HUNTER×HUNTER No.391 感想
約4年…長かったですなぁ…。
冨樫さんの体調の事情もあるのでアレコレと言いづらいのだが、「1年に1回(10週)」くらいのペースで連載してくれたらありがたいところです…( ´・ω・`)
そして、今回の連載はひとまず10週掲載になりそうですね。
本日10/24時点で今回掲載される10話の内6話(No.396)までは完成しているが、1話(No.397)は加筆が終わりリテイク返却待ち、残りの3話(No.398~400)に関してはキャラのペン入れやセリフの清書は終わったが、まだ完成には至っていない様だ。
また、次の10話の内4話目であるNo.404の11ページ目までキャラのペン入れが終わった様ですが、今回の10週分の最後の話(No.400)が掲載されるのが恐らく1/16発売のジャンプ(7号)だから1日1ページ完成させても間に合わないのだろう。
そもそもセルフリテイクや加筆も結構な頻度でやっていらっしゃるので、現時点でペース的に20週掲載は難しいだろう。
ペース的には10週掲載後1度休載し、その3~5ヵ月後くらいに再開しそうな感じがするが、次の再開時には今回の連載分である38巻の単行本作業もある上、8/12頃の様に腰の症状が再び悪化する可能性もあるため、予測はちょっと難しいかもしれないですね。
―それにしても、今回の再開(10/24)と前回連載分が収録された37巻発売(11/4)のスケジュールには疑問。
冨樫さんの意向ではなく編集部の意向なのだろうけど、何でこうなったんだろう。
1話完結型の作品だったらさほど影響ないのだろうけど、今の王位継承戦編(?)は登場人物も多いし各陣営の描写が散りばめられているから10話分も情報抜けたら付いて来れないと思うんだけどなぁ。
今回カラーページの裏面に“これまでのあらすじ”が書かれてはいたが、その説明の中の人物誰一人として今週出ていないというところでも編集のヤベー感が漂う。
普通に「11/4(金)に37巻発売」して、その「翌週の11/7(月)発売の49号で再開」じゃダメだったのだろうか。
約4年も休載していたのだから再開が2週間くらいズレても大差ないし、一部の読者に置いてけぼりにせず再開できたのではないだろうか。
展覧会が10/28日から開催されるから、単純にそれより前の最短の号の発売日である10/24が選ばれたのか、
それとも本当は37巻の発売は10/4を予定していたが―8/12頃の症状悪化に伴って作業が遅れ―11/4に伸びただけなのか。
しかし後者だった場合「今回の連載分→単行本作業」じゃなくて「単行本作業→今回の連載分」の順番で作業するとか、症状悪化の時点で一旦締め切りの近い単行本作業を優先した様に思われるのだ。
それをしなかったことを思うと、単に展覧会のスケジュールに再開を合わせられただけな気がするけど、それなら単行本は10/4発売の予定でスケジュール組んでいた方が良かったんじゃないのかなぁ。
連載再開を素直に喜びたいのに、展覧会とかいう訳のわからないモノのせい―というより裏方の考えが足りないばかりに「100%嬉しい」とは言えない微妙な感情図だったりします。
あくまで「連載中の漫画」なのだから、その“漫画を追っている人達”を一番に優先すべきなんじゃなかろうか。
今週(No.391)と来週(No.392)の2話分、前回(No.381~390)までの内容わからなかったらまともに読めないでしょ。
一応私は前回分を切り抜いて保存はしてはいるものの、単行本で“大きな”修正が入っていた場合は解釈も変わってしまう可能性もあるから「単行本発売→再開」の順番にして欲しかった―と心から思う。
(※ひとまず37巻発売までは本誌連載分の情報に基づいた解釈で進める)
…あれ、もしかして未発刊の37巻分に関してはジャンプ本誌のバックナンバー(2018年43号~52号)を購入しろと暗に言ってる?
ゼブラックで(ジャンプ+でのバックナンバー購入は終わったみたい。ゼブラックでのバックナンバー購入ページには下記URLで飛べる)、
2018年分の項目をクリックして、
43号~52号を購入すれば、11/4を待たずして前回分を読めるんですか!?
(※加筆・修正を行う前なので単行本の内容とはちょっと異なる可能性あり)
でも、お高いんでしょう…(´・ω・`)?
何と!!!
ハンタファンの為に前回掲載分の本誌版をパックにして500ptで販売!!!!
(但し読める漫画はハンターハンターのみに限定されているので注意)
―なんてことはせず計2,500ptでバラバラで販売されています。
購入するにも1冊1冊で手間も掛かるし、正直ハンターだけが読みたい読者が買うだろうから他の漫画も必要ない。
せっかくのおめでたい日にも関わらず、汚い言葉が平気で出て来そうなので愚痴はこれくらいにして内容へ入る。
【No.391 ◆衝突②】
カラーに幽助さんが出て来ているけど、10/28から開催される展覧会の宣伝も兼ねたイラストの模様。
展覧会のキービジュアルでも、ゴンと幽助が並んではいるものの、このキービジュアルはあくまで各々別に描かれた一枚絵を編集ソフトで無理矢理縮尺等を合わせたものに過ぎず、今回のカラーは幽助がハンターの世界に居たらという感じで、ハンタの絵の感じにローカライズさせたものだろう。
ゴンとの色のバランスで赤色になったのだろうけど、幽助の学ランは緑の印象があるので少し新鮮だったかも。
また奥の化け物は頭の感じから、
初代の遺した壺を擬人化させたのだろうが、漫☆画太郎先生の画風っぽくてちょっと草。
ちなみに「壺」「ただのケンカしようぜ 国なんかぬきでよ」というキーワードだけで、巷を騒がせている社会情勢とリンクさせてハンタを語ろうとする人達が沸きそうなので初めに言っておくと、後者は「魔界統一トーナメントを黄泉に提案した時の幽助のセリフ」に過ぎないです。
■カキンマフィアの全面抗争
丸々1巻分の情報が抜けていると、なんのこっちゃ分からない人もいると思うので、蛇足かもしれないが今回の全面抗争までのカキンとマフィアの背景について触れたいと思う。
・マフィアとケツモチ(各王子達)の関係について
まず、普通は立場が逆だと思われる。
王子達がやらかした「粗相(問題ごと)」を、各王子達に付くマフィア達が暴力などで解決して、その代わりに王子達もしくは王家から金やら諸権利を得るのが普通だと思われる。
しかし、カキンの場合はそもそもマフィアのトップの存在が異質である。
各マフィアの現トップの3人は“二線者”という正当な後継者になれない国王の子孫(婚外子=愛人の子など)であり、産まれると同時に二枚刃で顔を割かれ、一生表舞台に姿を見せない事を条件に生存を許された特殊な存在である。
しかしながら、二線者達は“表舞台には立てない”ものの裏世界では十分な待遇が用意されており、今回の旅においても各王子達以上の積み荷の上限―王に次ぐ量―を許されている。
但し、その十分な待遇も“王権制度に従順である事”が絶対条件である。
つまり、形式的にはかなりの待遇を受けてはいるものの、実質的には何も権利を有していない存在がマフィアのトップに置かれているのである。
だからこそ、何の権利も持たない二線者達が何かの問題ごとの「ケツを持つ=尻ぬぐいをする」ことなど出来るハズもなく、権利を持つ各王子達が各マフィア達の行動の責任を持つ=ケツを持つ=ケツモチの役目を負っている、という構図なのだ。
そして各組ごとの“シノギ”を持ちつつ、これまでも組と組との抗争もしばしば起こっていたものの、カキンマフィアの喧嘩(カチコミ)の流儀に則ったものであった。
簡単に言えば、殴り込みや銃撃(ドンパチ)をやっても良いが、事前に組長に相談し組長同士で連絡を取り合い、金銭だったり命だったり体の一部だったり、基本的には被害者側の組長が「均衡」を考えて提示するという様なもので、“二線者達に与えられたごっご遊び”の様な側面を持っているとも言えるのかもしれない。
但し、二線者に与えられたごっご遊びにもルールがあり、組長連絡は事後承諾になる事が多いものの、“事”から24時間以内というのが暗黙のルールであり、「組長が縄張り(シマ)から離れた場所に居た」ことが絶対の流儀であるという。
“組長が縄張り(シマ)から離れた場所に居た際に起きてしまった”から、相手側の組長への連絡が“事後”になるのであって、もし組長が事件が起きた際に縄張り(シマ)に居た場合には、それはヨソの組長に銃弾(タマ)打ち込んだも同義―手打ちなしの―どちらかが潰れるまでの戦争となる。
これまでカキンのマフィア達は“二線者”たる立場を弁え、適度な“ごっこ遊び”に興じていたのだろうが、最近エイ=イ一家にて“とある掟やぶり”でモレナ=プルードが組長に就いたという(詳細は明かされていない)。
「シャ=ア一家の組長」と「シュウ=ウ一家の組長」は当然それを良くは思ってはいなかった。
そんな時、今回の旅の船内に“流星街からもはみ出した異形の集団”である幻影旅団がいることが分かり―盗賊である彼らが船内にいる理由など聞くまでもなく―厄介な者同士、エイ=イ一家と幻影旅団はいつかは潰し合いをするだろうと思いつつ、その「いつか」を上手く調整しようとしていた。
そして、旅団は裏の目的が透けていたものの、それよりもまず船内で「ヒソカ」という男の捜索を優先していることを知る。
旅団よりも先にヒソカを見つけ、その情報を貸しにしようと「シャ=ア一家」も「シュウ=ウ一家」もヒソカ探しを始めるのだが、そんなときに殺人事件―被害者には組員や一般人も含まれるテロが勃発する(当然、事後連絡もなければ事件を起こした組の長がどこにいるかも不明)。
BW号は新大陸への旅立ちという世紀の大偉業の最中で、王位継承権を持つ王子達からすれば「20万を超える乗客らは“祝福の一人御子”となるまでの贄」にするのも王子の選択・自由なのだろうが、当然二線者達にはそのようなことは許されていない。
今回のテロを起こしたエイ=イ一家の組長・モレナ=プルードは、自分自身を含めこの世の全てがどうでもいいと考えていた。
“勝手に産み、疑い、怖れ忌み、傷付け、許す”
そんなバカげた自分の生を、それを強いるカキン王家を、そしてそれを許容する世界を恨んでいた。
モレナは事前に集めていた22名(=書類上は構成員ですらなく一般人)に念能力を授けテロを勃発させた。
それは他の組からすればルール無視の戦争であり、王権制度への反逆に他ならず、「シャ=ア一家」も「シュウ=ウ一家」もモレナ殺害を画策する。
そして、モレナの起こす行動のケツを持つべき王子・ツェリードニヒも今回のモレナの反逆を知り、モレナ殺害を指示・自身も念の修行が終わり次第動くと宣言をした。
それが現在起きている、BW号内でのマフィア達による全面抗争である。
マフィア達が戦争中は下部組織のチンピラ達はどの組にも協力しないのが流儀のため、情報収集としてチンピラを使っていた旅団員達はさっさと戦争を終わらせたい。
戦争を終わらせるにはエイ=イ一家の頭を殺るのが一番早く、その頭(モレナ)とケツモチの第4王子(ツェリードニヒ)の関係が良くないなら、モレナを殺せば感謝の1つも受けられるかもしれない(=未探索の3層以上への通行許可が出る可能性を期待?)。
加えて、そもそもマフィアの管理区域はマフィアの許可を得た方が手間が少ないこともあり、旅団(特にノブナガ・フィンクス・フェイタンの3名)と第5層を管理していた「シャ=ア一家」は一時的に手を組むこととなる。
「シャ=ア一家」「シュウ=ウ一家」の構成員にも念能力者がおり、まだモレナから念能力を授けられたばかりの「エイ=イ一家」の者達よりも優位ではあろう。
しかし「エイ=イ一家」の者達は殺した相手(一般人=+1、能力者=+10、王子=+50)や、人数に応じてレベルが上がり、レベルが上がるとオーラの総力や威力を増していき、レベル20を超えると独自の能力が発現、レベル100に達すると―モレナがそうした様に―更に能力者を増やすことも出来る様になってしまう。
―と、そんなところが未発刊の37巻情報を含めたマフィア抗争の概要でしょうか。
旅団員もそう簡単には負けないでしょうが、能力の相性や特化した性質によっては“本気を出させる=能力お披露目”の機会もあるかとちょっと期待しています。
■ヒンリギ=ビガンダフノは強いのか?
今回、拳銃を受けても無傷だったのでその強さが気になった。
非能力者よりは遥かに強いし能力も便利な部分も多いのだろうだろうけど、念能力者としてはさほど強くなさそうというのが個人的な印象。
エリンギだとかヒリンギだとか、ビガンダノフの方が言いやすくて未だに名前が覚えられないのは置いておくが、最近の神の声(ナレーション)にしては珍しく念系統が「具現化系」と明かされている。
能力は、オーラではなく実際の物体を大元の材料とするツボネ式具現と、それを強制する操作系の2系統に跨るものの様に思われる。
(当ブログでは「単純にオーラやオーラ物が体から離れた=放出系の力が必要」とは考えていない。→参照:放出系)
また「触れた“機械や武器等”を元の機能を有したまま生き物変えて操作する」とNo.390(37巻収録予定)で触れられていたが、今回は「“手錠”を鳩に変えて」いた。
機械や武器が“多い”程度の意味合いなのか、“手錠の様な拘束具”も武器の一種としてヒンリギが認識しているのか、はたまた大元の能力説明の文言が単行本では微妙に修正されているのかもしれない。
ひとまず2番目の考えでも通りそうな気がする。
―さて、今回の描写を考えるに際し「拳銃VS念能力者」についての既存の描写について確認する必要がある。
念での防御を考えるにあたって、
BP(生身の肉体の強さ)+(DP(纏~硬)+SP(発))×MP(制約と誓約)
4点式もしくはMPは除いて3点式で考えるのが良いのだろうが、実は難しい。
クラピカ大先生は、
“9mmパラレベルだと「凝」でガードしても無傷ですまない威力”
とは言っていたものの、
過去に―使われた拳銃が何かは明確ではないものの―鎖で完全に防いだ実績があるため、具現化系能力を用いる術者はAOPが具現化物に割かれてしまうため、「BP+DP(凝←具現化物により使用可能なAOP減少状態)」だけでは無傷では済まない=自分に向けられた場合は鎖を使う必要がある=ヒュリコフらの前で能力の一端を晒す必要がある、という意味だったのかもしれない。
その一方で、戦車を一発でオシャカにするというスーパーバスーカ砲に耐える強化系能力者もいるかと思えば、怪我はしていない様だが9mmパラでかなり痛がっていた強化系能力者もいた。
あの時のウヴォーは恐らく「凝」や「堅」ですらないが(股の間のオーラに隙間があることから恐らく「纏」)、さすがにDP強化の発を用いていると思われる(BP+DP(纏)+SP(DP強化))。
一方、同じ強化系能力者ではあるが、協専のビルは描写的には「纏」にも見えるが(股の間の隙間から)、クラピカ曰く彼は男性では珍しい「補助型の能力を持つ強化系能力者」であり、そもそも協専のハンター達は戦闘力を買われた存在ではなく、過酷な未知の環境に必要な特殊技能を備えた暗黒大陸探検向きの専門家であるから、相手を殺傷する目的で念を修めた者とそうではない者を比較するのは酷に思われる(BP+DP(纏or凝?)+SP(DP強化)もしくはBP+DP(纏or凝?)だろうが判断が難しい点も多々ある)。
第1王子ベンジャミンの私設兵であるヒュリコフは、王子から「攻撃するな、カミーラを通せ」という恐らく予想外の指示に戸惑っていたところを狙われたことに加え、念系統は明かされていないが観察に長けた様子等から強化系ではない様に思われる(BP+DP(纏)?)。
今回の描写について深く考えなければ「ヒュリコフ<ヒンリギ」の様な力関係がほんのり浮かぶが「ホンマでっか?」と私のゴーストが囁く。
カキン王族達は銃撃を受けても無傷ではあるものの―恐らく参考にならない。
第9王子ハルケンブルグが自殺を図った際、ナスビーとハルケンブルグの視点では中空で弾丸は止まっていたが、それは「儀式の当事者は守護霊獣が視認出来ない」という制約で描かれた二人の視点に過ぎず、実際にはハルケンの霊獣によって防がれていた。
ナスビー国王の場合も、自身の守護霊獣によって護られていたのかもしれないが(それが視えていないだけ。また具現化物は特定の物体を透過しつつ、特定の物体に干渉できうる)、
“ワシはもう儀式の一部ホ”
“役割があり、それが終わるまで死ぬ事もないホ”
と自身で話していた様に特殊な制約下にあるためという可能性もあろう。
上述のヒュリコフを傷つけたカミーラの拳銃に対し、
全くの無傷であった第1王子ベンジャミンも判断が難しい。
初登場時、ライオンと素手で戯れていたことからも「強化系に近い特質系能力者」の可能性もあれば、「(強化系は得意ではないが)AOPが多い特質系能力者」の可能性もあろう。
あるいは、ベンジャミンから反撃されて死ぬために「絶」状態だったカミーラ(=霊獣出せない状態)に対して、当然「絶状態ではない」ベンジャミン(=霊獣出ている状態)の対比のために、拳銃で撃たれた際に周囲にオーラ描写があるだけに過ぎないのかもしれない。
むしろ守護霊獣は「霊獣の憑いた人間を直接攻撃はしない」ものの、ハルケンの時の様に自分の憑く王子に危険が迫れば守る行動を取ることこそが役目であるため、恐らくこの時もお互いの視線で描かれているため視えないだけで、霊獣が弾を防いだという描写かと思われる。
―さて、拳銃と念能力者の各描写(一部)が確認できたところで今回の描写に戻るが、ヒンリギは明確に「具現化系」と神の声で言われているため強化系能力は最大でも60%の威力・精度でしか扱えず、具現化系能力を併用しているから、防御に使用できるオーラも少なくなっているハズである(具現化系は放出系と対極にあるため、基本的にはAOP型)。
にも関わらずヒンリギは痛がる様子も、怪我を負った様子もないが、「この手の争いに慣れている(=強化系の威力・精度は理論値)」だとか、「痛みを感じない体質」といったような特殊な体質の可能性もあるのかもしれない。
ただ、“スーツ自体も一切傷が付いていない様子”で、銃弾が当たった際の音が「ギィンッギィンッ」と表現されていたことが個人的に気になった。
ビルもスーツ自体は傷ついた様子はなかったが、痛みは感じていた上(=銃弾の攻撃力の方が高い)、銃弾を防いでいた際の音は「ボッボッボッ(着弾時)」や「ギュウウ(銃弾の威力が次第に減衰している時?)」というものだった。
また、銃弾は完全に防いだ一方でお手手ドリル相手には左手を貫通されている。
銃弾VS手錠鳩は―
銃弾:V(速度)×BP(弾の固さ) < BP(手錠の固さ)+AP(周?)+{具現:(AP(?)+SP(APと同量))×MP(?)}:手錠鳩
―片やオーラを帯びていない銃弾と具現化物(元の素材は手錠)のため、特段違和感は感じないが、
銃弾VSヒンリギでは―
銃弾:V×BP < BP+AP(堅?):ヒンリギ
―クラピカの“凝でガードしても無傷ですまない威力”を言葉通りに採るとヒンリギが具現化物で使用できるAOPが減少しているということもあって、かなり強い様にも感じるが、
お手手ドリルVSヒンリギでは―
ドリル:V(回転速度)×{AP(凝?)+具現:BP(肉体の固さ)+(AP(?)+SP(APと同量))×MP(?)} >BP+AP:ヒンリギ
―容易に手を貫通されてしまっているが、ヒンリギはある程度強いならば多少の傷は負うものの貫通されるまでには至らずに、いなしたり、弾いたり出来る様に感じられたのだ。
最初のコマでは―クラピカが鎖で銃弾を防いだ様に―服の下に何か防刃・防弾の役目を果たす生物を巻いているのではないかと感じた。
しかし、スーツ自体に損傷がない様に描かれているため―そこまで細かく描写していないだけかもしれないが銃弾が当たっている時の音がギィンッギィンッであることからも―「元々が手錠の様に固い物体」を例えば「蚕(かいこ)」に変え、その蚕が吐いた糸で作った「特別製のスーツ」なのではないか、というのが今のところの印象。
そうして、ヒンリギが“念能力者として強いかどうか”だが、“弱くもないが、決して強くはない”レベルかと思われた。
まず、ドリルの攻撃を普通に受けて左手貫通という重症を負っているのが頂けない。
エイ=イ一家の者達は“書類上は一般人”の様で、仮に義手部分の武器を闇物資に紛れて持ち込んでいたとしても腕にドリルを装着して公共の場を往来はできないだろうし、実物のドリルを装着したまま乗船できるハズもないだろうから、あの武器は「具現物=自身と近しいタイプの能力」と判断出来るだろう。
作中でも念能力者の強さの1つに“思考の瞬発力”が挙げられていたが、自分と似たタイプの能力者ならば、具現化できるものが“複数”ある可能性も想定できえ、“拳より小さい武器”に変えれば手錠も簡単に抜けられることも想像できよう。
また、円が半径5mほど使える様だがそれはどうも平時に限られる様に思われた。
円を展開中にあそこまで接近されてしまうまで気付けないのでは円の意味がなく、「ギュイ゛イ゛イ゛ッ」というドリルの回転音で気づき咄嗟に防いだのだろう。
念に目覚めたばかりの者の攻撃が、
各所で触れられてきた様な念での戦いでの速度があるとも思えず、ヒンリギの対応力は決して高くない様に思われた。
そもそも具現化物には何らかの能力(操作条件など)を付与しているケースが多く―ヒンリギは相手がモレナによって念を授与されたばかりということも知らない以上―無暗に受けないのが無難であろう。
もし、このドリル男が騒動の首謀者(ボス)ならば「肉を切らせて骨を断つ」作戦もありだったのかもしれないが、首謀者は別に居て、これから多くの戦闘を控えていることも分かっている中で「手に穴を空けられてしまうのは…」というのが素直なところ。
あくまで現時点での印象なので、今後、上記不安材料をひっくり返す情報が出て来る可能性もあるだろうから今後のヒンリギさんに注目。
これまで念能力者とのガチンコでの戦闘経験が少なかっただけで、モレナ一派との戦いの中で急激に成長するかもしれませんしね。
■念を込めた銃の存在(?)
現状では、
銃:V(速度)×BP(弾の固さ)
という、こちらの世界と同じ使われ方をしているが、
念+銃:V(速度)× {BP(弾の固さ)+(AP(周)+SP(BP強化やAP強化、あるいはEOP化))×MP(?)}
という、念を込めた銃の使い方はされないのだろうか。
以前、中長期の集団戦では“実物の銃を念弾用として携帯するよりも断然戦闘効率がいい”と触れていた様に、実物の弾にオーラを込めて使うと銃の消耗率が高い(ex:念不使用時1万発撃てる耐久度→込めるオーラ量に応じて耐久度減少)だとか、
弾だけでなく銃にもオーラを込めると、
GIのドッヂボールの中で示されたように威力を殺してしまうのだろうか。
中長期の戦いでは実物の武器では使えなくなってしまう(武器が無くなる)可能性があるが、念の武器ならば再具現ですぐに補充可能なため断然戦闘効率が良いということは分かるが、“短期の戦い”ではどうなのだろうか。
すぐに銃がダメになってしまうかもしれないが、銃を念能力者相手でも殺しうる武器にできる様に思われるのだ。
今回登場したエイ=イ一派の中に放出系と強化系の能力者がいたが、弾にオーラを込めていたら―手錠が元の鳩が硬かった様に―威力を増すことが出来、ヒンリギを倒す…までは行かないかもしれないが、戦況は大きく違ったのではなかろうか。
もちろんのこと一定以上の念能力者相手の前にはその程度では無力なのでしょうが、マフィアの抗争レベルならば十分効果的に思われるのだが…積み荷の制限の影響で各組共にそこまで拳銃は多くはないのだろうか。
今のところ、明確には分からずにいる。
■モレナの能力について1
ちょこっと疑問に思っていたのだが、37巻の表紙を“単独”で飾るからにはカキン王族級のキーパーソンなのかな、と改めて感じた。
そしてモレナの能力の“概要”に関しては36巻(No.378)にて明かされたが、発症者(メンバー)が増えた際にモレナのメリットの様なモノはないのだろうか。
モレナは「自分自身を含めてこの世の全てがどうでもいい」とは言っているものの“糞溜めみたいな世界を壊すため”、“カキン王家に復讐するため”にこの能力を作ったのだろう(恐らく能力の性質的に特質系だろうから“出現した”のかとは思われる)。
もし、本当に“全てがどうでもいい”のなら「復讐」じみたことをする必要もないだろうし、カキンの様に「死後の念」が独自の発展(?)を遂げている国で生まれ育ち、二線者だとはしても王家の血を継ぐ者なら、能力授与後に自ら死ぬことで能力を強めることも出来たのではなかろうか。
モレナの言う“どうでもいい”は、“「復讐が果たせるなら」自分を含め周りがどうなったってどうでもいい”という意味合いに過ぎず、復讐は果たしたいし恐らくそれを見届けたい―“それが出来るなら”全てがどうでもいいという考えの方が近いと思われる。
モレナの能力は―、
食べた生物を掛け合わせ自分の子供の様に作り変えることが出来、与えた栄養に応じてより強くすることの出来たキメラアントの「摂食交配」、他者の能力者開発が出来たプフの「授翼(仮)」や、対象者物の成長を促す事が出来るビルの「球根(ハルジオン)」
―といった既出の能力に似た部分もあるが、個人的にはネズミ産式に念能力者が増える様子からネズミ講に近しい印象を受けている。
そしてネズミ講は下層は吸われ続ける一方で、基本的には大元や初期メンバーのみが利益を得られる構造となっているものが多い。
「摂食交配」は他の生物に比べ多様な個を持つハズの人間蟻が、女王生存中は「ある行動をする様に/あるいはしない様に」仕向けられていたことから恐らく要請型の操作が組み込まれていたのかと思われる。
但し、実際にジャイロが強靭な意思をもってして逃れることが出来た様に、「半強制型」や「強制型」に比べて操作強度が弱い「要請型」は失敗の可能性が残されている。
モレナの能力においては、今のところ「要請型操作」が含まれていると確信を持たせる様な描写もなく、当然「半強制型」や「強制型」の様な強い操作状態に陥っている様子もない。
仮に「要請型操作」が含まれていた能力だったとしても強靭な意思でもって抵抗される可能性はある上、自分が念能力を授与した発症者(メンバー)が順調にレベルアップをしていきレベル100に達成した時には、その者もモレナと同様に独自の感染集団(コミュニティ)を形成出来る様になると言われており、気が大きくなった飼い犬に手を噛まれるどころか、噛み殺される可能性もあろう。
そうなった場合、モレナはカキン王家への復讐を見届けることなく死ぬことになる。
特質系能力は、恐らく術者の本質的願望を無視して成就することはなく、むしろ―とんでもない返しが付いて来る可能性はあるが―本質的願望が成就される様に思われる。
以上のことから、モレナの能力は発症者(メンバー)が増えれば増えるほど、レベルアップした発症者(メンバー)が独自の感染集団(コミュニティ)を形成すればするほど、ネズミ溝の様に“大元”への見返りがある様に思われるのだ。
カキン王家の王位継承の儀が「蟲毒」を模しており、
一度蟲毒で勝ち抜いた前王でさえも次王を選ぶ継承の儀の際には役目があること(中央のポッドにエネルギーが集まる様な装置で、周囲には14基の棺がある=中央に入る者を含め15人必要で現王子は14人)から、古代から続くカキンは王位継承の儀を経た王や王子達を何百、下手すると何千と折り重ね、“強い王”とそれを支える“霊獣”を造ってきたのかと思われる。
モレナが王位継承戦や壺中卵の儀についてどこまで知っているかは現状不明だが、BW号には約20万人の贄がおり、ハンター協会員や流星街のはみ出し者を含め、強い力を持っている者達もいる。
もし、モレナの「恋のエチュード(サイキンオセン)」にネズミ講の様な性質―モレナ式の壺中卵の儀?―があるならば、最終的にモレナはカキンが古代から儀式を経て得た力を超える可能性もあるのかもしれない。
一方でナスビー国王の“役割”なるものが―
今回の王位継承戦を勝ち抜いた最後の王子への“力の継承”なのか
実は王位継承戦が初代カキン王(自分自身)の魂を乗り移らせるための儀式で、勝ち抜いた最後の王子、“より強い器への乗り換え”なのか
―何なのか分かっていないが、ひょっとすると、
王位継承戦を妨害する外部の敵が現れた際にそれと対峙すること(それがなければ、“力の継承”をするだけ)
なのかもしれないと、ふと妄想を巡らせてしまう。
■モレナの能力について2
先日の系統分類の不明の項目で触れた部分なのだが、モレナの力で念能力に目覚めた者の念系統はどうなるのか。
レベル100になれば、メンバー0として独自の感染集団を形成出来る様になるというか、例えば生まれ付いた念系統が適当に「放出系」だとする。
そして、非能力者の念を目覚めさせるまでは―
―100歩譲って出来るにしても、念を目覚めさせた者が殺した相手や数に応じてレベルアップして、特定レベルになると能力を開花し、MAXになるとさらに同じことが出来るようになるなんてマネが出来るのだろうか。
そのため今回の再開までは、
モレナから念を授与された時点で、強制的に系統が特質系に変わる(元の系統から最も近い2系統の間の特質系)
あるいは
メンバー0になった時点で、強制的に系統が特質系に変わる(〃)
のではないかと考えていたのだが、今回のモレナ組の3名の念系統が―少なくとも現時点では―特質系以外であることが示されことに加え、
“(モレナが)ゲームマスターとして、オレ達の動向を把握してても不思議ないっしょ”
という匂わせ発言があったこともあり、
モレナの「恋のエチュード(サイキンオセン)」は
―クラピカのステルスドルフィンと同じ「貸与型の特質系能力」で―
発症者(メンバー)に“自身の能力を貸しているだけ”
なのではないかと感じた。
キメラアントの種として能力「接触交配」を継承している蟻は恐らく特質系だと私は考えているのだが、
ザザン…審美的転生注射(クイーンショット)
ヒナ…除念
シャアプフ…授翼(仮)
潜在的に「接触交配」を“継承”していたとしても、思えばその者の願望に応じた変化が生じていたのだ。
そのためもし、発症者(メンバー)が特質系に後天的に変わって「恋のエチュード(サイキンオセン)」を望んで“継承”したとしても、全く同じ考えの者などいないのだから、その微妙な違いによって能力は変質していってしまうのではなかろうか。
しかし、それだと最悪の場合「モレナは22名の念能力者を産み出し多少の人を殺して終わってしまうだけ」なのではなかろうか。
そうして1つ上の項目(モレナの能力について1)に繋がるのだが、これがモレナの能力の本当の力なのではなかろうか。
恐らくほぼ「壺中卵の儀」と同質のものかと思われる。
壺に血の継承を証し(モレナに忠誠?を誓い)、王即位への思いを念ずることで(世界を、人を壊したいという思いを念ずることで)、壺の精?が初代カキン王の力のカケラ?(=卵)を授け(モレナが唾液を与え)、特別な能力が授けられる(念能力に目覚める)。
王子達に与えられた卵はその者の人となりに影響を受けた形態・能力に変貌するが(レベル20になると独自の能力が発現するが)、霊獣は自身が創り出したものではないため、自分の意志で動かすことは出来ない(“サイキンオセン”は自身が創り出したものではないため、自分の意志で発動できない=モレナが発動させる)。
霊獣が得た王子達は争い最後の1人になったところで王が誕生する=中央のポットの周囲に14基の棺があることから、最終的に前であるナスビーが持つ霊獣(初代カキン王の力のカケラ?)を含め、貸し出された力を再び1つにすることで、各王子のオーラや継承戦で霊獣が得た経験は“これまで以上の強い王”を生む。
恐らく最後をモレナに当てはめるなら発症者(メンバー)達が多くの人を殺し得た力や経験は、築いた独自のコミュニティの分も含めて最終的にモレナに集約される―となる様に思われる。
現時点では不明点も多く妄想でしかないのだが、ひょっとするとモレナさん「壺中卵の儀」に関してその全てを把握していたりして…。
■巻末コメントについて
巻末コメントは最初にサクっと触れる程度の予定なのですが、ちょっと内容が重くてこれに触れた後だと感想を書くテンションを保てなくなってしまうだろうなと思って最後に回しました。
・巻末コメント
作品名に関するジンクスで、「お互い入ってるね」と談笑した思い出。安らかに〈義博〉
恐らく、これは7月に亡くられた「遊☆戯☆王」の作者、高橋和希先生への言葉ですよね…。
時期や各々のヒット作から「遊☆戯☆王」と「幽☆遊☆白書」のことかと思われ、作品名に「☆」が入ってるヒット作品が当時はそこそこあったから、“☆がタイトルに入っていると売れる”みたいなジンクスがあったんですかね…。
高橋先生の訃報がニュースになった7/7時点では、
「シュノーケリングの器具を装着している状態でうつ伏せで漂流しているのが発見された」
「遺体発見の現場から12キロ程離れたビーチに近い農道で借りていたレンタカーが発見された」
「1人で沖縄を訪れていた」
などの情報しか流れておらず、1人でマリンレジャーをしている時に何かしらの事故が起きてしまったのか、と思ったんですが違ったんですよね。
その数日前に少女とその両親の3人が海に流され、結果的には両親は自力で助かり、少女は救助に向かった米兵に助けられたものの、その後「日本人風の男性が救助に向かうのを見た」という証言があって、当時の高橋先生の服装や特徴から、“高橋先生は人命救助に向かっている最中に何かしらの事故で亡くなった”と判明したのだ。
海上保安庁は経緯を把握していたものの少女の心のケアを優先して、高橋先生のご家族とも相談の上、事実の公表を控えていたのだとか。
子供達に夢を与え続けた先生が、子供を救う為に起こした行動の末に亡くなったというのは…誇らしくもあり、やるせない気持ちになってしまいます。
高橋和希先生のご冥福をお祈り申し上げます。
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