陽が昇り切るまで、ただただ待て(石神井公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

11月末になって一時晴天がずっと続きましたが、

天候が良好だと逆に昼夜の寒暖差を実感します。

 

この日は久々に石神井公園に足を運びましたが

到着時点では9時30分。この時間帯はまだかなり寒く

コートでも着ていなければ風邪をひきそうです……。

 

写真にはカワウが写っていますが

奥に見える小さな黒い点は全てキンクロハジロです。

他にも、冬のカモが多数飛来していました。

 

 

 

 

 

 

紅葉シーズンを迎えた石神井公園。

「虫のレストラン」なる草原もありましたが

さすがにこの寒さではバッタすらもう

出てこないかなぁ……と。

実際、覗いては見ましたが虫の気配はありませんでした。

 

とは言え、こういう晴天時は陽が高く昇れば

逆に気温が一気に上がるもの。

正午辺りになるとそれなりに昆虫も見られます。

 

 

 

 

 

三宝寺池を手前に据えて、紅葉を撮影。

手前に数羽いるのはヒドリガモです。

 

 

 

 

 

 

オカヨシガモ(左)とハシビロガモ(右)。

オカヨシガモの方は昨年も三宝寺池で見ています。

この他、マガモ、キンクロハジロ、スズガモなど

メジャー処の冬のカモは一通り観察できます。

 

 

 

 

 

逆光バージョンカワセミ

Photoshopで加工すれば

ちゃんと見られる写真になるのですが

敢えてここはシャドウのかかった状態で。

 

 

 

 

 

で、公園の一角に妙に人が集まっていたので

何事かと覗いてみれば、藪の中にオオタカ(若)が。

今冬は浮間公園に次いで2回目ですね。

 

しかし、太陽の位置の関係で写りは残念なことに。

(これもPhotoshopで加工すればどうにかなるのですが)

ピーカンだとどうしてもこういうことはありがちです。

(撮影時刻/10時18分

 

 

 

 

 

こちらは10時27分

お気に入りの場所なのか、

オオタカは同じ場所から動こうとしません。

少しでも場所を移動してくれれば

もう少し光条件が良くなる可能性もあるのですが

同じ枝で時折周囲を見回すだけです。

(逆に悪化する可能性も勿論ある)

 

写真からもわかる通り距離は遠くなく

当然こちらの集団にも気づいています。

となると、この場合鮮明に撮るための最善策は

太陽が移動して日照条件が良くなるまで

ひたすら定点で待ち続けるというものになります。

 

「バードウォッチャーは普通そうだろ」

そう言ってしまえばそれまでですが(汗)

私は散策が基本なので本当は避けたかったりします。

しかし、相手がオオタカなら贅沢は言えません。

 

そうして25分程、日の当たらない池の畔で

ひたすら待ち続けた結果……↓

 

 

 

 

 

10時51分。多少枝被りはありましたが

ようやくマトモに顔が撮れるようになりました。

「果報は寝て待て」とはまさにこのことです。

 

ちなみにこの直後、カラスの集団がちょっかいを出してきて

オオタカはどこかに飛んで行ってしまいました。

日が昇ってマトモに顔を撮れるようになってから

飛び立つまでの時間は恐らく1分弱です。

 

そして、その一瞬のために何時間も待つのが

本来のバードウォッチングの姿です。

私よりずっと年上のオッチャン達が

早朝から体が冷えるのに耐えて待機し続けているのですから

音を上げるわけにもいかなかったりします。

 

 

 

 

 

その後、ちゃんと鮮明にカワセミを撮ることもできました。

日陰でしたが「逆光」ではなかったので

Photoshopを使用しなくてもこの位にはなります。

 

 

 

 

 

メタセコイアの並木にて。

11月末の紅葉真っ盛りになると、

空気そのものが朱に染まったように感じます。

 

実際、(物理的な意味で)薄い紅葉を通過した光は

ステンドグラスよろしく色を帯びます。

 

 

 

 

 

オオタカもカワセミもそれなりに鮮明に撮れたため

満足して昼食へ。いつも通り「ふるさと文化館」

武蔵野うどんをいただきました。

 

この日のうどんには練馬大根が練り込まれていました。

練馬の名物ということで、区内では結構色々な所で

メニューに盛り込まれていたりします。

 

 

 

 

 

文化館の中に展示されていた練馬大根

現在では青首大根に圧されて

あまり栽培している農家は多くないようです。

理由の1つに、根の下の部分が太くなっているので

引き抜きにくいから……というのを聞いたことがあります。

 

 

 

 

 

文化館の目の前、イロハモミジにエナガが飛来。

ほか、シジュウカラとメジロも集団で出現しました。

要するにいつもの混成群ですね。

 

 

 

 

 

12時11分、野草観察園でオオカマキリに遭遇。

ちょうど太陽が南中した頃で気温も高くなったため

昆虫たちが活動を開始したようです。

 

 

 

 

 

クヌギカメムシも出現。

その他、キタキチョウモンシロチョウなど

小昆虫も活発に活動していました。

(予想より多種類観察できました)

 

しかし、日が傾くのが早くなっただけに

上がった気温が下がるのもあっという間。

この時期に昆虫を探すのであれば

その真っ昼間をピンポイントで狙うのがいいでしょう。

 

 

 

 

 

アキアカネのいる風景

 

 

 

 

 

こんな鳥も来ていたそうです。

今年「も」ということは、

私が知らなかっただけで

普通に常連さんなのでしょう。

 

そういえばアオバズクを最後に撮ってから

既に久しい気もします。次の夏は会いに行ってみようか?

 

 

 

 

 

撤収前に、近くの氷川神社へ。

ちょうど骨董品の市場を開催していました。

 

 

 

 

 

地域間交流の場として欠かせない場であり

同時に神聖な場として位置づけられている神社の境内。

もっとも、それはあくまで人の認識に過ぎず

カラスにとってはただの集会場または水飲み場らしいです。(;^_^A

 

 

 

 

【11/28 石神井公園で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、エナガ、オオタカ、オオバン、オカヨシガモ、オナガガモ、カイツブリ、カルガモ、カワウ、カワセミ、キジバト、キンクロハジロ、ゴイサギ、シジュウカラ、スズガモ、ハクセキレイ、ハシビロガモ、ヒドリガモ、ヒヨドリ、マガモ、メジロ、ワカケホンセイインコ

昆虫類・・・アオクサカメムシ、アオマツムシ、アキアカネ、オオカマキリ、キタキチョウ、クヌギカメムシ、モンシロチョウ

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年12月19日(日)に開催いたします。

 行先は「横浜みなとみらい(予定)」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。