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以前、『打ち首!本当に刀だけで首を落とせたの?斬首の不思議』という記事を書きましたが、
今回はそこで書ききれなかった内容の続編です。
以前のブログには、プロの介錯人である「首斬り浅右衛門」の家系を取り上げました。「彼らは罪人を座らせ、うつむかせた首の「盆の窪(ぼんのくぼ:うなじの中央のくぼみ)」と呼ばれる関節の隙間を狙って、一瞬で刀を振り下ろしました。」と紹介しましたが、
では、介錯人は具体的に首のどの辺りを狙って刀を振り下ろしたのか?
(良い子のみなさんはくれぐれもまねなどなさらぬように)
切腹における介錯(かいしゃく)で、刀を振り下ろす際に狙うのは首の骨(頚椎:けいつい)の関節の隙間(目地・関節腔)です。具体的には、第3頚椎と第4頚椎の間、あるいは第4頚椎と第5頚椎の間あたりを狙うのが一般的な秘伝とされていました。
1.骨そのものを斬るのではなく「関節の隙間」を通す
頚椎は堅い骨(椎骨)が縦に連なっています。骨そのもの(椎体)に刀を打ち込むと、刃が途中で止まったり刃こぼれを起こして苦しませる原因になります。
そのため、骨と骨の繋ぎ目にある軟骨(椎間板)や靭帯の隙間に刃を滑り込ませる必要がありました。
2.第3〜第5頚椎付近が狙われる理由
太さのバランス: 首の上部(第1・第2頚椎)は頭蓋骨に近く、あごのラインが邪魔になり狙いにくい部位です。一方、下部(第6・第7頚椎)は肩や鎖骨に近く、首が太くなって肉が厚くなります。
立ち位置と角度: 正座して首をやや前に傾けた切腹者の姿勢に対し、立ち上がった介錯人が上段または中段から刀を振り下ろす際、最も自然な角度で刃が入るのが頚椎の中央付近(第3〜第5頚椎間)だったのです。
人間の頚椎と頚椎の間(椎間板が存在する隙間)の高さは、成人でおおむね 4ミリ〜6ミリ程度(平均すると約5ミリ前後) です。 切腹の介錯で狙われた 第3〜第5頚椎の間 も、この約5ミリという非常に狭い隙間なのです。。実はこの「約5ミリ」という隙間に大きな意味がありました。
一般的な日本刀の峰側の厚みは数ミリ程度ありますが、刃先に向かって鋭く薄くなっています。介錯人は、このわずか数ミリの隙間(関節の目地)めがけて刀を正確に打ち込む必要がありました。もしも、この5ミリの隙間を外して骨(椎体)そのものを直撃してしまうと、刀が食い込んで止まってしまったり、大きな衝撃で切腹者を余計に苦しめることになります。(怖がって震えたりする人もいたわけで、狙いを定めるのも大変)
基本的には一刀=一回で首を落としてあげるのがマナーでした。もし2回目でも首が落とせなかった場合は、首を落とすのをあきらめて、胸を突いてとどめを刺してあげる、というルールになっていたそうです。
つまり、野球のバッターと同じで失敗が許されるのはツーストライクまでで、3回目の失敗は三振、ストライクバッターアウト!だったという分けですな。(>_<)
ちなみに、「山田浅右衛門(やまだあさえもん)」は畳2枚を立てて並べて、その隙間に刀が通るように素振りを欠かさなかったそうです。(その鍛錬があるから、5ミリの隙間を確実に狙えたんでしょうね)
もしも、山田浅右衛門が現世でプロ野球界にDHとしてデビューしていたら、そのバットで確実にヒットやホームランを量産して三冠王になれたでしょうなぁ。(笑)
※昨今の歴史研究の進展は目覚ましいものがあり、過去の書物に記された史実や出来事などとは別の説が発表されたり、歴史認識が改められたりしている事も多く見受けられます。このブログで書かれたことは、諸説ある中でも多く語られることの多い部分を抽出して書かれたものであり、歴史認識や見解の確からしさを断定するものではありませんことをご理解頂きますようお願い申し上げます。
