HUNTER×HUNTER No.397 感想-1 | ばんぶーのブログ

HUNTER×HUNTER No.397 感想-1

【No.397 ◆結成③】

スタッフの種花です。現在、作業形態が決まらず上司の機嫌がかつてないほど良<義博>

“くない”んでしょうなぁ。

 以前普通に出来ていたことが出来なくなり、新しい方法を模索しても中々良い方法が見つからないとなると大変ですよね…(半デジタル化の作業細分化は完全に失敗とのこと)

 

 ZOOMを使ってアシさんとリアルタイムで繋がるとか、あるいは「指示書」を細かく作るから大変になると思われるので、動画を使って口で伝えて、アシさんはそれで分かれば良し、わからなければチーフアシに聞いて、それでも分からなければチーフアシから冨樫さんにZOOMで確認するとか、機材もそこまでガチガチにする必要ないし出来そうな気もするんだけど…所詮素人の考えなんでしょうなぁ。

 50過ぎると新しいツールの使い方を覚えるだけでも大変でしょうしね…。

 

そしてジャンプの号数的には新年1号になり、それにともなって各種デザインが刷新されたんですが新デザインで、掲載順と作品サムネが偶然合わさって、

今話の内容にリンクしたミラクル起きてますな…。

そりゃ今週はゴンさんになっちゃうよ…。。。

 

■想像されていた少女の死

最近アニメ化やら映画化などしている「メイドインアビス」という作品の世界観には興味はあるのだが、小さい子供達が酷い目に遭う描写が多いと聞き及んでいるからどうも手を出せずにいる私としては、今話で“描写”があったら暫く沈むだろうなと思っていた。

しかし、直接的な描写は少な目で…多少は…いやぁ、やっぱり想像してしまって沈むなぁ…。

 

そして、ツイッターによるとやたら樹の方を加筆をしていたが、コンプライアンスが厳しいこの時代に少年誌で少女の凌辱シーンや惨殺死体が描けるハズもなく、ただその一方でこのシーンの重要性(旅団員にとっての人生の岐路)、この時のことが純真なクロロ達の人生を変えてしまったという意味合いは描きたくて、その想いを「樹」にぶつけたということなのだろうか。

 

ノブナガの言っていた「諦めと怒りが原動力だった」というのは、“何の力もないただの子供である自分達には何も出来ない”という諦めと、“何で何もしてない自分達がこんな目に遭わなきゃいけないんだ”という怒りが、“幼少期の心の中での結成時”の想いだろうか。

 

そして、青年期での実際の結成後は、いくらシステムを作り情報を探しても見つからないモノもある。

それも探している犯人は1グループだけではなく、恐らく流星街で人間狩りをしていた奴等全員

時間が経ち過ぎて証拠がない事件もあれば、既に死亡しているだとか刑務所に入っているとかで事件以降の足取りが一切取れない犯人もいるだろう。

それを「全力で探しても情報が0じゃどうしようもない」と諦めそうになる一方で、「諦めてたまるか、やり方を変えてもっと情報を探ってぶっ殺してやる」という怒りを糧に“手探りで何か手に入る気がして”ガムシャラにやっていたという感じだったのかもしれない。

 

■奇妙な果実

何故、連中は遺体をゴミ袋(?)に入れて吊るしたのか―と思ったのだが、元ネタ由来かもしれないですね。

 

去年、再映画化もされたので(「ザ・ユナイテッド・ステイツ VS ビリー・ホリディ」/2021)、ご存じの方も多いかもしれないが、恐らくあれは「奇妙な果実」かと思われる。

当時、特にアメリカ南部では当然の様に行われていた人種差別の一端であるが、黒人へのリンチは日常の様に行われその死体は木に吊るされたという。

 

「ヘタッピマンガ研究所R」の中で、

“聞きかじった…専門用語とか隠語とか、作中で使いたいな!と思った時はなるべく自分で作った造語に置き換えたりして使う”

と語っていた様に、過去には「貧者の核」という化学兵器が、“貧者の薔薇(ミニチュアローズ)”という化学兵器として登場した。

 

そして黒い(?)ゴミ袋に入れたのは「少女の首吊り死体」が今のジャンプのコンプラ的にアウトだったのか、あるいは「丸いフォルム」にすることで、より「奇妙な“果実”」っぽく感じられるという“置き換え”だったのか、あるいは両方なのかは不明だがそのあたりが理由に思われた。

(次ページまで「結果を隠す引きの描写」かとも思われたが、結果として詳細な描写はなかったため上記の理由の方が合う様に感じられた)

 

そして、今回のことでやはり「クルタ族虐殺」は幻影旅団の犯行ではほぼなさそうだ。

「クルタ族虐殺事件」では「子供の方が大人より傷が多かった」というが、恐らく幼少期に殺された仲間を思い出してしまうだろうし、気に食わないマフィア連中への拷問とは訳が違うだろう。

 

「クルタ族虐殺の犯人グループ=今回の犯人グループ」で、寸でのところでクルタ族虐殺事件を止められず、“犯行グループへのメッセージ”としての例のメッセージ(拒まない…奪うな)ならば、“オレ達はお前等のすぐそこまで迫っているぞ”と言わんばかりの「震えて眠れ」的な意味合いも見出せそうだけど、旅団がクルタ族と戦闘を行っている様子のため上手く噛み合わない

 

「シーラ(恐らく事件後の通報者でもある)

「幻影旅団の2つの目的」

「パクノダがいつ記憶を読む力を習得しているか」

「犯行現場に残されたメッセージ(拒まない…奪うな)

それらが上手く噛み合う“B面”とは何なのか。

 

■クロロは望んで団長になった訳ではない

先日触れた「0巻」情報や、

No.395で登場した長老会の存在から、元々「何らかの組織」が流星街にはあって(しかし長らく不在)、それの団長に任命されたからなった(その方が目的を果たせるという理由もある)―という流れかと考えていたんですが、

クロロはウヴォーギンに団長をお願いするつもりが、逆にウヴォーギンから、そして仲間達から旅団の団長たるを望まれてなったということだったらしい。

 

私だったら「僕じゃ無理だよ…」「いや、お前以外に考えられないよ」「でも…」みたいなクソみたいなやり取りを挟んでしまいそうだ。

 

信頼している仲間達が全員自分を推してくれているのだから、そこで迷う事なくその信頼に全力で応える―というのも覚悟の表明の1つなのでしょうね。

 

■逆十字の意味

クロロというと“逆十字”という印象があったのだが、このマークがある服を着ていたのは恐らくヨークシンの時だけで、他のシーンでは着ていなかったと思われる。

 

額に似たマークの刺青があるが、

これは逆十字というより、普通の十字架っぽい気がする。

 

そのため意味を見出すなら「逆十字ではなく“額”の十字架(?)の方かと思われるが、額と真逆の“逆十字”を背負うことにも意味があるのかもしれないため手を出してみる。

ハンターの世界にも「ユダ」がいるため、恐らく十字架が象徴することは「キリスト」だろう。

※宗派によって解釈が異なったり、主流の三位一体説によると「父(ヤハウェ)・子(キリスト)・霊」の3つが一体であるとされるが、このブログで宗教概論的なことをやりたい訳でもないので、ざっくり「キリスト=神」としておく。

 

そしてクロロは、

銀河の祖母という占い師を知っていたため、タロットカードについても多少は知っている可能性があり、

占いの手段の1つであるタロットカードには、「正位置」(絵柄の上下が正しい向きにある状態)「逆位置」(絵柄の向きが逆)がある。

正位置とはそのカードが持つ意味や性質を素直に解釈することができ、逆位置とは意味が逆になったり、正位置の意味が薄れたり、正位置が持つネガティブな性質が強調されたりするという(ちなみに逆位置を採用しない占い師もいる)

 

「十字架」の意味するものは磔にされたキリストで、象徴するものは贖罪の犠牲になったキリストの苦難人類救済の犠牲罪や死に対する勝利だという。

あるいは、ざっくり「十字架=キリストの象徴=神」だと採ると絶対の正義秩序といった方向にも解釈にも広がるのかもしれない。

 

そして神が作ったこの世界で、あのような事が許され十分な罰が与えられることもないのならば、

自分達がそれを正すと立ち上がったのが旅団であるから、「逆位置」の中での「正位置の意味の薄れ」として採って「神や秩序への疑問」くらいが落としどころの様に思われた。

 

もっと強い意味として「神への反逆」だとか「神の否定」というのもありかと少し思ったが、クロロが額に刻んでいる印は恐らく「十字架」で、かつクロロが育ったのも教会の様だ。

また、“ユダは裏切り者じゃない”という発言は、ユダは神から与えられた役割を全うした殉教者(ミクロではキリストを裏切ったとも採れるが、マクロでは神に従ったと採れる)という意味合いかと思われ、神を完全に否定している者だとしたら口調や言葉の内容にも違和感を感じる。

 

ただやはり、逆十字を常に背負っている訳ではないから、逆十字を背負うような心境に反しない範囲額の十字架の意味を考えた方が良いのかもしれない。

 

すると、“神”が作ったこの世界で自分達が普通に生きることが許されないのは“未だ世界が不完全”だからであって、時間が経てばいずれ世界は完全に近づくのかもしれないが、これ以上の犠牲を出さないためにも自分達が変える(時計を早める)という感じで、額に刻んだ十字架は、

“自分の人生を捧げる覚悟”

という意志なのではないかと感じられた。

 

神云々は外して考えても良いのかもしれないけど、教会育ちで、かつユダへの言葉から一定の宗教観を持っているだろうから、逆に十字架と神を紐づけない方が個人的には違和感があった。

 

■シーラは旅団員ではない模様

シーラの表情は2012年の「黒子のバスケ」の藤巻さんとの対談で触れていた、いわゆるアルカイックスマイルなのかな。

シーラの口元からは「くやしさ」「不満」「悲しみ」の様な複数の異なる感情が乗っている様に見える。

 

自分では「力になれそうにない」悔しさなのか、「力に“なれない”」悔しさなのか。

「友の死への悲しみ」で手一杯で“先”の事なんてまだ考えられない自分に対して、仲間だと思っていたクロロ達がそうではないことへの不満なのか。

それとも友の死は悲しいけれど、「ハンターになる」という自分の夢や人生を捨てる覚悟は出来ないという自分自身への悔しさや悲しみなのか。

 

詳細はまだ分からないが、どうもシーラはこの時点でクロロ達とは別々の道を歩み始めた=シーラは旅団入りしていない様に思われた。

 

■気になるクルタ族虐殺事件の真相-2

今話でかなり情報が集まってきた。

旅団の目的は流星街で人狩りをやった連中への復讐と、自分達が大悪党となることで小悪党共が決して流星街に近づかせない様にするという未来への抑止の様だ。

 

ただ初期旅団員や、初期ではなくても旅団の第一の目的を十二分に理解出来得る流星街出身者(ex.シズク)ならば旅団員になれるのはわかる。

しかし、ヒソカの様に明らかに志を異にする様な人物でも「残団員を倒せば交代で入団できる」様にする必要はないのではないかと以前は感じていたのだが、第二の目標(悪評を広める)のことを思えば、旅団員の考える“極悪人”でもなければ良いのかもしれない。

 

そして、旅団が「仕事」という時は第一の目的(復讐)第二の目標(悪評を広める)のどちらかと思われる。

あまり旅団のことを知らなかったヒソカは、

“獲物を一頻り愛でると全て売りはらう♣緋の眼も例外ではないはずだ♦”

と言っていたが、売り払うのは様々な使い道があろうから理解できるが(例えばハンターサイトで情報を買ったり、犯罪者を釣るためのサイトの運営費など多岐に渡る)殺された仲間を彷彿とさせるであろう「緋の眼」を愛でる様なことはないだろう。

つまり、ヒソカ目線で「奪った獲物を一頻り愛でている」様に見えた行動は、第一の目的(復讐関連)で奪った物の場合、横のつながり等で新たな情報を見つけるための“情報精査や証拠集め”だったのではなかろうか。

 

そして今話で、

“新しい技術の中に悪人の隠れ家を作る”

と触れられていたものは既出の

“特殊な趣味嗜好を持つ者が密かに集う闇サイト”

の様に感じられた。

そして、元々旅団がBW号に乗り込んだ理由はカキンの王と王子達が持ち込んだ“大事なお宝を奪うこと”が目的で、全員集合であることから“仕事”であろう。

 

ミザイが“画像からたどり着くのは不可能だろう”と話していたが、

旅団は6大陸10地区をナワバリにしているマフィアを半壊させており、その時に得た情報があったかもしれないし、逆に新しく得た情報がなかったなら、残った大きなマフィアはカキンにもあり、カキン王子の身辺にはドス黒い影の噂があるということを把握していたならば、旅団がBW号に乗り込んだ仕事の目的は第一(復讐関連)の方である可能性もある。

もしかするとクロロとクラピカの共闘、ワンチャンあるのかもね。

 

さて話を戻すが、

・旅団は「仕事」でクルタ族と何らかの理由で戦ったことがある。

・しかしクルタ村には子供も一定数おり、その子らの眼も抉り出すということは「幼き頃の友」がされた様なことを自分達がする様なもの。良く思っていないマフィア連中への拷問とは訳が違うだろうから、やはり「クルタ族虐殺事件」の実行犯は旅団ではないと思われる。

・一方で「仕事」で戦ったのは第一の目的(復讐関連)の可能性がある(旅団の悪名を広めるためならば、森の奥で隠れ住む少数民族を選ぶ必要がない。※虐殺事件が旅団の犯行ではない前提)

・「クルタ族逆事件の真犯人」=「旅団が一番に追っている悪党」?(根拠なし)

・旅団の結成経緯から、前話まで考えていた様な長老会からの指示(それも一見真っ当なもの)があったとしても、マフィア連中への協力はしない様に思われた。

(V5絡みや秘密裏の取引を国や地域から持ち掛けられたのなら、状況や内容によっては受けざるを得ないだろうが、何故わざわざ流星街にその依頼をするのか、という疑問がある)

・シーラは旅団員ではない模様。

・パクノダがいつ「記憶を読み取る力を得た」のかは不明

・犯行現場には例メッセージ(拒まない…奪うな)が残された

 

■シーラという人物について

クルタ族虐殺事件においてキーパーソンだと思われるシーラ。

「シーラの人物像」が見えてくれば気になる真相に迫れるのかもしれない。

 

まず気になったのは、未来の旅団員達が一致団結している中、

そこから離れるシーラの様子である。

 

シーラはハンターを目指すが故に「相容れない道を歩もうとする仲間達とは距離を置いた」あるいは「自分がまだ仲間の死に悲しんで歩みを止めているのに対して、皆が仲間の死を受け入れてさらにそこから先に進もうとする様子に悲しみ、かつ仲間と思っていた皆との大きな違いを目の当たりして悔しく感じている」等と採ることも出来るが、今のところシーラが全くの善人の場合の完成図がしっくり来ないのだ。

 

対してシーラが根っからの悪か、途中から悪に染まってしまったか、終始誰かの指示を受けている(シーラ自身は悪ではないが間接的に事件に関わっている)か、ならばまだ絵が浮かぶ。

 

まず、仲間達から距離を置くシーラの感情の1つとして「まだ自分が仲間の死を受け入れられていない」可能性を示したものの、

それより前の葬儀の時の表情には悲しみがない様に思われた(=仲間の死を受け入れている?)

マチの様に気の強い子が人前では泣かないのは分かる。

パクノダが人目を憚らず仲間の死を悲しむ優しい子で、悲しみつつも綺麗な姿に少し安心したのだろうというのも分かる。

 

ではシーラはどのような子なのだろうか。

取り分け気が強そうだったりする訳でもなく、逆に気弱な様子もなく、特別人に優しい様な描写もなくむしろかなり感情が平坦な様に思われた。

感情とは少し異なるが「ディノハンター」に掛ける想いや、歩き読書でケガをする様子から「好きなもの」への強い執着と、自分が怪我することを厭わず読み歩きをする姿からは「自己犠牲を厭わない偏愛」の様な性質を感じた。

(一方でクロロから歩き読書を注意された際にはすぐ従ったが、それがクロロ以外から言われたときどうだったかは不明)

 

仲間の死体を発見した際、

一読目はパクノダとシーラがそれぞれ泣き声を挙げている様子と採ったが、シーラに疑いの目を向けるとこの時の泣き声の吹き出しの“尻尾(セリフの発言者を示すトゲ)がなく、恐らく雨とは別に涙が頬を伝っている様子があるパクノダに対し、シーラは伏せている顔の頬に涙が伝う様子が見られない様に思われた。

つまり、この時の泣き声は左右共に「パクノダ」であって、シーラは泣いていないのではないかとも感じる。

 

また件の少女は、

皆」にはまだ内緒にしている…見つけた大量のビデオテープ”

と考えていたが、これには若干のミスリード要素がある様に思われた。

 

“まだ誰にも言っていない=皆にはまだ内緒にしている”

というストレートな採り方も出来る一方で、

“仲間の一人から教えてもらったが、サプライズのために他の人には言っていない=皆にはまだ内緒にしている”

とも採り得るのではなかろうか。

 

流星街の住民は、乳母衆や共同集落を同じくする者、あるいは気の合う者同士でグループを作っている様に思われるが、

初登場時、一緒に行動していたことから恐らくシーラと件の少女は同じグループに属しているか、仲が良いと思われ秘密のビデオテープの山があることをシーラから聞いた可能性もあるのではないか、とも思われた。

 

■ルート1:シーラは悪いやつ…ではない

このルートでは、シーラが自分の意志でやった訳ではないという場合だ。

犯行グループは、

仕事の上納分とは別に、個人的な“遊び”として殺しをやっており、

「作品」として映像を記録している様だ。

 

連続殺人を犯す輩には、殺す相手は誰でもいい者一定の好みがある者がいるが、顕示欲の強いメッセージ、一定方向を意識して作られた犯行現場などから、今回の者達は拘りが強い様に思われる。

一定の年齢、性別、髪の色、性格(活発タイプ、大人しいタイプ、真面目タイプ等)、人種など、様々な好みがあり、ターゲットを選ぶ。

そんな者達にとって、公式には「存在していない」とされる流星街の住民達の存在は非常に重宝するだろう。

 

ただ問題は普通は、堂々と中に入ってターゲット選びは出来ず(思わぬ抵抗を集団で受ける可能性があるため)“群れからはぐれた者”に手を出す程度しか出来なさそうだということ。

 

そこで、それを可能にするのがシーラが犯人グループの子飼いというパティーン。

「作品」で使おうと思っていた攫った妊婦が産んだ子どもを殺さない程度に虐待していたが、その子供がある程度大きくなった段階で流星街での狩りを計画して、一定の好みを伝えていて、それに合う子供を“群れから離す”様に促す役目を持っていたとしたら、どうだろうか。

 

今回の犯人グループは“最後に一匹見つけたら…たっぷり遊んでいくか…”とウガの森に向かっていた様だが、シーラとは頻繁連絡を取り合える訳ではなく、手ごろなターゲットを見つけたらシーラはウガの森横の宝の山の情報を教えて、そこを犯人達は周回していれば労せずに捕らえられるという算段。

(毎回ウガの森横ではなく、子供が好むビデオテープが大量にある場所は複数あったり、時期によって変えているのかもしれない)

 

このルートなら、シーラが団結するクロロ達から離れたのは「犯人側の自分じゃ仲間になれない」から、悲しくもあり悔しかった。

ただ、シーラが流星街の中にいる内は手を出せないならクロロ達に打ち明けて「助けを求める」様なことは出来なかったのか、という疑問もある。

 

しかし、これはありがちな理由で簡単に潰せてしまいそうな気がする。

流星街の内にいると手を出せない訳じゃなくて、手を出しちゃうと遊び道具が減るからやらないだけで「兵器」を持ち出せば容易だと脅されている。

あるいは、過去に誰かに助けに求めて、その人達が酷い目に遭わされてきたのを散々見ているから。

はたまた、母親もしくは妹(後の展開を考えると双子の妹)が居て、人質が居て逆らえない等、いくらでも理由は作れそうだ。

 

そうして肝心の「クルタ族虐殺事件」について。

旅団がネット上に様々な網を張り復讐を果たしていく中、犯行グループが殺されていく仲間や知り合いの共通点が“流星街で狩りをしていた連中”だと気づき、逆にそれを利用しようと罠を張ったとしたならばどうだろうか。

例のサイトに傷つき倒れる女性を凌辱するビデオを挙げ、その中で「クロロ達がその女性がシーラだとわかるヒント(例えば「クロロ助けて…」と呟かせる)あるいは「流星街で自分達が行った犯行と同じ特徴」を挟み、かつそれを今狙っているが強くてやや手に余る「クルタ族が犯人」と思わせる様な偽装をしていたならばどうだろうか。

 

幻影旅団はシーラ救出のためにクルタ族の村を探し制圧し、その後拷問や村の中の調査で無実だと判明し、謝罪と十分な賠償を申し出て一旦村から離れる。

その後、旅団と戦ったことでボロボロ状態のクルタ村を真犯人らが襲撃し―、その直後シーラを使い通報させ例のメッセージを残し、さらにシーラを殺す動画を例のサイトに挙げ、その中で「シーラの死体を弄ぶ様にして“騙されちゃったネ”」とメッセージを付す。

その動画を発見したのがクロロで、他のメンバーには隠していたならば繋がるかもしれない。

 

そこからは前回感想分に繋げて、その事件以来、それまで以上にクロロは心を硬化させていき、パクノダが理由を聞いても当然クロロは答えてはくれず(昔はクロロの考えている事が手に取る様にわかったのに)、初めてそして心の底からクロロが何を考えているのか知りたいと願い能力が発現し、“真相”を知る。

 

----※12/6追記----

パクノダが「記憶を探る能力(人・モノ含む)を発現した理由は、クロロの心を知るためではなく「犯人を突き止めるため」なのではないか、とも考えたが、特質系能力は「心の底から願うこと」を成就させると考えている。

「どこまで昔の記憶を探れるのか」

「死んだ肉体(魂がもうない)から記憶を探れるか」

「制約と誓約はないのか(強い効果には強い返しが付く=記憶を追体験する/痛みを伴う記憶の場合、痛みも伴う等)

など能力の不明点もあるが、その能力は「犯人の情報」を得られる可能性はあるものの、「何をされたか」「拷問をされていた時にどんなことを考えていたのか」「最期にどんな言葉を発したか」を知ることになると思われる。

 

パクノダはヨークシンでも「使命よりも仲間」を取っており、いつその能力を発現させたかにもよるが、事件直後の彼女では余計にその覚悟がなかったという事もあるだろうが、“犯人の情報(それには高確率で友の最期が付随)”を「心の底から知りたい」と思えるのかという疑問がありました。

そして恐らくパクノダは、犯人については心の底から知りたいとは思えたとしても、友の最期は知りたいとは思えなかった様に感じました(アルカ/ナニカの例からも―恐らく特質系能力は術者の本質的願望を妨げない)

そのため「犯人について知りたい」で発現したのではなく、「クロロの心を知りたい」で発現し、それからしばらくして覚悟を決めて“犯行現場に残された凶器から記憶を読もうとしたが読めなかった(時間が経ち過ぎていることが要因)という流れなのではないかと、と採りました。

----※追記終わり----

 

このルートの派生で、シーラが犯行グループに逆らえなかった理由として、例えばそれが双子の妹が人質に取られているためだとする。

旅団を誘い出す「女性を凌辱するビデオ」「シーラのスナッ〇フィルム(殺人ビデオ)で、種明かしの「シーラの死体を弄ぶ様にして“騙されちゃったネ”」は最初に挙げられたビデオの続きから始まり、そこではシーラそっくりの女が、

「本当はお姉ちゃんにクロロ達を誘い出す様に演技しろ」って言ってたんだけど、「それだけは絶対に出来ない」ってしつこいからさー”

みたいな感じで、

“じゃあ、いつかどこかで会おうね、クー・ち・ゃ・ん♥”

と〆られていたとかならば、ストックホルム症候群の様に始めは犯行グループに怯えていた少女がいつのまにか犯行グループ色に染まっていた―という筋道もありかもしれない。

 

ルート1-1は、ツェリの部隊や子飼いに犯人グループがおり、

ルート1-2では、ツェリの部隊や子飼いに犯人グループとシーラ妹の様な存在がいるのかもしれない。

 

■ルート2:シーラは最初からサイコパス

ルート1の亜種なので大筋は似ている。

ただ、シーラは犯行グループの子飼いなどではなく単純に、

パリストン系のサイコパスというだけ。

 

件の少女にウガの森横の宝の山の情報教えて“二人だけの秘密”にしたものの、別に何か恨みがあった訳でもすぐ殺したかった訳でもなく、好きなクロロを傷つけ泣いて苦しむ姿を見たかっただけ

死ぬのはクロロに近しい人物であれば誰でもよく、単純に最年少で警戒心よりも好奇心が強い“お友達”なら単独行動を起こして人狩りの連中に捕まり殺されると思っただけ。それが偶然あの日だっただけで、それはいつでも良かった。

 

クロロは泣きじゃくって深く傷つくと思ったのに、思っても居なかった方向に進み始めた。

“そんなクロロはつまらない”

と不満を抱き一度は距離を置くが、離れれば離れるほどクロロへの想いは強くなりいつしか、

“弱いクロロを傷つけるのも面白そうだったけど、強くなったクロロが色々積み上げて来たモノを最後に壊すのも面白いかも”

と思う様になる。

 

ある時、クラピカが闇サイトから探れずミザイが手順が逆故に偶然見つけた様に、蛇の道は蛇とでも言うべきかシーラはクロロ達が探していた方法とは全く別の方法で偶然犯行グループを見つけ、そいつらが“とある依頼で”クルタ族を襲撃しようとしていることを知る。

(恐らく、シーラが目指しているハンターは「幻獣ハンター(幻獣=暗黒大陸の生物の意)」系で、その関係でビヨンド側と既に接触しており、カキンの情報を入手できたから“とある依頼=ツェリ”のことを知れた)

 

しかし、クルタ族は強いらしくその犯人グループが普通に戦ったのでは負けてしまうと思われ、クロロ達の目標の1つがそんなことで自然消滅しちゃったらつまらない。

そこで犯人グループ達が死なない様にちょっと手助けと、久しぶりにクロロにちょっかいを出したくなった。

そうしてクロロ族の子供達と接触し小型の発信機を仕込んだ「ディノハンター」を譲る。

中々、“巣”に持ち帰らなかったため一旦姿を消し様子を見ていたら、金髪の子供の方が村を出て、その後黒髪の子供の方が上手く村に本を持って帰ってくれた。

自分がクルタ族に捕らわれているだとか、殺されそうだとクロロにSOSを入れ(さすがに連絡先程度は知っていると思われる)、「大切なディノハンター」には失くさないように発信機が入っていることや、大まかな地域をそれとなく伝え連絡を断つ。

 

後はルート1に大まかに合流。

旅団はシーラを助けにクルタ村を突き止めクルタ族と戦闘。

そして誤解だと判明し、一旦離れる。

その後、犯行グループがボロボロのクルタ村を再度襲い「クルタ族虐殺事件」へ。

犯行グループは「頭部とセット」がベストだとは知っていたが、大人のクルタ族は旅団との戦いで顔に何かしらの傷を負っていてベストのセットとは言えず、子供のクルタ族には性癖故に手を出さずに居られず、“楽しんだ”から子共達の方が傷が多かったという感じだろうか。

 

それからしばらくして、シーラは村に来訪し例のメッセージを残し通報。

その後、再度クロロにメールか動画を送った。

「クロロ、ごめんねー。前の嘘だったんだー。」

「それにしてもクロロ達すごく強くなったんだねー。おかげで例の犯人たちは楽に仕事できたみたいだよー?」

「それに緋の眼をヒントに探して行けば、その内見つかるかも!?」

「あ!あと結局クルタ族がやられちゃったのはクロロ達と戦ったことが原因で、それってクロロ達が殺したも同然だから“犯人は幻影旅団っぽい”って情報流しておいたよ!」

「それじゃあ、また会えるといいね、クー・ち・ゃ・ん♥」

 

そしてそれをクロロだけが知っており、そんなクロロの様子を心配したパクノダが能力に目覚め真相を知り、最期に初期メンバーにその真相を含む記憶を託した、という感じでも…一応それっぽく繋がるのだろうか。

 

このルート2だと、犯人はツェリの手の者で狙っている宝はツェリが大量に持っているであろうス〇ッフフィルムや緋の眼等の証拠品。

そして、BW号に乗船しているビヨンド一派の中にシーラがいるかもしれない。

 

とりあえず、旅団がクルタ族を虐殺したわけではなさそうだけど何らかの理由で戦っていて、クルタ族もシーラを殺したというわけではなさそうだ。

かつ、恐らくシーラが少なくとも間接的にはクルタ族虐殺事件には関わっていそうという感じでそれっぽく繋げてみたが、「旅団の回想」は今週で終わりの様な気がしている。

 

次のNo.398では作者ツイッターによると「刀を持った人物」が映っているもののBW号内でも全然おかしくはないし、B面がクラピカやツェリに繋がっているなら真相が明かされるのは結構先になるのかもしれない(リアルな時間的な意味でも)

 

ひとまず今回は時間不足でかなり急いで書いているので、またいつかゆっくりと検討をしたいところですな。

 

■個人的ベストシーン

今週は鬼の様に加筆をしていた樹木があるものの、個人的には仲間が行方不明になった責任が自分にあると告白するシーンで、

クロロが左手でズボンの裾を強く握っている描写、非常にぐっとクるものがありました。

 

2007年に出たワンピース10周年を記念した雑誌の、ワンピ作者の尾田さんとルフィの声優をされている田中真弓さんの対談で、

“若い子に泣く演技をしてと言うと、泣こう泣こうと思って泣く人が多いけど違う”

という話をされていたのをふと思い出したのだが、私だったらあの時のクロロの左手は「ぎゅっと握りこぶしをする」程度に描いてしまう気がするのだ。

 

あのズボンの裾を強く握りながらも皆の前で毅然と話すシーンは、

若干ズキュウウウゥゥンとなりかけた。

 

■そして生まれた。一匹の―――

これが「作者の描いたセリフ」ならまだしも「編集の考えた煽り」なんですよねぇ。

(作品によっては極々稀に作者が煽り文も考えることあるみたいですけど)

No.292のラストで、

“ネテロが生み出した最終奥義……次号炸裂!!”

だなんて煽りで書いておきながら、結局出たのはNo.297ですからね。

そのため深く考えずに「一匹の蜘蛛」で良いと思われる。

 

しかし、その一方で幻影旅団は“一匹の蜘蛛”と言えるのか

(クロロ)が潰れても他の誰かが跡を継ぐ―それが蜘蛛だから“一匹”という表現は少しニュアンスが違う。

 

ただ「編集さんが適当に考えたであろう煽り文」について考えても時間の無駄の様に感じられる(たぶん大して考えていないというのもあるし、個人的に今の編集さんへの信用度や期待は極めて低い)

要は煽り文について考えを巡らすくらいなら、内容について考えた方がいいと思われる、ということだ(考えるべきところはたくさんある)

 

 

たぶん入らんだろうから、分割。

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