今だから語る『ゴジラ -列島震撼-』(1)
ゴジラ還暦記念というか、先日の映画が
意外と良かった事に気を良くしてか…なのか
今まで特に語る事もなかった↓コレ。
↑コイツの製作にまつわる
アレコレを、誰も覗いてないブログにも
関わらず語ってみるとするか。
現場で仕入れた情報の他、リリース後に
関係者から伺った事実と少しの憶測も
交える事を先にお断りしておく。
【最初はフツーのSLGだった】
実際にプレイした事のある人には
信じられない事実かもしれないが
表題の通りだったんです。
当時『次世代機戦争』みたいな
今思い出しても何だかな~という
シェア争いがプレステとの間にあり
とにかくソフトの数を増やして
物量作戦で攻める…てなムダ撃ちを
セガとソニー双方で繰り広げており
その片方…即ちセガ側としては
「既存自社ソフトのソースを利用し
版権キャラをはめ込んで作る」
てな手法を模索していた模様。
例えば同年に劇場公開された
『人造人間ハカイダー』(東映)も同じ。
アレもセガが製作に名前連ねているのは
派生ゲームをサターンで発売する事を
前提としていたワケ。
実際、バーチャコップ同様の主観
ガンシューティングが発売された。
コイツの場合、元ソースとなる筈
だったソフトは↓コレ。
ワールドアドバンスド大戦略/セガ
¥8,424
Amazon.co.jp
戦略シミュレーション。
コレに乗せる版権キャラとして、当初は
ゴジラか、或いはウルトラマン系を
想定していたらしい(セガの担当者から
直接聞いた話)。
後者の場合はまぁ、ウルトラ警備隊なり
そういう組織使って怪獣退治するような
感じになったのだろう(後年、そういう
ゲームが他社から出たが)。
で、当時の話題性とかタイアップによる
効果を考えた際に前者になったと。
久々の新作『ウルトラマンティガ』が
スタートするのが翌年秋だった事だし。
ここに'95年4月初頭の原案書がある。
1ページ目に「特徴」という項目があり
以下、原文ママ…ではなく、読みやすい様に
句読点を整理して記してみる。
*******************************
◎プレイヤーはGフォース(ゴジラ撃退チーム)
の指揮官となり、フィールドに展開された
対ゴジラ用兵器を駆使して、都市を荒らす
ゴジラ並びその他怪獣を撃退する、戦術型
シミュレーションゲームです。
◎ゲーム中、随所に原作ゴジラのムービーを
表示、ゴジラファン泣かせの名場面の数々が
ゲームの臨場感を高めます。
◎初心者でもすぐに楽しめ、かつ高度な戦略性
をも楽しませる斬新なリアルタイムの
シミュレーションバトル。
◎かつてゴジラシリーズに登場した、数々の
東宝オリジナル怪獣をゲーム中に再現。
更に東宝特撮兵器も多数ゲーム中に盛り込む
ことにより、ゴジラファンの購買層に
アピールします。
*******************************
…いや、特に三番目はどうかと(笑)。
この概要書を読むと、ターン制の有無は
ともかく(当初の構想では有ったらしい)
『ユニット移動→陣形を形成→攻撃』
というパターンをユーザーに踏ませて
プレイさせるスタイルだった様で
攻撃開始時にムービーを流しつつ
(つまり戦車なら砲撃シーンの映像)
与ダメ量を確認…という流れだった
筈だったが、何であんな忙しい事に
なっちゃったんだか…。
まぁターン制にするとゲームの流れが
カッたるくなってしまう事もあるし
陣形組むにも、狭い交差点ばかりでは
難しい…という判断だったのだろう。
その辺はセガ側とプログラマー側の
侃々諤々とした折衝があったのだろうが、
だったら部隊表を基に、プレイヤーが
優先順位をエディットできるようにして、
使ってないL/Rボタンで表送り/戻しが
出来るようになっていれば、もう少し
遊びやすいゲームになったというのに。
誰もマウスなんか使わないし。
しかも「陣形」の要素が消えた為に、
それによるパラメーター上下の概念まで
消えてしまい、弱いユニットは弱いまま
…という、誠に困った事態にも陥った。
そりゃユーザーも途中でブン投げるさ。
とはいうものの、こんな煩雑な
プレイスタイルを要求されたお陰で
他人がプレイしている状況を端から
眺めている方が楽しい…という
無責任な副産物がついた様だが。
どうもお疲れ様デス。
ちなみに今回、件の概要書を読んで
改めて驚いたのが「ユニット生産」項目。
『当ゲームでは、ステージを開始した時から
軍事資金がリアルタイムで換算されており、
一度ステージが開始すれば、ゲーム中自由に
ユニットを生産することが出来ます。
ただし、ステージごとに生産出来るユニットは
決められています。』
…ですと。
資金の概念がスッ飛んだお陰で同時に消えた
要素だが、多少整理して実装しておけば
もっと遊びの幅が広がっただろうに、
実際には何度もゲームオーバーになって
対策を講じるという『死に覚えゲー』に
なってしまった。
まぁセガってソニックチームを筆頭に
基本ドS体質だよね(笑)。
ただ、件の概要書を見てみると
最初に想定した販売地域が
「日本、米国」となっており
あの悪名高いバトラ面(ステージ7)は
それを想定しての事か…と納得。
客としては納得しないけど。
当時のチラシ2種。
左の方は雑誌広告と同じ構成。
次回②に続く。
意外と良かった事に気を良くしてか…なのか
今まで特に語る事もなかった↓コレ。
↑コイツの製作にまつわる
アレコレを、誰も覗いてないブログにも
関わらず語ってみるとするか。
現場で仕入れた情報の他、リリース後に
関係者から伺った事実と少しの憶測も
交える事を先にお断りしておく。
【最初はフツーのSLGだった】
実際にプレイした事のある人には
信じられない事実かもしれないが
表題の通りだったんです。
当時『次世代機戦争』みたいな
今思い出しても何だかな~という
シェア争いがプレステとの間にあり
とにかくソフトの数を増やして
物量作戦で攻める…てなムダ撃ちを
セガとソニー双方で繰り広げており
その片方…即ちセガ側としては
「既存自社ソフトのソースを利用し
版権キャラをはめ込んで作る」
てな手法を模索していた模様。
例えば同年に劇場公開された
『人造人間ハカイダー』(東映)も同じ。
アレもセガが製作に名前連ねているのは
派生ゲームをサターンで発売する事を
前提としていたワケ。
実際、バーチャコップ同様の主観
ガンシューティングが発売された。
コイツの場合、元ソースとなる筈
だったソフトは↓コレ。
ワールドアドバンスド大戦略/セガ
¥8,424
Amazon.co.jp
戦略シミュレーション。
コレに乗せる版権キャラとして、当初は
ゴジラか、或いはウルトラマン系を
想定していたらしい(セガの担当者から
直接聞いた話)。
後者の場合はまぁ、ウルトラ警備隊なり
そういう組織使って怪獣退治するような
感じになったのだろう(後年、そういう
ゲームが他社から出たが)。
で、当時の話題性とかタイアップによる
効果を考えた際に前者になったと。
久々の新作『ウルトラマンティガ』が
スタートするのが翌年秋だった事だし。
ここに'95年4月初頭の原案書がある。
1ページ目に「特徴」という項目があり
以下、原文ママ…ではなく、読みやすい様に
句読点を整理して記してみる。
*******************************
◎プレイヤーはGフォース(ゴジラ撃退チーム)
の指揮官となり、フィールドに展開された
対ゴジラ用兵器を駆使して、都市を荒らす
ゴジラ並びその他怪獣を撃退する、戦術型
シミュレーションゲームです。
◎ゲーム中、随所に原作ゴジラのムービーを
表示、ゴジラファン泣かせの名場面の数々が
ゲームの臨場感を高めます。
◎初心者でもすぐに楽しめ、かつ高度な戦略性
をも楽しませる斬新なリアルタイムの
シミュレーションバトル。
◎かつてゴジラシリーズに登場した、数々の
東宝オリジナル怪獣をゲーム中に再現。
更に東宝特撮兵器も多数ゲーム中に盛り込む
ことにより、ゴジラファンの購買層に
アピールします。
*******************************
…いや、特に三番目はどうかと(笑)。
この概要書を読むと、ターン制の有無は
ともかく(当初の構想では有ったらしい)
『ユニット移動→陣形を形成→攻撃』
というパターンをユーザーに踏ませて
プレイさせるスタイルだった様で
攻撃開始時にムービーを流しつつ
(つまり戦車なら砲撃シーンの映像)
与ダメ量を確認…という流れだった
筈だったが、何であんな忙しい事に
なっちゃったんだか…。
まぁターン制にするとゲームの流れが
カッたるくなってしまう事もあるし
陣形組むにも、狭い交差点ばかりでは
難しい…という判断だったのだろう。
その辺はセガ側とプログラマー側の
侃々諤々とした折衝があったのだろうが、
だったら部隊表を基に、プレイヤーが
優先順位をエディットできるようにして、
使ってないL/Rボタンで表送り/戻しが
出来るようになっていれば、もう少し
遊びやすいゲームになったというのに。
誰もマウスなんか使わないし。
しかも「陣形」の要素が消えた為に、
それによるパラメーター上下の概念まで
消えてしまい、弱いユニットは弱いまま
…という、誠に困った事態にも陥った。
そりゃユーザーも途中でブン投げるさ。
とはいうものの、こんな煩雑な
プレイスタイルを要求されたお陰で
他人がプレイしている状況を端から
眺めている方が楽しい…という
無責任な副産物がついた様だが。
どうもお疲れ様デス。
ちなみに今回、件の概要書を読んで
改めて驚いたのが「ユニット生産」項目。
『当ゲームでは、ステージを開始した時から
軍事資金がリアルタイムで換算されており、
一度ステージが開始すれば、ゲーム中自由に
ユニットを生産することが出来ます。
ただし、ステージごとに生産出来るユニットは
決められています。』
…ですと。
資金の概念がスッ飛んだお陰で同時に消えた
要素だが、多少整理して実装しておけば
もっと遊びの幅が広がっただろうに、
実際には何度もゲームオーバーになって
対策を講じるという『死に覚えゲー』に
なってしまった。
まぁセガってソニックチームを筆頭に
基本ドS体質だよね(笑)。
ただ、件の概要書を見てみると
最初に想定した販売地域が
「日本、米国」となっており
あの悪名高いバトラ面(ステージ7)は
それを想定しての事か…と納得。
客としては納得しないけど。
当時のチラシ2種。
左の方は雑誌広告と同じ構成。
次回②に続く。