英語の迷い道(その94)-「千畳敷」のクリスマス-杜甫「登高」など | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

山口県長門市「千畳敷」と呼ばれる高台がある。そこを初めて訪れたのは今から13年前、2010年のクリスマスの時期だった。

 

2010年は私にとって印象深い年だ。翻訳会社に詰めて朝から晩まで英訳に明け暮れる中、猛暑の夏が過ぎた秋口から冬にかけて毎週末のようにの一人ドライブ。まるでジプシーのように今日は大分、明日は山口と流離い、翻訳のストレスを発散させていた。

 

そんな中、クリスマス時期に登ったのが長門市の「千畳敷」である。天気は晴れていたが山頂には雪が残り吹く風は冷たく、翻訳で疲弊した心の垢を吹き飛ばしてくれた。

 

「いつかこの場所に好きな人を連れて来たい」としみじみ思ったが、その願いはそれから数年経って叶うことになった。

 

 

 

中国には重陽節(9月9日)に高台に登る習慣があるらしい。これは「登高飲酒」とも言われ、高台に登って酒(菊花酒)を飲むことで、高みを目指し邪気を祓い長寿が得られると信じられていたらしい。

 

漢詩にはこの「高台に登る」をテーマにしたものも多い。以下幾つか紹介する。