昨日は会員サービスの日という事で、行きそびれていた映画を二本ハシゴ、ジャパニメーション祭りの二本目はこちら。
※当ブログの映画感想系記事は、基本的にモロネタバレは避ける方針で書いておりますが、感想上必要な範囲内で物語の核心に触れたり触れなかったりしますので、その辺ご了承の上お読みくださいませ。
「漁港の肉子ちゃん」 渡辺歩監督
陽気で純粋、だがそれだけに男に騙され続け彷徨った挙句、片田舎の漁港に流れ着いた女・肉子、その娘のキクコは幼くして母を支える、ちょっとアダルトチルドレンな少女。
思春期に足をかけたキクコの、母をちょっと恥ずかしく思う気持ち、親友のはずだったマリアとの関係、不思議な少年・二宮の気になる素顔、そしてそんなキクコの想いを吹き飛ばして我が道を突き進んでゆく母・肉子、そんな親子の「普通の生活」が今日も始まる…
『海獣の子供』がとても素晴らしかったんで、同じ監督、同じSTUDIO4℃が手掛けた映画、という事で。
昨年はあの『えんとつ町のプペル』のアニメ化も手掛け物議を醸した4℃ですが、今回は芸人の明石家さんま師匠が企画・プロデュースという事で、若干の不安を感じながらの鑑賞…(笑
ぱっと見の印象は、さんまちゃんはアニメ映画をプロデュースしてもやっぱやかましなぁ!という印象、セリフからビジュアルにまでぶち込まれてる細かいギャグ・小ネタが多すぎて、全然ストーリーに集中できない感じ…(苦笑
特にヤモリや神社など少女まわりから聞こえる謎のつぶやき、作品的に少なからず意味があるのだけど、必要以上に気になるというか、悪い意味でのミスリードになってる気がするのよね…
さんまワールドを楽しめる人でもあっちゃこっちゃ振り回されて気が散るし、ギャグが寒くて笑えない、楽しめない人だとただただシンドイ時間が延々と続く…ただし、我慢してみてるとバラバラしてるあっちゃこっちゃの要素が何だかんだで纏まってきて、最終的にはそれなりの所に落ち着く、おそらく原作は良いのだろう、という印象…(笑
ただし、このさんま的80年代風お笑い怪獣のハチャメチャごった煮感がある種の新しみを醸し出している感も無きにしも非ずで、何となく彼らのやりたかったのはこういう事なのだろうか?という線も見えなくはない感じ…うーん、でもオレ自身の趣味的には、一番成功してる、とは思えなかったけれども。
「海獣…」の時に原作漫画のちょっと長めの秀逸なプロモーションビデオ、みたいな事を書いたけど、この作品を観て原作者の方がどう思うのか、ちょっと知りたい所ではある…(笑
しのぶちゃんは勿論上手なのだけど、肉子ちゃん役に一番フィットしてる感じではなかったかなぁ、逆にキクコ役の新人さんは合ってたと思う、キムタクの娘だっけ?
キクコと友人達の件、特に二宮との関係性はかなり素晴らしかったんで、癖はあるものの、全然楽しめない映画、という訳ではないと思います…意外と、さんまどうの吉本どうの、の先入観がない海外、特にヨーロッパあたりでは受けたりして?(笑
苦しみも悲しみも洒落のめして楽しく生きてゆく、自分自身のやり方としてそれをする分にはいいのですが、誰かにそれを強要するとそれは暴力性を帯びてくる気がします。
愛してるし基本いい人、でも決して問題がない訳ではない母・肉子、自らの経験を重ね成長する娘・キクコは、やがて真実と向き合い、母の無意識の支配の傘の下から抜け出して大人になってゆく…そういう話だと思いました、個人的には。
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