まなちゃんを救う会 -3ページ目

心臓の動きがよくなってきました

 9月24日 皆様、いつも私たち家族を温かく見守り、励ましてくださって、本当にありがとうございます。


 今月は、4日と11日の二回、定期外来診察に行きました。9月に入ってから、愛は口の周りに少し湿疹ができ、それが気になったので、予定より一週間早く診て頂いたのと、前回の外来時より予定されていた、心エコーとレントゲンの検査をしたため、二回に分けての診察となったのです。しばらく病院へ行っていなかったこともあり、二回とも愛は大騒ぎをして大変でした。でも、口の周りの湿疹は、夏風邪を引いたときに見られる症状だそうで、愛の場合は、特に薬を飲まなくても治すことができるほど軽いもので安心しました。そして検査に関しては、鎮静剤を使って、愛が眠っている間に済ませることができたので、エコーでしっかりと心臓の様子を見て頂くことができました。


 心エコーは4月に検査をして以来、およそ5ヶ月ぶりで、私たち両親が愛の心臓の様子を見るのは、随分久しぶりのことでした。画面上に映し出された愛の心臓は、5ヶ月前と同じものかと最初は目を疑うほど小さくなり、そして力強く動いていました。検査をしてくださったエコー技師さんも「わあ、動いてる!愛ちゃんの心臓が動いてる!」と思わず感嘆の声を上げるくらいでしたので、その回復ぶりは誰が見ても歴然としたものだったのだと思います。逆に、今まで私たちが「動いている、動きがよくなっている」と思っていた愛の心臓は、本当の意味で回復してはいなかったのだということも分かりました。検査の結果としては、心臓の駆出率が約48パーセントにまで上昇し、以前見られた、心臓が肥大することによって起こる僧帽弁の漏れも、併せて大きく改善されていました。


 思い返してみれば、愛の回復ぶりは、日常の中のちょっとした変化になって現れてきていました。愛はこれまでは一ヶ月に一度くらいしか爪を切ることは無かったのですが、この二ヶ月くらいは、毎週のように爪を切るようになっていました。また、午前と午後と二回昼寝をする生活だったのも、一日一回の昼寝で済むようになりました。これが当たり前なんだと思い、特に気に留めることもありませんでしたが、体が成長するのも、体力がつくのも、心機能の回復によって起きることなのだと、今回の検査を終えて改めて思いました。周りの同年代の子どもたちに比べるとまだまだできないことばかりの愛ですが、心臓の回復とともに、これから心も体も少しずつ成長していくことを願っています。


 今日は近くの公園で、愛はどんぐりを夢中になって拾っていました。それは特別なことではありませんが、愛にとってはとても楽しい遊びだったようです。このように季節の変化を体で直に感じ感じられるようになったことを、私たち家族は本当に幸せなことだと思っています。この幸せを支えてくださる皆様に感謝し、これからも愛を大切に育てていこうと思います。愛の世話と看護に追われ、なかなかこまめに現状をお伝えできず申し訳ありませんが、これからも愛の成長と回復を温かく見守ってくださいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。


                                              光一・玲子

8月28日

 8月28日 皆様、いつも私たち家族を温かく見守り、励ましてくださって、本当にありがとうございます。今月はこれまで4週間に一度の割合で診ていただいていた定期外来診察が無く、愛の体調管理に気を配りつつ、自宅でのんびりと過ごしています。おかげさまで愛は風邪を引くことも無く、とても元気に過ごしています。最近は薬を飲むのも自分から「大事大事するからね」と両親に声をかけてくれるようになり、頼もしさを感じられるようにもなりました。一方で、何か自分の思うようにならないことがあると、大きな声を出して泣くこともあり、それをなだめるのに一苦労させられることもあります。それでも毎晩「今日は楽しかったね。ママ、楽しかったね」と一生懸命に話しながら眠りにつく愛の姿を見ると、思い切り泣いたり笑ったりできることが、愛にとっても、私たち家族にとってもどれだけ幸せなことであろうかと、改めてしみじみと感じます。「明日も一緒に遊ぼうね」と当たり前のように愛と約束できることは、親として何より幸せです。 これまでの私たちの道程を支えてくださった多くの方々に、心から感謝申し上げます。


 7月中は何度か近所のお友達と遊ぶことができました。これまで母親と二人きりの生活が長かった愛は、これまで見たことも無いくらいにはしゃいで、とても嬉しそうにしていました。そのお友達と近くの動物園に一緒に行った時には、暑い中を誰よりも張り切って歩いていて、親の方がびっくりしてしまうくらいの元気さを見せてくれました。8月に入ってからは、なかなかお友達と遊ぶ機会が無くなってしまいましたが、毎日のように自宅のベランダで水遊びを楽しんでいました。そのせいか肌もうっすらと日焼けし、以前のやせて真っ白だった姿は想像できないくらいに、健康そうに見えるようになりました。食べるものの種類もまた増えてきて、スパゲッティやハンバーグにすれば、今まで口にしなかったお肉も食べられるようになりました。9月11日に次回の定期外来診察の予定ですが、そこで久しぶりにエコーの検査がありますので、今の愛のコンディションが、そのままよい検査結果に結びついてくれることを期待しています。


                                 光一・玲子

2歳の誕生日を迎えました

 7月16日 皆様、いつも愛と私たち家族を温かく見守り、励ましてくださり、本当にありがとうございます。


 おかげさまで、先月末、愛は2歳の誕生日を無事に迎えることができました。その日の愛は周りの方から「お誕生日おめでとう」とたくさん言っていただいたからか、一日中ハッピーバースデーの歌を口ずさみながら、何度も自分で拍手をして嬉しそうに笑っていました。私たち両親も、このような愛の幸せそうな笑顔を見ることができ、愛が生きている喜びを、いつも以上に深くかみしめるように感じた一日でした。これまで私たちを支援してくださり、愛に生きるチャンスを与えてくださった皆様に改めて深く深く感謝申し上げます。心機能が回復して元気になった愛と共に皆様にお礼申し上げられる日まで家族で頑張っていきますので、これからも引き続き応援してくださいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。


 先週は一ヶ月に一度の定期外来診察がありました。愛の体調に風邪などの目立った問題は無く、肝臓の腫れもありませんでしたので、これまでと同じ投薬を続けながら次回まで様子を見ましょうということになりました。そして、Gチューブを外してからの最大の懸案事項であった口からの栄養摂取も、身長体重の計測の結果、問題ないでしょうと言われて親としてはほっとしました。現在の愛のコンディションがいいということで、次回の診察は二ヶ月先になりましたが、梅雨や暑さで体調を崩さないように気をつけて生活していきたいと思います。また、次回は心エコーとレントゲン検査がありますので、少しでも心機能の回復が見られることを願っています。


 愛は2歳になってからのこの二週間ほどで、少しずついろいろなものが食べられるようになってきていて、カレーうどんやトマト味のスパゲッティ、ホットケーキやマッシュポテトが食べられるようになりました。同年代の子どもたちと比べればまだまだなのでしょうが、かけうどんや素麺ばかり好んで食べていた愛にとっては、これほど味や種類の広がりが出てきたことは大きな進歩です。中でも特にじゃがいもが好きで、調子がよいときは大きなものをひとつぺろりと食べてしまうくらい食欲があります。また、上に書いたもの以外にも「食べる」と言って自分からいろいろなものにチャレンジしようとしていますので、その気持ちを上手に生かして、楽しくいろいろなものが食べられるように、愛を支えていきたいと思っています。現在は、何を見ても「うわー、おいしそうー。いただきまーす」と言って食べ始める愛に、私たち両親の方が励まされているような毎日なのですが。


 

 先週から、連日台風や地震が日本各地に大きな被害をもたらしているニュースが数多く伝わってきます。愛も小さいなりになにか感じるのか、そういった災害のニュースを見るときは、いつものようにはしゃぐ様子は見られません。被災された方々の悲しみやご苦労を思うと、私たちも胸のつぶれるような思いがします。被災地の方々が、一日も早く平穏な生活に戻られることを心から願って止みません。


                                            光一・玲子

中間会計報告(2007年3月31日)

2007年3月31日における収支状況を下記の通りご報告いたします。


まなちゃんを救う会 中間会計報告
2007年3月31日現在
【1】収支報告
円建 ドル建
収入の部 収入計 \219,951,156 $25,336.32
募金総額 \219,897,204 $25,301.37
受取利息 \53,952 $34.95
支出の部 支出計 \93,964,601 -$325,000.00
ロマリンダ大学医療費
(US$750,000.00×@116.34)
\87,255,000
医療費返金額 -$325,000.00
本人及び家族渡航費 \3,198,060
医師渡航費 \488,730
本人及び家族現地滞在費 \2,329,302
事務所経費 \680,999
銀行関係手数料等 \12,510
現預金残高 \125,986,555 $350,336.32
普通預金残高 \125,817,392
外貨普通預金残高 $350,336.32
現金 \169,163
【2】経費報告書
ロマリンダ大学医療費(返金額との相殺後)
(US$425,000.00×@116.34)
\49,444,500
本人及び家族渡航費 \3,198,060
医師渡航費 \488,730
本人及び家族現地滞在費 \2,329,302
事務所経費 \680,999
銀行関係手数料等 \12,510
合計 \56,154,101

以上.

Gチューブがとれました

 6月16日 皆様、いつも私たち家族を温かく励ましてくださり、本当にありがとうございます。


 今週は火曜日に4週間ぶりの定期外来診察があり、その時にGチューブを外してもらうことができました。このチューブは、去年の8月下旬にロマリンダで設置してもらって以来、約10ヶ月の間、愛の栄養管理を支えてくれたものでしたので、外してもらった時には、嬉しさと同時に、「これまで愛のために頑張ってくれてありがとう」という感謝の気持ちで胸がいっぱいになりました。チューブを外してもらう時の愛は、診察台に体を押さえつけられてしまった時は怖がっていましたが、外れた後はさすがにお腹の辺りがすっきりしたのか、いつも以上に機嫌よく、元気に過ごしていました。お腹に空いた大きな穴は、チューブを抜いて2時間もするときれいにふさがり、翌日には絆創膏を付ければお風呂に入ることもできるようになりました。これからは夜間のフィーディングも無くなり、栄養も薬も、全て口から摂ることになります。薬は嫌がりながらも、きちんと口から飲むことができているので、愛の課題は食事面になりますが、うどんや素麺以外にも食べられるものが増えるよう、これからも努力していこうと思っています。また、その日の診察では、少し風邪気味だと言われた愛でしたが、特に風邪薬など飲むことも無く、今は元気になりました。心臓は相変わらず心不全の状態であるものの、愛は免疫力が高い子であるようです。次回はまた4週間後の診察になりますが、風邪をこじらせたり、大きな感染症に罹ることがないように今後も気をつけていかなければなりません。


 去年Gチューブを設置した時には、それが必要なことと分かっていても、お腹に直接チューブが付けられることに、親としてとても辛い気持ちになったものでしたが、そのチューブがあったからこそ、現在の元気な愛が在るのだと、今は設置したことを感謝できるようになりました。これまで愛と私たち家族が通ってきた全てのことが、こうして家族揃って生活できる今の幸せに繋がっているのであれば、辛いことも苦しいことも、どんなことでも全て必要なことだったのだと、最近の私たちは前向きな気持ちで考えています。

 おかげさまで、今月末に愛は2歳の誕生日を迎えます。一時は余命宣告まで受けていた愛が、こうして笑顔で2歳の誕生日を迎えられますのも、私たちを支えてくださった多くの方々のおかげです。何度お礼申し上げてもこの感謝の気持ちは言葉に尽くすことができません。愛が3歳、4歳とこの先も誕生日を迎えられるよう、また、いつの日か愛が皆様につないでいただいたこの命の重みを知ることができるよう、これからも愛を大切に育てていこうと思います。どんな時でも前を向いて生きていくことが、明るい未来に繋がる一歩だと信じ、家族で支え合って頑張っていきますので、今後も私たち家族を温かく見守ってくださいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。


                                       光一・玲子

歩けるようになりました

 5月19日 皆様、いつも私たち家族を温かく励ましてくださり、本当にありがとうございます。

 今週は一ヶ月ぶりに定期外来診察がありました。前回詳しく検査をしたこともあり、今回は診察のみでした。また、前回の検査結果を改めて詳しく教えていただきました。RI検査による駆出率は50パーセントと予想以上によいデータが出ていて驚いたのですが、一方で二桁まで数値が下がっているだろうと予想されていたBNPについては120と、あまりよい結果ではありませんでした。主治医の先生によると、少しずつ確実に心機能は回復してきているけれど、相変わらず心不全の状態に変わりは無いということだろうというお話でした。現在の愛は風邪を引くことも無く、コンディションが好いと褒められましたが、心不全である以上、これからもまた、感染症に気をつけて生活していかなければなりません。

あとは、これからGチューブを外していくために、口から薬を飲ませるにはどうすればいいかを先生と相談しました。というのも、麺類に特化しているとはいえ、愛がしっかり食べられるようになったので、今月初めに摂食リハビリは終了になったのです。愛は一回の食事で、調子がよければ大人一人分のうどんや素麺を食べてしまうくらい、たくさん食べられるようになりました。それならば一日に必要な摂取カロリーを十分に口から取れているだろうという判断で、Gチューブも近々取り外そうということになったのです。ただ、これまでずっと、大切な薬はGチューブを使ってあげてきたので、それを経口摂取に切り替えるのは大変なことが予想されます。そこで、薬を確実に飲めるようになるまでは、Gチューブを取り外さずにおくことになりました。丁度去年の今頃、愛が上手に薬を飲めずに、吐いてばかりいて苦労していたことを思うと、相変わらずたくさんの薬が必要な現状では、薬を飲むのは愛にとってたやすいことではありません。まずは薬の種類が最も少ない昼間の分からチャレンジしようと思っていますが、薬の服用もまた、食べることと同じように、乗り越えていくには時間がかかるかもしれません。新たな課題に向けいろいろと試行錯誤しながら、親子でまた、頑張っていこうと思います。

愛は前回ブログを更新した翌々日から、急に歩けるようになりました。つかまり立ちをしてから半年以上かかった、随分慎重なスタートでしたが、歩き始めてからはあっという間にいろいろできるようになり、今では、転がったボールを追いかけて、家の中を走り回れるまでになりました。歩けるようになると、やはり家の中で過ごすだけでは物足りないらしく、毎日「おんも、おんも」と外に連れて行けと要求してきます。そこで天気のいい日は、家の周りを散歩したり、近くの公園で遊んだりしています。小さな滑り台ならば、自分ひとりで滑り降りることができるくらい、今の愛はかつての姿から想像もつかないほど活発に行動しています。地面を這う蟻や空を飛ぶ鳥を見ては歓声を上げ、たんぽぽを見て「きれいねー」と微笑む愛を見ていると、生きているということはそれだけでこんなにも喜びに満ち溢れているものなのだと知り、胸が熱くなります。愛よりも長く生きている私は、命の尊さを知っているつもりでも、生きていることをこれほどまでに大きな喜びとして感じたことは無かったかもしれません。多くの方に助けていただいた愛の命を、大切に守り育てていくこと、そして私たち家族が一日一日を大切に、精一杯生きていくことが、皆様への恩返しになると信じて頑張っていきますので、これからも私たち家族を温かく見守り、励ましてくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

最近の愛はアンパンマンが好きで、それに関わる歌をよく聴いているのですが、その中でも「アンパンマンのマーチ」がたびたび私の頭の中をよぎります。そのたびに愛の胸の傷は、今を生きる何よりの証なのだと思います。この先どんなことがあるのか分かりませんが、どんなに辛いことがあったとしても、生きていられることは何よりありがたいことなのだと、私たちは今、強く強くそう思っています。

                                                    光一・玲子

4月17日

 4月17日 この数ヶ月、多くの方が、愛がなかなか食べられないことを気にかけてくださり、様々なアドバイスや応援メッセージをくださいました。それらの一つ一つが、私たち両親にとって大変参考になり、また、励みとなっていました。いつも私たち家族を温かく励ましてくださる皆様に、心から感謝申し上げたいと思います。本当にありがとうございます。


 今日は三週間ぶりの外来診察があり、心シンチ、心エコー、心電図の検査を行いました。このようにいくつもの検査を本格的にするのは帰国してきた10月以来、半年振りになります。冠動脈修復手術を受けて10ヶ月、心機能がどこまで回復しているかをしっかり調べるということで、眠り薬の効かない愛は、麻酔を使って検査することになりました。これまで暴れてばかりで、おとなしくしっかりと検査を受けられなかった愛でしたが、麻酔によって眠ることで、それぞれしっかりと検査していただくことができました。

 心シンチの検査では、心臓の筋肉がどこまで回復しているか、以前の心肥大によって死んでしまった筋肉がどれほどあるかを知ることができます。また、心臓の動きがどれだけ活発かを心室内の血流量を測ることによって知ることができます。普段行われる心エコーよりも心機能の回復について詳しく分析できるのですが、検査してすぐに結果を知ることはできないので、後日改めて結果を教えていただくことになりました。一方、心エコーはすぐに結果を知ることができ、そこでは愛の心臓が以前に比べて動きがよくなっている結果を得ることができました。心臓の動きがどれほど活発かを知るひとつの指標となる駆出率が、治療を始めて以来、初めて30パーセントを超えてきたのです。これまでの投薬治療と食べるリハビリが、確実に愛の心臓を助けてくれていたのだと思うと、本当に嬉しくなりました。また、これまで多くの方に支えられてきたことを改めて思い起こし、今回の結果に気を緩めることなく、これまで以上に愛の健康管理に努めていきたいと思いました。


 食べる方のリハビリは、おおむね順調に進めることができていて、今の愛の食べ方であれば、リハビリに通う回数を減らしてもいいでしょうとセラピーの先生に言われました。愛は相変わらず麺類が好きで、うどんや素麺ばかりを食べたがるのが悩みですが、素麺やうどんと一緒であれば、割となんでも食べられることが分かってきたので、今は様々な食材を混ぜて食べさせるようにしています。そうする中で、少しずつ他の食べ物にも興味を持ってくれることを期待する毎日です。食べる量は3月に比べておよそ二倍まで増え、摂取カロリーも経口だけで消費できるようになる日も近いと思います。いずれにしても、今は食べることが楽しくてしょうがない様子なので、親としてはほっと一安心しているところです。


 最近の愛は、本当にいろいろな言葉を話すようになりました。以前は「抱っこ」としか言えなかったのですが、甘えたい時には「ぎゅう」と言って手を伸ばしてくるようになるなど、両親はその成長ぶりに毎日驚かされています。そんな愛を抱きしめて、その命の温かみを毎日感じることができる私たちは本当に幸せ者だと思っています。ちょうど一年前、私たちがロマリンダに向けて日本を後にした時には、一年後の今、家族揃って自宅で過ごすことができるとは夢にも思っていませんでした。愛の世話と看護に追われ、あっという間に過ぎていった一年間でしたが、その一日一日が多くの方々に支えられてこそあるものだと感謝しない日はありません。まだ病気との闘いは続きますが、いつか治ることを信じ、どんな時もあきらめずに家族で力を合わせて生きていきますので、これからも私たち家族を温かく見守ってくださいますよう、どうぞよろしくお願い申し上げます。

  

                                                     光一・玲子


食べられるようになってきました

 3月15日 皆様、いつも私たち家族に、温かい励ましの言葉をくださり、本当にありがとうございます。

 愛は二月末頃から、少しずつ自分で食べることが上手になってきました。これまではお味噌汁しか自分で食べることはできなかったのですが、軟らかいご飯や短く切った素麺、豆腐など、スプーンで上手にすくえるようになると、食べられるものの種類も増えてきました。自分で食べられる嬉しさからか、食べる量も格段に増えてきました。ここ数週間での愛の食べる姿勢の変化には、親も驚いています。今は一日に素麺を一束と豆腐を半丁くらいは軽く食べてしまいます。目標としている一日の摂取カロリーにはまだ届かないまでも、栄養チューブに頼らずに口から「食べてお腹一杯」という感覚を味わえるようになったことは、リハビリを進めていく上で大きな進歩だと思います。実際、今週はリハビリがありましたが、そこでは愛の食べ方が上手になったことを、先生に褒めていただき、この調子で食べられるのならば、フィーディングの量を減らしてもいいと言われました。Gチューブを付けて半年になりますが、これまで一度もフィーディングの量を減らしてきたことはありませんでしたので、そのように言われたことはとても嬉しく、また、愛が食べる練習をあきらめずによく続けてくれたと、感謝の気持ちでいっぱいになりました。今は何よりも素麺が好きで、素麺が食べられないと癇癪を起こしてしまうような愛ですが、これから更にいろいろなものを食べられるようになってくれることを期待して、両親も頑張ってリハビリを続けていこうと思っています。

 今週は定期外来診察もありました。リハビリの成果が出てきていることを、主治医の先生もとても喜んでくださいました。そして、お腹が空く感覚があること、実際に口から食べられるようになってきているということは、心臓の方も調子がいいのでしょうと仰っていました。食べられるようになってきてからの愛は、これまで以上におしっこの量が増えてきましたが、食べる量、飲む量が増えても、これまでのように体が浮腫まないということは、体の循環が確実によくなっている証拠だということです。そんなこともあり、今回の診察の結果、利尿剤の服用量をこれまでの半分に減らすことになりました。薬が減るということもまた、親にとってはとても嬉しいことです。この調子で、少しずつでも愛の心機能が回復していってくれることを願うばかりです。

 今週に入って、愛は「あんよ」という言葉を覚えました。今は一日中「あんよ、あんよ!」と叫んでは、親の両手に手を添えて、家の中を所狭しと歩き回っています。自分で歩くことはまだできませんが、人につかまりながらも、とにかく歩けることが嬉しくてたまらない様子です。自分で歩けるようになる日も、そう遠くないのかもしれません。

 先日、近所で偶然小学校低学年の女の子とすれ違った時、「愛が小学校に入学する時には・・・」と思いを馳せる自分がありました。私たちはこれまで明日のことを考えることはあっても、何年も先のことを考えることはありませんでした。日々成長していく愛の姿に、私たちは未来への大きな可能性を感じ始めています。もちろん、皆様の大きく温かな支えがあったからこそ、私たちは「今日」を家族揃って生きることができるのであり、また、その「今日」という日の積み重ねがあるからこそ拓けていく未来なので、これからも一日一日を大切に、愛の体調管理に努めながら生活していきたいと思います。いつの日にか、愛が元気になったという嬉しい報告ができるようになるまで頑張っていきますので、今後もこれまで同様、私たち家族を見守り、励ましてくださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

                                                         光一・玲子

一覧(その7)

活動をご支援・ご協力して下さった方々を、ご紹介いたします。
※順不同、敬称略とさせていただきます。


お名前、団体名など
241 川崎市立片平小学校有志
242 川崎市立小学校音楽研究会有志
243 川崎市立小学校特活研究会有志
244 富山市立南部中学校
245 ゴールドベッヒャーメンネルコール
246 ホテルクライトン新大阪
247 相模原 たけのうち幼稚園
248 (株)日本テレビフットボールクラブ
東京ヴェルディ1969
249 りゅうすけ君を救う会
250 私立 専修幼稚園
251 シャープ米子株式会社社員有志
252 株式会社中海テレビ放送社員有志
253 SC鳥取
254 やまつみスポーツクラブ
255 エキスパートアライアンス(株) エージェント会
お名前、団体名など

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自我の芽生え

 2月18日  皆様、いつも私たち家族を温かく励ましてくださり、本当にありがとうございます。


 現在、愛は二週間に一度の定期的な外来診察と、一月に一度の摂食リハビリのための通院をするスケジュールが固定し、それ以外は自宅で生活する毎日を送っています。今年は例年になく暖かい冬のせいか、おかげさまで家族三人とも風邪を引くことも無く、愛の状態も安定したものになっています。天気がよく、暖かい日は、時折自宅のすぐそばの公園に愛を抱っこして出ることもあります。外に出ているのは短い時間ですが、それでも外の空気に触れることができると、愛はとても嬉しそうにしています。そんな愛を見ていると、私たちも思う存分外で遊ばせてやりたいと思います。もう少し暖かい気候になってくれば、外に出るチャンスも増えるかもしれませんので、愛がこのまま体調を崩すことなく、本格的な春が訪れてくれることを今は願うばかりです。


 定期的な外来診察では、検査や予防接種が中心になるため、最近の愛は、すっかり病院が嫌いになってしまいました。特段痛いことをするわけでなくても、お医者様や看護士さんの姿を見ただけで、身構えて泣くようになり、何をするにも一苦労です。先月行った血液検査で、BNPの値が134にまで下がってきたことがわかり、以前より一層心機能が回復してきたことが見込まれたため、今回は心エコーと心電図の検査で、愛の現在の心臓の状態を詳しく調べましょうということでしたが、愛が泣き叫んで暴れてしまい、結局心電図の検査をすることはできませんでした。1歳7カ月を過ぎ、以前よりも物事がわかるようになってきている分、一度嫌だと思ってしまうと、なかなか大人の言いなりにはなってくれない難しさがあります。これも成長の証だと思えば、悪いことではないのですが、診察や検査は愛にとって必要不可欠な、大切なものなので、対応に周りが頭を抱えている現状です。ただ、エコーで見ると、正常には程遠いながらも、愛の心臓の動きが前よりもよくなってきていることが確認でき、改めて家族で力を合わせて、前向きに病気と闘っていこうという気力が湧いてきました。


 難しいと言えば、愛の食事のリハビリも、最近は進め方が難しくなってきました。というのも、ここ一週間ほど前から、愛は自分でスプーンを使って食べたがるようになってきたからです。相変わらずお味噌汁が大好きな愛は、初めのうちは自分のスプーンですくっても効率よく食べられないことから、親の差し出すスプーンにも口をつけていましたが、ここ三日ばかりはどうしても自分でやりたいらしく、自分のスプーンですくったもの以外は一切口に入れようとしなくなってしまいました。食べるものの種類や量を増やしていかなければならない課題があるため、親としては「もっともっと食べさせたい」と思って策を練るのですが、どれもあまり上手くいきません。ただ、愛の月齢を考えると、なんでも自分でやりたいと思うのは発達上当然のことでもあるので、そんな愛の気持ちを尊重しつつ、食べる練習をどのように進めていくのがよいのか、次回のリハビリで相談してみようと思っています。

 でも、自分で食べている時の愛の顔は真剣そのもので、何十回かに一度、上手くお味噌汁が口に入ると、それはそれは嬉しそうな、そして誇らしげな笑顔を見せてくれます。食べられない焦りからいらいらしてしまうことのある両親としては、その嬉しそうな表情に、逆に励まされている面もあります。お味噌汁はけして栄養価の高いメニューではありませんが、今の愛にとっては、食べるのが大好きなものがひとつでもあることが、幸せなことなのかもしれません。


 先週は母親がちょっと目を離した隙に、愛が自力で居間のソファによじ登ってテレビを見ていて驚かされました。今日は床にしゃがんだ体勢から、何にもつかまらずに弾みをつけていきなり立ち上がってみせてくれました。我が子が毎日少しずつ新しいことができるようになっていく姿を見ることができるのは、親としてとても幸せなことです。それも皆、私たち家族を支援し、支えてくださった皆様のおかげです。振り返ってみれば一年前の今頃、私たちは愛が移植できるのかどうか不安な気持ちで一杯で、愛の未来はおろか、一日先のことでさえ考えることができないほど追い詰められた毎日を過ごしていました。日々皆様の温かい励ましに感謝しながら、これからも愛と過ごす一日一日を大切に生きていきたいと思います。


                                                        光一・玲子