この頃は、ことのほか月日が経つのが早く感じられてしかたがありません。
「光陰矢のごとし」と似た意味で、英語では “Time and tide wait          for no man.”などと言うそうですが、そんなものではありません。SFではないですが、まるでワープでもするような感じさえするくらいです。

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                              WHITE WATSON F10 / HOLBEIN

 今からほぼ1ヶ月前、南魚沼市の池田記念美術館の池で写生をしました。まだあたり一面白の世界で、池はごくゆっくりとした水の動きのために、雪や水が不思議な模様をつくりながら凍っていました。
  ここからわずか数キロ先に1800mもそそり立つ、越後駒ケ岳と中ノ岳などはまだ真っ白です。少しずつ雪どけは始まっているのでしょうが、何日かおきに雪が降っているらしく、いつも真っ白に神々しいばかりです。

数日前美術館に行ってみると、山のほかにはすでに白いものはほとんど見当たらず、道端のオオイヌノフグリやタンポポのまわりなどにはシロチョウが舞い、高曇りの空ではヒバリがのどかにさえずっていました。わずか1ヶ月でこの変化!歌舞伎の回り舞台ではないですが、季節の移ろう早さにあらためて驚いてしまいました。

山の残雪の白い部分が、これから急ピッチで少なくなっていきます。新緑と残雪のコントラストを絵に描きとめるのに、忙しくも楽しい季節がやってきました。





 
 魚沼市の「下倉山」(標高322m)。魚沼市の中心地小出の市街地から北へわずか2キロ、高くもないのにその険しくどっしりとした山容はなかなかの存在感があります。街の方を向く山の南側は、日当たりがよく早く雪が落ちるため、春の到来を最も早く知らせてくれる山です。

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                             JR小出駅裏にて  WHITE WATSON 2  C.W&N
 
この小出の小盆地の南方面には、百名山の一つ越後駒ケ岳など2000m級の上越国境の脊梁山脈がそびえ、北側は城壁のように小出を守るような趣のあるこの下倉山は、昔から人々に親しまれてきました。


戦国時代には、この地形の険しさから、交通の要衝を守る山城が戦国武将長尾氏によって築かれたといわれ、「下倉城跡」として新潟県の指定文化財ともなっています。


標高的には普通の里山ですが、あまりに険しいことから登山道は上まではありません。さりとて積雪期といっても雪がつきにくく危険なため、登る人はほとんどいないようです。    
 何回か安全な裏側から地図とGPSを頼りに登ったことがありますが、途中からは道も消え、どこが何だかわからないような藪となり、まるで「夏草や兵どもが夢の跡」の雰囲気でした。
                    




 
先日、ご近所への迷惑を考えて、庭でのびのびと大きくなった樹齢4~50年のミズナラの木を、木こりの仕事が好きな知人に頼んで、根元から切り倒してもらいました。


もったいない、本当にいいのかなどと言いながら見事な手際で作業が進みました。そして、撒きストーブやキノコのほだ木にいいなどと言う人がトラックで運び出し、あの大きな木はあっけなく片付いてしまいました。

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 次は二階の屋根ぐらいになってしまったモクレンをと準備をしていると、チェーンソウが故障。間もなく咲き出すモクレン、最後の花が楽しめそうです。記念に低い小枝の様子をスケッチ(右図)してみました。
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 以前からどうもモクレン、コブシ、タムシバと いずれもモクレン科ということもあり、つぼみの頃の区別がどうもあやふやになることがありました。以前のスケッチを見比べてみると、もともと観察力と表現力などさらさらない自信がますますなえてきます。
 絵の右端のモクレンはコブシと違って花のすぐ下に葉がないということになっています。でも、小さく固い葉のつぼみがどうもあるようにも見えます。
 コブシは開花直前のころにはすでに小さな葉が1枚開いて見えることから、1枚葉があるかないか、という言い方になったのかな、などと考えているとまたまた混乱してきました。

ずれにしても、間もなく青空を背景にこんもりと咲く木蓮の花をじっくりと観賞して、残念ですがこの木ともお別れしようと思っています。








  
 昨日は用で一日長岡市でした。積雪が全くない長岡では、サクラのつぼみも赤みが差していました。
 魚沼への帰路、次第に積雪が見え、霧も出てきて車の運転にも気を使うほどでした。
 全天雲でおおわれていますから、放射冷却による霧ではありません。積雪の地表付近を上空の暖かい空気が流れて冷やされてできる典型的な「移流霧」でしょう。雪消えのころよく見られる現象です。
 帰宅してデーターを調べてみました。

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 積雪の残る庭の気温は21時で約6℃、上空約1500mでは何と9℃。完全に気温が逆転しています。

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 雪の冷却効果がいかに大きいかがわかります。この雪がなくなると、地表付近の気温が一気に上昇、自然界が一挙に躍動を始める春となります。

 3月23日に予想をたてた雪消えの予想日「4月7日」は見事に外れました。あと2,3日でしょうか。(^_^;)















 
 雪消えが進み土が出てきた庭の隅で、今年も野生のアサツキが沢山芽を出してきました。
 栄養価が高く昔から重宝されてきた食草とのことですが、うっかりしていると広がるので油断ができません。 
 
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                                             WATSON F2  / COTMAN W&N
 
 最近は栽培物が多いらしく、ラッキョウのように大きなものを宴会料理などでよく見かけます。でも、球根がまだ育っていない今の時期のほっそりとしたアサツキは、上品でいかにも旬といった雰囲気を感じます。
 あさつきの味噌和え、あさつき納豆などといろいろな食べ方があるようですが、細くもじゃもじゃした毛根を切って洗い、そのまま味噌を付けて食べるのも風味を楽しめます。フキノトウとともに新鮮な春一番の味覚!香りも含めてこの時季の食卓に彩りを添えてくれる食卓の「旬」です。

 

 このみずみずしさを絵に表現する力はとてもありませんが、ただ食べるのがもったいないような気がしてスケッチをしてみました。