日本政府にとって、北朝鮮の「衛星」発射は、様々なことを試す好機だったようです。
そして、麻生内閣の支持率がこの問題で上昇するのですから、麻生首相は北朝鮮に足を向けて寝られないかもしれません(笑)

北朝鮮の「衛星」が現実的に日本領内(領空を含めて)を通過あるいは落下する可能性は既に指摘されているように極端に低いものでした。
そして、そのことを前提にミサイル防衛システムの実践配備という訓練を行い、衛星探知のヒューマンエラーまで体験できたのですから、政府の不安を煽る作戦は大成功でした。

そして、その様な過剰な煽動に対して、冷静に口を挟める要素は極わずかしか残っていませんでした。
それも、テレビや新聞などでもわずかな時間や紙面を割いて、冷静な対応を求める声を載せているのが狡猾ですらありました。
そして、その様な意見は大量の報道の前に押しつぶされてしまいます。
それは、4年前の郵政選挙と同じような状況でした。

さすがに政治家からは、日本に脅威を与える衛星の発射基地を事前に攻撃してしまえ!という過激な意見は無かったようですが、ネット上にはその様な過剰防衛論があふれ、正当化されていました。
そして、その様な過剰反応は別にしてもミサイル防衛を求める声は、非常に高くなりました。

日本社会にとって、北朝鮮の「衛星」や「ミサイル」の脅威よりも、そのような疑問を抱く声が押し潰されてしまう現実や過剰防衛が正当化される方が危険性は高いです。

もし、本当に領域内に落下の可能性が高かったとしたら、ミサイル防衛だけでは明らかに足りません。
もっと具体的な非難方法や危険度を告知しなければならなかったはずです。

そういった国民の生命を具体的に守るプロセス抜きに、ミサイル防衛だけが語られていた。
この事が何を示しているのか、もう一度冷静に考える必要がありそうです。

挑発的行為、看過できぬ=政府対応「うまくいった」-麻生首相 (時事ドットコム)
 麻生太郎首相は5日午後、北朝鮮の「ミサイル」発射について、「世界中、特に米韓日の度重なる警告に対する挑発的な行為であり、断じて看過することはできない」と厳しく批判した。その上で「国際社会と協力して今後とも(国連)安保理決議違反であることを含めて対応したい」と述べ、国連を通じて北朝鮮への圧力を強めていく考えを示した。首相官邸で記者団の質問に答えた。
 また首相は、今回の政府の対応について「国民になるべく状況を迅速に知らせることを含めてうまくいった。(発射)予告に対していろいろシミュレーションをやってきた。そういった経験を今後に生かしたい」と指摘。日本国内への落下がなかったことに関しては「今のところ被災が起きなかったのはよかった。国民が冷静に対処したことに感謝する」と語った。
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劇場型の過剰反応でした…

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