一瞬ギフチョウかと思った話(神奈川県立七沢森林公園ほか) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

 

約5年ぶりにやってきた厚木の七沢地区。

ニホンジカを新顔登録したところになります。

散策するスポットは、大まかに分けますと

七沢森林公園自然観察園の2つ。

この日はまず自然観察園(上写真)を歩き、

季節の山野草や鳥などを探してみました。

 

 

 

 

 

 

山野草や樹木を自然な雰囲気で植栽したというより

自然の森林・湿地の中に散策路を設けて

公園として展開しているような場所となります。

そのため、自然な雰囲気で生えている山野草を

多数観察できるのが大きなメリットです。

 

植生管理はしているでしょうが

「植えている」という雰囲気はありません。

(左:ヤマルリソウ 右:ネコノメソウ

 

 

 

 

 

 

サクラに飛来したエナガ(左)とメジロ(右)。

メジロは相変わらずですが、

エナガの方は昆虫を捕まえています。

 

ちなみにエナガはくちばしが非常に短いため

花で吸蜜することはない……と思いきや

キンモクセイなんかで吸うこともあるとか。

 

 

 

 

 

これはアズマヒキガエルの卵のう。

自然生態園のあちこちで見かけました。

あまりに多かったので微妙にキモい

 

 

 

 

 

アズマヒキガエル(左)と

ヤマアカガエルまたはニホンアカガエル(右)の

2つの卵がご一緒しているシーン。

 

ちなみに「アカガエルの卵」という表現を用いるのなら

どちらの卵も該当してしまいます。

(ヒキガエルもアカガエル科に属していますので)

また、本ブログでこれまでに紹介してきたカエルの内

アカガエル科に属していないのは

ニホンアマガエル、シュレーゲルアオガエル、モリアオガエルの

3種類だけだったりします。

すみません。ヒキガエルはヒキガエル科という

まったく別の科に属するカエルでした。

読者様の指摘により、訂正させていただきます。<(_ _)>

 

 

 

 

 

あまりに数が多いので「もしかしたら」

期待していましたが、昼間から大人の個体

姿を見せてくれました(大分遠かったですが)

 

複数個体観察できましたので

もっと探せば相当数が見つかるものと思われます。

苦手な方には申し訳ないかもしれませんが

これもまた自然度の高さを証明していると言えるでしょう。

 

 

 

 

 

久しぶりに観察した気がするアカゲラ

穴を開けた跡がしっかり残っています。

(くちばしにも木屑が付着しています)

コゲラよりサイズが大きいこともありますが

見つけた時の感動は今なおなかなかデカいものです。

 

 

 

 

 

 

山野草については、今年は冬が冷涼だったためか

ここ数年と比較して開花期が遅れているようです。

この時点でまだ多数のイチゲ(キクザキイチゲ?)

観察することができました。

 

秩父御岳山周辺であれば自然のままの姿を

観賞する機会もありますが、比較的都心部に近い

こういう場所で見られるのは有難いことです。

 

 

 

 

 

対してニリンソウはまだほとんど開花していませんでした。

平地と比べるとやや標高が高く涼しいので

開花期が遅れるのはわかりますが、

それを考慮しても遅れていた気がします。

 

ニリンソウはキンポウゲ科の植物ですが

早春期に咲くキンポウゲ科としては

セツブンソウ→フクジュソウ→キクザキ&アズマイチゲ→ニリンソウ

という順に咲き代わっていくのが基本です。

 

 

 

 

 

自然観察園から七沢森林公園へ移動中。

とんでもない数のツクシが生えている所が。

これもあまり多過ぎると少々キモい

 

 

 

 

 

七沢森林公園の入口付近。

広い森が細長く連なる形になっていますが

この日はあまり時間がなかったため

北側半分のみを歩きました。

 

半分のみといえど結構な歩行距離で

なおかつ坂道・階段も多いので

実際歩いてみると脚に来ます。(;^_^A

 

 

 

 

 

 

最近内陸でも増えてきたイソヒヨドリ(左)と

散策路で何度か見かけたビロードツリアブ(右)。

山野草と違い、昆虫については

それほど出現が遅れている印象はありません。

 

 

 

 

 

散策路の中で恐らく最も標高の高い

「とうげの広場」に到着。

見晴らしもよく、一休みするには最適。

 

なお、以前と違ってこの日はシカを見ませんでした。

シカのいる所≒ヤマビルの出る所なので

この広場も一応気を付けた方がいいかも?

もちろん早春期の涼しい時期は問題ないでしょうが

GW以降にここで一休みするのは

かなり勇気がいる……かもしんない。

 

 

 

 

 

今年初のミヤマセセリ

上記の広場周辺でそこそこ見かけました。

例年だと石砂山で初撮りしていましたので

別の場所で……というのはちょっと新鮮。

 

 

 

 

 

ヒオドシチョウにも遭遇しました。

冬越しした個体らしく、翅がボロボロです。

 

ミヤマセセリ、ヒオドシチョウと

例年ギフチョウ撮影のために登っている

石砂山で撮影する面々が続けて登場したこの日。

さらにこの直後、黄色いアゲハチョウのような影

すぐ目の前を通過したので、大きな期待を込めて

素早くカメラを構えて着陸するのを待ちました。

ついに石砂山以外の場所でギフチョウ撮影か……―――↓

 

 

 

 

 

ただのナミアゲハでした。

(↑物凄く失礼な発言)

 

まあ、仮にここでギフチョウを撮るようなことがあったら

地方新聞に掲載されるくらいのニュースだったりしますし

易々とブログで公開するわけにもいかないのですけどね。

 

 

 

 

 

その後、七沢森林公園から徒歩で移動し

若宮公園というちょっとした親水公園に移動。

バスが来るまで時間を潰しました。

池にはカルガモオオバンが複数確認でき、

森の方ではコゲラシジュウカラなどの

オーソドックスな野鳥が確認できました。

 

なお、上の写真の上方に見える横に連なった森が

七沢森林公園です。若宮公園は七沢ryの東側に位置し、

運動場もある多目的型の公園となっています。

とは言え、野鳥や昆虫、山野草がお目当てならば

七沢ryと自然観察園を交互に行き来していれば事足りるでしょう。

 

バスにさえ乗れば停留所からあまり歩くこともないので

今度講座の行先に組み込んでみようか?と検討中です。

 

 

 

 

【3/21 神奈川県立七沢森林公園+αで撮影した生きもの】

鳥類・・・アオジ、アカゲラ、イソヒヨドリ、エナガ、オオバン、カルガモ、カワラヒワ、コゲラ、シジュウカラ、ジョウビタキ、シロハラ、セグロセキレイ、ツグミ、トビ、ハクセキレイ、ヒヨドリ、マガモ、メジロ、ヤマガラ

昆虫類・・・イタドリハムシ、ナミアゲハ、ニホンミツバチ、ヒオドシチョウ、ビロードツリアブ、ミヤマセセリ

その他・・・アズマヒキガエル

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2022年4月17日(日)に開催いたします。

 行先は「三番瀬&谷津干潟(予定)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。