【講座実施報告】今年はクワガタ運が良いらしい(8月・小山田緑地編) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

もう1ヶ月前で、先週には今月の講座すら

終わっているというのに、8月分の実施レポートが

まだできておりませんでしたので

遅ればせながら掲載させていただきます。

猛暑最盛期の中ご参加いただきました皆様

誠にありがとうございました。

 

8月の「首都圏生きものめぐり」講座では

毎年おなじみの小山田緑地(町田市)へ。

実はこの小山田緑地、2021年の講座開始時より

8月に予定自体は組んでいたのですが

いずれも雨天や参加希望者ナシなどの事情により

流れてしまっており、まさに3年越しの開催でした。

それだけに主催者としても結構感慨深いものがあります。

 

 

 

 

 

入口でイボバッタが出現したので

その場で観察・撮影を実施します。

 

 

 

 

 

講師自身も今回初めて見ました

交尾中のイボバッタです。

その質感・配色ゆえにコンクリートブロック上では

非常に目立ちにくいですが、探せば案外簡単に見つかります。

 

 

 

 

 

いつも行っている草地の展望広場へ。

少し前まではクルマバッタの聖地だったのですが

今回は何故かクルマバッタモドキばかり。

全体的なバッタの個体数自体が減っているようには

見えなかったので、シンプルに生存競争に負けたのかも。

 

 

 

 

 

こちらは、会えるとちょっと嬉しい

ミヤマアカネです。何個体か見かけました。

 

 

 

 

 

草地周辺を飛び回っていた

交尾中のクモヘリカメムシ

田んぼ近くの背丈の高い草地で

結構な数が飛んでいるのを見かけました。

ここ以外にもいくつかの草地で見かけているので

今年は当たり年なのかもしれません。

それを望む人がいるかどうかは別として

 

緑色で非常に細長く、草地にいるということで

知らないとパッと見ではバッタの仲間と

勘違いしてしまうかも?

 

 

 

 

 

ホソミイトトンボも出現しました。

見た時は何の種かその場ではわからなかったのですが

頭部の青い紋の入り方から識別しました。

これで間違えていたらすごく恥ずかしいのでご指摘ください

 

 

 

 

 

 

暑さ厳しい真夏だけに休憩は必須。

ベンチ等を見かけ次第、その都度小休止を挟みました。

でないと問答無用で熱中症になります(汗)

 

 

 

 

 

また、これは散策開始から間もなくだったのですが

樹液場にノコギリクワガタが現れました。

前回の講座でも出現しましたが

今年はここまでクワガタとの遭遇率が高めかも?

ちなみにここで撮影したのは私も初めてでしたので

テキストにも「観察できる生物」リストに入れておらず

講師としても想定外の収穫だったりします。

まあ、珍しい昆虫というわけではないんですけどね

 

8月の講座では小学生のお子さんも

一人参加されていましたので

予期せぬクワガタの登場に大喜びでした。

 

 

 

 

 

一方で、クワガタの出た木のすぐ近くには

オオスズメバチの姿もありました。しかも集団。

秋に向かってどんどん危険性を増すことで

頻繁にメディアを騒がせている昆虫ですね。

 

とは言え、この写真に登場している彼らは

ただ食事をしているだけ。ついでに人を襲うのも

自身や巣を守ろうとしているだけに過ぎません。

過度に恐れたところで何にもなりませんので

少し離れた位置から観察・撮影させていただきました。

 

 

 

 

 

今回、雑木林の中を散策しましたが

そちらではトゲアリも大量に発生していました。

昨年訪問した際に非常に数が増えており

その際にはナラ枯れとの関連性を指摘しましたが

今回は昨年以上に著しく増加していた気がします。

 

特殊なフォルムをしているアリなので

上記の小学生の彼を含め、皆さんも興味を抱かれた様子。

 

 

 

 

 

トゲアリは朽ちた木の洞などに巣を作りますが

実際この日は2つの巨大なを確認しました。

ただ、どちらの巣があった木も

ナラ枯れを起こしていたかどうかは

ちょっと私の目では判断できませんでした。

 

この日の前日、視察で小山田緑地を訪れた際に

現地でよく写真を撮るというオッチャンと話したのですが

その人曰く「この界隈のナラ枯れは最近落ち着いてきた」とのこと。

また、生田緑地でもそうでしたが

ナラ枯れの発症した木の伐採も適宜実施されています。

そうした発症&対策&変遷などによる

朽ち木の数の増減などにより、今後のトゲアリの発生数が

大きく変動する可能性がありますので

来年以降も引き続き様子を見ていきたいと思います。

(まあ、トゲアリのために朽ち木を残せと

安易に公園に要求することはできませんが)

 

 

 

 

 

 

帰り際、田んぼ近くで見かけた

ニホンアマガエル(左)とトモンハナバチ(右)。

どちらかというとハチの方が会えてうれしい種

なお、本当はこの日の講座では

ルリモンハナバチを狙ったのですが

従来発生していた区域で蜜源であったオミナエシが激減し

そのせいで1匹も見ることができませんでした。無念。

 

 

 

 

 

目標種が撮影できなかったのは残念でしたが

それでも想定内外双方で色々な出合いがあり

充実した内容になったのではないかと思います。

 

猛暑日でありながらご参加いただいた皆様に

この場を借りて厚く御礼申し上げます。

 

 

 

 

 

【8/20 小山田緑地で撮影した生きもの】

昆虫類・・・アブラゼミ、イチモンジセセリ、イボバッタ、オオスズメバチ、オンブバッタ、カノコガ、キイロスズメバチ、キタキチョウ、キマダラセセリ、キンケハラナガツチバチ、クサキリ、クモヘリカメムシ、クルマバッタモドキ、コアオハナムグリ、コバネイナゴ、サザナミスズメ、シオカラトンボ、ショウリョウバッタ、シロテンハナムグリ、ダイミョウセセリ、ツクツクホウシ、ツチイナゴ、ツマグロオオヨコバイ、トゲアリ、トモンハナバチ、ノコギリクワガタ、ハラビロカマキリ、ヒナバッタ、ヒメアカタテハ、ホソミイトトンボ、マユタテアカネ、ミヤマアカネ、ムラサキシジミ、モンキチョウ、ヤマトフキバッタ、ルリシジミ

その他・・・ニホンアマガエル、ニホンカナヘビ、ニホントカゲ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年10月15日(日)に開催いたします。

 行先は「三番瀬&葛西臨海公園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。