かつて「1・2の三四郎」という、プロレスを題材とした漫画がありました。この漫画は、「What's Michael?」という猫を主人公にした漫画で知られる「小林まこと」さんの初めての連載漫画で、1978年から1983年にかけて週刊少年マガジンに連載され大ヒットしました(詳しくはVol.67【漫画 小林まことの「1・2の三四郎」】を参照してください)。

 「1・2の三四郎」の最終回は、主人公の東三四郎(以下「三四郎」と言います)が所属する「新東京プロレス」で開催された、若手ナンバーワンを決めるタッグトーナメントで、三四郎と成海頁二のチームが、米国から来た超巨漢コンビに勝って優勝し、その後、三四郎と志乃ちゃんは初デートしてラブホテルに入ろうとしたところを写真にとられ、スポーツ紙に「東三四郎の愛人発覚!ラブホテルから出てくるところをキャッチ!」という見出しで写真付きでデカデカと報じられ、三四郎が「違う!入ろうとしてたとこだー!」と言い訳をしているところで終わりました(→なんという終わり方でしょう・・)。

 小林まことさんは、この後、前述の「What’s Michael?」や「柔道部物語」などでヒットを飛ばした後、「1・2の三四郎」の連載が終了してから11年後の1994年に、その続編のあたる1・2の三四郎 2」の連載を開始しました(週刊ヤングマガジンで隔週連載、~1998年)。

 私は、この「1・2の三四郎 2」という漫画が大好きです。講談社から全6巻で単行本が出ていて、何度も読み返しています。読みだすと止まらなくなって、いつの間にか6巻目の最後まで読んでしまいます。そういえば、「岩明均」さんの「寄生獣」も、何度読んでも、読みだすと止まらなくなります。

 前作の「1・2の三四郎」よりも圧倒的に画力が上がっており(失礼な言い方ですね)、また、ギャグのセンスにも磨きがかかっていて、ストーリーもよく練られています。

 物語は、かつて三四郎の付き人だった「赤城欣一」(以下「赤城」と言います)が「FTO」という新しい格闘技団体のリーダーになり、「従来のプロレスは見世物だ」と三四郎を挑発し、三四郎と赤城が決着をつけるために対戦する、というものです。単純な物語と思われるかもしれませんが、小林まことさんの漫画ですから一筋縄では行きません。多彩な登場人物の数々のエピソードが絡み合い、迫力のある試合の描写はさらに磨きがかかり、随所にちりばめられたギャグも健在で、また、ラストの三四郎と赤城の試合の場面は圧巻です。変な言い方ですが「三四郎は単細胞の男だが、正しくて強い」と感動してしまいます。

 前作の「1・2の三四郎」は物語としては多少散漫なところがあったため、Vol.67【漫画 小林まことの「1・2の三四郎」】ではあらすじを紹介しませんでしたが、「1・2の三四郎 2」はストーリーが凝縮されており、無駄な部分がありませんので、次回、あらすじを紹介したいと思います。

 

【1・2の三四郎2 最強ランキング】という動画をお借りしました。ありがとうございます。

 

 Xに画像を投稿しました(2024.9.3)。

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