ステンドグラス効果(軽井沢レイクガーデン) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

いつから軽井沢は「首都圏」になったんだと去年からあれほどry

 

 

 

 

仕事半分、趣味半分でやってきた軽井沢レイクガーデン

高速バスによる日帰り格安旅行で来ておりますので

もちろん軽井沢の他の名所を訪れたり

軽井沢駅でショッピング(笑)などしている時間はなく

仕事の打ち合わせと仕事分の撮影を済ませ、

その後約3時間ほどかけてプライベート分の散策と撮影を行いました。

 

名前の通り、レイクガーデンは湖が中心となったガーデン。

バラ園として有名ですが、真骨頂は浅間山の借景を軸とした

自然派の庭園です(写真の奥に見える山が浅間山)。

 

 

 

 

 

ちょうどこの時に紅葉真っ盛りだった軽井沢。

今年は昨年よりやや前倒し……なのか?

 

 

 

 

 

 

中にはこのように真紅に染まった木も。

レイクガーデンは樹種が豊富なので、

紅葉のバリエーションも多岐にわたります。

(特に左の木は葉全体が真っ赤っ赤)

 

 

 

 

 

 

紅葉だけでなく、秋バラも最盛期(左写真)。

池の中にある整形式の花壇はもちろん、

ガーデンの随所で宿根草類と混植しています。

右はアザミの一種ですが、サイズが大きく横向きに咲き、

よく見かけるノアザミとは違うように感じます。

 

 

 

 

 

秋らしい自然派ガーデンの風景。

あくまでガーデンなので来園者の目を楽しませるよう

随所に秋の花が入っています。

それゆえに昆虫も多く集まってくるのですが

都心とはやや勝手が異なります。詳しくは後述。

 

 

 

 

 

 

基本的には半日陰環境が多いレイクガーデン。

一方で適宜手が入っている分極相林にはなっていないので

四六時中日光の差さない完全な日陰はありません。

(言い換えるなら、手をかけなければ鬱蒼とした極相林になるということ)

 

 

 

 

 

マツムシソウに飛来したキタテハ

 

 

 

 

 

 

例のあかんやつ(左写真)はこちらでも健在です。

先日の鎌倉中央公園との大きな差は、完全な自生ではなく

ガーデンを支える要素として育てられているということ。

この他にも日本在来の山野草が多く植えられています。

 

右は園芸種で、八重咲きのシュウメイギクです。

一般的な一重咲きのものよりも遅くまで咲く傾向にあるとか。

 

 

 

 

 

 

上で述べた整形式ローズガーデンの雰囲気です。

秋バラなので花数はそこまで多くはありませんが

紅葉を主体とした借景は美しく、見応えがあります。

ちなみに軽井沢がバラの最盛期となるのは主に6月中旬以降。

都心の平地よりも1ヶ月程度は後ろ倒しになるようです。

 

 

 

 

 

ここからトンボシリーズ。

まず、オオアオイトトンボです。

イトトンボの仲間の中ではサイズが大きく

晩秋まで観察できる美しい品種です。

本ブログでも登場頻度が高いことからわかる通り

首都圏においても比較的ポピュラーな種だったりします。

 

 

 

 

 

翅を閉じてとまるオツネントンボの褐色個体。

成虫のまま年を越せるトンボとして有名ですが

もうこのまま超年(オツネン)するつもりなんだろうか?

 

本種は昨年の石砂山で新顔登録したものですが

あの時と違って近距離から撮れたもので

なかなか良い写りになったんじゃないかと自負しております。

 

 

 

 

 

上のオツネントンボも平地ではなかなか目にする機会がないですが

こちらのトンボは完全に初顔合わせ。しかしレイクガーデン内では

池で繁殖しているらしく、昼間には相当数が確認できました。

 

キトンボといい、名前そのまんまの黄色味を帯びた翅が特徴。

軽井沢を首都圏と呼んでいいのかは相当怪しいものがありますが(汗)

もうすでに何度か前科がありますので今更もういいかなと(適当)。

 

 

遭遇率・・・1 (都心には多分いない)

インパクト・・・3 (サイズはアキアカネなんかとほぼ同じ)

美しさ・・・3 (後述しますが翅が黄色で美しい)

俊敏性・・・4  (なかなか止まってくれない)

知名度・・・2 (図鑑にはそれなりに載っている)

 

 

 

 

 

横からのアングルで撮ったキトンボ

太陽光によって岩肌に黄色が映っているのがわかりますでしょうか?

要は、教会等にあるステンドグラスと同じです。

翅に色のあるトンボといえばチョウトンボやハグロトンボがいますが

彼らは基本的に翅の色が黒を基調としているため

ほとんど光を通さず、このような現象は見られません。

 

なお、レイクガーデンには本種が多数生息していますが

この日観察できたのは14時くらいまで。

それ以降は、どこを探しても1匹たりとも見つからず

それどころか上に挙げたオオアオイトトンボやキタテハさえも

パタリと姿を消してしまいました。

 

理由は簡単。日が傾いて急激に気温が下がってきたからです。

昆虫は気温の高低によって動きが左右されやすく

ある程度冷えてくると翌日まで休眠に入ってしまいます。

これはもちろん都心部でも同じなのですが

標高が高く四方を山に囲まれた軽井沢は気温も下がりやすいので

昆虫を観察できる時間帯はかなり限られているようです。

 

飛んでいるキトンボの姿が観察できたのは

所感としては3~4時間程度だったかなと思います。

来年以降、秋に郊外で昆虫を探す際には覚えておくといい……かも?

 

 

 

 

 

 

ちなみに恒温動物である野鳥は、夕方頃までそこそこ観察できます。

エゴノキが植えられているのでヤマガラ(右)が多かったですが

アオジ(左)にも会うことができました。

そろそろ都心部でもアオジを見かけるようになるかも?

(ジョウビタキは一足先に姿を確認しています)

 

 

 

 

 

クローバーといっても、実は結構色々なタイプが……。

こういう小型の草本植物の「違い」を楽しめるようになると

レイクガーデンの楽しみもグンと広がるはずです。

 

 

 

 

 

ちなみに湖の中にある島には、

系流域の風景も作られています。

春(5月前半頃?)にはこの周辺にサクラソウが咲くほか

園内各所にサクラソウの属するプリムラ系統の花が咲き

新緑の下で秋とはまた違った雰囲気が楽しめます。

 

年に何度か仕事で訪れているレイクガーデンですが

仕事抜きにしても四季折々に足を運びたくなるスポットです。

バス代で往復5000円弱かかるのが痛いですが

 

 

 

【10/31 軽井沢レイクガーデンで撮影した生きもの】

鳥類・・・アオジ、コゲラ、シジュウカラ、セグロセキレイ、ヤマガラ

昆虫類・・・オオアオイトトンボ、オツネントンボ、キタテハ、キトンボ、トドノネオオワタムシ、ホソメヒラタアブ

 

★現在、生きもの探索ツアー開催に向けて準備中! ご期待ください。m(_ _)m