土曜日の岩菅山は久しぶりに単独での山スキーとなった。
普段は地獄メンバーとハードな山行にチャレンジし続けているが、たまには指向を変えてみるのも気分転換になって良いと思った。
「単独行は危険なのでやめましょう」
登山では一般的によく使われる言葉である。
本当にそうなのか?
ある意味正しいが、ある意味誤解を与える表現だと思っている。
まずは単独行とパーティー登山のメリット、デメリットを整理してみたい。
◆単独行のメリット
- 自分のペースで歩ける
- 計画変更がしやすい
- 同行者に気を使わなくてよい
- 撤退の判断がしやすい
- 他人に頼れないため主体的、保守的に行動できる
- 本当の意味で山と向き合える
- パーティー登山より達成感が強い
◆単独行のデメリット
- いざという時に助けてもらえない
- 共同装備を分担することができない
- 車2台を使った縦走がしづらい
- 他人から技術や知識を学ぶことができない
- 話し相手がいないのでちょっと寂しい
- 交通費を折半できない
◆パーティー登山のメリット
- ワイワイ会話できるので楽しい
- いざという時に助け合える
- 他人から知識や技術を学べる
- 共同装備を分担することで荷物が軽くなる
- 車の乗り合い等で交通費を節約できる
- 車2台を使った縦走計画が立てやすい
- 新しいルート等にチャレンジしやすい
◆パーティー登山のデメリット
- 撤退の判断がしづらい(メンバーに遠慮しがち)
- 自分のペースで歩けない
- 足を引っ張ったり、引っ張られるリスクがある
- 直前の計画変更等が柔軟にできない
- 山に集中できないことがある
- 周りの人に気を遣う
- 他人を頼って準備を怠ったり頭を使わないことがある(緊張感が薄れる)
このように、単独行、パーティー登山共にメリットとデメリットがあるので一概に「単独行はダメ」とは言い切れない。
特に重要なポイントがパーティー登山のデメリットの最後に記載した「他人を頼って準備を怠ったり頭を使わないことがある」という部分だ。
単独なら人に頼れないので準備を万全に整えてGPSや地図なんかもこまめに確認しながら慎重に行動するはずだが、パーティー登山故にどこか他人に頼ってしまいがちだ。
つまり、「単独行は危険なのでやめましょう」という言葉の裏には「個人個人がやるべきことをしっかりやった上であればパーティー登山の方が安全です」という解釈なのだと考えている。
逆に、「パーティー登山だから安全だ」と安易に考えてしまうこと自体が危険なことで、それなら自律した単独行の方がはるかに安全だと思う。
単独行は単独行なりの、パーティー登山ならパーティー登山なりのリスク管理が必要なんだと思う。
単独行は単独行なりのメリットがある。