吉本興業と塾業界の類似性 | 算数ソムリエブログ-中学受験突破のために-

算数ソムリエブログ-中学受験突破のために-

中学受験にまつわるココだけの話

テーマ:

令和元年7月23日現在話題になっている吉本興業に関する一連の報道、芸人や社長の会見を見ていて、私はなぜか懐かしい気持ちになりました。

 
 
なぜかな?と一瞬考えた後、「あーあの時の状況と一緒だからだ…」とすぐにあることを思い出しました。
 
 
それは、「FELIX騒動を起点とした浜学園から大量の優秀な講師陣が次々と抜けていった数年間の事象」さらに遡っては(私はリアルタイムでは知りませんが)「浜学園希学園分裂騒動」です。
 
 
今回の吉本の一連騒動と、非常に酷似しています。
 
 
我々講師は、吉本でいう芸人と同じです。
教壇という舞台に立ち、大勢の生徒たちに分かりやすく面白い授業を提供する職人です。
 
 
浜学園ではある時、経営陣が一新し体制が変わりました。日本生命という塾業界の特殊性を何も知らない保険屋さんの方々が、役員に名を連ね主要ポストに付いていったのです。
 
 
力を持つ講師たちを支配しようと、イニシアチブを得ようと、講師への圧力が強くなっていきます。今回吉本の岡本社長について指摘されているのと同じように、恫喝して恐怖感を与えて支配しようという者もまさにいました。
 
 
今回の吉本芸人たちが口を揃えるのと同じように、当時先輩講師たちも、
 
「会社は講師ファーストじゃなくなった」
 
「こんな体制なら俺は浜を辞める」
 
「自分たちが大好きだった浜学園はどこに行ってしまったんだ…」
 
と口を揃えて言っていました。
 
 
それまでの浜学園は、とにかく講師を大切にしてくれる心温まるアットホームな会社で、まさに家族同然に思ってくれている雰囲気がありました。浜学園のためなら命を削ってでも頑張ろうと、各講師は奮闘していたものです。
 
 
しかしその後残念ながら、FELIXという新しい塾が設立され、多くの優秀な講師陣が浜学園から抜けていきました。その流れは止むことなく、浜学園という会社の体制に不満を持ち次々と独立したり移籍したりして辞めていく講師が後を絶ちませんでした。私もその流れの中では後の方ですが、そのうちの一人かもしれません。
 
 
芸能界では「干される」という言葉があるように、大手芸能事務所を辞めたタレントが突如テレビから姿を消す、というのはSMAP騒動から見ても多くの人が感じていることでしょう。
 
 
なぜ干されるか?それは移籍や独立の動きが他のタレントに波及するのを事務所が恐れるからです。うちを辞めたらこうなるんだ、と他のタレントに見せしめなければならないわけです。
 
私も独立した直後、相当な嫌がらせにあいました。開塾したビルの前でネガティブキャンペーンをされたり、私の周囲に不穏な情報、嘘の情報を流したり。
 
独立した者が成功する、という前例を浜学園としては作るわけにいかないわけです。
 
 
こういったことは、芸能事務所や塾業界に限らずその他企業においても、組織が大きくなるにつれて必ず生じる諸問題の一つで、自然の摂理なのだと思います。しかし、昭和平成時代と令和時代との大きな相違点は、youtubeやtwitterなどインターネット上で配信する、という個人個人が発信できるメディアを得ていること。それが故に、このような裏事情が世の明るみに出るようになりました。かつては''裏''だった事情を、''表''にひっくり返す力を個々が得たわけです。(今回の吉本の一件でいうと、芸人が自前の記者会見を開き、それを全国に流すという手段を得た)
 
 
ただ、皮肉なことに私は、外に出て独立し小さいながらも新たな組織を作っていく中で、今回の吉本の一件に関しても一概に会社側にばかり問題があるとは思いません。芸人サイド支持というわけではなく、どちらにも問題があるように感じています。
 
 

会社の役割
社員スタッフの役割
芸人の役割

それぞれが色んな役割を担いながら組織は成り立っています。

組織の大きさの最大化を目指しそれを維持するためには、それぞれが役割を自覚し演じること無しに発展はありえません。

 

 

今回の件に関して言えば、主要な人物が誰一人としてその”役割”を演じれていないことに問題があるのではないかと思います。

 

 

社長の会見を見ても、社長としてのあるべき姿は見受けられません。芸人の会見を見ても、「子供が謝りたいと言っているのにその場を用意しようとしない親はおかしいんじゃないか」 という発言がありましたが、少し幼稚で、社会人としてはおかしな発言です。一度ついた嘘をひっくり返す会見を開くことが、どれだけ会社にとってリスクのあることなのかを全く理解していないようです。一連事情説明含め、当然会社としては慎重になります。

 


フィクサー的存在として立ち回るダウンタウン松本人志さんも、尽力してるとは感じますが、実際は上手く役割を担いきれていない一人ではないでしょうか。松本さんの場合は大物であるが故に求められるハードルが高いのですが、現会長、現社長との癒着感は拭えません。

 
 
浜学園の講師離脱騒動も、今回の吉本騒動も、誰が悪いかという犯人捜しをしたくなりがちですが、こういったことは、組織の成長過程の中で避けて通れない必ず生じる自然現象なのだと思います。これから、解決に向けて色々な動きがあると思いますが、今までには無かった、『個々が自由に発信するメディア』を得た『新時代』としての解決策が、一体どのようなものなのか、今後しばらく注視していきたいと思います。
 
 
 
■■算数ソムリエ■■