10日にも発表される追加経済対策ですが、報道されている内容では雇用創出に必要な具体的な方策が何も盛り込まれていません。
雇用対策というのであれば、セーフティネットの整備と共に具体的な雇用創出の為の施策が必要だと思っていたのですが、政府与党にはその発想は無いようです。

その一方で、9日の記者会見で麻生太郎首相は、3年間で140~200万人、2020年までに400万人の雇用創出を行うと明言しました。
具体的には、環境・福祉・コンテンツ産業の3つを柱に「官民による集中的な投資と大胆な制度改革を実行する」と述べているのですが、特に医療福祉分野には、集中的な投資も制度改革も追加経済対策で行う様子はうかがえません。
この雇用創出策を「未来開拓戦略」と仰々しいタイトルが掲げられているのですが、中身はスカスカのようです。

こういうのを「絵に書いた餅」と言うのです。
そして、この時代にスローガンしか述べなれないリーダーは不要です。


昨年秋からの3段の経済対策で不況を脱すると宣言したことへの反省も無く、さらに追加経済対策が必要という厚顔無恥さを思えば、舵取りが麻生首相では不可能ということを改めて証明した一幕のようです。

少なくとも、雇用創出を語るのであれば、追加経済対策に盛り込まれた、公共施設への太陽光発電の設置を行う企業への数万人の雇用を義務付けるなどの具体策が必要だったはずです。
また、医療・福祉分野の人手不足は、制度(介護保険など)の欠陥によって人手が集まらないという構造的な問題を抱えていますが、その為の施策もありませんでした。

これだけの予算を注ぎ込みながら、枯渇しているところに注ぎ込まない…
こんなトンチンカンな追加経済対策にも、雇用創出論にもただ呆れるばかりです。

環境・医療で400万人雇用創出=2020年目標、「未来開拓戦略」表明-首相 (時事ドットコム)
 麻生太郎首相は9日夕、都内の日本記者クラブで記者会見し、環境、医療、介護などの分野で経済成長や雇用創出を図る「未来開拓戦略」を明らかにした。「低炭素革命」や「健康長寿社会」の実現、アニメなど「日本の魅力発揮」の3つを柱に「官民による集中的な投資と大胆な制度改革を実行する」と強調。今後3年間で40兆-60兆円の需要と140万-200万人の雇用を創出。2020年には実質GDP(国内総生産)を120兆円押し上げ、400万人の雇用機会をつくるとしている。
 首相は「世界的な大調整が避けられない中、日本が旧来型品目の輸出に依存した成長軌道に復帰するのは現実的ではない」との認識を表明。その上で、日本の環境技術を生かし「低炭素革命」を実現させるとして、20年までに(1)太陽光発電の規模を20倍(2)新車の2台に1台はエコカー-とする方針を打ち出した。 
 また、「しっかりした医療・介護サービスを提供できれば世界に冠たる活力ある高齢化社会がつくれる」と述べた上で、介護労働者の待遇改善や施設の集中整備、地域医療の立て直しに取り組む考えを強調。海外でも人気が高いアニメやマンガの販路開拓に取り組み、日本のコンテンツ産業を「20年には一大産業に育成し、50万人の新規雇用を創出したい」と訴えた。一方、首相は、人口減少に直面する日本にとってアジア市場の重要性を指摘。「国境を越えて、アジア全体で成長する視点に立つことが大事だ」として、アジアの経済規模を20年までに2倍にする成長構想を提示した。
 具体的には、日本の金融機関のアジアへの融資を円滑にするため、2兆円の貿易保険枠を新たに設定すると表明。最大2兆円の政府開発援助(ODA)を供与する考えを重ねて強調した。また、首相は一連の政策を12日にタイのパタヤで開かれる東アジア首脳会議(サミット)で提案する考えも明らかにした。
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言葉の重さを知っているのでしょうか?

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