こんにちは。札幌出身・アメリカ在住の皮膚科専門医/美容皮膚科女医の日景聡子です。

 

冬になると、子ども達の手の乾燥がひどくなります。

あれ、そんなに手洗ってる?

家事をしている私の方が、手を洗っているけど…

 

学校やプリスクールに行っているので、

私のように、こまめに保湿剤を塗っていないというのはあると思いますが、

それでも、学校やプリスクールだって、乾燥がものすごく激しいほど

ガンガン暖房がついている感じではないけど…

 

何か他に原因があるのでは?と思って、日常生活をよーく観察していると…目

 

洗った手をきちんと拭いていないガーン

 

盲点でした…

トイレも手洗いも自分でできるので、すっかり見落としていました汗

 

タオルで適当にチャチャっと拭いて、遊びに戻ったり宿題したり。

手が塗れたままの状態が長く続いていたのです。

 

塗れた状態が長く続くと、皮膚の表面の角質層がふやけます。

お風呂に長く漬かっていると、指先がふやけますよね。

この状態は、皮膚のバリアが壊れやすい状態なのです。

 

そして、皮膚表面に付着していた水分が蒸発するとき、

壊れたバリアの間から、肌内部の水分も一緒に出て行ってしまうのです。

 

赤ちゃんのオムツかぶれも同じです。

 

おしっこだったりオムツ内の湿気によって、おしりの皮膚がふやけると、

肌のバリアが壊れて、おしっこやうんちの刺激を受けやすくなります。

なので、オムツ皮膚炎の治療の時は、おしりの洗いすぎはNGなのです。

(この話は、また別の機会にしますねニコニコ

 

話を元に戻しますが、

皮膚の表面に長時間水分が付着したまま、というのは肌の乾燥を招いてしまいます。

 

化粧水パックを、毎日念入りに何十分もしている、というような話を聞きますが、

あれは、皮膚科的にはおススメできないな、と思っています。

飛行機の中で、ミスト状の化粧水を吹きかけるというのも…ガーン

 

パックはリラクゼーション目的とか、いろいろあるとは思うのですが、

強いメイク落としや洗顔料で、皮膚本来の保湿成分を大量に奪ったところに、

化粧水パックを念入りに長時間すると…

 

d16bb6fc8a60a0705458

 

乾いたパックシートのように、皮膚が乾燥でバキバキになってしまうと思いますえーん

 

皮膚表面の水分は素早くしっかり拭いて(ゴシゴシこすらないように)、

ささっと保湿剤や保湿クリームを塗った方がよっぽど乾燥対策になります。

 

日本人のスキンケアの王道ですが、

化粧水を塗って、何分か置いて、次に乳液を…というのも、

待っている間に肌が乾燥しやすいシチュエーションです。

 

化粧水の約95%は水分ですし、

その多くには、蒸発しやすいアルコール類が入っているからです。

(アルコールフリー・エタノールフリーと書いてある商品もありますが。)

 

洗いすぎ、落としすぎは乾燥の大敵ですが、

皮膚表面に付着したままの水分、というのも意外な落とし穴です。

 

ぜひ、気を付けてみてくださいね照れ
 
いつも最後までお読みいただき、ありがとうございます。 
 
よろしければこちらの記事もお読みください音譜
■スキンケアについての過去記事です