空港から、例の橋を渡ってみた(多摩川河口域・両岸) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

10月の講座で訪問した多摩川河口域

当日は満潮で悔しい思いをしましたので

11月に入ってから出直しました。

 

シギの撮影ポイントを訪ねたところ

ちょうど釣り人が川の中に入っていたので

また不発か……と思いましたが

よく見ると少し外れた所に鳥の集団が。

講座で見られなかったセイタカシギも確認できました。

 

都会慣れしているということなのか

人との距離の取り方はよくわかっているようです。

 

 

 

 

 

似ているけど違う連中に囲まれて

困惑気味のセイタカシギ。

 

講座前の視察時には20羽以上確認できましたが

この日見られたのは4羽のみ。ただ、後日別の方が

十数羽で飛んでいるシーンをSNSにアップしていましたので

たまたま席(?)を外していたようです。

 

 

 

 

 

クローズアップ。私が個人的に好きなので

本ブログでは登場回数が非常に多いですが

実際シギ・チドリの中でも安定して観察・撮影できる

バードウォッチャーには嬉しい鳥だったりします。

見た目の通り(?)あまり俊敏に動き回れないので

撮りやすいのも有り難かったり。

 

 

 

 

 

こちらはアオアシシギです。

(今回はコアオアシシギではないはず)

くちばしが微妙に上に反り返っています。

3羽ほど、セイタカシギの近くをウロウロしていました。

 

 

 

 

 

マンションの一角にチョウゲンボウが出現。

窓を開けたら目の前に……とか

この辺りなら普通にあり得るようです。

 

ちなみに戸田にある私のマンションでも

チョウゲンボウが屋上に現れたことがあります。

近年、明らかに目にする機会が増えていますね。

 

 

 

 

 

河川敷で見つけてしまった食痕。

ただ、恐らくチョウゲンボウではなく

オオタカかハイタカなどのもっと大きな猛禽の仕業かと。

羽の形からして襲われたのはハトと思われますが

チョウゲンボウがハトを襲うことは滅多にないので……。

 

実はすぐ近くに死骸も転がっていたのですが

流石にグロすぎるので写真はカットしています(汗)

 

 

 

 

 

六郷周辺のマンション街をバックに。

この辺りにはカルガモが固まっていました。

冬のカモもちらほらと来ていましたが

例年河口域に集団で飛来するスズガモの姿は

まだこの日は見られませんでした。

 

 

 

 

 

 

潮が引いて干潟が露出したことにより

ヤマトオサガニ(右)が大量に出てきていました。

 

 

 

 

 

 

お昼前に羽田空港に到着。

ここで昼食をとることにしました。

カツオのたたき丼です(右写真)。

 

入国規制がなくなったことでようやく空港も

徐々に賑わいを見せつつありますが

日本からの出発客がまだ少ないのか

最盛期にはまだ遠い……という印象でした。

 

 

 

 

 

さて、ここ2回は河口域の東京側のみを

歩いてまいりましたが、今回は時間があったので

今年3月に開通したばかりの多摩川スカイブリッジを渡り

神奈川県側(川崎市)に移動してみました。

羽田空港のすぐ目の前を通っている橋で

車両だけでなく普通に人が歩いて渡れるようになっています。

 

 

 

 

 

スカイブリッジの上から見る、川崎側の川岸。

黒い鳥が多数集まってきていますが

確認してみたところ、全部カワウでした。

その他にユリカモメやウミネコなどもいましたが

中央左上に人がいるにもかかわらず

逃げる様子は見せませんでした。

 

 

 

 

 

 

ちなみに河口を示すポール(左)が立っているのは

この川崎側になります。ここを訪れるのは

何気に結構久しぶりだったりしますが

雰囲気はほとんど変わっていません。

カンムリカイツブリ(右)が近くまで来てくれました。

 

ここより下流は工場の敷地で立入りできないため

ポールにある通りここが人の入れる多摩川の河口となります。

 

 

 

 

 

久々に来たらこんな施設ができていました。

「キング スカイフロント」という

ライフサイエンス・環境分野の研究開発拠点で

国家戦略特区にも指定されています。

 

左奥に見える建物はホテルになっており

全体の約3割のエネルギーを水素発電で賄っているとか。

2018年に完成したホテルで、多摩川の土手に

ダイレクトアクセスできるようになっています。

内外装はシンプルですが人気は高いらしく

この日も駐車場は結構混雑していました。

 

 

 

 

 

 

施設の敷地内は草原が充実しているため

昆虫の姿も多数確認できました。

ウラナミシジミ(左)とベニシジミ(右)です。

 

 

 

 

 

ホシササキリも多数観察しています。

立派な産卵管を持つメスですね。

 

 

 

 

 

さすがにホテル内の写真を掲載するのは控えますが

土手から入れる1階にはカフェがあり

休憩がてらケーキをいただきましたのでUPします。

宿泊客でなくても利用できますので

河川敷を歩いて疲れた際には、ぜひお立ち寄りを。

 

 

 

 

 

 

河川敷の環境については、東京側と同じく

運動場(左)もあれば草原(右)もあり、という感じ。

ただし、東京側の河川敷が住宅街に面しているのに対し

川崎側は工場・倉庫などが多く隣接しているのが

大きな差となっております。

 

 

 

 

 

河川敷で撮影したマダラバッタ

そんなに遭遇率は高くないはずなのですが

東京側でもたまに見られます。

環境が合っているのかもしれません。

 

 

 

 

 

最後に、やや上流へ遡った所にある川崎河港水門。

竣工は1928年で、国の登録有形文化財とされています。

ここから500mほど遡れば六郷橋に差し掛かり

六郷土手または京急川崎駅まで歩いて行けます。

水門周辺ではアオサギやヒドリガモなどを確認できました。

また、水門近くには味の素のプラントがあるため

独特の発酵臭のようなものがたまに漂ってきます。

好みは分かれるでしょうが、これも工場街らしいというべきか?

 

依然としてゴミの漂着などは見受けられますが

東京側・川崎側ともに河口の環境は決して悪くなく

1日かけて両方歩いてみると面白いスポットです。

ヨシ原が広がっているエリアもありますので

真冬であればチュウヒなどの飛来も期待できるかも?

 

 

 

 

【11/5 多摩川河口域で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオアシシギ、アオサギ、イカルチドリ、イソシギ、ウミネコ、オオバン、オカヨシガモ、カルガモ、カワウ、カンムリカイツブリ、キンクロハジロ、コサギ、セイタカシギ、セグロカモメ、ダイサギ、チョウゲンボウ、トビ、ハクセキレイ、ヒドリガモ、ヒヨドリ、ホシハジロ、マガモ、ムクドリ、モズ、ユリカモメ

昆虫類・・・イチモンジセセリ、ウラナミシジミ、エンマコオロギ、オンブバッタ、コバネイナゴ、ショウリョウバッタ、ベニシジミ、ホシササキリ、ホシホウジャク、マダラバッタ、モンキチョウ、ヤマトシジミ

その他・・・ヤマトオサガニ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2022年12月18日(日)に開催いたします。

 行先は「境川遊水地公園」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。