このあいだ電車に乗り、すわって漫画を読んでいたら
横に白髪でぽっちゃりのおじさんが座ってきました。
私はイヤフォンで音楽を聴いていたのですが、
それでも聞こえるほどの声でそのおじさんは何かつぶやいていました。
たぶん「アァー」とか「オゥ」とかそんな言葉を発していたように思います。
私は
あ~なんかへんな人きたな~と少しおもいつつ、漫画を読み続けました。
すこし時間がたってから隣をチラりと見ると、
そのおじさんはなんとあいうえお表を見ている!!
あぁ!!よく見たら外国人だ!!
インターネットのページを印刷したあいうえお表、
さ
sa
みたいにひらがなの下にアルファベットがかかれているものを
裏と表ひっくり返しながら必死に覚えているではないですか!!
紙の余白にはボールペンで逆さまに書かれた「ひ」なんかがあったりして、
もうこの時点でこのおじさんへの応援がはじまりましたよ。
まぁ相変わらず何やらつぶやいていたので変な人だなとは思っていましたが。
裏面には
「ぱ」「ぎ」「ゃ」とか特殊な音が、
表面には
あ行からた行くらいまでが載っていました。
いやいや、その2面だけじゃなくてもっと他のひらがなのも見ようよなんて思ったけれど
もしかしたらその2面がおじさんの超苦手分野で、この後の試験のために集中暗記しているのかも!
なんて考えながらおじさんの見る紙をみているとですね、
表面のななめ上の余白に、これまたボールペンのつたない字で
やすこ
yasuko
と、書いてあったんです!!!
わたしはそれを見た瞬間もう大興奮です。
おじさん、好きな人の名前書くためにひらがな覚えてるんやん!!
やすこって、
恋人かな?妻かな?はたまた片思い中のあいてかな?
もう脳内大騒ぎです。
何が良いってこの、
やすこという30代後半から40代を彷彿させる名前ですね。
おじさんの恋愛対象であろう年齢とマッチするわけですよ。
このリアルさがより想像を膨らまします。
あまりにリアルなので、
もしかすると、恋人でもなんでもなくて
ただ国際交流が趣味のおばさんが「外国人のための交流会」かなんかで
半強制的に書かせたのではないかなんて想像までしてしまいました。
あいうえお表の説明文をよく見るとフランス語だったので
親近感がわいて話しかけてやすこは誰か聞こうかと思いましたが、
やっぱり相変わらずつぶやいていたのでやめときました。
なのでいつまでも私の中でやすこは自由にそだつのです。

