人工護岸でも鳥はたくさん(恩田川) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

かねてより他のブロガーさんがよく紹介されていた

横浜市内を流れる恩田川(おんだがわ)

鶴見川水系の支流でもあります。

 

位置的には寺家ふるさと村などに近いのですが

なかなか足を運ぶ機会がありませんでした。

今回、年末で横浜の実家に戻っていたこともあり

初めて訪問させていただきました。

スタート地点(上写真)は、長津田の駅からちょっと歩いたところ。

ここから上流へと歩を進めます。

 

 

 

 

 

 

人工護岸で水深も浅い恩田川ではありますが

スタート地点から100mくらいの範囲だけでも

早くも5~6種類の野鳥に出合うことができました。

(左:水浴び中のイソシギ、右:キセキレイ

 

上流域を好むというキセキレイとセグロセキレイが

かなり多かったように感じます。水質が良いのかも。

その辺りも含め、いたち川に通じるものがありますが

あちらは人工護岸でありながら自然護岸の部分も

かなり多くありますので、どちらかというと柏尾川に近いかも?

 

 

 

 

 

ジョウビタキ♂も出現。

かなり近くまで来てくれました。

 

 

 

 

 

川幅がそれなりに広い反面、水深が浅いので

サギなどは余裕をもって川の中に立てます。

反面、ここまで浅いとカワセミには向かないかもと

一瞬思ったのですが……↓

 

 

 

 

 

すぐに会うことができました。

まあ、水たまりレベルの浅さというわけではないので

問題はないのでしょう。この後も何度かエンカウントしています。

 

 

 

 

 

ポツンと立つカワセミ

いたち川と違って川の中にあまり樹木がないため

こういう人工物を足場として利用しているようです。

(周りにはサクラ並木などもあるが、水面と離れ過ぎている)

 

 

 

 

 

さらに上流へ。見ての通りコンクリ護岸で

植物の数も少ないため、一見すると殺風景なのですが

意外なくらい鳥の数は多かったです。

コサギやカワセミと何度か遭遇していたので

恐らく魚も結構生息しているのでしょう。

 

また、コンクリ護岸の一部にヒメツルソバなどの

わい性の植物が生えている場所がありまして

ああしたものが野鳥の糧になっている面も

あるものと思われます。(よくカモが食べるらしい)

 

 

 

 

 

 

冬のカモについては、いたのはコガモだけ。

ただしその数は非常に多く、下流から上流まで

あちらこちらで集団を見かけました。

 

川自体が浅いため、他の大柄なカモは泳ぎにくいのかも?

一方で浅いお陰で小柄なコガモでも足をつきやすく

水底の藻などを食べやすいというメリットもあります。

(左写真はまさに食事中と思われます)

 

 

 

 

 

こういう場所でも流されることなく

しっかりと立って食事ができます。

 

 

 

 

 

より上流へ。住宅街の間を流れる恩田川。

この辺りにくると護岸部分の植物が増えてきます。

(いたち川の風景はこれに近い)

 

 

 

 

 

バンを発見。ちなみに護岸部には

砕石を詰めた蛇篭のようなものが使われています。

蛇篭は隙間が多いため、水生昆虫や小魚などの

小型の生きものが隠れる場を提供してくれます。

こうすれば、例え人工護岸であろうと

生きものの数・種類を増やすことができるのです。

 

 

 

 

 

急流(?)をバックに、セグロセキレイ

 

その後、ある程度上流まで行き切ったかな?という所で

以前から聞いていたオシドリのいる場所を探すことに。

「大体ここだろう」という目途はついていたので

ブログ情報と勘を頼りに、歩いて向かいました。

 

住宅街を1時間弱歩き、それらしき場所が見えてきたので

そーっと覗いてみると……。↓

 

 

 

 

 

いました。隠れていますがオシドリ♂です。

新宿御苑の個体もそうでしたが

どうやら警戒心が強いらしく

なかなかヨシ原から外に出てきてくれません。

とは言え、ずっと隠れっぱなしということはないはずなので

ここは出てくるまで辛抱します。

 

 

 

 

 

待つこと20分。やっと出てきてくれました。

この日確認できたのは、オスが3羽メスが1羽

そこそこ広い水場で他に隠れる場所もあったので

私が気付かなかっただけでもっといたかもしれません。

 

 

 

 

 

何気に初めて撮影できた、羽ばたきシーン。

何気にこれまでで一番良い画質かも?

 

この界隈では毎年冬の常連さんだと聞きます。

ほか、コンスタントに撮影できる場所というと

それこそ新宿御苑くらいしかなかったりするので

かなり貴重なスポットと言えるかもしれません。

(御苑と違い距離が近いのも好ポイント)

 

 

 

 

 

 

最後は、同じく鶴見川水系の支流である

奈良川沿いの遊歩道を下流に向かって歩き

こどもの国線「恩田駅」から電車に乗って帰路につきました。

この奈良川は準用河川という位置づけで

川幅はあまり広くないのですが、水質は悪くなく、

ちゃんとカワセミも出現しました(逆光ですみません)

 

以上、1日かけて歩くと良い運動になりますし

思った以上に多数の鳥に会える優良スポットでした。

恩田川沿いには田園地帯があり、そちらでは

猛禽の飛来なども期待できるそうなので

今後も時間があれば何度か訪れてみたいところです。

 

 

 

 

【12/30 恩田川~奈良川で撮影した生きもの】

イソシギ、オシドリ、カイツブリ、カワセミ、キジバト、キセキレイ、ゴイサギ、コガモ、コサギ、シジュウカラ、ジョウビタキ、セグロセキレイ、ハクセキレイ、バン、ヒヨドリ、ムクドリ

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2023年2月19日(日)に開催いたします。

 行先は「浮間公園&戸田市内の水場」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。