、”色鮮やか”とか”素敵”とかいう感想を語るだけで終わってしまいます。
そして、蓋を開けたらどんな料理が現れるのかとワクワクするだけです。(汗)
陶磁器はホントに疎い。次のような焼き方の呼び名は知るところだが、それらの違いとか特徴を把握していないからだ。
益子焼(栃木県)
九谷焼(石川県)
越前焼(富山県)
美濃焼(岐阜県)
清水焼(京都府)
備前焼(岡山県)
有田焼(伊万里)
敢えて言えば、昨年12月に旅行で石川県に出かけた際に九谷満月(※7)で見た九谷焼に似たような色合いがあったことや、箔座本店(※8)で金箔文化に触れていたことで、「九谷焼なのかなー?」と内心、自信なく思ったものです。
煮物
色鮮やかな器の蓋を開けると、「アマダイ」と「蓮根」(れんこん)の蒸し物にとろみをつけた餡がかかっていました。「アマダイ」の切り身が底に重ねてあり、そこに擦った「蓮根」がたっぷりとかかり、その餡がかかっているという格好でした。
その餡は、ほとんど味はなかったように思う。そのためか、「アマダイ」と「蓮根」の味がわかるような気がしました。
「アマダイ」は「アイナメ」と同様に高級魚になります。年間を通して水揚げがあるので”旬”はいつ頃なのか一概に言えないものの、9月頃から産卵期になることから夏から秋口にかけてが”旬”になる。
また、「蓮根」も「ジュンサイ」と同様に食用にしているのは日本と中国(南部)というのは興味深い。
色合いは”青”というよりも”藍”という感がする器です。先ほどの色鮮やかな器と違って落ち着きのある趣があります。
ひと通り、しげしげと眺めた後、蓋を開けたらどんな料理が現れるのかと想像します。
さっきの色鮮やかな器には白一色の蒸し物に対して、こちらは落ち着いた”藍”色の器なので、・・・(わからん♪)
進肴(すすめざかな)
蓋を開けると、磯の香りが漂い、鮑の殻に岩のりがびっしりとありました。
「何じゃ、これ?」
いえ、これが人気の「鮑磯焼」あるいは「鮑の磯焼き」という一品なんです。
ここで思うに、白一色の蒸し物のような料理には色鮮やかな器、そして岩のりとか鮑の肝のような色が濃い料理には落ち着いた色の器をというように器を使い分けてしているようだ。
進肴(すすめざかな)
何の予備知識もないと、それを見たら「何じゃ、これ?」と思いますよね。
この岩のりの下には、鮑の肝に埋もれた鮑の切り身があるはずです。
なので、埋もれていた鮑の切り身を取り出して、このように見えるようにしてみました。(爆)
鮑の切り身は蒸して柔らかくしてあり、鮑の肝はそのものではなく、だし汁でのばしていて、とろみっぽくなってました。
いやはや美味でした。思っていたのと違って、今までに食べたことのない上品な鮑を堪能させて貰いました。
まぁ、ボク自身は鮑の塩茹でとか、鮑の踊り焼きしか食べてないから、ちょっと上品すぎたかも知れません。
そんなボクには、鮑の肝そのものを絡めて食べるのが好きかも知れないです。(汗)
強肴(しいざかな)
これは、炊き合わせです。
会席には炊き合わせも出てくることはありますが、さっきまでいろいろと楽しませてくれて来たのに、ここで炊き合わせとは、・・・
そんな思いがありましたが、それは「箸休め」(はしやすめ)の意味合いがあるのかも知れない♪と勝手な解釈をしたりしました。
強肴(しいざかな)
見た目は、麩、茄子、ピーマンなど野菜ばかりになりますが、横から見るとそこには「鱧」(はも)があったのです。
夏の京都に出かけると「鱧」を用いた料理が出ますが、京都で「鱧」の湯引きに梅肉をつけて食べた時にすごく美味かったという思い出があります。
それ故に「鱧」と聞くと夏の風物詩という感覚になります。
炊き合わせと言えども、季節感はここにも盛り込まれているという気配りは嬉しいですね。
しかし、小骨だらけの「鱧」を美味しく食べる技術が京都で編み出されたのかというのは気になりますねー。
「鱧」の旬は、6月から7月あたりまで、8月から9月にかけては産卵を終えて身が痩せてくるというのは覚えておくと良いかも・・・、です。
ホテル・インターコンチネンタル東京ベイの「分とく山」もカウンター席はありますが、このランチではお客さんはみなテーブル席でした。
窓際にはテーブル席しかないからなのでしょうか? そのテーブル席の奥は個室、「ちょっとー、どういう人達なの?」という感の男女が入っていきましたねー。
カウンター席はずいぶん立派なのですが、窓際にはなく窓際のテーブル席群の向かい側にありました。
こんな感じで店内の様子を眺めていたところ、テーブルにお茶碗と香の物(漬物)が運ばれてきました。
「いよいよ」です。(笑)
土鍋ご飯
これが人気の「土鍋ご飯」です。
デジカメを向けると、わざわざこちらまで持ってきてくれたのでパチリと撮らせて貰いました。
見ただけでもわかりますが、「鮎」の「土鍋ご飯」でした。
「鮎」独特の香りがテーブル席全体にぷんぷんと漂い、食欲をそそられました。
土鍋ご飯
「鮎」独特の香りは、このご飯にも染み込んでいました。「鮎」のほぐし身がなくとも食べれてしまうほどです。
これは、絶品でした。
ちなみに、お代わりは山盛りにしましたー。(爆)
甘味(かんみ)
こうして、会席「徳風」の数々のお料理を堪能させて貰い、大満足ランチになりました。
「土鍋ご飯」は3人でお代わりが十分にできる量があり、ボクは三杯もいたただきました。
こうして、ランチでお腹は満たされてしまい、夕食時になってもお腹が空きませんでした。
甘味(かんみ)
最後の甘味は、水羊羹です。
赤い果実はラズベリー、大粒で立派、そのひと粒がアクセントになってました。
このラズベリーは6月から7月が収穫期なので旬な果実なのですねー。
(10月から11月も収穫期なのてす♪)
フレンチもイタリアンも美味しいのですが、この頃は和食がいちばん美味しいと思うようになってきました。それに、奥が深いということを感じれるようにもなってきました。
ご飯と味噌汁が基本的な生活スタイルの日本人にとって、やはり和食が体に合うように思います。
分とく山・野崎洋光さんのこちらの言葉を知ると「なるほど♪」と料理人としての姿勢に感心します。
「調理法だけでなく、季節や価値観、文化を知って、初めて“お金をいただける日本料理”になるでしょうね」(※9)
完
※1 分とく山/ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ
http://www.interconti-tokyo.com/restaurant/waketokuyama/
※2 分とく山 (わけとくやま)
https://tabelog.com/tokyo/A1307/A130703/13005469/
※3 穂じそ
https://www.yasainavi.com/zukan/shiso/hojiso
※4 旬の「じゅんさい」はどうしてヌルヌルしているの? 2016.5.18
https://shokuiku-zukan.com/news/speciality/junsai/
※5 夏・秋の旬野菜 とうがん(冬瓜)
https://life.ja-group.jp/food/shun/detail?id=97
※6 山形県米沢市の日本酒 東光 - 小嶋総本店
※7 「九谷満月」 加賀市(石川県) 2017.12.3
https://ameblo.jp/seasky-sun/entry-12493290953.html
※8 「箔座本店」 金沢市(石川県) 2017.12.2
https://ameblo.jp/seasky-sun/entry-12483894556.html
※9 「食材・生産者の価値を高める」 2014.10.1
http://r-tsushin.com/chef/058/
「分とく山」(その1) ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ 2018.7.25
https://ameblo.jp/seasky-sun/entry-12461602828.html
「分とく山」(その2) ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ 2018.7.25
https://ameblo.jp/seasky-sun/entry-12461604301.html
「分とく山」 ホテル インターコンチネンタル 東京ベイ 2019.7.30
https://ameblo.jp/seasky-sun/entry-12499617400.html
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