あなたのココロ、治します。 -50ページ目

シナリオ14「帽子」

○寂れた街
   寂しげな老人、岡本利政(が力無く街
を歩いている。吉田帽子店と書かれた
薄汚い看板が目に入る。
利政の心の声「ほう、こんなところに帽子専
門店があるなんて知らなかったのう。ひと
つ入ってみるか」
   利政は古めかしい帽子店のドアを開け
る。店員はいない。ふとグレーのニッ
トの帽子が利政の目に入る。
利政の心の声「ほう、いい帽子があるもんだな。ひとつ買い求めるか」
   帽子には値札がついていない。そのか
わり「魔法の帽子」というタグがついている。利政はつぶやく。
利政「魔法? そんなものがあるわけないさ」
利政「おーい」
   利政はカウンターの奥に顔をつっこみ
店員を呼ぶ。奥から店主(がでてくる。
利政「この帽子が欲しいんじゃが値札がつい
とらんよ」
店主「それは魔法の帽子です。値段はお客様
に決めていただいております」
利政「どんな魔法があるというのじゃ?」
店主「それはお買い求めになってから体感し
てください」
   利政はよくわからないように首を横に
振りながら
利政「いくらでもいいのかね」
店主「はい」
利政は財布をのぞき込む。千円札が五
枚ほど入っている。
利政「千円でいいかのう?」
店主「お買いあげありがとうございます」
   店主は茶色い紙袋に帽子を入れて千円
札一枚を受け取る。
店主「またのご来店をお待ちしております」
   利政は店をあとにする。歩きながら
早速紙袋を開いてニットの帽子をかぶってみる。すると利政の顔が急にほころび、自然にスキップし出す。
利政「なんて気持ちのいい帽子なんじゃ。妻
に先立たれて三年、こんなに気分が良くな
ったのは初めてじゃ」
   通りを行き交う人々がみんな利政に笑
顔を見せる。人々が利政に声をかける。
人々「こんにちは、おじいさん。ニットの帽
子が素敵ですね」
利政「やあこんにちは。今日は気分がいいの
う」
   利政にはたくさんの友人ができ、社交
ダンス教室に通い出す。そこでも利政
はみんなに愛され友達がどんどん増
えていく。

○社交ダンス教室
   利政はニットの帽子をかぶりダンス教室に赴く。その途中で風に飛ばされ帽子がどこかへ飛んでいく。しかし利政は相変わらず多くの友達と楽しくダンスをする。
   
○竹内家(
   竹内優子(が暗い表情をしている。そ
こに竹内守(が帰ってくる。
優子「おかえりなさい。ずいぶん遅かったの
ね」
守はややまごついて
守「最近決算期だからさあ、残業ばっかりなんだ」
優子「それ、嘘だってこと、あたし知ってる
のよ」
   守、動揺を隠せない様子で
守「何言っているんだ。お前のためにがんば
っているんじゃないか」
優子「ずいぶん女の香水臭い職場なのね」
   守、あわてる。
守「今度のクライアントが人材派遣会社でね。
女性が多いんだ」
   優子、毅然とした表情で
優子「はっきり浮気してるっていってみなさ
いよ!」
守「浮気なんてしているわけないだろう」
優子「毎週金曜日だけは遅いのね」
守「だから決算期だって」
優子「女と性欲の決算でもしてるの?」
   守、逃げるように
守「今日は疲れたから休ませてくれ」
   優子、怒りを露わにして
優子「勝手に休めば! もう同じベッドには
寝ないわ」

○ブティック
   優子がストレス解消に服を買いあさっ
ている。レジで買い物を済ます。ブティック店員(がチェッカーを動かしている。
ブティック店員「二万八千五百円です」
   優子、クレジットカードを取り出し、
優子「ちょっと買い物し過ぎちゃったかしら」
   カードを店員に差し出しつつ、レジ横
に置いてあるニットの帽子を見つけ
る。
優子「あら、かわいい帽子じゃない。おいく
ら?」
店員「これはいつの間にかここにおいてあっ
たんです。商品ではないのですが落とし物
でもないようで」
優子「あたしこれ欲しいわ」
店員「どうぞ、お持ち帰りください」
優子「ありがとう。また来るわ」
   優子は帰り道の途中で袋を開け、帽子
   をかぶってみる。
優子「あら、なかなか気持ちいいわ」
   その週の金曜日は守が早く帰ってくる。
優子「あら、ずいぶん楽な決算だったこと」
   守、沈痛な面もちで
守「ごめん。正直に言うよ。浮気していたの
は事実だ。でももうしない。優子の存在の
ありがたさに気づいたよ」
優子「まあ、なんていまさら」
守「これからは優子だけを愛していくから許
してくれ」
優子「ずいぶん素直になったのね。いいわ。
許してあげる。そのかわり今度浮気したら
離婚するわよ」
守「わかった。約束は必ず守る」
   二人が愛し合っているうちにニットの
帽子がベランダからふわりと飛んで
いく。
   
○内藤家
   内藤勝(が暗い顔をして玄関に向かう。
勝「本当に学校に行かなきゃダメ?」
   内藤静子(が当たり前のようにランド
セルを持ってくる。
静子「小学生なんだから小学校に行くのは当
然でしょ」
勝「でも諭がいじめるんだよう」
静子「あんたが弱虫だからいじめられるんじ
ゃないの。いじめっ子にはいじめ返せばい
いのよ。さあ、いってらっしゃい」
   勝は無理矢理家を追い出される。とぼ
とぼと学校へ向かって歩き出す。学校
に着く途中で小田諭(に出会う。
諭「よう、弱虫。今日もたっぷりいじめてや
るからな。楽しみにしてろよ」
勝の心の声「なんて嫌なやつなんだ。いつまでもいじめられ続けてたまるか!」

○小学校の教室
   諭がリーダーのいじめっ子集団が休み
時間に勝の元にやってくる。
諭「よう、勝。相変わらず負け犬人生送って
るなあ」
勝「負け犬だと? 言ってくれるじゃねー
か。どっちが負け犬だか勝負しようじゃね
ーか」
諭「なんだと? おい、こいつやっちまおう
ぜ」
勝「手下がいなけりゃなにもできないのか?」
諭「なんだと? よし、今日はさしで勝負だ」
   諭が勝の顔を拳で殴る。勝は後ろに倒
れる。尻餅をついて起きあがることが
できない。
諭「なんだ。やっぱり口ばっかりじゃねーか。
もっと鍛えてから勝負しにこいよ。おい、
いくぞ」
   諭は手下を従えて去ってゆく。勝はま
だ起きあがることができない。鼻血を
出している。勝がつぶやく。
勝「ちくしょう。気持ちではあんなやつに負
けていないのに」
   休み時間が終わる。勝はやっと起きあ
がり、自分の席に着く。机の中に何か
ごわごわした物が入っているのに気
づく。
勝の心の声「なんだろう」
   勝がそっと机の中の物を取り出す。ニットの帽子が勝の手の中にある。
勝の心の声「誰のだろう。でもとっても素敵
だな。僕の机の中に入っていたんだ。僕の
物にしちゃおう」

○帰宅途中
   勝はニットの帽子をかぶってみる。勝
はつぶやく。
勝「なんて気持ちのいい帽子なんだろう。心
がスカッとするし頭の回転がよくなってい
る。体中にエネルギーがわいてきた」

○小学校
   T翌日
勝「よう、諭。今日こそ勝負だ」
諭「なんだまだ懲りてねーのか」
   勝の右ストレートが諭の顔面をとらえ
る。諭は吹っ飛ばされて立ち上がれな
い。
諭「俺が悪かった。これからは仲良くやっていこう」
   帽子は風に乗って飛び去る。

エッセイ47「NHK学園で勉強しよう!」

お昼頃玄関のチャイムの音で目が覚めた。どうせ宗教の勧誘だろうと思って起きる気なし! でもそれはNHK学園の教材を持ってきた宅急便でした。出ればよかった。ところで皆さんNHK学園って知ってます? 僕はある本にちらっと書かれているのを見て、「こんな学園をNHKがやっているんだ」ということを知ったのですが、要するに通信教育学園です。通信教育大好きな僕としてはホームページを見て鼻血を出しました。魅力的な講座の数々。特に「木村治美のエッセイ講座」、「文章講座 錬成」「自分史 半生記」が魅力的でした。これを見たときはひまでひまで仕方がなかったものですから通信添削三昧の日々を送ろうと文章講座と自分史を申し込んだのです。今シナリオと小説の講座を取っているので合計四講座やろうと思っていたわけです。ところが、太田出版からゴーサインが出たために原稿を書かねばならなくなりました。そうすると四つもやってられないことに気が付いたわけです。すぐ電話してクーリングオフしてもらって、ついでに受講料が引き落とされているか確かめに自転車で銀行へ行ったり。
教材は週明けに返送します。中身を見てみましたがなかなか面白そうです。そんなわけで「自分は今原稿を書くべき時期なのだ」ということをやっと思い出して書き始めました。なかなかどうしてのってきました。

今日の日記「風邪をひいております」

こんばんも。
風邪薬のせいで眠いジョー!

今日のニュース。
ライブドアのコーチに権藤氏ら=近鉄の現職コーチ4人も-プロ野球再編
2005年からプロ野球に新規参入を目指しているライブドアは1日、オーナー会議で参入が承認された場合のコーチングスタッフ を発表した。(スポーツナビ)

僕は権藤さん、好きなんですよぉ。ピッチングコーチにしてほしいですね。自分が現役のころ、こき使われて肩を悪くしてしまったそうで、そんな経験から投手を大切にするようになった人なんだそうです。寡黙で、謙虚で、僕は好きですね。監督が元阪神のオマリーっていうところはいまいちよくわからないんですけど(笑)。

今日の自分。
昨日の夜からはじめた文学賞作品の印刷などの作業、結局朝の8時までかかりました。なんでそんなに時間を食ったかというと、PC内に自分が書いた文章がごちゃごちゃに並べられていて、それが許せなくて整理をしつつ作業をしたからなんですね。

2004年に書いた小説は全部で12本。題名だけ違っていて中身が一緒のヤツもありそうです。そこまで見ていられません。内訳、短すぎて賞に出せないもの2本、既に出品したもの4本、今回出品したもの3本、未投稿のもの3本です。

少し読ませろという声が聞こえてきそうですが、ダメです(笑)。だって賞に引っかかるかもしれませんもの。それに恥ずかしいし。『それでも人生に』を読んでああ、この程度かとお察しいただきたいです。宮部みゆきの才能がうらやましい。森村誠一の才能がうらやましい。村山由佳の才能が、内田康夫の才能が、綿矢りさが・・・。

別に村上春樹級の国民的人気作家になりなんていっていません。駄作でもいいから量を生産できる人になりたいです。職業作家というヤツですね。

まあそんなわけで8時~14時まで寝ました。起きてすぐ病院へ。今日は頭オカシイ人の病院です。風邪をひいているのでついでに内科の診察も受けました。精神科のほうは薬のみにしました。待つのが嫌なので。それに主治医は午前中しかいないし。

内科の診察はテキトーでした。普通風邪っていったらのどの奥が炎症を起こしていないか「はい、あーんして」ってやりますよね。そんなこと一切やらない。のどが痛いですか、せきが出ますか、うがい薬出しましょう、トローチ出しましょう。

ものの1分ですね。その割には薬がどっさり出ました。7種類。3日分。せっかくだから全部消費してやろうと思っています。僕は薬の多さに懐疑的になったりしません。薬大好きです。また病院の風邪薬は効くんだこれが。市販の風邪薬はほんとにダメですね。効かなかったよコンタック!

そんなこんなでお昼の分の薬を飲んだら眠くなりました。一眠りして右京散歩。そうそう、右京が交尾をしたっていう話、読んでくださいましたか? 2カ月前にしたんです。サミーちゃんという柴の女の子です。そのお母さんが「右京ちゃんの子供がほしいほしい」というのです。

生理が来た時に交尾させたんです。でも今回は妊娠しなかったそうです。また生理が来たときによろしくねっていわれたそうです。まあ右京にとっては減るものでもないし、何回やってもいいのです。サミーちゃんは他の犬には反応しないのに、右京にだけは愛情を示すそうです。右京は女の子ならたいてい好きみたいですね(笑)。

夕飯は湯豆腐。夜の薬を飲んだらまた眠くなってしまって日記を書いている途中で寝てしまいました。今23時半です。いつもは21~22時には日記を書き上げておきたいと心がけています。なかなかうまくいかない日もありますけどね。

そんな感じで今に至りあん。 ←これ、流行らないかな(笑)
今後の予定は風呂入って勉強します。睡眠はたっぷりとったので少し少なくてもいいでしょう。勉強が全然進んでいませんもの。今は1冊目の問題集の前半部分の復習をしただけです。

明日の予定は1冊目の後半部分の復習です。そうするとちょうど予定通りになります。しかし前半、今日カードをチェックしてみたら全然覚えていません。漢字よりも覚えるのに苦戦しそうです。こういうときこそカードです。とりあえず1冊目を完璧に仕上げます。

それでは、お風邪などをひかれませんように。

今日のお言葉
うつは心の風邪だという医者もいますが、冗談じゃない。
そんなに簡単に治るものではありません。事態は深刻です。
(まったり)

シナリオ13「おじさん」


○ 最終電車の中(夜)
   社内は座れない人がいるほど込んでい  
   る。
   松田祐介(45)がネクタイをゆるめ、 
   くたびれた様子で吊革につかまりなが 
   ら眠っている。
車内アナウンス「次は終点のコウノトリー、
コウノトリです。どなた様もお忘れ物のな
いようお願いいたします。」
  電車が停止し、人々がぞろぞろと電車  
  を降りていく。祐介は眠ったままでい
  る。車掌に起こされてやっと目を覚ま
  す。
祐介「はあー、いつの間にか終点だ。毎日毎
日小須田部長に怒られて、終電で帰るなんて人生
は嫌だねえ」

○ 翌日の最終電車(夜)
   いつものように祐介が眠りこけている。
   終点に着くと人々はぞろぞろと電車を 
   降り、祐介だけが取り残される。車掌
   は見回りに来ず、電車は祐介を乗せた
   まま走り出す。電車は明るい野原に停
   車する。祐介がやっと目を醒ます。
祐介「な、なんだーここは!」
車内アナウンス「最終終着駅、星のかけらー」
祐介「星のかけらなんて駅はきいたことがな
いぞ」
   祐介は電車をおそるおそる降りる。足
   下には光る物体が敷き詰められている。
   祐介はその一つを手にとってよくよく
   眺める。
祐介「これは、まさしく星のかけらなんじゃ
ないか?」
車掌「そうです。おみやげにひとつもって帰
ってはいかがですかな」
   そういって車掌が星のかけらを一つて
   にとって祐介のスーツのポケットに入
   れる。

○ 満員電車の中(朝)
   寝ていた祐介が目を醒ます。
祐介「な、なんでいつの間にか通勤電車の中
なんだっ。昨日の夢といい、今朝のこの様
といい、もう訳がわからんぞ」

○ 祐介の職場
   小須田部長(55)が祐介に嬉しそう  
   に近づく。
小須田部長「松田くん、今日のプレゼンテーションは素晴らしかったよ。君にあんな才能があ
るなんて。やればできるじゃないか」
祐介「は、はあ」
   祐介は首を傾げる。
祐介「おかしいなあ、いつもと同じことをし
ただけなのに」
  スーツのポケットがにわかに光を放つ。
  祐介はポケットの中を覗く。中には星
  のかけらが入っている。
祐介「昨日見たのは夢じゃなかったんだ!  
もしかして小須田部長に褒められたのもこのかけ
らのおかげ?」
   祐介のつぶやきに反応するようにかけ 
   らが光る。
祐介「このかけらさえあれば仕事がどんどん
できるようになるんだ。よし、今日も星の
かけら駅に行くぞ!」

○ 星のかけら駅(夜)
   車掌がどこからともなく祐介に歩み寄
   る。
車掌「今日もいらっしゃいましたか」
祐介「車掌さん、この星のかけらの威力がす
ごいんですよ。今日はいっぱいもらってい
っていいですか?」
車掌「もちろんですとも。この駅はあなたの
ようなうだつの上がらない人のためにある
のですから」
祐介「うだつの上がらない、か。こりゃ手厳
しいですな」
   そういいつつも祐介は嬉しげに笑って
いる。
祐介「これさえあれば明日あたりには課長補
佐くらいにはなれるかな」

○ 祐介の勤める会社内(朝)
   社員がよってたかって掲示板を見つめ
  ている。
社員A「あの松田が部長に大抜擢だってよ」
社員B「冴えないやつだったのに、最近めき
めき実力を付けていたからなあ」
小須田部長「松田くん、昇進おめでとう。い
や、これからは松田さんとお呼びしないと 
いかんかな」
   祐介、ニヤニヤして
祐介「私も小須田さんとお呼びしてよろしい 
のですね?」
小須田部長「もちろんだ。最近の君の仕事っ
 ぷりは素晴らしいよ」

エッセイ46「ミニチョコサンデーアゲイン」

今日も朝三時に目がさめた。それ以上眠れないのでやはりデニーズへ。今はこういう睡眠パターンになってしまっているらしい。
今日は昨日やおとといほどの収穫はなかった。さすがに三日連続だと飽きてくるのか、原稿の方もどうでもよくなってくる。というか自分のパソコンに向かってワードを使わないといくらレポート用紙に手書きで書いても無駄になる(ちなみにこれはまんが図書館のパソコンです)。
本もあらかた読んでしまったし、クロスワードをやるのもなんだか無意味な気がして、ちょっと無気力になってボーっとしたりした。そのうちやっぱりやるかという感じになってクロスワードをはじめた。ここ一週間で三冊くらいクロスワードの本を解いている。
一○時にならないと本屋が開かないのでそれまで時間をつぶして本屋へ向かう。原稿のための資料はもういいことにして、小説の書き方の本とクロスワードの本を買った。明日もどうせ三時に目がさめることだろうから時間つぶしのための本をたっぷり二時間かけて選んだ。小説は何を読んだらいいのかわからないし、どうしても僕も場合ハウツーものになってしまう。買ったのは普通の小説の書き方の本ではなく、小説をなめてかかっている本。面白そうなので買ってみた。クロスワードもいいかげんどうでもよくなっているのですが、読み物だけしかないと五時間つぶすのはきついので能動的に作業できるものを、という理由でやりやすそうなものを選んだ。友人の家に戻ってまた泥のように眠る。そして友人が友達の誕生会に出かけるということだったので、僕はこうしてまんが図書館に来ているというわけです。
明日も三時に目がさめちゃうんだろうなあ。そしてまたミニチョコサンデーを食べつつ、本を読んだり、クロスワードを解いたりするんだろうなあ。まあそれはそれで充実しているような気がしないでもない。しかし友人のうちにきても睡眠サイクルが狂っているのは困ったものです。

今日の日記「やること多すぎ」

こんばんも。
フィジカルが不元気です。

今日のニュース。
大塚愛“仕切り直し”学園祭ツアー
 歌手の大塚愛(22)が30日、東京・世田谷の日大文理学部百周年記念館で学園祭ライブを行った。(スポーツ報知)

暗い話題は避けましょう。大塚愛、なにかネガティブなことでもあったんですか? 「Love punch」、ちょっと前まで車の中で毎日聴いていました。

♪ページを開くともう 2年経つなあって なんだか実感するね なんだか照れたりするね そういやひどいこともされたし ひどいこともゆったしー 思いがいっぱい詰まった 甘い甘いもの・で・す(イェイ!)

イェイ! 今日の自分。
また4時おきです。なぜだかわかりません。とにかく起きてからすぐ勉強をはじめる。中世まで暗記したところで書店が開く時間になる。車で30分かけて大きな書店へ行く。何しにいったかって? 司法書士のカード本というのが気になって、自分で確かめにいったのです。

このオトコ、オカシイですよね。いつ司法書士を受けることになったんだっていう。でもカード式の本は見つかりませんでした。他の本に「司法書士は早くても2年から4年かかる大変難しい試験である」と書いてあったので熱は冷めました。2年もモチベ続きません。能力もありません。

近くにあった行政書士のカード本が気になる。1冊で660枚だったかな? 漢検の時には2500枚くらいカードを作りましたから、それほど大きな数字ではありません。買おうかどうか悩む。頭を冷やすために地下の自販機でジュースを買って飲む。もう一度書店へ。

行政書士は年1回、10月の試験が終わったばかりなので今買ってもやらない、受けるかどうかすら決めていない。使わなくても置いておくだけで安心する本というのは確かにある。日本史の書き込みノートしかり、1問1答集しかり。表紙を見るだけでワクワクするものです。変態ですね。

でもこれ以上不要な本はいらない。買わないことを決めて帰ってきました。駐車料金320円。くやしー。コンチクショウ。

昼食はリトルマーメイド(パン)。午後は図書館へ行く。文学賞の募集要項をコピーしてきたかったのです。今日群像の締め切り日でした。1カ月に出品してあります。初めて書いた250枚の中編。まあ記念受験です。

11月はオール読物と小説推理新人賞にエントリーします。12月は小説現代です。しかし図書館にあったのは小説現代だけ。それも去年のもの。一応コピーしてきました。どうしよう、適当に原稿送っちゃうかなあと思っていたら思いつきました。

公募ガイドがあるじゃないか! しばらく買っていなかったので存在を忘れていました。書店で立ち読みしてみる。3つの賞すべての募集要項が載っている。財布の中を覗いてみる。500円玉と千円札1枚。一方公募ガイドは550円。お札を崩すのはうーん、コンチクショウ! もしかしたら入賞するかもしれないと思って買いました。

うちに帰る。昨日からのどが痛くてせきが出るので風邪かもしれないと思って薬を飲む。寝ている間に母が右京散歩をすませてくれました。夕飯は肉野菜炒めと煮かぼちゃ。皿洗いして熱をはかってみたらバッチリ36.2度でした。

そんなこんなで今に至りけり(感嘆の助動詞)。まだ体がだるいですねえ。のどの痛みはひきました。やるなコンタック。公募ガイドを久しぶりに見て文学賞ラッシュであることに気づきました。今日締切が群像と朝日。12月までに上述の3つの賞があって、大晦日に文學界がある。出したかったな。

3月31日にはすばる、小説すばる、文藝賞(綿矢りさを輩出)、新潮新人賞・・・。出すところがいっぱいあります。歴検なんてやっている場合なのか? でもいいんです。教材も揃えたし、勉強は始まっています。12月12日までは歴検をやるんです。文學界は年2回あるし。

歴検が終わったらパステルを描きつつ、翻訳の勉強をします。正直、翻訳講座は失敗だったかなと思っています。英語を訳す必要ないし、翻訳ソフトの精度もよくわかったし。翻訳を早めに終わらせて3月31日の新人賞に向けて書きたいです。

小説書きがメインなはずなのになんでこんなにいろいろ資格試験をやっているかというと、今年の夏までは小説を書いていたんです。ところがとたんにそれが嫌になった。なにか知識を詰め込みたい、暗記したいって思い始めたのです。それで漢検。ついでに歴検(笑)。工業英検は受けないでしょう。また小説を書きたいです。

そんなところでしょうか。今後の予定は賞の原稿の印刷です。印刷したり、穴を開けたり、ひもで綴じたり、梗概を書いたり、宛名書いたり、封筒に入れて封をしたり。なんてことのない単純作業ですがけっこう時間を食うんです。3つもありますからね。しかも今日は体調が悪い。早めにすませて休みたいです。

明日の予定はそれらが済んでいたら歴検の勉強をします。
月曜日ですね。嫌ですね。ガムとタブレットでストレス解消しましょう。

今日のお言葉
やりたいこと多くて鼻血出る。
(まったり)

シナリオ12「万年筆」

○ 靖二の家、座敷の部屋
   中野靖二(59)が病床で横になって
   いる。中野健(24)と中野澄子(5
   9)が靖二の枕元に沈痛な面もちで座
   っている。
靖二「その万年筆、使えるようにしてくれな
いか」
  健が一生懸命、取扱説明書を読んでい
  る。
靖二「会社で退職記念にもらったんだ。いい
品だろう」
   高級そうな万年筆に会社のマークが刻
   まれている。
健「これでいいんじゃないかな」
   健が苦心の末、万年筆にインクを入れ
   終える。
   その日を境に靖二は意識障害を起こし、
   家族とコミュニケーションがとれなく
   なる。
靖二「おい、あれを見ろ、映画だぞ」
   靖二の指さすその先にはただの壁があ
   るだけである。靖二には何かが見えた
   が、家族には何も見えない。靖二の病 
   状はみるみる悪化していく。とうとう
   自宅での看護ができなくなり、癌セン
   ターのホスピスで死を待つことになる。

○ホスピス
   病気が長期化すると思って、健は近く
   のバッティングセンターの回数券を買
   う。しかし、その一ヶ月後、靖二はあ
   っさりと息を引き取ってしまう。

○ホスピスから帰宅する車の中
   中野洋志(27)が運転する車の中で、
   健が言葉少なげに座っている。
健「一年くらいかかると思っていたからさ
あ、バッティングセンターの回数券、余っ
ちゃった」
洋志「俺もそう思ってたよ。あっけないもん
だな」

○靖二の家、仏間
   葬式も終わり、仏壇に靖二の位牌がお
   かれている。骨壺が仏壇の前に置かれ
   たままになっている。
洋志「母ちゃん、お骨、どうしようか」
澄子「また公営墓地の抽選、はずれちゃった
からねえ」
健「別に急ぐもんじゃないし、当たるまで毎
年応募したらいいんじゃない?」
   仏壇には数ヶ月前に見た万年筆が供え
   られている。
健「お父さんが生きていたらこの万年筆で何
を書いただろうね」
澄子「あの人は文章を書くのが上手だったか
ら、会社の月報でコラムを書くことを頼ま
れていたんじゃないのかねえ」
健「僕、あれ欲しいな」
洋志「父ちゃんの記念品だもん。父ちゃんに
あげなよ」
   健、仏壇の方を見やりつつ、
健「それもそうだね。お父さんが三十何年も
働いてきた記念品だもんね」
澄子「退職金はほとんどお世話になった親戚
に配っちゃって、うちには残ってないんだ
から」
健「生まれてからずっとどなられっ放しだっ
たのに、その成果が万年筆一本なんて、何
だか空しいね」
澄子「お父さんを許してやりなさいよ。あん
 たたちのために教育していたんだからね」

エッセイ45「ミニチョコサンデー」

旅行先で朝三時ころ目がさめてしまう。眠れないし仕方がないのでデニーズへ行って本を読んだりクロスワードをやったりした。デニーズで必ず頼むのがミニチョコサンデーとミルクティー。最近甘いものがとてもおいしく食べられるようになって食に対する選択肢が増えた。体重も増えた。
読んだ本はひきこもり関係の本と森田療法の本。太田出版にひきこもり関係の原稿を書いて送ったら好印象だった。文章がうまいとか前半はとてもよく書けているとか言われた。ただ後半のひきこもりからの脱出方法についての記述がインパクトが弱いとのこと。そこを補強してとりあえず目次だけでも送ってくれといわれた。これってもしかしてかなり好感触なんじゃないのでしょうか? 太田出版から本が出せるかも! でも補強がめんどくさかったのでとりあえず現状の原稿をポット出版という中小出版社へ送った。原稿の持込先のポイントは中小出版社だということを読んだ。大手では社内で企画を立ててしまうために持ち込み原稿は受け付けないらしい。そこで僕は原稿を受け付けてくれそうな中小出版社を五つピックアップした。で、今のところ二社に持ち込んでいる状態というわけです。
太田出版のいう「後半の補強」ということをやる気になってきたのでデニーズでそのための資料を読んでいるというわけです。三冊用意したのですがどれもあまり役に立たない感じ。結局朝の五時から一○時まで本を読んだりしてすごしました。その後友人の家へ戻り泥のように眠りました。

今日の日記「カードの魔力」

こんばんも!
まあまあだ。あなたもまあまあですか?

今日のニュース。
犬が救急電話、飼い主救う 米CNN報道
 【ロサンゼルス29日共同】米CNNテレビは29日、米西海岸ワシントン州リッチランドで今年9月、急病で倒れた女性(45)の飼い犬が911番(日本の119番)に電話し、救急隊員を呼んで飼い主を救っていたことが分かったと報じた。(共同通信)

まあ、どうしたらこんな賢い犬になるんでしょ。足で受話器を取って、足で911とプッシュして、わんわん吠えたのでしょうか。犬の知能は人間の3歳児程度だといられているのに。3歳児は電話をかけられませんよね。

はー、それに比べてうちの右京ときたら・・・って比べちゃいけません。右京は右京です。今日夕飯はそば屋に食べにいったのですが、僕と母が外出している間は緊張して水も飲めません。ふたりが帰ったことを確認すると安心して水を飲みます。超小心者です。そんなところがかわいいんですけどね。

今日の自分。
4時おきです。なぜか目覚めました。そしていきなり勉強をはじめました。9時くらいまで。おかげで問題集の1冊目が終わりました。まだ復習をしっかりしなければならないのですが。

今はカードに問と答えを書いて1問1答形式にしているのですが、どうも効率が悪い気がします。『司法試験機械的合格法』にも「ノートやカードを作ることはなるべくしない方がいい。自分で作るよりよくできたものが売られているからそれを買ったほうが早い」との記述があります。

そこでアマゾンで「司法試験」「択一」「カード」で検索をかけてみます。司法試験ではそんな商品はありませんでした。司法書士ならあるみたいです。もちろん歴検にそんな教材は売られていません。

僕はカード学習大好き人間なので(変態ですね)、司法書士のカード学習なら楽しくできるかもしれないと思って書店へ行ってみました。1軒目、本はあるのですが、カードなんてありません。

司法試験の択一過去問集があったので読んでみる。ちょっと、そんじょそこらの択一とは訳が違いますよ。すごい長文を読ませる。そして間違っているものを2つ選べ、とかいう問題です。過去問を買って司法試験は諦めようと思っていましたが、買わずに諦めることができました。

2軒目。ジャスコの中です。とりあえずサーティーワンでアイスを食べてみる。そして書店へ。やはりカード式などという商品はないです。明日大きな書店へ行ってみるかなあ。ていうか司法書士になりたいなんてちっとも思いません。純粋にカードが好きなのです。

旺文社から「ターゲット」という大学受験英単語集が売られています。つい最近それのカード版が売られているのを発見しました。うれしくなって買ってしまいました。TOEICや翻訳をするときにボキャビルはしておいた方がいいだろうとか理由を付けて。翌日大きな書店でそれのワンランク上の商品も買ってしまいました。

使っているかというと、はじめのうちはやっていました。知っている単語はどんどん捨てていってあやふやなものだけを残しました。でもそれ以降やることがいろいろ出てきてしまって手つかずです。

つまりね、何がいいたかったかというと、カード大好きっていうことです(笑)。大学受験の時も入ってからもカードなんて作ったことはありませんでした。小田急線の中(高3の時は祖師ヶ谷大蔵に住んでいた)で学校の行き帰りに駿台の「英文法頻出問題演習」をシコシコやっていたのが懐かしいです。

あの頃は充実していました。大変でしたけどね。今でもたまに駿台の「英頻」や桐原の英頻をやってみたくなります。変態ですね。そんなわけで、カード学習なんてしたことなかったのに、前回の漢検からですね、カードを使いたくなったのは。人間って変なクセがありますね。僕はノートは作ろうと思いません。作っても覚えられそうにないから。

カードなら作ったら半強制的に復習をしっかりやることになります。覚えた問題とそうでないものを分けていって、覚えていないものを集中的に潰すことができます。

話が長くなりましたが、要するに歴検の勉強をするのにカード式で行ってしまっていいのか不安に思っているということです。悩みが平和でいいですね。漢検でのカード学習は大成功でした。効率はよくなかったのかもしれません。でも安心感、満足感、実力を得ることができました。

書店2軒にいったら強烈な睡魔に襲われました。4時おきですもの。昼食をベーカリーで買い、帰って寝ました。次に起きたのは18時半。はあ、結局はこうなるのね。すぐに右京散歩。あと10年、毎日右京散歩に拘束されるのかと思うと恐くなります。人生の浪費ではないのだろうか。

もっと華々しい世界があるのではないか、と。時々そんなことを思ったりします。夕飯は食欲がなかったので簡単なものがいいと思って、鴨せいろを頼みました。

トラちゃん情報。最近かなり寒くなってきたし、もうじき11月になるので電気ヒーターを出してみました。ところがトラちゃん、なぜかヒーターを倒してしまうんですね。安全装置が働いて電源が切れるので危険はないのですが、寒いだろうにと思ってしまいます。去年はそんなコトしなかったんですけどねえ。

そんな感じで今に至りあん。今後の予定はカードの復習です。できれば2冊目の学習に入りたいです。明日の予定も勉強です。うーん、司法書士のカードというのが気になる。大きな書店へ明日行ってみるか、アマゾンで注文して返却するか。カードさえあればなんでも覚えられるような気がしてしまいます。やっぱ変態ですわ。

それでは、お天気はよくないですね。よい週末を。

今日のお言葉
カードってステキ。
(まったり)

シナリオ11「卒業」

   卒業


○レストラン
   落ち着いた大人のレストランに安倍光
   男(と安倍久美子(が向かい会って座
   っている。
   ふたりはコースのディナーを楽しんで
   食べている。
光男「じゃあ、とりあえず三年目の結婚日に
 乾杯」
   久美子、ワインのグラスを持ち上げて、
久美子「かんぱーい」
光男「結婚三周年かあ、そんな実感ないなあ」
久美子「どうして? 短く感じられたってい
 うこと?」
光男「うん。まだ新婚ほやほやって感じ」
久美子「あたしはそんな感じしないなあ。だ
ってつきあい始めてからは五年もあなたと
一緒にいるもん」
   光男、ワインを少しずつ飲みながら、
光男「それもそうかもね。最近仕事が忙しいから時間が経つのが早いんだよね」
久美子「ねえ、あたしの学生時代の友達、最
近子供を産んでる人が多いのよね。あたし
たちはどうするの?」
光男「うーん、難しい問題だなあ。三十歳だ
から年相応ではあるんだけどなあ。子供を
育てるなんて大変なこと、自信ないなあ」
久美子「誰だってそうよ。今まで経験のない
 未知のことだらけなんだから」
光男「どうして人は子供をつくるんだろう。
種を保存するようにDNAにプログラミン
グされていることはわかっているんだけど、
この情報化社会の中でそんなに原始的でい
いのかなあって思うんだよね」
久美子「あなた、子供欲しくないの?」
光男「いや、そういう事じゃないんだけど、
不安なんだよね、人の父親になるってこと
が」
久美子「あたしだってそうよ。むしろあたし
の方が負担が大きいのよ。でも心配なこと
があるの。三十五歳以上で初産だった場合、
ダウン症になる確率が急激に高くなるんで
すって」
光男「そうかあ。ちょっと心配だけど子づく
 り始めてみようか」
久美子「ね、そうしましょ。あたしはやっぱ
り女に産まれてきたからには人生で一度で
も経験したいもの」
光男「受精は夏にしよう。早生まれの子は体
 格的にも不利でかわいそうだから春頃産まれるようにしよう」
○光男たちの家
   光男と久美子が子づくりにいそしんで
   いる。
光男「一か月間、これだけがんばれば受精す
 るだろう」
久美子「あたしが不妊症だったらどうしよ
 う」
光男「僕が種なしって事もあり得るさ。そんなことは杞憂だよ。できなかったらその時考えればいい。今、不妊治療も進んでいるしね」
○光男たちの家
   T三か月後
   久美子が台所で嘔吐している。
光男「どうした、久美子」
久美子「あたし、妊娠したかも。明日産婦人
 科へ行ってみるわ」

○ 光男たちの家
   T次の日(
   光男が仕事から帰ってくる。ただいま、 
   ともいわずに久美子に近寄る。
光男「どうだった?」
久美子「妊娠三か月だって」
   光男、久美子のおなかをさすりながら、
光男「そうかあ、よかったじゃないか、なあ。お祝いのケーキを買ってくるよ」
久美子「そんなに張り切らなくていいわよ」

○ 子宮内
   安倍信一(が子宮内にいる。
   久美子がおなかをさすっている。
   久美子が信一に話しかけている。
久美子「まーだかな。早く産まれて欲しいな」
   信一、無愛想に、
信一「まだかって言われても十月十日ってい
 うでしょ。物事には順序があるんだよ」
   信一が久美子のおなかを内側からけっ
   とばす。
久美子「うふふ。喜んでいるみたいだわ。さ
て、胎教始めなくっちゃ。クラシックがい
いのよねえ」
信一「おいおい、もうクラシックは聞き飽き
たよ。ガンガンにロックをかけてくれよ。
クラシックは聴いていて眠くなるんだ。こ
こいらでお昼寝タイムとするかな」
   信一、子宮の中で丸くなって眠りに就
   く。

○胎教教育所内
   光男と久美子がラマーズ法を学
   んでいる。
久美子「ひっひっひっふー、ねえ、こんな事
 をしていて本当に役に立つのかしら」
光男「みんながやっていて、今も廃れずに根
強くやる人がいるんだから役に立つんだよ。
さあもう一回。ひっひっふー」

○病院
   久美子が検査のために横になっている。
   光男が久美子のもとにやってく
   る。
光男「なあ、赤ちゃんの名前なんだけどさ、
男の子だったら信一、女の子だったら香音
っていう名前がいいんじゃないかって。有
名な占い師に姓名判断してもらったんだ」
   久美子、髪をかき上げながら、
久美子「香音って素敵ね。女の子がいいかし
 ら」
信一「おい、俺はもう男って決まっているん
だ。なんだ信一って。ありふれた名前だな。
もっとかっこいい名前を付けてくれよ」
久美子「うふふ。おなかの中で動いてる。喜
 んでいるのかしら」

○病院
   診察室で横たわる久美子のもとに光男
   がやってくる。
光男「今これ、何やっているんだ?」
   久美子、光男の方を向いて、
久美子「おなかの中の赤ちゃんをスキャンし
ているの。これで男の子か女の子かがわか
るのよ」
   医師がカルテをもってふたりのところ
   へやってくる。
医師「順調ですよ。赤ちゃんの性別、わかり
ますけどどうします? 産まれてからのお
楽しみっていう方法もありますよ」
   光男と久美子が顔を見合わす。
久美子「どうする? 産まれてからのお楽し
 みっていうのも面白いわね」
光男「ベビーグッズなんかは産まれてから買
 い揃えてもいいし、お楽しみにしようか」
   信一、怒りの表情を露わにして、
信一「おい、おみくじじゃないんだぞ。人の
 人生を弄ぶな!」
   信一、久美子のおなかを思い切りけと
   ばす。
   久美子、苦痛の表情で、
久美子「いったーい。この子本気でおなかを
蹴ったわ」
光男「元気でいいじゃないか。どんな子が産
 まれてきても元気なのが一番だからね」
久美子「それにしてもこの子のキック力すご
いわ。将来サッカー選手にでもなりたいの
かしら」
光男「羊水の中だからね、水泳のバタフライ
 の選手になるかもよ」

○光男たちの家
   久美子が腹痛で苦しんでいる。
久美子「あなた、ものすごく痛いの。産まれ
 るのかも」
光男「よし、すぐ病院へ行こう」

○病院
   久美子が冷や汗をかいている。
   光男が久美子の手を握りしめている。
久美子「いたーい! 産まれるー!」
   光男が信一を抱きかかえて、
光男「久美子、産まれたよ。元気な赤ちゃん
だ。おちんちんがついているぞ。元気な男
の子だ」
久美子「そう、よかった。ああ辛かったわ。
 もう子供は産みたくないわ」
信一「おぎゃあ(俺だってあんな苦しい思い
 はしたくないよ)」
   看護婦、信一に向かって微笑んで、
看護婦「まあよく泣く子だこと。おしゃべり
 さんなのね」
   信一、泣きやまない。
信一「これが外の世界かあ。さすがに子宮内
とは別世界だな。子宮での生活も悪くはな
かったけど、やっぱり外が一番だ。よーし、
これからどんどん成長して、ビル・ゲイツ
並に出世してやろうじゃないか。子宮での
生活は楽しかったけど、もうこれで終わり
だ。父ちゃん、母ちゃん、今までありがと
う。そしてこれからもよろしくな。それか
らへその緒はきちんと保管しておいてくれ
よ。俺が子宮の中での生活を卒業した証な
んだから」
   光男、信一を抱きかかえながら、
光男「うーん、顔は久美子似で美男子だ。よ
く泣くのは俺のおしゃべりを受け継いでい
るのかな。」
久美子「名前、信一だったわよね。がんばって産まれてきておめでとう。これから人生で辛いこともいっぱいあるだろうけどがんばってね。応援するよ」