ソメイヨシノが満開になったら、ギフチョウに会いにいこう?(石砂山 ―後編―) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

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雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

後編は山頂から。この日は到着直後にギフチョウが現れ、

あっさり撮影することができました。昨年待たされたのがウソのよう。

後翅の突起が1本千切れてしまっているのが残念ですが、

やはりこの美しさには惹かれますね。

 

 

 

 

 

しかも3頭同時に飛び回るというサービスぶり。

昨年とのギャップが凄まじいです(汗)

カメラを新調したことで、飛翔中の個体もそこそこきれいに撮れるようになりました。

 

 

 

 

 

所感として、例年よりやや早めに赴いたのがよかったのかもしれません。

昨年を含めて過去5回は平地のサクラがほぼ散った頃に登っていたのですが

今年は、大体満開期を迎えた辺り(ピーク時)で行きました。

 

知ってのとおり、今年は開花してから急に気温が下がり

そのせいでサクラ(この場合はソメイヨシノ)の花期が大分長持ちしました。

石砂山周辺でもその傾向は出ていたような気がします。

昆虫界隈でも多少影響が出ていたのかもしれません。

 

実際、例年と比べてよく見かけたもの、逆にあまり会えなかったものなど

動植物を問わず傾向がハッキリとしていました。

まずギフチョウは。山頂から裾野にかけ、例年より明らかに多かったです。

 

 

 

 

 

スミレで吸蜜するギフチョウ。頂上だと地面に降りていることが多いのですが、

数十メートル離れたところではこういう光景もよく見かけました。

ミツバツツジで吸蜜することもありますが、枝被りになることも多いのが残念。

 

 

 

 

 

 

頂上で常連のミヤマセセリヒオドシチョウ

今年も問題なく撮影できましたが、

ミヤマは例年とほぼ同じ、ヒオドシはやや少なめでした。

 

 

 

 

 

 

山野草に目を向けると、前編にも登場したシュンラン(左)は

例年よりも花を見かける頻度が高く、結構撮影できました。

左奥にちらと覗けているご夫婦(だと思う)が何しているのかと尋ねてきたので

花の場所を教えて差し上げました。どうやらまったく気づかなかったらしく

花を見つけてずいぶんと撮影を楽しまれていたようでした。

 

ギフチョウの食草であるカンアオイ(右)は、大体同じくらい。

元々の個体数がシュンランより多いので、見つけるのには苦労しません。

ただ、ギフチョウが卵を産んでいる可能性もありますので

観察する際には粗雑に扱わないよう注意すべきでしょう。

 

 

 

 

 

 

下山直後。ここでも複数のギフチョウが現れ、カメラマンが集まっていました。

右写真のように農家のブルーシートにとまるという珍しいシーンも。

 

 

 

 

 

上記のとおり、山周辺のソメイヨシノはほぼ満開でした。

いや、もしかしたらまだ八分咲きくらいだったかも?

少なくともこの時はまだ「葉っぱ」は出ていませんでした。

 

 

 

 

 

いつも立ち寄るハチミツ屋の近くで。

やはりここでもイノシシ(シカも?)問題は勃発しているようです。

 

 

 

 

 

ハチミツ屋ではいつも通りにジェラートを購入。もちろんハチミツがけです。

これを食べないと石砂山に来たという感じがしないんですよね。

 

なお、偶然ここで上のシュンランのご夫婦(?)と再会。

曰く、登山中に見つけられたシュンランは結局あの1株だけだったそうです。

確かに地味で小さな花なので、気づかないのも無理はないかも?

あれを見つけるには常時目線を下に向けてゆっくり歩く必要がありますので

パートナーと一緒の時はあまり根詰めない方がいいです。フラれます(爆)。

 

 

 

 

 

落ち葉の上でご開帳したまま静止する、

サービス精神旺盛なムラサキシジミです。

前にも書きましたが、基本「ブルー」に近いと言えます。

 

 

 

 

 

昆虫についてはこんな新顔も。

下からアングルで非常にわかりにくいのですが

オツネントンボというイトトンボの仲間のようです。

オツネン(越年)ということで、この成虫形態のまま年越しするトンボですね。

 

遭遇率・・・2 (やや減少傾向)

インパクト・・・2

美しさ・・・3 (本来は青色で美しいらしいので)

俊敏性・・・3 (ひらひらゆっくりと飛びます)

 

 

特徴的な冬越しスタイルのため、それなりに知名度はあるようで

トンボの図鑑には基本載っていないということはありません。

実際私も、小学生の頃から名前だけは知っていました。

 

 

 

 

 

近似種にホソミオツネントンボというのがいて、これも越年するのですが

識別のポイントは翅の先端の紋だそうです。

無印のオツネントンボはここが微妙にズレているのだとか……。

あまりに微々たる差ゆえ、撮影してからデータを拡大して確認しないとわかりません。

 

ちなみにこの時期褐色なのは、越冬時のカムフラージュのため。

枯れ枝に扮し、鳥などに襲われないようにしているのでしょう。

 

 

 

 

 

 

ノスリ(左)は上空に1度だけ現れました。

これだけの山中だと決して珍しい存在ではないでしょう。

アオジ(右)は何度か鳴き声を耳にしましたが、撮れたのはやはり1度だけ。

そろそろ見納めかもしれませんね……。

 

 

 

 

 

 

1度だけ見かけたアマナ(左)と、あちこちに生えていたカントウタンポポ(右)。

本来アマナはもうちょい前倒しに咲くので、これが見納めでしょう。

カントウタンポポはほぼ例年通り。株数が多いので見つけるのは割と容易です。

 

 

 

 

 

逆に、とにかくこの日見かけなかったのがフデリンドウ

いつもであれば石砂山の山中であちこちに見られるはずなのですが

結局この日撮れたのは1株だけ。それも1輪しか咲いていません。

前編のイカリソウと同じく、どうやら開花期はサクラより大分後になるようです。

 

 

 

 

 

多分、これはマルバスミレです。

見つけたその場で識別するのは難しいですね……。

図鑑が命綱ですが、ポケットサイズで包括的に植物を扱うタイプだと

まれに載っていないこともありますので要注意です(汗)。

さすがにタチツボスミレが載っていないということはないみたいですが……。

 

 

 

 

 

咲き始めたニリンソウ

これの最盛期は、ちょうど今くらい(4月中期)です。

近場だと、四季の森公園(里山ガーデンのお隣)や高尾山が見所。

特に高尾山はアホみたいに沸いているので必見。

 

 

 

 

 

確か去年も同じ場所で撮った気がするオキナグサ……。

絶対、純粋な自生じゃないと思いますが(どこかのお庭からのこぼれ種?)

エンカウントすること自体が稀なので、しっかり撮っておきましょう。

(園芸でもあまり見かけませんが、ファンはいらっしゃるみたいです)

 

 

 

 

 

最後は、これまたいつも通りに藤野芸術の家でピザをいただいて締め。

今年はアンチョビピザにモッツアレラチーズを追加してもらいました。

価格は1300円です(モッツアレラチーズ抜きだと1000円)。

ちなみにここで使っている石釜、プロの陶芸家さんが作った本格派で

実際焼き物に利用されているようです。

 

芸術の家ではブルーベリージャムやアーティストさんの作った小物など

女性受けしそうなものが色々と販売されていますので

石砂山に行かれるのであれば、帰りがけなどにぜひ寄ってもらいたいところ。

相手がいれば……ね(闇)

 

 

 

【4/7 石砂山~藤野駅で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオジ、イソヒヨドリ、カケス、カルガモ、カワウ、カワラヒワ、キセキレイ、シジュウカラ、ツバメ、ノスリ、ホオジロ、ホシハジロ、ヤマガラ

昆虫類・・・オツネントンボ、ギフチョウ、スギタニルリシジミ、テングチョウ、ヒオドシチョウ、ヒメツチハンミョウ、ビロードツリアブ、ベニシジミ、ミヤマセセリ、ムラサキシジミ、モモブトカミキリモドキ

その他・・・ウグイ

 

 

 

【4/7 石砂山~藤野駅で捕獲したポケモン】

アノプス・・・3

ガーディ・・・1

カイロス・・・1

キャタピー・・・1

クヌギダマ・・・3

コンパン・・・7

サイホーン・・・2

ジグザグマ・・・1

ストライク・・・3

ドジョッチ・・・1

ドンメル・・・1

ナゾノクサ・・・1

ビードル・・・1

ビッバ・・・1

ヒノアラシ・・・1

マンキー・・・1

ヤンヤンマ・・・5

レディバ・・・3

 

≪総括≫

フェア期間中につき、虫タイプのポケモンが多数出現。

とはいえ山中ではほとんど成果が挙がりませんので

やるなら「やまなみ温泉~藤野駅」の道中でどうぞ。

まあ、それでも狩りには不向きと言わざるを得ないですね……。