【中道・小川新代表 自衛隊明記「あり得ないことだとは思っていない」】
こんな「切り取り記事」が有った。小川代表の発言を聞く限り真意は、中道が直ちに憲法九条への自衛隊明記に関して理解を示したのではなく、「そんな意見が有ることにも理解を示したい」程度で有ったのだと思う。また、「九条への自隊明記反対者」に理解してもらえる説得力を・・・、改憲派は、持つべきとも言っていた。しかし、事はそんな状況であろうか?衆議院では自民党が単独で2/3を占め、参議院では与野党逆転とは言え憲法改定派が2/3を占めている状況である。こんな悠長な事を言っている現状では無い。今求められていることは、九条改憲派に対する対立軸を鮮明にする事だ。
私は、今の憲法が完璧だとは思っていない。極論を言えば、第1条から8条までは不要だと思っている。ただ、それが国民の多数を占めるにはかなりの時間が必要であり、私が生きているうちは無理であろうとも思っている。しかし、9条の改定に関しては、その態度をハッキリさせる事に急を要する。中道の態度を早急に表明する必要が有ると云う事だ。もう「そんな考えも有るネー」などと第三者を気取っている暇は無い。
私は時々、憲法9条に自衛隊の明記が不必要で有る事を述べてきたがもう一度言っておきたい。
【2024年5月のブログより一部抜粋】
先ず、憲法とは「国の進む方向」や、ましてや正体不明の「国柄」などと言うものを表明する法律では無い。憲法とは、端的に言えば、「国がやらなければ行けない事と、逆に、やっては行けないことを示した、国家の行動規範」であるということだ。そして、国の定める法律や国家の行動は、この憲法に反しては行けないと云うこと示している。別の言い方をすれば、国民の自由を守るために、国家を縛る規範が憲法であると云うことだ。
但し、国家は、時に国民の生命や財産・自由を守るために、一定の実力を行使することもある。一方、その実力の行使は、この憲法の認める範囲内に限られている。
先ず、「国家しなければならない事」は以下の条文にある。
【日本国憲法】
第十三条 すべて国民は、個人として尊重される。生命、自由及び幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする。
上記の様な国民の要請に応えるために、時に国家が一定の実力を行使することはあるが、以下の条文によって強力な制限も受ける。
【日本国憲法】
第三十一条 何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。
第三十二条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。
第三十三条 何人も、現行犯として逮捕される場合を除いては、権限を有する司法官憲が発し、且つ理由となつてゐる犯罪を明示する令状によらなければ、逮捕されない。
第三十四条 何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与へられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も、正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示されなければならない。
第三十五条 何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、捜索及び押収を受けることのない権利は、第三十三条の場合を除いては、正当な理由に基いて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。
② 捜索又は押収は、権限を有する司法官憲が発する各別の令状により、これを行ふ。
第三十六条 公務員による拷問及び残虐な刑罰は、絶対にこれを禁ずる。
第三十七条 すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。
② 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与へられ、又、公費で自己のために強制的手続により証人を求める権利を有する。
③ 刑事被告人は、いかなる場合にも、資格を有する弁護人を依頼することができる。被告人が自らこれを依頼することができないときは、国でこれを附する。
第三十八条 何人も、自己に不利益な供述を強要されない。
② 強制、拷問若しくは脅迫による自白又は不当に長く抑留若しくは拘禁された後の自白は、これを証拠とすることができない。
③ 何人も、自己に不利益な唯一の証拠が本人の自白である場合には、有罪とされ、又は刑罰を科せられない。
第三十九条 何人も、実行の時に適法であつた行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問はれない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問はれない。
第四十条 何人も、抑留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその補償を求めることができる。
これらの条文の範囲内で国家は、警察権・検察権・裁判権等により公共の秩序維持を図り・・・、更に裁判所では、民事的係争への介入も行う。
一方、この条文に含まれない強力な実力組織が現に存在するのも確かである。それが自衛隊である。自衛隊も憲法13条の要請によって出来た組織である。そして、警察や検察・裁判所と同様に憲法は、この最強の実力組織から国民を保護する役割も担う。その自衛隊への最強の「足枷」が憲法第9条である。何せ、この最強の実力部隊に対して「その実力を戦力として使うな!国際紛争の解決手段として使うな!」と言うのだからこれ以上の「足枷」はないと言って良いであろう。出来る事は、個別的自衛権の範囲無いの実力行使だけである。
【日本国憲法】
第九条 日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動たる戦争と、武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する。
② 前項の目的を達するため、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。国の交戦権は、これを認めない。
今、「改憲勢力」はこの9条に自衛隊の存在を明記しろと言う。全くもって、余計な事だ!憲法には、「国家は武装した警察力を持つことが出来る」などと言う条文は無い。それよりも憲法は、警察や検察・裁判所の実力行使に制限を加える為の多くの条文を持っている。自衛隊に対する憲法のスタンスもこれに倣うべきである。そして、自衛隊は、常に自身の上にある憲法の範囲内でしか存在出来ないことを認識しなければならない。自衛隊の存在や行動が憲法に反していないか?常に監視される立場にあると云うことは、警察や検察などの行政機関と何ら変わることが無いと云うことである。
・・・以上、ほぼ一部引用
憲法に唯一、具体的な組織名として会計監査院の設立が記されている・・・、九十条である。
第九十条 国の収入支出の決算は、すべて毎年会計検査院がこれを検査し、内閣は、次の年度に、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
2 会計検査院の組織及び権限は、法律でこれを定める。
会計監査院は、内閣や国会・裁判所からも独立した「国の唯一の行政機関」である。だから特別に憲法にその存在が銘記してある。自衛隊は、国の機関から独立して存在して欲しくないのは当然である。自衛隊は永久に、憲法に反しない法律の基に存在する組織で有るべきだ。