バッタ専門職、登場(野川公園&武蔵野公園) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

入稿前の忙しい時期でしたが、少し空いた時間を活かし、

久方ぶりに野川沿いの2公園へ向かいました。

例年シマアジが飛来する公園としてその筋では有名ですが

当然8月末のこんな時期にはまだ来ていません。

 

写真は最寄り駅(?)の武蔵境駅

駅前の枝垂れる壁面緑化は見事なものです。

(ただし野川はこの出口とは反対側です)

 

 

 

 

 

 

野川公園にて。

真夏ということもあり、川沿いも草が繁茂しています。

通常の休日散策では草を掻き分けてもうちょい念入りに虫を探しますが

如何せん時間もなかったため、歩きながら軽く探すのみでした。

それでもオオシオカラトンボ(右)を始めとして

結構な数のトンボを見かけましたので、

東京近郊でありながら高い自然度は依然健在と言えます。

 

 

 

 

 

自然観察園内。夏らしく林内にシュウカイドウが咲いています。

野川沿いを含めた東京都郊外を本ブログにおいては

「武蔵野原風景ゾーン」と勝手に呼んでおりますが

この自然観察園ではまさに武蔵野の元々あった風景を

再現したかのような雑木林が広がっています。

冬場はバードウォッチャーが訪れることも多々ありますが

道幅が狭いのでその点は注意が必要かも。

 

 

 

 

 

 

ヒオウギ(左)とカリガネソウ(右)。

いずれも自生している株はなかなか見られません。

(というかヒオウギの自生株は生まれてこのかた見たことない)

 

 

 

 

 

 

何のこっちゃないイチモンジセセリ(どこにでもいる)ですが

求愛シーンを見かけたので、一応撮影。

 

人様(?)の●●●シーンを「一応」と宣いながら

本人達(?)無許可で撮影しているのですから

見方によっては私も凄まじい外道です。

 

 

 

 

 

スケバハゴロモ。サイズは小さくレア種でもないですが

透き通った翅を始めとするフォルムやわかりやすい名前から

一度見たらなかなか忘れられない昆虫ではないかと。

 

 

 

 

 

都市公園は緊急時の避難所となることで

防災公園としての役割を担っているところが多々ありますが

他にも災害対策として多くのプラスの効果を齎しています。

地中に水を浸透させ、増水を緩和する貯水池としての役割は

案内無しにはまず気づけないので、こういう看板は重要です。

 

というか公園散策の際には「看板」を撮影しておくと

後々結構役に立ちます。仕事でもプライベートでも。

 

 

 

 

 

群生していた白キノコ。ハッキリとはわかりませんが、

恐らくオオシロカラカサタケではないかと思われます。

調べてみたところ、強いを持っているとのこと。

そうでなく仮に食用キノコであったとしても

採取するのは色んな意味でマズいでしょう。

 

 

 

 

 

武蔵野公園の西端辺りに位置する原っぱ。

カンタンが毎年発生すると書かれてありますが

まだ時期が早かったこともあり、この日は確認できず。

ただ、これだけ草が繁茂しているので

その他にもバッタの仲間が多数生息しています。

 

 

 

 

 

シロテンハナムグリサビキコリ×2

 

 

 

 

 

 

ショウリョウバッタモドキ(左)とササキリ(右)。

モドキではない本物(?)のショウリョウバッタも多数確認しました。

 

まだこの時期は、成熟したカマキリやモズといった

わかりやすい天敵は少ないため、バッタにとっては過ごしやすい模様。

ただし、何も脅威がないかというと決してそんなことはなく……。↓

 

 

 

 

 

急所をやられた!

 

サイズ的にこれはもう麻酔の域を超えて

刺された瞬間即死しているような気もしますが

一応、生きたまま卵を産みつけなくては

幼虫の餌にできないため(死ぬと腐敗して食べられなくなる)

安易に死なせるようなことはしないでしょう。

 

このクロアナバチは、シャクトリムシなどを狩るジガバチに近い

狩りをするハチの仲間なわけですが、彼らの最大の特徴は

狩りの対象がバッタ(キリギリス?)の仲間であるということ。

ただ、通常ならクビキリギスやツユムシなどの大型種を狙うため

こんな小型の個体(ホシササキリ?)を襲うのは

ちょっと珍しいようにも感じます。

 

 

 

 

 

私に気づいたからか(?)

腹の下に獲物を隠すクロアナバチ。 いらねーよそんなもん

この後、獲物を抱えたまま飛び去って行きました。

 

ちなみに成虫は吸蜜もするため

普通にお花畑などにもやってきます。都心部はともかく、

自然公園ではそれなりによく見かけるハチかも?

 

 

 

 

 

ススキの足下で見かけたナンバンギセル

前回に続いてのエンカウントです。

 

 

 

 

 

武蔵野公園西端から見る野川。

両サイドはお洒落な住宅街になっていますし

一部はコンクリート護岸になっている部分もあります。

それでも野川で遊ぶ子供たちの姿は、恐らくかつての武蔵野と

そんなに大きくは変わっていないんじゃないかな?と

ふと、そんなことを感じました。

 

カワセミのメッカと化した清流 白子川

すっかり水の綺麗になった神田川、

河口域にセイタカシギの飛来する多摩川など、

東京の川というのもまだまだ捨てたもんじゃありません。

 

 

 

 

【8/22 野川公園&武蔵野公園で撮影した生きもの】

アオクサカメムシ、アブラゼミ、イチモンジセセリ、ウラギンシジミ、オオシオカラトンボ、オオヒラタシデムシ、オンブバッタ、カラスアゲハ、キタキチョウ、キマダラカメムシ、キンケハラナガツチバチ、クロアナバチ、コバネイナゴ、ササキリ、サトキマダラヒカゲ、サビキコリ、シオカラトンボ、ジガバチ、ショウリョウバッタ、ショウリョウバッタモドキ、シロテンハナムグリ、スケバハゴロモ、ツバメシジミ、トラマルハナバチ、ハナグモ、ホソハリカメムシ、ホソヘリカメムシ、マメコガネ、ヤマトシジミ

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年9月19日(日)に開催いたします。

 行先は「三番瀬&谷津干潟」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。