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今だから語る『ゴジラ -列島震撼-』(2)

 前回の記事はこちら
 
 
 さて、長くなったので続きの記事。
 
 システムやプログラムの方は専門職に
任せて、こちらが担当したのは怪獣やら
建造物やらのグラフィック一連。
 こちらについては百科事典ゴッコにも
晒されていたりして、当事者の一人と
しては、まぁ複雑な心境でもあるのだが。
 
 
【玩具との凄絶な格闘】

 このゲーム、ドット絵主体として
認識されている様だが、その実情は
「実写取り込み」だったりする。
 
 請負った会社の社長自身が
「実写取り込みの方がアニメ絵より
 リアルで偉い」
…という偏った価値観の持ち主で、
まぁ入札の際に安い見積もり提出して
落札して来た、てのが経緯の真相で
そのお陰で人件費削る為に少人数で
作業しなきゃならなかった…なんて事は
今更愚痴っても仕方ない事ではあるが。

 で、実写といっても着ぐるみ借りて
撮影するワケにもいかず、どーすンのよ
…と思っていたら東宝からの回答:

「ガレージキットがいっぱい出てるから
 それ組んで撮影してよ。ウチが版権
 卸してⒸつけてるから問題ない」

 …との事。なので渋谷のボークスとか
秋葉原の海洋堂なんかでガレキを買い漁り
何人かで手分けして組み上げてましたよ。
モデラーつっても3DCGでなくプラモ方面で。
中にはガレキですら見かけない怪獣とかも
あったのだが、それは後述。

 で、主役のゴジラさんは…といえば
↓こちらのモデルを使用する事に。
 
rd

 東京マルイ製のラジコン。60cm近くあって
かなりデカイ代物だが、コイツをどう撮影
したかといえば↓この通り。

g_turn

 床と背面にブルーバックを施して
(といっても単なる青いカーテン)
360°回転させて(うち4方向をメインに
する。幸いキャラが全て左右対称なので、
残り3方向は左右反転で対応できた)
撮影するのだが、その撮影機材が
単なる8ミリビデオカメラ

 …すみません、ピントがボッケボケで
解像度低いから青部分の滲みがシャレに
なってねぇんですが…という苦情も
聞いてもらえず、泣く泣くコレを
潰す作業に。

 わかんない人の為に書いておくけど
こうした撮影の宿命で、モデルと背景の
稜線が互いに滲むのは、最近の機材でも
ある事なんですわ。周囲の色彩が反射して
被写体に映り込む、という奴で。

判りやすく図示すると↓こんな感じ。

s

 土台に近い下っ腹や、反射率の高い
塗装が施された背ビレ等に、土台の赤味が
映り込んでしまっている。

 特にゴジラに関しては、他人がやった
作業が納得いかず(モゲラとか平気で
青みが残っていたりする)、神経質なまでに
潰しておいた筈なのだが、まだ残っている。
コレについては後述。
 
 ただ、あの歩きモーションが個人的には
気に食わなかった。
ラジコンの動きそのままな上に、アレだけで
12コマ使っており(他の怪獣は8コマで
済ませてある)「もっと自然な動きに
見えるように」と独自に8コマでソレらしい
モーションつけたデータを作成…キチンと
一歩踏み出した際、自重で上半身が少し
前傾するような動き…したのだが、
当時既にディレクターと折り合いが悪く
なっていたせいもあって、ボツにされた。
 その折り合いについても後で記す。


【担当した怪獣一連】

m5
 
 この辺は完成後に他人の手が入ったり
逆に他人が中座したまま放置した物を
継承したり…と色々あるので(ゴジラ自身が
その例。作業の優先度の関係で別件が入ると
そういう事になったりする)
全て一人で担当したワケではない物もあるが

ゴジラ(部分的に)、モスラ成虫(全般)
ラドン、ガイガン、メカゴジラ(Gフォース版)
スーパーメカゴジラ、ゴジラジュニア

…こんな所だったか。以下、特に印象に
残っているモノについて、想い出話でも。

●ゴジラ
前向きの移動と熱線放射モーションは
fix扱いにされてイジリようがないので
背中向けての移動と、正面及び横向きの
熱線放射で、せめてもの抵抗。少しでも
映像作品のイメージ通りの動きにしようと。

特に尻尾。前向きの移動モーションで
あまり動いていないのが気になって
『モスラ対ゴジラ』時の動き…はムリとして
「他の怪獣と違って尻尾長いから、そこで
特徴つけとけ」とばかりに動かした。
途中で(コマ数多いから)アタマ混乱したけど。

後で実況動画にて
「尻尾の動きがカワイイ」旨のコメあったけど
ありゃ俺ですよ。悪かったね(笑)。


●モスラ成虫
大変すぎて記憶に残ったブツ。
何故かといえば↓この一連。

m

 この羽の動き。他の翼持った怪獣とかは
硬めのまま動かしていたけど、コイツだけは
ピンで主演した頃から、非常に軟らかい動きを
表現していた(場面によっては動画で処理されて
いたりする。さすが市川崑がアニメ作っていた
会社だけの事はある)ので
「ソレ再現しなきゃウソでしょ」
と、またムダな拘りで動かしたワケだが…
まぁ無地なら別に構わんのですよ。
何だよこの模様…と、追っかけるだけでも
ノイローゼになりかけた(笑)。

 しかも、その努力にも関わらず
「怪獣の移動モーションは全部同じフレーム数で」
という事になってしまい、意図したような
優美な羽ばたきにならなかったのが悔しい。
しかも途中で模様がズレてるのがバレるし(笑)。

 あと、どうせなら顔立ちを平成モスラに
すりゃよかったね。あっちの方がモフモフで可愛い。
撮影モデルが昭和ver.だったから仕方ないけど。


●ガイガン
 この時期、コイツとヘドラ、アンギラスは
めぼしいガレキが存在せず(わざわざセガ側で
調査した結果)、残された道はといえば
当時の現行品だったバンダイのソフビ人形を
使う…という、拷問のような道のみ。

 そして困った事に、他2体と違って
ガイガンの場合は↓コレですよ、コレ。

gg1gg2

 …何ですかこのペンギン(笑)。
横にホンモノの写真を載せておいたので
知らない人でもよくわかる、この酷さ。

 なので仕方なく、大規模な整形
…というより殆どイチから描いたのと
大して変わらん作業を実行。
その結果が↓コレだ。

gg2

 ガイガーン、起動ー!
過去のHDDの片隅に、奇跡的に当時の
作業データの一つが残っていた。
(モスラの移動モーションも何処かに
残っている筈。でもフロッピーだからなぁ)
体型的には『対メガロ』や『流星人間ゾーン』に
出演した時の着ぐるみがモチーフ。
平成ゴジラと並べた時にヒケを取らない
体格にしてはいるのだが…


m4

 せっかく映像作品に近い色合いに
した筈なのに、カラーパレット作成の際
ご覧のようなペンギン色に(苦笑)。
この時ほど『元の木阿弥』という
言葉を苦々しく味わった事は無い。

 コレは、ステージ毎のカラーパレットの
持たせ方に原因がある。
各ステージで持てる色数が限定されており
「怪獣=3体まとめて256色」
「地形および建造物=256色」
「自衛隊車輛=16色」
となっていた為。

 後々になって考えてみれば
怪獣も16色にまとめられそうなモノだが
(モスラ成虫とかはキツいかもしれないが
 少しの手間で何とかなりそう)
「実写取り込みがリアル」という閉鎖的で
偏った考えが支配的になっていた現場な上
技術的なノウハウが全く流入して来ない
…という現場だったりしたのだ。

 で、ステージ毎に登場できる怪獣が
1ステージにつき3種まで、と限定されて
しまった上、3体まとめて減色した時に
ガイガンの緑系の色情報が無視されて
しまったという。

 しかも、手間かけて作った鉤爪攻撃の
モーションが全く使われなくなって
しまった(攻撃モーションも全キャラで
統一する…という手の抜き方)上に
ファイナルウォーズを先取りした様に
モスラに倒されてしまうという
何とも無個性で弱っちいキャラに
陥ってしまったワケであります。



 ③に続く
 
 
 
 
 
 


今だから語る『ゴジラ -列島震撼-』(1)

 ゴジラ還暦記念というか、先日の映画
意外と良かった事に気を良くしてか…なのか
今まで特に語る事もなかった↓コレ。

7
 
 ↑コイツの製作にまつわる
アレコレを、誰も覗いてないブログにも
関わらず語ってみるとするか。
現場で仕入れた情報の他、リリース後に
関係者から伺った事実と少しの憶測も
交える事を先にお断りしておく。


【最初はフツーのSLGだった】
 実際にプレイした事のある人には
信じられない事実かもしれないが
表題の通りだったんです。

 当時『次世代機戦争』みたいな
今思い出しても何だかな~という
シェア争いがプレステとの間にあり
とにかくソフトの数を増やして
物量作戦で攻める…てなムダ撃ちを
セガとソニー双方で繰り広げており
その片方…即ちセガ側としては
「既存自社ソフトのソースを利用し
版権キャラをはめ込んで作る」
てな手法を模索していた模様。

 例えば同年に劇場公開された
『人造人間ハカイダー』(東映)も同じ。
アレもセガが製作に名前連ねているのは
派生ゲームをサターンで発売する事を
前提としていたワケ。
実際、バーチャコップ同様の主観
ガンシューティングが発売された。


 コイツの場合、元ソースとなる筈
だったソフトは↓コレ。

ワールドアドバンスド大戦略/セガ

¥8,424
Amazon.co.jp
 
 戦略シミュレーション。
コレに乗せる版権キャラとして、当初は
ゴジラか、或いはウルトラマン系を
想定していたらしい(セガの担当者から
直接聞いた話)。
 後者の場合はまぁ、ウルトラ警備隊なり
そういう組織使って怪獣退治するような
感じになったのだろう(後年、そういう
ゲームが他社から出たが)。

 で、当時の話題性とかタイアップによる
効果を考えた際に前者になったと。
久々の新作『ウルトラマンティガ』が
スタートするのが翌年秋だった事だし。

 ここに'95年4月初頭の原案書がある。
1ページ目に「特徴」という項目があり
以下、原文ママ…ではなく、読みやすい様に
句読点を整理して記してみる。

*******************************

◎プレイヤーはGフォース(ゴジラ撃退チーム)
 の指揮官となり、フィールドに展開された
 対ゴジラ用兵器を駆使して、都市を荒らす
 ゴジラ並びその他怪獣を撃退する、戦術型
 シミュレーションゲームです。

◎ゲーム中、随所に原作ゴジラのムービーを
 表示、ゴジラファン泣かせの名場面の数々が
 ゲームの臨場感を高めます。
 
◎初心者でもすぐに楽しめ、かつ高度な戦略性
 をも楽しませる斬新なリアルタイムの
 シミュレーションバトル。
 
◎かつてゴジラシリーズに登場した、数々の
 東宝オリジナル怪獣をゲーム中に再現。
 更に東宝特撮兵器も多数ゲーム中に盛り込む
 ことにより、ゴジラファンの購買層に
 アピールします。

*******************************

 …いや、特に三番目はどうかと(笑)。
この概要書を読むと、ターン制の有無は
ともかく(当初の構想では有ったらしい)

『ユニット移動→陣形を形成→攻撃』

というパターンをユーザーに踏ませて
プレイさせるスタイルだった様で
攻撃開始時にムービーを流しつつ
(つまり戦車なら砲撃シーンの映像)
与ダメ量を確認…という流れだった
筈だったが、何であんな忙しい事に
なっちゃったんだか…。

 まぁターン制にするとゲームの流れが
カッたるくなってしまう事もあるし
陣形組むにも、狭い交差点ばかりでは
難しい…という判断だったのだろう。
その辺はセガ側とプログラマー側の
侃々諤々とした折衝があったのだろうが、
だったら部隊表を基に、プレイヤーが
優先順位をエディットできるようにして、
使ってないL/Rボタンで表送り/戻しが
出来るようになっていれば、もう少し
遊びやすいゲームになったというのに。
誰もマウスなんか使わないし。
 
 しかも「陣形」の要素が消えた為に、
それによるパラメーター上下の概念まで
消えてしまい、弱いユニットは弱いまま
…という、誠に困った事態にも陥った。
そりゃユーザーも途中でブン投げるさ。

 とはいうものの、こんな煩雑な
プレイスタイルを要求されたお陰で
他人がプレイしている状況を端から
眺めている方が楽しい…という
無責任な副産物がついた様だが。
どうもお疲れ様デス。

 ちなみに今回、件の概要書を読んで
改めて驚いたのが「ユニット生産」項目。

『当ゲームでは、ステージを開始した時から
軍事資金がリアルタイムで換算されており、
一度ステージが開始すれば、ゲーム中自由に
ユニットを生産することが出来ます。
ただし、ステージごとに生産出来るユニットは
決められています。』

 …ですと。
資金の概念がスッ飛んだお陰で同時に消えた
要素だが、多少整理して実装しておけば
もっと遊びの幅が広がっただろうに、
実際には何度もゲームオーバーになって
対策を講じるという『死に覚えゲー』に
なってしまった。
 まぁセガってソニックチームを筆頭に
基本ドS体質だよね(笑)。

 ただ、件の概要書を見てみると
最初に想定した販売地域が
「日本、米国」となっており
あの悪名高いバトラ面(ステージ7)は
それを想定しての事か…と納得。
客としては納得しないけど。

ad

 当時のチラシ2種。
左の方は雑誌広告と同じ構成。


次回②に続く

熱、冷めやらず

 さて、先日の映画の前後から
CS放送の全ゴジラシリーズを録画がてら
視聴していたのだが「そういえばウチにも
秘蔵の映像があったっけな」と思い出し
久々に引っ張り出してみたブツがある。
それが↓コレ。

4

『ゴジラvsデストロイア』(1995年)
…なのだが、そのラッシュフィルム。
当時コレ関連の仕事やっていた関係で
渡された映像(懐かしの8mmビデオ)で
まぁ関連商品を出す各所への参考資料
…といった感じだったと記憶している。
戴いたのは1995年10月アタマだったか。

 丁度、VHS収録の映像をアナデジ変換で
アーカイブしている最中でもあったので
ついでにコレもやっておくかな、という
軽い気持ちで観直してみた。

 まぁ粗繋ぎという事で、画自体は96%ほど。
(即ち、本編に対して抜けている映像アリ)
冒頭の香港周辺の旅客機(コックピット視点)
の窓はブルーバックのままだし、SEもBGMもナシ。
光学合成はごく一部が仕上がっているのみで
それ以外(殆どの光学合成カット)は
フィルムに直接サインペンでつけたアタリ取りが
施されている程度。
 また映像自体も、スクリーンに映写している物を
直接ビデオカメラで録画しており、画質は良くない。

 ただコレ、メイキングの一種として観ていると
結構面白い。
先に完成映像を通して観てからコレを観ると
「あー、なるほどね」と思わされる箇所が多々ある。
 
 で、この映像より先に東宝さんから送られてきた
資料写真が↓こちら。

5

 「史上最も危険なフグちょうちん」こと
バーニングゴジラ。
この写真だけでも判る通りの電飾の多さ。
「重てぇだろーなぁ」と思っていたら、
更にラッシュフィルムでは体内から勢いよく
スモーク噴射していたりして驚いた。
「ゴジラより先に中の人が死んじゃうだろ」と
心配もしたが。
 もう少し別アングルの写真も送られてきたが
それは案件終了後に別のスタッフがもらっていった。

 ラストのゴジラ死亡シーンに関しては
件のラッシュ上ではまだエフェクトが合成されて
おらず(当時のパソコンの性能だと、あの規模の
パーティクルをレンダするのも時間かかっただろう)
ゴジラさんの骨のディテールが割とよく見えたり
するので、まぁ貴重な映像ではあるのだろう。
しっかり関連仕事で役立てましたが。
 


6

 「何だか海外のモンスターみたいだな」
というのが第一印象だったデストロイア(完全体)。
いかにも岡本デザインといった感じの兇悪フェイスだが
ヒザから生えた爪が、鳥山石燕の描いた水虎みたい(笑)。

 資料写真に関しては飛行体と集合体もあったが
何も全部ココに出す必要もねーな、とオミット。

 ちなみに、胸元のミカンの房みたいな箇所。
「コレ、開いて何か出すんじゃねーの?」と
先に『ウルトラマンvs仮面ライダー』を観ていた連中
(俺含む)は勘ぐっていたのだが、既に上記の
ラッシュの段階で、その一連はボツになっていた模様。

 その前に、東宝の版権担当さんが川北監督に
コイツの攻撃方法を質問していたらしいのだが
「オレにも判らん!」と一蹴されてしまったそうな。
ギリギリまで表現方法に関しては揉めていた模様。

 そして一言だけ言わせてもらうと
スーパーXⅢに関しては完全に『寝耳に水』だったわ。
ラッシュ観て「何コレ!?聞いてねーよ!」と
驚いて、もう製作も間に合わない状態だった(笑)。
「どうせ前任と同じく墜とされてオシマイなんだろ」と
タカを括ってラッシュ観てたら、また驚くことに
デストロイア倒しちゃったりして(笑)。
完全に「あぁぁ~」とアタマ抱える状態。
「ウチは自衛隊とGフォースが主役なんだからさぁ…」と
ちょっと恨んだよね(笑)。
 そういえば生頼センセの描いたポスターイラストでも
ドコをどう見回しても描かれていなかったワケで。



 んで東宝さん、供出してくれた一連に関しては
「返却不要」との事なので、その辺の資料は
(会社としても貯め込んでおく必要が無いらしく)
「欲しいヤツは持ってけ」て事になり
有難~く戴いておきました。

 ラッシュの方は一応、DVDに焼いて保存して
おいたが、誰にも見せる事は無いだろう。
勿論、動画サイトにアップする気もない。
『ウルトラマン』のNGフィルムが蔵出しされて
話題になった事もあるし、あと20年は寝かせて
おく事にしよう。誰も興味ねぇだろうけど。






…で、何の関連仕事かといえば
実は↓コレだ。

7

 コイツに関しては色々言いたいことがあるが
別枠で語るとするか。

 とりあえず、こんなゲームを実況して
話題になった人
がいるみたい。
まぁよくもココまで美味しくしてくれたモノだ
…と感心したわ(笑)。

還暦記念?

 
3

 ヒマになったので(笑)8/5に『GODZILLA』観てきた。
3D版は日本語吹替版しか上映していなかったが
(ちなみに、平日のレイトショーの為か、席ガラガラ)
結果として映像に集中できたので、まぁよかったなと。

 事前(日本公開前)の反応は賛否両論。
先に国外での上映を観た人の反応(ってコレ、日本公開を
待ちきれずにハワイあたりで『スターウォーズ』観てきた
オタクのオッサン連中みたい)のうち「否」の方は
「日本をバカにしている」旨の発言があったみたいだけど
むしろ日本に対して最大限の配慮が行われている、と感じた。
わざと「海岸線の傍に富士山」なんて描写をしているのも
「実際の事故を揶揄する意図はありません」という
配慮(予防線ともいう)に思えたのだが。

 そんな意図はともかく、作品としては良かった。
少なくともマグロ食ってるアレよりは遥かに。
(アレは日本以上にアメリカで怒号が飛び交ったみたいだが)

 元々、着ぐるみを使わず3DCGで表現する事には
不安があった。基本的な動作を、ピンポン球つけた
人間からトレスする(モーションキャプチャ)にしても
出来上がった映像はドープシートで整理されて
パワーショベルを振り回している様な動きにされて
オシマイ…な映像ばかりなだけに余計に。

 で、その不安は完全に払拭。
敵キャラのムートーは若干そのドープシート感(笑)が
拭いきれなかったが、肝心のゴジラさんは正に
スーツアクト感が表現されていて、東宝の国産ゴジラから
続けて観ても違和感ナシ。
造型に関しては「首が少し短い」とか「目玉が奥まっていて
ショッカー怪人みたい(笑)」とか色々あるけど
やはりマグロ食ってるイグアナより遥かに生命力溢れる
いいカタチになっていると思うし、存在感も圧倒的で
映像に映っていない間も「見えないけど、そこに居る」
てな雰囲気が2時間強を通して演出されていたりする。
 

2

 あと「セリザワ博士を差し置いて、海軍の兄ちゃんが
出ずっぱりで云々」という批判もあったみたいだが、
狂言回しの役割としてはアレくらい出張ってないとね。
 仮に今、日本でゴジラ映画作るとしても、撃退任務の
自衛隊を描くと同時に、足元の被害者を救出する自衛隊員を
主役級で出すだろうし、アレでいいんじゃないかな。

 とりあえず「何故ゴジラが強いか」を台詞で説明せずに
映像で見せた事、「人間の命令なんか聞かない一匹狼キャラ
としてのゴジラ」「デジタル依存の弊害」等々、いちいち
腑に落ちる描写を見せてくれた事は、以前ゴジラの死に水を
取った一人としても納得がいく作品でよかったよかった。
狂信者的な連中にとっては不満も多いだろうけど
マグロ食ってるイグアナに対する鬱憤(アレも実は
「ハリウッドで作ったから」という安直な舶来信仰で
ホメてる奴がいたりして、そこも不満だった)も
払拭された事だし(笑)。

 で、上映終わって帰宅してテレビつけたら
某CS局でまた『ゴジラ(1954年版)』が放映されていて
ソレもまた最後まで観てしまった訳だが。


1

 なんぼウルトラマンでも分が悪いか。
「バンダイの商品は新品で買わない」という禁を破って
安いアメトイ仕様のブツでも買ってみた。


【追記】
ちなみにタイトルは『ゴジラ生誕60周年』
つー事です。
 
 
 
 
 
 

6月に観た映画

 時間作って2本。どちらも邦画。

1

 ↑雑誌の広告だけ見て行ってみた
…つまり事前情報ゼロの状態で観たが
イヤ面白かったコレ。独特のユルさが心地良い。

 金ナシ、人ナシ、時間ナシな弱小藩の方々が
知恵と気合いで悪戦苦闘するサマを描いた
コメディだが、その姿が滑稽というより微笑ましい。

 家臣の人達も武芸百般を謳っておきながら
斬り合おうにも竹光、切腹しようにも竹光…と
トホホな場面が続いただけに、とある経緯で
本身を手に入れてからのラス殺陣は痛快至極。

 ラスト、国元へ帰る一行の姿には
思わず「頑張れよ~」と声かけたくなってしまう。

 観た時間帯が平日の昼間だった為か
観客の殆どが爺ちゃん婆ちゃんだったのだが
同じ場面で同じようにクスクス笑えるというのは
貴重な経験だったかもしれない。



で、それに較べて全くダメだったのが↓コレ。

2

 まぁプロデューサーSの名を確認した時点で
つまらない…というか俺の好みから外れるな
というのが判っていたので、全く期待感のないまま
ただ単に「感謝デーで安かったから」行った。
結果(期待ゼロだった為に)大きく落胆しなかったが
その代わりに感心する所も全く見当たらない映画。

 「脚本完成まで2年かけた」ってのは要するに
その連中があーだこーだとケチつけまくって
難航しただけの事だろうし、絵ヅラ自体も
「黒づくめの役者をワイヤー吊りでグルグル振り回して
銃バンバン撃たせてるだけ」のハリウッド映画の
ワンパターンぶりを踏襲していただけ。

 何より(散々言われているだろうけど)
良心回路を足枷として描いてたらダメだろう。
アレは自身を律する方向での演出に役立つのに
スイッチのON/OFFでどうにでもなる存在に
してしまうのはねぇ。ペアレンタルロックじゃあるまいし。

 それにギルを早々にハカイダーとして出すのは
営業上の旨みを狙っての事だろうけど
だったら「激情型のギルが暴走→機械に悪影響」
みたいな描写でもあれば、良心回路自体の
メリットも描写できた筈なのに(耐用年数以外で
機械が壊れるのは大抵、人間側がムリを通した結果
…という事が往々にしてある)
この連中は機械の事も、人間の事すらも
わかっていないように思えた。

 昔『超人機メタルダー』を作ったスタッフが
いかに大人であったか…と改めて実感。