伊達政宗様のお誕生日まであと◯◯日、今日は暦の話 | 「ガイドが教える 仙台城を10倍楽しむ方法!」

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仙台城のボランティアガイドが、仙台城の魅力や伊達政宗のトリビアな話を出し惜しみせず、ボリューム満載で語り尽くしまーす。(^_^)

仙台観光をお考えの方は、旅支度の前に予習としてご一読を頂ければ、仙台城が10倍楽しめるかも。

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誰しもいくつになっても誕生日というものはうれしいもの。

 

世の中には「これ以上歳を重ねたくない!」という人がいるかと思えば、「もう、ウン十歳以上だといくつだか分かんない」という人もいたりして。

 

でも、誰にも見向きもされないと思っていた誕生日に「お誕生日おめでとう!」の一言を言われただけで、脳から幸せホルモンが分泌されたような気がするのは私だけでしょうか?

 

さて、奥州の覇者、天下一の伊達男我らが伊達政宗様の誕生日をみなさんはご存知でしたか?

 

実は「伊達政宗誕生日」とGoogle検索すると、このように出てきてしまいます。

 

そう、1567年9月5日という検索結果が返ってきます。

 

ところが、当時の日本の和暦だと永禄10年8月3日。これを当時の西洋の暦であるユリウス暦に置き換えると1567年9月5日になるのです。

 

西洋の暦と日本の暦の違い、ご存じない方のためにいい機会だから覚えておきましょう。

 

もともと世界の暦のスタンダードは、その多くが月の満ち欠けの繰返しで成り立つ「太陰暦」が主流でした。「太陰」とは空にある月のことである。しかし、29日または30日からなる「月」を12回繰り返して「一年」とする「太陰暦」では、一年が約354日であり、太陽暦の一年に比べて約11日短く、3年ごとに約1か月のずれが生じてしまいます。

 

このずれを放っておくと暦が季節と大きく食い違ってしまう。そこで太陽の運行を参考にしつつ「閏月」(うるうづき)という「月」を挿入し、1年を13か月にすることによって暦と季節のずれを正す方法が発明されました。(すごいよね、人類って)「太陰暦」に基づくが太陽暦の要素も取り入れている暦なので、閏月のない「太陰暦」と区別して「太陰太陽暦」といいます。

 

やがて古代ローマにおいてユリウス・カエサルが紀元前45年に太陰太陽暦を太陽暦に切り替えた後は、ヨーロッパの多くの地域で太陽暦が用いられ、1582年にはそれがグレゴリオ暦となりまして現在に至っているのです。(ユリウス暦は太陽年ごとに11分ずれていたが,現在のグレゴリオ暦の方がはるかに正確で,太陽年ごとに26秒のずれなので太陽の周期との差が小さくなった)

 

じゃあ日本ではどうだったのかと言いますと、飛鳥時代から江戸時代の貞享元年(1685年)

まで「太陰太陽暦」が使われていました。(1年が1ヶ月多い閏月を過ごす気分ってどんな感じだったのでしょう)つまり、政宗様は和暦だと生涯太陰太陽暦カウントになるのですが、西洋暦カウントだと生まれた年はユリウス暦であり、お亡くなりになった年は1636年なのでグレゴリオ暦ということになり、大変厄介なカウントになるのです。

 

明治になりまして、西洋に習って太陰太陽暦は止めましょうということになり、1873年に太陽暦を採用しましたが、閏年のルールは最初はユリウス暦のものでした。1900年を前に差が生じることを防ぐため、1898年にグレゴリオ暦のルールに変更されたのです。

 

どうです?暦の歴史を少しは理解頂けましたでしょうか?

 

ちなみに、政宗様のユリウス暦の誕生日である9月5日はサンドウィッチマンの伊達みきおさんの誕生日と一緒というのも凄いめぐり合わせですね。

 

仙台七夕を前に太陰太陽暦の和暦で政宗様の誕生日をお祝いするもよし、太陽暦のユリウス暦でもって、政宗様の誕生日と伊達ちゃんの誕生日をセットでお祝いするもよし。

 

もちろん、8月3日と9月5日をダブルでお祝いするのも全然ありです。

 

お祝いの締めはそう、伊達の一本締めでお願いします。↓