自動車の営業マン | 営業は科学だ!  Welcome to the Science of Sales

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3K(勘、経験、気合)で語られる営業ではなく理論的に体系だった手法により、第一線のセールスのスキル向上とともに適切な部下の指導や業績管理を行い会社に貢献できる管理職、経営者の一助となる。

今回は私がお客の立場で経験した営業の例を見てみたいと思います。

昨年私は車を買い換えましたが、その際の経験です。

その前の車は長年乗ってきたので、もうそろそろ乗り換えようといくつかのディーラーを廻りました。
当然最初に行ったのはそれまで乗っていた車のメーカーのディーラーです。これをA社としましょう。
ここの営業は、車の営業で本当によく見かけるタイプです。
最新モデルのエンジンの加速性能や燃費、ステアリングの性能などについて得々と話しだします。

他にもいくつか廻りましたが、ある一つのメーカーのディーラーの営業の話をします。これをB社としましょう。
彼は車の性能の話はせずに、私のライフスタイルについて尋ねました。
私が答えたのは、
  - ドライブ自体がそれほど好きなわけではない
  - 長距離を乗るのは月に1~2回のゴルフくらい
  - 最近は歳のせいか、目がすぐに疲れ、反射神経も鈍ってきたような気がして、時々運転が疲れる
といったところです。
これも私が自分からペラペラしゃべったのではなく、会話の中から彼が探りあてたのです。

そしておもむろに彼が説明を始めたのは、前との適当な車間距離を保ったまま自動的に速度を調整する機能や、前に急に障害物が現れれば自動的にブレーキがかかる機能、斜め後ろに自転車やバイクなどがいることを知らせる機能、制限速度の標識を読み取りスピードメーターに表示する機能など。最近でこそテレビで結構宣伝しているのである程度わかりますが、その時はまったくそのような機能を知らず驚きました。
そして、その他の車の安全性について教えてくれました。

この話で知識を得て、私はA社に戻りました。ブランドとしてはそちらのほうが好みだったからです。
車の安全性能について尋ねてみると、ステアリング機能が良いのでとっさにハンドルを切っても車体がブレないとか、半自動運転ではドライブの楽しみがなくなるとか、私が聞いてきたもう一つのメーカーについてはぶつかった時の安全性は高いがその分車体が重く燃費が悪いとか、の答えでした。

さて、私がどちらを選んだかはもうお判りでしょう。
B社です。

しかし営業マンが異なっていれば違った結果になったかもしれません。
B社の営業は私のライフスタイルを聞き出しながら、自社の製品の特長をどう結びつけるのかを考え出しました。
その結果私にとっての必要な機能は安全性と楽な運転と絞り込み、エンジン性能、ステアリング機能、燃費などを売り込みませんでした。

結果としてどちらが本当によいのかはわかりません。
ただ私がB社の車を買うのに満足したのは確かです。

B社の営業は阻害要因、すなわち「四つの不」を明確に解消してくれました。
また私の購買性向が「信頼できるサプライヤー」を求めていることも察知し、適切なサポートをしてくれています。

次に車を乗り換えるのはいつかわかりませんが、このB社の営業マンがまだいるのであればまず彼に相談に行きたいと思っています。





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