続・英語の散歩道(その62)-「知的財産管理技能検定」への挑戦-「性悪説」への傾倒 | 流離の翻訳者 青春のノスタルジア

流離の翻訳者 青春のノスタルジア

福岡県立小倉西高校(第29期)⇒北九州予備校⇒京都大学経済学部1982年卒
大手損保・地銀などの勤務を経て2008年法務・金融分野の翻訳者デビュー(和文英訳・翻訳歴17年)
翻訳会社勤務(約10年)を経て現在も英語の気儘な翻訳の独り旅を継続中

当時のS社社長の紹介で新日鐵関連のE社の知財部門から特許関連文書(「権利要求書」)の中文和訳(簡体字⇒日本語訳)の案件が入ったのは2013年5月のことだった。

 

以前から地元の製造業から時々特許関連案件が入っていたようだが、私がS社に入社して以降は本件が初めてだった。

 

 

特許権など知的財産権関連の文書は、和訳であろうが英訳であろうが、独特な文体が使われており素人には理解しづらいものである。この知財分野に進出するためには、英語を理解するよりは「まず知的財産権について日本語で法的に理解すること」が必要だと以前から私は考えていた。

 

 

翻訳・通訳部門の売上がピークを迎えた2016年3月から一息ついた2016年5月、部門の将来のためにもこの知財分野の勉強をやろうと決意した。そして巷に「知的財産管理技能検定」という資格試験があることを知った。

 

試験のスケジュールを確認すると、直近で2016年7月に3級、2016年11月に2級が受験できることがわかった。「これしかない!」と確信した。

 

以来、毎日会社に居残って18:00以降1時間程度、帰宅してからも2時間程度は眠い目をこすりながら知財の勉強を頑張って続けた。

 

知的財産権は私の専門である法務と実務で経験している工業技術が触れ合う領域であり取っ付き易いかと思われたが、然に非ず、思いのほか歯ごたえがある分野だった。参考書の内容がすんなり頭に入るようになるまで1か月くらいかかった。

 

とは言いながら、勉強の甲斐あって2016年7月に3級に合格、また11月に2級に合格した。得点率は3級が90%(合格基準は70%以上)、2級が94%(合格基準は80%以上)だった。

 

特に、派遣詐欺により精神的に傷ついた心を抱えた8月以降、知財の勉強に専念することにより加害者に対する毒気を昇華させていくように努めた。2級の得点率が3級より高かったのはそんな努力の結果かも知れない。

 

会社の総務に相談し名刺に「2級知的財産管理技能士」の肩書きを追加してもらった。これで自信を持って知財関連の営業ができると同時に自分にもプレッシャーをかけた。

 

 

NOVAで英会話を学んだ頃の知り合いに弁理士をされているNさんという方がいた。2級に合格したら営業方々事務所を訪ねてみようと考えていた。

 

果たして2016年12月、Nさんの国際特許事務所を訪問し、旧交を温めるとともに貴重な営業情報を得ることができた。

 

 

そんな充実した気持ちの中で2016年が暮れて2017年が穏やかに始まった。2017年のブログの書初めには「荀子」宥坐編から「何のために学ぶのか?」について以下の記事を掲載している。

 

敢えて「荀子」を選択しているのは自分の考えが性悪説に傾き始めていたことを示しているのかも知れない。

 

https://ameblo.jp/sasurai-tran/entry-12234265784.html