“シシ神”の横切る遊歩道(御岳山) | 首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

首都圏生きものめぐり ~関東の動植物に会いにいくぶらっと散歩~

雑誌編集者である著者が自ら首都圏の公園や自然地に足を運び、そこで出合った生きものの情報をお届けします。
都会の印象が強い東京にも、カワセミやタカ、多くの昆虫が暮らしています。「首都圏ってこんなに生きものが多いのか」と驚かされる情報が満載です。

例年通り、8月末に出かけたレンゲショウマ開花期の

御岳山の記録です。今回はドンピシャのシーズンだったのか

レンゲショウマの花自体は例年になく多数観賞できました。

ただ、今年の8月はとにかく雨が多く、

この日もたまに小雨がぱらつくなど条件は劣悪……

無論、レンゲショウマだけがターゲットならばさしたる問題でも

ないのですが(あまり日照が少ないと開花期がズレることもありますが)

ご存知の通りこのブログは「首都圏生きものめぐり」なので……(;^_^A

 

 

 

 

 

 

山頂部の自生地はこんな感じでした。

多分、例年より観察数は多いです。(所感ですが)

 

 

 

 

 

レンゲショウマを模した風鈴。御嶽神社前に飾られていました。

なるほど、確かに風鈴のモチーフにするにはピッタリの花。

 

余談ですが、日本人にはこの手の俯き加減に咲く花を

好む方が多いという説を聞いたことがあります

控えめで清楚な雰囲気を好む方が多いのかもしれません。

(その他にはカタクリ、ホタルブクロ、クリスマスローズ等が該当)

 

 

 

 

 

トラマルハナバチです。アザミ属の花で吸蜜中。

このハチを新顔登録したのは今年ですが

探してみれば結構いるものです。

 

 

 

 

 

で、御嶽神社からいつものようにロックガーデンを経由する

登山道を歩いていると、斜面十数メートル下方に見覚えのある影……。

 

 

 

 

 

立派な角を生やしたニホンカモシカです。

まさにネ申シシ神様のモデルとも言われる)。

2019年に1回、今年1回それぞれエンカウントしていますが

同じ個体かどうかは不明。少なくとも2019年の個体は

これよりももう少し大きく毛がもっさりしていた気がしないでもない。

 

 

 

 

 

顔をクローズアップ

多少枝被りなのはご勘弁いただきたい。

相手はネ申……もとい角のある野生哺乳類なので

迂闊に動揺させてはなりませんので、無理な撮影は禁物です。

 

 

 

 

 

で、当たり前の話ですがこちらの存在には気づいており

それでいて逃げることもなければ興奮することもない、

この威風堂々とした姿もまたネ申たる所以であろうか?

本当は単に人間慣れしているだけ。カモシカにはよくあること。

 

 

 

 

 

人が通る遊歩道を堂々と横断するネ申

この間、他のハイキング客も足を止め、

写真を撮っていらっしゃいました。

 

ちなみに一番距離が近かったのが私で

この個体を最初に見つけたのも私です。

カモシカの方もたっぷり5分くらいは

写真撮影に協力(?)してくれましたので

驚かさず、適度な距離感を保つことには

成功したのではないかと自負しております。

(さすがに横断時は動きがやや早く写真がブレてしまいましたが)

 

 

 

 

 

遊歩道を横切って斜面情報に移動した後も

しばし私を含めハイキング客を見つめていました。

 

その目つきは警戒の目線だったのか?

それとも見守りの目だったのか?

それは其々の想像にお任せ……といったところでしょうか。

どこぞのシカのように観光客にエサを強請っている視線ではないと願いたい

 

 

 

 

 

 

ナメコらしきキノコ(左)と、

夏の御岳山の名物であるタマガワホトトギス(右)。

残念ながらタマガワホトトギスの方はピークシーズンを

過ぎてしまったのか、咲いている花はほとんど見られませんでした。

 

 

 

 

 

 

この日2回エンカウントしたアゲハモドキ

内1回は雨が降る中、足下の下草に止まってジッとしていました。

動く様子がなかったので、大きさ比較用に指を添えて撮影。

擬態している毒蝶 ジャコウアゲハと比べると

色形こそ似ているものの、サイズは明らかに小さいことがわかります。

 

 

 

 

 

もう1頭は、トイレ内の壁面で翅を休めていました。

こういうシーンを見てしまうと

「やっぱり“蛾”なんだな」と実感してしまいますが

それは若干“蛾”に失礼な感想と言えなくもない……。(;^_^A

ちなみに山のトイレあるあるで、この便所は臭い

 

 

 

 

 

……これは一体何なのでしょうか?(;^_^A

蛾の仲間であることくらいは当然私もわかりますが

美しさゆえに一般に興味を抱かれやすいチョウと違い

蛾については元々種類が多過ぎることもあるのでしょうが

結構手持ちの図鑑に掲載されていないことも多くて……

 

前回のアカヒゲドクガに続いて大変情けないですが

お分かりになる方、情報提供を何卒よろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

こちらは意外にも今回が新顔の鳥。

名前はご存知の方も多いでしょうが、ヤブサメです。

 

遭遇率・・・2 (数はそこまで少なくないが見つけにくい)

インパクト・・・2 (目立ちにくい配色)

美しさ・・・3 (配色は地味だが可愛らしい形状)

俊敏性・・・5 (よく動き回る上に名前の通り薮に隠れる強敵(?))

知名度・・・4 (図鑑でも普通に掲載され、夏鳥として人気)

 

 

有名な夏鳥で数も決して多くないのですが

夏場に山野でバードウォッチングに精を出すことは

本ブログではほとんどありませんので(夏はほぼ昆虫メイン)

今まで撮る機会がありませんでした。

鳥の新顔はなかなか増やす機会がないので、素直に嬉しいです。

(ちなみに本ブログではまだサンコウチョウを登録できていない)

 

 

 

 

 

イワタバコ。まだ数株咲いているのを見かけました。

 

 

 

 

 

もう会期も終わってしまいましたが、

ここも東京都内なので、TOKYO2020のマスコット

ケーブルカーの駅前 展望台に設置されていました。

やはり何人か写真を撮られている方もいらっしゃいました。

 

 

悪天候の中ではありましたが、ヤブサメの新顔登録、

カモシカとの再会など、非常に実りのある1日でした。

 

 

 

 

【8/29 御岳山で撮影した生きもの】

鳥類・・・アオサギ、キジバト、シジュウカラ、ヒヨドリ、メジロ、ヤブサメ

昆虫類・・・アキアカネ、アゲハモドキ、オオシオカラトンボ、オンブバッタ、クロスズメバチ、コガタルリハムシ、コチャバネセセリ、ザトウムシ、シマアメンボ、ショウリョウバッタ、シロオビクロナミシャク、センチコガネ、ダイミョウセセリ、トドノネオオワタムシ、トラマルハナバチ、ナミテントウ、ムネアカオオアリ、ヤマトフキバッタ

その他・・・ニホンカモシカ、ミスジマイマイ

 

 

 

 

★次回、生きもの探索ツアー「首都圏生きものめぐり」は

 2021年9月19日(日)に開催いたします。

 行先は「三番瀬&谷津干潟」でございます。

 現在お申込を受付中です。ご興味のある方はこちらよりお申込ください。

 

 

【小学校6年生までのお子さんのご参加につきまして】

小学校6年生までの方は、初回500円でご参加いただけます。

ただし、御父兄の同行をお願いいたします。