オオタカはどこまで“回復”しているのか?(皇居周辺~上野恩賜公園 不忍池) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

新年あけましておめでとうございます。

本年も「首都圏生きものめぐり」を

何卒よろしくお願いいたします。

 

記念すべき2022年最初の更新は

次回の講座で散策する皇居周辺の視察時の記録です。

ちょうどクリスマスでしたので、

丸の内仲通などは特別なイベントも開催しておりましたが

そうした人の密集するスポットは避け

ランナーの皆さんと一緒(?)に

皇居のお堀をぐるりと一周させていただきました。

 

 

 

 

 

 

摩天楼が並ぶ東京丸の内のビル街(左)と

お堀に浮かんでいるたくさんの水鳥たち(右)。

上記の2枚の写真は同じ地点から

方向だけを変えて撮影したものになります。

 

近代建築と石垣、そして野鳥が共存する……

それが皇居という空間なのです。

 

 

 

 

 

ヨシガモも健在。オカヨシガモに次いで

恐らくこの日2番目に多く観察できたカモです。

 

本ブログでこのカモを新顔登録したのは

2014年の話になりますが、当時はかなり

レアなカモだと本気で思い込んでおりました。

今思い出すと少々恥ずかしいです。

(でも最近数が増えてきている気も)

 

 

 

 

 

食事中のハシビロガモ

この日のお堀にはマツの葉や実などが

かなり多く浮いていましたので

カモ達も食事には困らないようです。

 

 

 

 

 

 

お堀の一角に、カイツブリが集まっていました。

カモと違ってこういう集団をつくる場面は

あまり目にしない気がします。

(以前にカンムリカイツブリで見たことはある)

 

 

 

 

 

ドジョウのような魚を捕まえました。

お堀にはカワセミやサギなどもよく現れますし

どうやら「食料」に困ることはないようです。

 

 

 

 

 

 

日比谷公園にも立ち寄りましたが

昨年と同様、クリスマスのイベントは入場制限を課しており

ぶらりと会場の中に入ることはできなくなっていました。

こればかりは、完全にコロナ禍を脱しない限りは

なかなか通常開催は難しいかもしれません。

 

また、花壇の一角ではまだバラの花が残っていました。

午前中だったので、香りもなかなか豊潤。

(基本的に時間が遅くなるほど香りが飛んでしまう)

 

 

 

 

 

 

日比谷公園のプリムラ花壇。

寒い時期を代表する園芸植物ですが

パンジーやビオラよりもややボリュームが出るので

立体的に魅せたい時には重宝するようです。

 

 

 

 

 

お堀に戻ります。

日比谷公園を出てから時計回りにお堀を一周しましたが

道中の水鳥はオカヨシガモ、ヨシガモを中心として

例年通りなかなかの多種多様ぶりでした。

 

写真にはオカヨシガモヨシガモホシハジロが混在していますが

すぐ近くにはオオバンやキンクロハジロの姿もありました。

 

 

 

 

 

水鳥のいる風景

手前の斜面には

芝生で食事中のオオバンが多数。

 

 

 

 

 

食事中のオオバン。所々にヒドリガモも混じっており

芝生をくちばしで掻き分けて何か食べていました。

写真だとわかりにくいですが、ここは結構角度のある斜面。

ああ見えてオオバンもなかなか健脚なようです。

 

 

 

 

 

 

道中ではツグミ(左)やジョウビタキ(右)など

オーソドックスな冬鳥に出合える機会も。

 

やはりこちらでも顕著にツグミの数が減っています。

数年前までは皇居外苑の芝生をよく歩いていたのですが

この日観察できたのは木に止まっている1羽だけです。

 

 

 

 

 

北の丸公園。さすがにこの真冬では

レジャーシートを敷いて一休みという気分にはなれませんが

温暖な時期であればピクニックには最適です。

 

園内の池にはヨシガモを中心に

そこそこの数のカモが飛来していました。

恐らく昨年よりもヨシガモの割合が増えています。

 

 

 

 

 

 

 

皇居東御苑へ。

こちらでは外堀で確認できなかった

マガモが多数確認できました(左)。

 

雑木林はすっかり冬模様。

所々から野鳥の鳴き声が聞こえてきましたが

視界を遮る枝が多いため、バードウォッチングには

あまり向いていないかもしれません。

 

 

 

 

 

東御苑上空に、いきなりオオタカが出現。

かなり高い位置に一瞬現れただけでしたので

証拠写真としても微妙な写りになってしまいましたが

すぐ目の前が摩天楼というあの立地で

このように観察できたのは率直に嬉しいことです。

 

今冬はかなりの頻度でオオタカに遭遇していますが

やはり増加は顕著ということなのか?

最近はむしろツグミより遭遇率が高いんじゃないかと

そんな気すらしてしまいます(流石に大袈裟ですが)。

 

 

 

 

 

時間が余ったので、皇居を後にして不忍池(上野)へ。

皇居のお堀にはこの日全くユリカモメがいなかったのですが

こちらでは健在。昨年のモニターツアー時と同様に

相当数(杭を埋め尽くすほど)が確認できました。

レア種というわけではないですが、ちょっとホッとした気も。

 

スワンボートがアベック(死語)でいっぱいだったのは

まあご愛敬。クリスマスなので平常運転。

 

 

 

 

 

キンクロハジロの集団を手前に

バックにスカイツリーを据えて。

(木で隠れてしまっているのがアレですが)

 

 

 

 

 

相変わらず不忍池にはキンクロハジロが多数。

ほか、ホシハジロ、オナガガモ辺りが多い模様で

この辺りの傾向は例年とほぼ変わりありません。

 

The都市公園という立地だけに

飛来する鳥はほとんどコモン枠ですが、

そうした生きものの数が急に減少すると

何か重大な事件(?)でもあったのではないかと

どうしても勘ぐってしまいます。

上記のツグミがまさしくそれ。

冬季の飛来地である都心部の環境が

ここ数年でそれほど変化している気はしないので

気候変動の影響か、はたまた繁殖地のシベリアで

何か異変でも起こったのか……。

 

ツグミについては引き続き情報を集めてみます。

 

 

 

 

 

最後に

カワセミのいる風景 in 不忍池

 

この日は妙に不忍池でのエンカウント率が高く

それなりの数が生息しているものと思われます。

 

 

 

 

 

【12/25 皇居周辺~不忍池で撮影した生きもの】

アオサギ、エナガ、オオセグロカモメ、オオタカ、オオバン、オカヨシガモ、オナガガモ、カイツブリ、カルガモ、カワウ、カワセミ、キンクロハジロ、コブハクチョウ、シジュウカラ、ジョウビタキ、スズガモ、ツグミ、ハクセキレイ、ハシビロガモ、ヒドリガモ、ヒヨドリ、ホシハジロ、マガモ、ムクドリ、メジロ、ユリカモメ、ヨシガモ

 

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2022年1月16日(日)に開催いたします。

 行先は「皇居外苑(予定)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 (講座の概要につきましてはこちらをご参照ください)

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。