ポケットに台本を
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今年のベスト映画

トータルで167本くらい観ました。
以下、面白かった作品や印象に残った作品です (感想はその下)。
(再) はすでに観たことある作品です。

 

面白かった作品

  • ヴァチカンのエクソシスト (再)
  • ロードハウス/孤独の街
  • パーフェクト・ケア
  • 不思議の国の数学者
  • スラムドッグス
  • ゴーン・ガール
  • セーヌ川の水面の下に
  • ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ (再)
  • 隣人X 疑惑の彼女
  • レベル・リッジ
  • 宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました
  • EXIT
  • レッド・ワン
  • タクシー運転手 〜 約束は海を越えて (再)

好感が持てた作品

  • トラブル・バスター
  • サベージ・クリーチャーズ
独特の印象が残った作品
  • ノクターナル・アニマルズ
  • TITANE/チタン
惜しかった作品
  • シーフォーミー
  • エクスティンクション
  • ザ・キル・ルーム
買って観た作品
  • ヤング・フランケンシュタイン (再)
  • REC/レック3 ジェネシス (再)
  • ユーズド・カー (再)

 

「ロードハウス/孤独の街」
ロードハウスの用心棒として元プロボクサーが雇われる話。
ジェイク・ジレンホールは嫌な役が多いけど、これは少し狂気じみたところはあれど好感が持てるキャラでした。あと、バーチャファイターのラウの転身巴咽掌みたいな技が見れます。

「パーフェクト・ケア」
身寄りのない高齢者の財産を合法的に引き取っちゃう話。
ロザムンド・パイクがすごく嫌な役をやってて、しかも体を張ってて面白い。

「スラムドッグス」
犬が主人公の下品なコメディ。動物に何をやらせてるんだ、と突っ込みながら観てしまう。主人公 (犬) の声は英語がウィル・フェレルで日本語が秋山竜二でした。

「セーヌ川の水面の下に」
サメ映画なんですけど、ちゃんと内容があって面白かったです。リアリティを感じさせる程度の理屈っぽい話もありつつ、ストーリーも展開するので飽きませんでした。

「レベル・リッジ」
大事なお金を運んでいた黒人が警官に因縁をつけられてひどい目に遭う話。
Netflix はたまにしれっと良作をおすすめしてくる。いわゆる「不条理」路線かと思うくらいの状況設定だけど、それに対して主人公が飽くまでも真面目に立ち向かっていくのが良い。

「宝くじの不時着 1等当選くじが飛んでいきました」
「EXIT」

この2本は韓国のコメディで、若干無理のあるストーリーではあるのですが、主人公がいたって真面目なところが良かったです。コメディの基本ですね。

「サベージ・クリーチャーズ」
一夜の宿を借りたら食人族の家だったというヴァンパイアの話。
一見 B級ホラーを適当に混ぜたような話なんですが、破綻していないというか、これはこれでちゃんと楽しめます。

「シーフォーミー」
視覚障害のサポートアプリのオペレーターが戦闘慣れしてるという状況は面白いのに、特にこれといったアクションがないのが非常に残念でした。

「エクスティンクション」
侵略系の SF。
途中で「そういう話か」と分かった時にわくわくするのですが、そこからの展開があまりありませんでした。




ベスト映画は基本的には選べないのですが、いつも何らかの理由をつけて選ぶようにしています。
今年は、今年はじめて観たのにすでに2回観ているという理由で「ロードハウス/孤独の街」にしようと思います。

【おまけ】

ドラマでは「不適切にもほどがある」「復讐の未亡人」「スイッチ (ドラマスペシャル)」「私の夫と結婚して」「アンチヒーロー」「シグナル」(韓国版) が面白かったです。

 ◇   ◇   ◇

という訳で私の今年のベスト映画は「ロードハウス/孤独の街」です。
それでは来年も、素敵な映画ライフを。

 

 

今年のベスト映画

トータルで228本くらい観ましたが、とりあえずジャンルに関係なく特に印象に残っている作品を列挙します。
(* マークは劇場で観たやつ。)

「Found ファウンド」
「シャイロックの子どもたち」*
「マッシブ・タレント」*
「ラスト・ハウス・オン・ザ・レフト ―鮮血の美学―」
「マーダー・ミステリー」
「マーダー・ミステリー2」
「この世に私の居場所なんてない」
「キャットファイト」
「ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ」
「M3GAN/ミーガン」*
「ライダーズ・オブ・ジャスティス」
「ヴァチカンのエクソシスト」*
「X エックス」
「ジョン・ウィック:コンセクエンス」*
「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」
「絶叫のオペラ座へようこそ」
「MONDAYS」
「ヴィーガンズ・ハム」

「Found ファウンド」はスプラッタなんですけど少年の視点で描かれていて、なんとなく切ない感じが「ネクロマンティック」に似てると思いました。

「マッシブ・タレント」は劇場で2回観て BD も買いました。ニコラス・ケイジの映画です。

「ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオ」は細かいところは忘れちゃったけど、設定と雰囲気が良かったのを憶えています。

「ライダーズ・オブ・ジャスティス」はアマプラで2回観ました。とても一言では言い表せないけど、劇的なのに現実味があるというか、「正しいこと」が上手く行かないもどかしさが分かりやすく表現されてました。

「ヴァチカンのエクソシスト」は終盤ちょっと何やってるか分からなかったけど、それ以外は話も良かったし楽しく観れました。

「ジョン・ウィック」は、シリーズを通して言えることですけど、アクションをしっかり見せるという点にこだわりを感じるだけでなく、本当に見やすいのが良いです。

「MONDAYS」は日本のループものです。軽い気持ちで観始めたら意外と良かったので印象に残ってます。

ちなみに期待していた「エクソシスト 信じる者」は駄作でした。
「インディ・ジョーンズと運命のダイヤル」は、悪くはなかったけど脚本に決定的なミスがあるので、シリーズの中では私の評価は低くなってしまいました。

  ◇   ◇   ◇

ベスト映画は「マッシブ・タレント」と「ライダーズ・オブ・ジャスティス」で迷うところですが、「ライダーズ・オブ・ジャスティス」にしようと思います。
「マッシブ・タレント」には「エクソシスト 信じる者」(駄作) の監督が出ていたからです。
というのは冗談ですが、「ライダーズ・オブ・ジャスティス」は単なる好き嫌いという枠を超えて普遍的なテーマを扱っていて、それでいて登場人物も魅力的だったというのが理由です。

【おまけ】

映画ではありませんが、リアリティーショーでは「悪魔の計略 ~デビルズ・プラン」が面白かったです。一気に全エピソードを観た後にさらに2周観て、現在4周目を観ています。

ドラマでは「誘拐の日」「セクシー田中さん」「ザ・グローリー ~輝かしき復讐~」「最高の教師」「僕と生きる人生」「悪魔判事」「ブラッシュアップライフ」が面白かったです。

  ◇   ◇   ◇

という訳で私の今年のベスト映画は「ライダーズ・オブ・ジャスティス」です。
それでは来年も、素敵な映画ライフを。



台本ビューアの開発記を書いています

Svelte で PWA (台本ビューア) <第1回>


今年のベスト映画

もう新型コロナは気にしなくて良い気もしますが、劇場へ行ったのは以下の4本だけでした。

  • RRR
  • トップガン マーヴェリック
  • アバター:ウェイ・オブ・ウォーター
  • ジュラシック・ワールド/新たなる支配者


この中では「RRR」が良かったです。
インド映画は観客を楽しませようという心意気に溢れていますね。

それ以外はアマゾンやネトフリやテレ東で200本くらい観ました。
面白かったのをリストアップしてみます。

まずは私の好きなゆるめのホラーコメディです。
血が出たり下品だったりするので、人には薦めません。

  • リトル・モンスターズ
  • ザ・スイッチ
  • ベスト・フレンズ・エクソシズム
  • マッド・ダディ
  • 68キル


特に「68キル」は駄目な人は本当に駄目みたいですね。
私はげらげら笑いながら観てしまいました。

演劇的な面白さを感じたのが以下の3本です。

  • おとなのけんか
  • バグダッド・カフェ
  • 刺さった男


SF もコメディ要素があるのが良いです。

  • ドント・ルック・アップ
  • ドロステのはてで僕ら
  • ダウンサイズ


不条理系の特殊なのも意外と面白いのがありました。
とはいえ、これも人には薦めません。

  • 恐怖のセンセイ
  • ビバリウム
  • ファニーゲーム
  • トレジャーハンター・クミコ


ただ、この中で「恐怖のセンセイ」はまだ笑える狂い方なので、ジェシー・アイゼンバーグが好きな人はいけるかも知れません。

その他の面白かった映画を以下に列挙しておきます。
ジャンルはばらばらですが。

  • プロミシング・ヤング・ウーマン
  • タクシー運転手 〜 約束は海を越えて
  • 空白
  • ザ・ゲスト
  • セシル・B/ザ・シネマ・ウォーズ
  • シェアハウス・ウィズ・ヴァンパイア
  • グレイマン
  • 予告犯
  • 15時17分、パリ行き
  • バッド・ガール
  • ナイブズ・アウト: グラスオニオン


ちなみに「予告犯」は主人公がプログラマです。漫画が原作だそうです。

  ◇   ◇   ◇

ベスト映画を1本決めないといけない訳じゃないんですけど、頑張って決めてみたいと思います。
「リトル・モンスターズ」と「プロミシング・ヤング・ウーマン」は2回ずつ観てしまったので、このどちらかを選ぶべきのような気もします。
ただ、「ドント・ルック・アップ」と「恐怖のセンセイ」も気持ちとしてはもう一回ずつ観たいです。
「RRR」は3時間と長いのでもう一回観るかは微妙ですが、劇場でかなり楽しませてもらいました。客席がひとつになって、お祭りに参加したかのような気分。

私は良い映画の基準として、観終わったときの気持ちを重視するので、この中だと「プロミシング・ヤング・ウーマン」が良かったように思います。
記憶力が弱いので面白いと思った映画でもラストを忘がちなのですが、「プロミシング・ヤング・ウーマン」はエンド・クレジットが始まってもまだ興奮して現実に帰ってこれない感じがありました。

という訳で私の今年のベスト映画は「プロミシング・ヤング・ウーマン」です。
それでは来年も、素敵な映画ライフを。
 

 


台本ビューアの開発記を書いています

Svelte で PWA (台本ビューア) <第1回>


今年のベスト映画



今年の私のベスト映画は、もう「ノー・タイム・トゥ・ダイ」にせざるを得ないかなという感じです。
劇場には5回しか行ってなくて、そのうち2回が「ノー・タイム・トゥ・ダイ」だったので。


今年劇場で観た映画
・新 感染半島 ファイナル・ステージ
・サイコ・ゴアマン
・ノー・タイム・トゥ・ダイ IMAX
・ノー・タイム・トゥ・ダイ 4DX 吹替
・マトリックス レザレクションズ

で、来年は「ジョン・ウィック」の新作を観に行くと思うので、来年のベスト映画はそれになると思います。
というのは冗談ですが、今年あらためて「ジョン・ウィック」を観たら面白かったので、2, 3 と観て次にも期待しています。
私はアクション・シーンが延々と続く映画は途中で飽きてしまうのですが、「ジョン・ウィック」のアクション (ガン・フーというらしいです) は見ていて気持ちいいです。

他にも以下の映画が、今年あらためて観なおしてやっぱり良かったです。

・新感染 ファイナル・エクスプレス
・ゼイリブ
・セルラー
・ギャラクシー・クエスト
・ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
・完全なる報復
・ザ・ハント
・酔拳2
・隣のヒットマン
・トロピック・サンダー
・デス・ウィッシュ
・エクソシスト

上のリストでだいたい私の趣味が分かると思います。
「完全なる報復」は Amazon で観れるのですが、結局 BD を買ってしまいました。
「酔拳2」も BD を買いました。たしか何かで大塚芳忠の声を聞いたら無性に観たくなって買ったのだったと思います。

そういえば「隣のヒットマン」は続編があるらしいのですが、Amazon では配信していないようです。

今年はテレ東や Amazon で観るのが多かったので、ほとんど新作ではありませんが、初めて観て面白かったのも上げておきます。

・グレートウォール
・ラストスタンド
・ミスターGO!
・ガンズ・アキンボ
・ターボキッド
・運び屋
・ブルー・リベンジ
・テロ、ライブ

・浅草キッド
・スノー・ロワイヤル

レンタルもそうでしたけど、Amazon 等の配信で観るのは、ちょっとつまらないと「ハズレを引いた」という気持ちになるのが良くないですね。
選ぶときに出る作品解説の文章も、もうすこし今の自分のニーズに合っているかを分かりやすくして欲しいです。分かりにくいとネットで検索しますが、その手間が惜しいです。

「スノー・ロワイヤル」はリメイクなので内容は知っていたのですが、ほぼオリジナルと同じで監督も同じでした。
リーアム・ニーソンは好きなのですが、この映画に限ってはオリジナルの方が良いかも知れません。リーアム・ニーソンだと安心感がありすぎて、それがマイナスな感じがします。

あと、作品解説で致命的なネタバレをしてしまっている作品がありました。
それは Amazon で観た「エスケーピング・マッドハウス」という映画です。

Amazon で「エスケーピング・マッドハウス」を観る人は、絶対に作品解説を読んではいけません。

劇場で「ノー・タイム・トゥ・ダイ」以外で面白かったのは「サイコ・ゴアマン」です。
血が出るのが嫌でなければ、コメディとして楽しめると思います。
「ターボキッド」も似たようなノリです。「ターボキッド」はマイケル・アイアンサイドが出てるし、音楽もなんか懐かしい感じです (何曲か買いました)。

映画音楽というか、映画の中でかかっていた曲を好きになることも結構あります。
映画のために作られた曲でなくても、もう完全にその映画とリンクして心に残ってしまいます。

・「スプリー」の「Gummy Bear Song」
・「トゥルー・ライズ」の「Por una Cabeza」
・「大逆転」の「Do You Wanna Funk?」

  ◇   ◇   ◇

そんな訳で今年の私のベスト映画は「ノー・タイム・トゥ・ダイ」です。
いつも思うのですが一本に絞るのは骨が折れますね。

ボンド映画としてというよりは、「ダニエル・クレイグ編」として観てれば良かったんだな、と思えてすっきりしたのが大きいです。
コロナで延期しなかったらダイアナ・リグもこれを観ていたんだろうか。
それでは来年も、素敵な映画ライフを。


台本を扱う Python パッケージを公開しています。

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今年のベスト映画

去年もそうだったけど、今年はさらに劇場へ行った回数が少なかったです。
Amazon prime video で、気になっていた映画を消化したりしてました。

気になっていたというのはつまり、ネットとかで評判になってたという事なのですが、改めて他人の評価に頼っては駄目だと思いました。
「評判だからチェックしておきたい」というのも少しはありますが、私は別に評論をしたい訳ではないので。

特にホラーやサスペンスで「じわじわ来る」とか「よく考えたら怖い」とかをウリにしてるのは駄目ですね。
「始まった瞬間から興奮して、終わった瞬間にはスッキリしている」。私が映画に求める事はそれだけです。

劇場で観た中では、「ナイブズ・アウト」「ザ・ハント」が面白かったです。
「TENET テネット」は駄目でした。

「ナイブズ・アウト」は、最初に登場人物たちが供述をするシーンで説明ゼリフが多すぎて「これは駄目かも」と思ったのですが、そこを耐えたら後は面白かったです。
ダニエル・クレイグが楽しそうに演じているのが良かった。
ジャンルはミステリーだと思いますが、謎解きよりも、登場人物が翻弄されている感じが皮肉っぽくて楽しかったです。

「ザ・ハント」は何度か公開を延期しているという事で、公開を心待ちにしていた人も多かったようです。
で、なんとなく自分も心待ちにしていたかのような気分になって、観に行ってしまいました。

批評家の評価は「政治的メッセージが強すぎる」という事で低かったようですが、私は政治のことは良く分からないので大丈夫でした。
それも含めて、前情報を入れずに行ったのが良かったです。初見の客を大事にしてて好感が持てます。

ざっくり言うと、SNS でデマや誹謗中傷を発信した人をさらってきて、野に放って狩るっていう話です。
来年公開の「ガンズ・アキンボ」もプロットだけ見ると似てますが、テイストは違いそう。
上で「前情報を入れない方が良い」と書いた以上、内容は伏せますが、個人的には「ザ・ハント」はもう一回観たいです。

劇場以外で初見で面白かったのはこんな感じです (★は特に良かったもの)。

「ザ・ギフト」
「MUD -マッド-」
「アップグレード」
「イングロリアス・バスターズ」
「俺の獲物はビン・ラディン」
「レディ・オア・ノット」
「世界最速のインディアン」
「ナイチンゲール」
「ハッピー・ボイス・キラー」

初見ではないが、好きでもう一回観たものはこんな感じ (私と好みが合うかどうかの判断材料にどうぞ)。

「アダプテーション」
「完全なる報復」
「狼男アメリカン」
「新感染 ファイナル・エクスプレス」
「ゾンビランド ダブルタップ」
「デス・ウィッシュ」
「ブレイブ ワン」
「トロピック・サンダー」
「コンボイ」
「サプライズ」

どうも最近、リベンジアクションを観たがる傾向にあるようです。

「完全なる報復」と「デス・ウィッシュ」は今年だけで2回ずつ観てますね…。
ちなみに「サプライズ」は、「ザ・ハント」を観たあとに観たくなりました (たしか Amazon でプライム対象だったはず)。

今年の私のベスト映画ですが、やはり観ている間ずっと楽しかったということで、「ザ・ハント」にしようと思います。
それでは来年も、素敵な映画ライフを。

 


 

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「TENET テネット」と映画のもやもや

「TENET テネット」を見た人の感想を (主にツイッターで) 見ると、だいたいこんな感じです。

1. SF として面白かった
2. よく分からないけど凄かった
3. よく分からなかった

私は 3 なのですが、他の立場を否定するつもりは全くありません。
映画を「評価」するって、自分が楽しめたかどうかを発表する行為であって、自分以外の意見を否定するものじゃないと思ってます。

2 の「よく分からないけど凄かった」というのは、映画体験としてはとても良いものだと思います。
若い頃に観て感銘を受けた映画って、そういうのが多かったんじゃなかろうか。

もちろん歳をとってからもそういう体験はありますが、単に「分からない」でなく「作り手が胡麻化している」あるいは「説明をサボっている」と思えるケースも増えてきます。

私は特に、「主人公が何を理解して、何を考えて、その考えにどういう自信があって、何を頑張ったか」が伝わってこない場合に、「作り手の都合で胡麻化されてしまった」となって白けちゃいます。

「TENET テネット」は (新型コロナウィルスの影響もあって) まだ観ていない人もいるので、具体的な話は避けますが、基本情報として「時間遡行」を扱った作品だという事はネタバレにならないと思います。

抽象的な言い方をすると、主人公が「どういう法則が働いているか想像できないであろう状態」に、飛び込んで行く訳です。
なぜ想像できないだろうと思うかというと、私が想像できないからです。

ちなみに私はネタバレは、するのもされるのも嫌いですが、古い作品であればある程度はいいかなと思っています。

たとえば1999年の「マトリックス」では、現実だと思っていた世界が実は仮想世界だから、「身体能力や物理法則を超えた振る舞いが可能だ」という説明が出てきます。
でも主人公はいきなりそんな事を言われても固定観念を振り払えず、修行をすることで少しずつ超人的な動きを身につけていきます。

つまり、主人公が何のために何を頑張ったかが分かります。

そういう意味で私は「TENET テネット」が分からなかったので、いわゆる「難解映画」というのとは「分からない」の質が違うのですが、世間的には「難解映画」として受け入れられているようです。

「難解映画」の嫌なところは、作品の外で (「読み解くためのヒント」とか言って) 完成度を補完しようとするところです。
ただ、ヒントなど無くても作り手の意図に気づく人にとっては、逆にそれが醍醐味なんだと思います。

そして実は、「意図に気づく」ということの曖昧さを分かっていないと、映画談義は変な方向に進んでしまいます。
「意図に気づく」のが「能力」だと思ってしまうと、「能力がないから作品の価値が分からない」とか、「そんな能力なくても楽しめるべき」とか言って、どっちが正しいかの話になってしまう。

私はこの「気づく」ということの正体は、「作品の世界観が、観客一人一人が許容している世界観の、いずれかにマッチする」という事だと思っています。
なので、A さんが「気づいた」という場合と、B さんが「気づいた」という場合で、気づいた内容が違っても良いのです。

もっと言うと、「気づいた」と「気づいたような気になった」の違いは、ないと思います。
「SF として面白かった」という人と「よく分からないけど凄かった」という人で、理解の程度がどれほど違うのかも、一概には言えないでしょう。

2011年の「ミッション: 8ミニッツ」は私の好きな映画のひとつですが、「なぜそうなるのか分からない。駄作だ」という人もいます。
私は中盤くらいから「こういうことを描いているのかも」と気付きはじめ (或は気づいた気になりはじめ)、ラストがそれを証明していた (かのように見えた) ので、とても楽しめました。

でも人に「この映画はこのように解釈すると面白いよ」とは決して言いません。
結局、楽しめても楽しめなくても、もやもやしたままで良いんじゃなかろうか。

ちなみに、クリストファー・ノーラン監督の映画で一番好きなのは、2006年の「プレステージ」です。

 


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好きなものは何ですか

好きなものは何ですか、と聞かれてる人がいた。
私が聞かれたのではない。

でもそんな質問どう答えればいいんだろう。
この場合の好きなものに人は含まれるのか。

生き物は物に含まれるのか。
正方形は長方形に含まれるのか。

人類愛って人類が好きってことだろうか。
人類のすべてが好きなのだろうか。

私は映画が好きとか演劇が好きとか言わない。
すべての映画や演劇が好きな訳じゃない。

いちど好きになっても、
ファンが増えてうるさくなると嫌いになる。

ファンは人だから好き嫌いの対象にならない。
作品が嫌いになる。作品は悪くない。


人類から人の要素を抜くと類になる。
ウィキペディアで検索すると栗原類が出てくる。

人の要素を抜いたのに人になってしまった。
要するに、人類愛って強いんだな。


好きなものはこれですと言うと、
それについて語る流れになるのだろうか。

語れるほど詳しくないと好きと言えないのか。
自分よりそれに詳しい人がいいるから厄介だ。

詳しい人って知識を披露する。
それを確認し合う。

その場にいる、それを知らない人にも、
分かるように話してあげればいいのに。

ただし、ネタバレはだめだ。
ネタバレせず語れるプレゼンのスキルを養おう。


好きなものに人は含まれるのか。
自分は人に含まれるのか。

人は人、自分は自分と言うくらいだから、
自分は人に含まれないのかも知れない。

人の中から人に含まれないものを探すのが、
自分探しということなのかも知れない。

自分から人の要素を抜いたものが見つかれば、
それが自分探しの答えなのかも知れない。

自分から人の要素を抜いたものが
不条理劇なのかも知れない。

まぁ、不条理劇が好きそうって言われたんですけどね。

 


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VR 劇について思ったこと

VR 劇を見たことが無いので、素人の思いつきだと思って読んでください。
見たことが無い理由については、後半で触れます。

ポリゴンであることを前提にお話します。
つまり、360°動画などは考えません。

何を思いついたかというと、ポリゴンなら視聴者数に応じて劇場のサイズを変えられる、ということです。

実際に VR 劇で客席まで表現するのかどうか知りませんが、役者からは雰囲気だけでも客席があった方が良いように思います。

大きければ「たくさんの人に観られている」という意識でできるし、小さければ親近感を得られるような演技にするかも知れません。

「客の数によって演技が変わるのか」という疑問もあるかと思います。
詳しくは書きませんが、私は変わって良いと思います。
少なくとも、大きい劇場で空席が目立つより、小さくても埋まっている方がいいです。

各視聴者はどの席から観れても良いですが、劇場が小さい (=視聴者が少ない) 場合は遠くからは観れなくなるでしょう。
これは、実は観劇体験において意外と重要な要素なのではと思っています。

私は観劇の愉しみのひとつは、「閉鎖空間で怪しい会に参加している」という感覚だと思っています。
これは劇場が小さい時ほど強く感じます。

また別の楽しみとして、「お祭りに参加しているような感覚」もあると思います。
客が多いときは、お祭り感を感じられるサイズが良いです。

VR なら自分以外の客の数は操作できますが、そこはリアルであった方が良いと思うのです。

むかし観た怪しい劇について、「あれは何だったんだ」と思ってネットを検索してもなかなか情報が出てこない時があります。
そういう思い出を遡るときに、体験としてリアルであった方が良い。

ステージのサイズについては、さすがに変えてしまうと役者がやりづらいでしょうから、エプロンの長さや天井の高さが変わるくらいで良いと思います。

素人の思いつきはこれくらいにして、なぜ私が (こんなにも興味があるのに) VR 劇を観たことがないか説明します。

「VR 演劇」「バーチャル演劇」という言葉をみると、やはり気になります。
しかしその公演の案内をいくら読んでも、何を見せてもらえるのか分からないのです。

皆でゴーグルをつけて動画を観るのか、
生の演劇に AR が被さってくるのか、
ポリッドスクリーンなのか、
ポリゴンなのか360°なのか、
リアルタイムなのか、
目の前に人間の役者はいるのか、

そういう情報を何ひとつ出さずに公演の案内をされても、怖くて行けません。
というか、そもそも VR なのに劇場に行くというのが良くわからないのです。

最近まぼろし座を知って、これなら観てみたいと思ったのですが、知るのが遅すぎました (動画は見た)。
あと、人魚姫は Rift に対応してませんでした (VARK というアプリの制限のようです)。


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今年のベスト映画

今年は Amazon video をたくさん観て、劇場へはあまり行きませんでした。

劇場で観て面白かったのは、

「スパイダーマン:スパイダーバース」
「ハッピー・デス・デイ」(1, 2)
「神と共に」(1, 2)
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」
「ゾンビランド ダブルタップ」
「ジュマンジ/ネクスト・レベル」

といったところでしょうか。

「スパイダーマン:スパイダーバース」は、理屈はよく分からないけど映像が非常に良かったです。
今まで見たことがないような凝ったグラフィックを、惜しげもなくぶんぶん動かしているのが気持ち良いです。

「ハッピー・デス・デイ」は 1, 2 と続けて観て、一番の盛り上がりは 2 の始まり方でした。
2 の後半は盛り上がりに欠けて、作品として見たら 1 の方が良かったです。
1 が良かったことによる 2 への期待も大きかったと思います。

「神と共に」も 1 が良かったです。
2 は歴史ものみたいな内容になってしまって、感情移入が薄まってしまい、世界観の新鮮さもありませんでした。

「ゾンビランド ダブルタップ」は文句なく楽しめました。
屋内での長回しが圧巻なんですけど、「ミロクローゼ」のような「見せつける感」がなくて良いです。
あと、最初の方のシーンでジェシーが「ドラゴンズ・レア」の T シャツを着てて、見間違いかと思ったけど見間違いではありませんでした。
 

「ジュマンジ/ネクスト・レベル」も楽しかったです。
アクション・シーンが作りは丁寧なのですがちょっと長かったり、コメディ要素をキャラの入れ替わりに頼りすぎかなという感じは、ちょっとありました。

Amazon video は、たくさん観たわりには驚くほど内容を忘れてますね。
今後は観たらメモを取るようにしようかな。

そんな中でも印象に残っているのはこれらです。

「プリデスティネーション」
「バーフバリ」(1, 2)
「フェイク・クライム」
「サプライズ」

「プリデスティネーション」はストーリーがかなり独特で、似たような作品はないと思います。
何か原作があるのかと思ったら、ハインラインなんですね。

「フェイク・クライム」は観るのは2回めだと思います。
キアヌ・リーヴスのキャラがとにかく良いのと、終盤の静かに盛り上がっていく雰囲気が好きです。

「サプライズ」は予告編がつまらなそうだったので敬遠していたのですが、観てみたら面白かったです。
予告編を見た時は、サイコパスとか宗教儀式系の話かと思って、観ることにリスクを感じました。
実際はストーリーも分かりやすく、テンポよく展開して最後まで飽きませんでした。

今年の私のベスト映画ですが、内容がなかなか衝撃的だったということで、「プリデスティネーション」にしようと思います。
それでは来年も、素敵な映画ライフを。
 

チャッキーと AI と心

※なるべくネタバレは書きませんが、少しのネタバレも許せない方は閉じてください。

「チャイルド・プレイ」のリブート版は88年版とは別物です。
リブート版だから別物なのは分かってますが、88年版が好きなオールド・ファンが観たら、違いが気になるでしょう。

リブート版は人形に殺人鬼が乗り移る話ではなく、AI が暴走する話です。
その点においては「アイ, ロボット」とかと同じです。

もちろんジャンルがホラーですから、そこは違います。「怖い」という感想があるのも分かります。
私が面白いと思ったのは、「チャッキーの愛が重い」とか、「チャッキー可哀そう」という感想が (SNS で) 見られたことです。

機械が誤作動するだけの話なのに、その機械に愛があるとか、その機械が可哀そうとか思う人が、少なからずいるのです。

これは映画だからそう思うのでしょうか。
映画に出るキャラは、車だろうがネズミだろうが命が吹き込まれ、心を持っているかのようです。

もっと言えば、人間のキャラだって誰かが演じている偽物です。
それでも映画だから、観る方はストーリーを楽しむために、自然と「キャラの気持ち」を考えて観るのだと思います。

映画でなければ、たとえば AI の技術的な話をしている時に、「最終的に機械は心を持つか」という議論になると、「そんな訳ない」という人も多いです。
でもそういう人にも、もしかしたら機械に対して「可哀そう」と思う気持ちがあるかも知れません。

先日、バッテリーの寿命で使えなくなった電気シェーバーを捨てることになりました。
それで他の金属ごみが入っている袋に放り込んだら、その瞬間、(おそらく放り込んだ衝撃で) 短く「ヴィーン」と動いたのです。
横で見ていた妻が「捨てられたくないって言ってる」と言いました。

ロボットの研究で有名な大阪大学の石黒先生が、著書の中でこう書いていらっしゃいます。

「本当に感じているか、考えているか」は、少なくとも、人の心を考えるときは問題ではなく、「自分がその人の行動を見て、その人が感じたり考えたりしていると思うかどうか」だけが問題となる。

これはとても本質を突いていると思います。

「悪い人と思うかも知れないが、本当は良い人」などと言うことがあります。
この場合の「本当は」は、「よく知っている人から見たら」程度の意味かと思いますが、そうであれば、「よく知らない人から見たら悪い人」というのも「本当」だと思います。

人格は多面的です。
お酒を飲むと変わる人もいますし、SNS で接するのと直接お会いして接するのとで変わる人もいます。
「どっちが本当か」等と考えることに、果たして意味はあるのかと思ってしまいます。

話がだいぶ映画から逸れましたが、ここまで書いたように考えると、リブート版「チャイルド・プレイ」についての SNS 上での「愛が重い」「可哀そう」といった感想に対しても、違和感がなくなってきます。

最後に私の感想ですが、チャッキー以外の「普通の」バディ・人形をもっと見せて、世界観を示して欲しかったです。
88年版ではチャッキーが「ただの人形」として登場しているシーンが多くて、本性を見せた時のインパクトが良かったので。

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